過去の魂(2007/5)


2007/5/26(Sat)

 ナビが修理から帰ってきました。
 やはりピックアップ不良でした。まぁ、砂埃にまみれた位置に取り付けてましたからね。さもありなん。
 で、取り付けましたよ。予告通り、ナビ付け記録を書きましたので、お暇ならどうぞ。
 「ナビ付け記録(ストリーム編)

2007/5/20(Sun)

 今日は綺麗な青空でした。

 

2007/5/12(Sat)

 2006年5月20日の魂で「明日あたり修理に出そう」などと書いておきながら、結局それから一年近く経った今日、ナビを修理に出したのだった。
 で、購入した店に持って行ったのだが、なにやら訳知り顔の店員がさも当然であるかのように、「ピックアップレンズ交換になると二万五千円ほどかかります」などとと言い放つではないか。「二万五千円ほど」という言い方も妙で、なんとなくだがこのナビが俺の持っている個体と同様の症状で故障修理に出されることが多く、そのほとんどが「ピックアップレンズ交換」となり、「二万五千円ほど」の修理金額であることをこの店員は知っているのではないか。いや、そうに違いない。そうに決まった。
 という訳で、店員の言うところの「二三週間ほどの修理期間」が完了し、ナビが手元に戻ってきた暁には「ナビ付け記録 ストリーム編」をここに掲載することを予告します。
 って、どうでもいい予告だな。

2007/5/8(Tue)

 米国で流通される全ての車には「VINコード」または「VINナンバー」なる17桁の、車両固有の番号(車検証の「車台番号」に相当)が振られているようでして、製造メイカーを始めとして、生産年や製造工場、はたまた車両の仕様、シリアル番号などがコード化されておるわけですな。
 で、うちのビーエムの車検証の「車台番号」をVINをデコードしてくれるサイトで打ち込んでみると、ほぉ、なるほど。うちの子はミュンヘン工場で製造されましたか。などとある意味トリビアな情報を知ることが出来る、と。
 この「VIN」という奴、「ISO 3779」で規定されてまして、言い出しっぺの米国では車両の来歴を追うのに使われたりするらしい。要するに、「盗難車両の照会をしようにも各メイカーが好き勝手に固有番号(フレームナンバー)を発番してっとユニークキーに出来ねぇだろコラ。なんで、全世界統一固有番号のコード仕様を決めてやったから、アメリカで車を売りたきゃこの仕様で固有番号振れや」ってこと。
 多分に米国の強引さを感じさせるエピソードを引き連れたこの仕様、是非は別としてなかなか良く考えられているのだけれど、実際には完全準拠されている訳でもないらしく、「要するに他メイカーのシリアルと被ぶんなきゃ良いんでしょ」的勝手仕様がまかり通っているとのこと。ん〜、政治的な背景が見え隠れすると反発したくなる、って事情はどこの国でも同じなのかもね。

2007/5/5(Sun)

 「GW特別企画」、などとさも一日に数万アクセスもありそうなサイト並みにかなり高飛車な文字列を書き連ねてしまったのだけれど、そんなGWも今日で終わり。
 エスプレッソとタバコで一息つきました。

2007/5/4(Fri)

■GW特別企画 【俺的車列伝】 第四回(2006-2007/05/04現在)

