中国茶屋
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ところがこの店、入ってくるお客さんがことごとくコーヒーとトーストを注文するのです。というか、客が「いつものね」と言ってカウンターに座ると、ご夫婦らしい二人のどちらかが「はい、コーヒーとトーストね」と豆を挽き、パンを切り始めるのです。コーヒーは1杯ずつ豆から挽いて淹れていましたがた、トーストのほうはどう見ても普通の厚切りトーストにバターを塗っただけ。時間はといえば夕方の6時です。どうやらこの店、周辺の店のおばちゃん達が軽食をとりにくる場所のようです。金美麗の父親だという近所のお爺さんも来ていました。
さて私は何を?と壁の品書きを見たのですが、コーヒーのほかは人参茶、プーアル茶、さんぴん茶、紅茶だけ。「人参茶って苦いですか?」と聞くと、「甘いです」という予想外の答え。「う〜ん、甘いのは苦手だなあ。甘くないのはないですか?」「人参茶はどれも甘いです」と無愛想なおじさん。横から奥さんのほうが「コーヒーや紅茶だったら甘くないですよ」とフォローしてくれましたが、それも芸がない。「じゃあ、さんぴん茶!」と勢いこんで言う私に奥さんが困ったような顔で「ジャスミンティーですけどいいですか?」と確認してくれます。「え、さんぴん茶ってジャスミンティーのことだったんですか(^^;)? だったらプーアル茶にします」
ようやく注文の決まった私の前に、おじさんがティーマット代わりのタオルを敷いてくれました。出てきたお茶はちゃんと中国茶用の茶器で出てきて、味も濃いめだし、お代わりもくれました。黒砂糖を固めたお菓子も付いています。まあ、500円という値段からしたら当たり前のサービスかもしれません。
この店の横は、地図では「着物市場」となっていますが、実際にはコンクリートで固めた小さなスペースがあり、日よけのパラソルが3つほど、その下に椅子がいくつかあって、ちょっと休憩するのにちょうどいい場所になっていました。このあたりは日常的な衣類を扱っている店が多いせいか観光客も少なく、のんびりできます。トイレも近くにあります。
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