
「最後にもう1回本場のハンバーガーが食べたいなあ」
Wが言ったけど、空港に朝早く行かなくちゃならないからそんな時間はない。
「空港にも食堂やコーヒーハウスがあるから、そこにもあるんじゃないの」となだめて空港に向かった。着いてみたら確かにハンバーガーがメニューにあるスナックがあった。でも、休み時間で売ってくれない。
「え〜っ!SHOHが空港で食べられるって言ったじゃないの」
ぶつぶつぶつぶつとノンストップでグチリ続けるW。
プッツ〜ン!
そこでいきなり私は切れてしまった。
「何でもかんでも私のせいにしないでよ!しょうがないじゃない」
お互いに旅の疲れが重なって、長い期間ずっと一緒にいた間にたまった我慢がはちきれて、ここで一気に爆発。ニューヨーク〜東京間を無言で過ごし、成田についてもさよならも言わずに別れた私たちだった。
「あんな奴とは絶交じゃ!」
と思っていたのは私だけではないだろう。
1週間もしたらお互いに何事もなかったように会っていたけどね。でも、この時の経験で、一緒に旅行しても何から何まで一緒に行動するのはやめよう、という暗黙の了解ができた。
ということで、怖い怖いと脅かされ、行ってる間も怖い怖いと思いながら歩いてきたが、実際にはほとんど怖い思いをしなかったニューヨークだった。でも、だからといって、人に「ニューヨークなんて怖くないわよ」と言う気はない。だって、あれだけ警戒して注意していたからこそ、危ない目に会わなかったんだと思うから。それに、あの緊張感って一種独特の気持ちよさでもあったし・・。 ニューヨークの魅力は、危険と隣り合わせなところなのよね、多分。
さ、次はどこに行くのかなあ。