フェルメール
今回の旅行ではフェルメールを2点見ることができました。ひとつは「手紙を書く婦人と召使い」でダブリンのナショナル・ギャラリーにあるもの。これはダブリンに行くたびに見ています。
もうひとつは「マルタとマリアの家のキリスト」でスコットランド・ナショナル・ギャラリー所蔵。これは未見だったのですが、今回エディンバラに行くことが決まった時点でもまったく思い出しませんでした。スコットランド・ナショナル・ギャラリーとエディンバラが結びつかなかったんです。 昔、フェルメールの全作品がどこにあるのかを調べたときに、これと東ベルリンにあるものは一生見られないかもしれないなあと思ったことがあって、その印象だけが残ってしまっていたのかもしれません。その後東西ドイツは統一され、ドレスデンにあるフェルメールは見ることができました。それなのにスコットランドはすっかり頭から抜けてしまっていたんですね。
で、初めての土地に行ったらまずは美術館という習性に従い、エディンバラ・フェスティバルの一環で開催されていたゴーギャン展(単にゴーギャンの作品を並べるだけでのものではなく、「The Vision after the Sermon」を主軸としてブリタニー地方や浮世絵との関わり、同時代の作家から受けた影響などさまざまな面から作品が生まれるに至った過程をみつけだそうとする良質のミステリーを読むような展覧会でした)を見たあとで、常設展示も見ようと別館に向かったのですが、入り口でもらった館内図を見ていたら「主な収録作品」の中にフェルメールの文字が! なんだかとってもうれしかったです。
最初からわかっていて見るのもいいけれど、まったく期待していないところで出会うのは格別のものがありますね。ロンドン郊外のハムステッド(残念ながら当時はショーンに気づいていなかった)に行ったときもそうでした。キーツの住んでいた家にいったらケンウッド・ハウスのリーフレットがあって、ぱらぱらっと見たら出ていたのです。その時点ではもう夕方だったので翌日出直してじっくり見ました。「ギターを弾く女」でした。観光客もほとんどいなくて、ひとり占め状態でした。
ただ、今回の「マルタとマリアの家のキリスト」そのものはフェルメールのごく初期のものですから、見て感動するまではいかなかったのですが。とりあえず見られただけで満足、って感じかな。
ハイランド
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