牧志〜安里



ぱやお


うりずん

那覇市安里3885
098-885-2178
2・4日曜休

本当はガイドブックに載っていた「うりずん」というお店に行きたかったのです。昔風の民家を改造した店で沖縄家庭料理と県内すべての酒造の泡盛が頼めるとあったので、楽しみにしていました。場所は国道330号線(ひめゆり通りという別名がおよそ似つかわしくない、交通量の多い、いわゆる「国道」です)の向こう側で、ちょっと不便な場所まで地図を見ながら行きました。角を曲がり、ガイドブックにあった通りの趣のある店をみつけて「やれやれ」と思ったのもつかの間、店内に人気がありません。店の中央におばあさんがポツンと座っているだけ。

「まだ開いていないのですか?」と恐る恐る聞くと、おばあさん、おろおろしながら「すみませんねえ、きょうは休みなんですよ」。がっくりしていると、「お客さん、おひとりですか? だったら今ご案内しますから・・・他のお客さんと行ったばかりなんです。そのへんに帽子かぶった女の人いませんか?」と聞かれてしまいました。事情がよくわからずに周囲を見回すと、いま入ってきた国道のほうから女性と男性の2人連れが歩いてきました。「あ、よかった。あの人たちが場所を知ってますから、一緒に行ってください」と私に言い、2人連れの女性のほうには「すみませんが、このお客さんも一緒に連れていってもらえますか?」と頼んでいます。わけがわからないままに私も「お願いします」と頭を下げました。

寂れた雰囲気の商店が並ぶ狭い路地を何度か曲がり、連れていかれたのは「ぱやお」という今風のこぎれいな居酒屋。「え? これですか? うりずんじゃないんですか?」と聞くと、その女性も「よくわからないんですが、2号店だと言ってましたから」とあやふやな顔で答えます。まあでも、いまから他の店を探すのも面倒なので入ってしまいました。

三連休の中日とあって、店内は大混雑。かろうじてカウンターの端っこに1席空いていたので、店のお兄さんが伝票やら何やらを片付けて座らせてくれました。こういう点はひとり客は得です。 一度くらいは泡盛も試してみようと1合だけ頼んだのですが、山盛りのアイスバケツをどんっ!と置かれたとたんに失敗したと思いました。この日はとても寒かったんです。しっかり冷やされて出てきた泡盛を氷と水で割って飲みながら、「お茶にすればよかった(-_-)」と後悔しました。

お料理には大満足しました。「うりずん」の売りであるドゥル天(田芋の揚げ物)は予想以上のおいしさでしたし、うにとアボカド、海ぶどうの三杯酢、島らっきょうの浅漬けなど、どれもいい味でした。もっと色々注文したかったのですが、お腹の容量が足りずに断念。ひとり旅はこれが難点です。 帰るときに店のカードと泡盛の小瓶をプレゼントにくれたところから見て、開店したばかりなのでしょうね。「うりずん」だけでは手狭になったのか、若い世代が独立したのか。なんにせよ、おいしいドゥル天が食べられた私は大満足で帰ったのでした。


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