『ホンダ ストリーム iL(RN3)』


 多人数乗車が可能な車は、我が家に於いては必須である。という内容の事を以前に書いたと思うが、つまりはエスティマの代替としてストリームに手を出した、と。
 反抗期を迎えた息子が家族と行動を共にしなくなったために、実は以前ほどには多人数乗車の機会は多くないのだが、それでも家族全員が乗り込むことのできる車を一台は持っておきたかった。ただし、前回のエスティマのネガティブな部分は、条件として盛り込んだ。つまり、居住空間とのトレードオフとして維持費が安く、取りまわしがコンパクトであることを条件に加えて中古車を探したのだった。
 車種の絞込みは、実は非常に簡単であった。百万円前後、5ナンバーサイズ、2Lクラス、七人乗車以上、という条件で探してみると、WISHとストリームばかりがヒットするからだ。
 さて、WISHを買うかストリームを買うか、ひとまず保証が充実しているディーラー系の中古車を当たってみた。
 WISHは、どうも俺の住んでいる地域ではストリームよりも人気が高いらしく、中古車などは右から左へと売れて行くのだそうだ。なので、残っている車両はいずれも条件の悪いものばかりで、事故車、多走行車、などである。
 一方、ストリームはWISHに比べてまだ楽しめた。ただし、ストリームには落とし穴があって、良いなと思うと1.7Lのモデルだったり、色が変だったりするのだ。
 排気量については、初めはあまり気にしていなかったのだけれど、1.7Lと2Lを並べられてしまうと、やはり2Lを選ぶ事になってしまう。また、さすがにこのサイズの車を手洗いすることは滅多に無く、洗車機に突っ込んでしまうが、それでも汚れの目立つ白と濃色は避けたかった。走行距離についても、今回は少し気にしてみた。子供達が金のかかる年齢を迎える訳で、さすがに今回ばかりはもう少し長く乗りたいと思ったからだ。
 という訳で、やはり近所のディーラー系の中古車屋で二台のストリームに候補が絞られ、それは値段と走行距離がほぼ同じで「1.7Lで年式の新しいもの」と「2Lで年式の古いもの」だったのだが、結局は2Lの方を選択したのだった。
 で、契約を済ませてようやく冷静になって初めて、5速ATかつシーケンシャル・シフトが可能なSマチックが搭載されているのは2LのFFだけだったのだと知った。いや、こういうことは今に始まったことではなく、俺の場合、何かを買おうとするときの思慮が普通の人に比べて大きく足りないのである。昔から。なので、エスティマの時は後席にテレビモニターが付いていることを納車時に知ったし、ビーエムのタイアが前後異径であることを知ったのも契約後だった。
 なのでこの時も「あぁ、またやっちまった」とは思ったものの、「ま、結果オーライ」ということで済ませてしまったのであった。
 そんな訳で我が家の駐車場には、シルバーに塗られたストリームがある。ホンダのVTECは軽々と吹け上がり、乾燥重量1.4tのこの車を易々と加速させる。硬めの足回りもコーナーでは粘るセッティングで、なかなか具合がよろしい。七人乗車はさすがに辛いものがあるが、日常的には四人乗車な訳で、そう考えると車内はとてつもなく広々としていて気持が良い。
 購入してからかれこれ一年が経つが、不具合もなく非常に満足している。とはいえ、俺がこの車に乗るのは年に数回程度だが。

『トヨタ ウィンダム 2.5G(MCV21)』


 この車は俺の車ではないのだが、とりあえず現在うちの車庫に収まっているので載せてしまう。
 十年乗ったカムリがさすがに見る影も無くボロくなったため、父親が買い換えた。とはいえ、もちろん現行車ではなく、中古。うちの車達は中古ばかりである。中古ばかりであるが、目的と役割はきちんと果たしている。問題は、ない。
 さて、ウィンダムであるが、良くも悪くもトヨタのセダンである。昔はサイドウィンドウがサッシュレスの4ドアの車を、一律4ドア・ハードトップなどと呼称したが、今はどうなのだろう。「セダン」は車の形を現す言葉だが、「ハードトップ」は車の構造を現す言葉である。しかるに、「ハードトップ」とはそもそもセンターピラーレスの車(センターピラーが無いため、ドアサッシュも無い)をそう呼んだのではなかったか。つまり、剛性的に不利なセンターピラーレスの車がほぼ全滅した昨今、「ハードトップ」という言葉自体が死語なのではないか。という訳なので、サッシュレスなウィンダムを「セダン」にカテゴライズすることに問題はない筈。
 なにが言いたかったんだっけなー。
 そうそう。サッシュレスな車にありがちな傾斜したAピラーとCピラーのせいで、室内は意外と広くない。具体的には、頭上スペースに圧迫感を感じて、カムリと比べるとその差は歴然としている。大衆車として米国でカムリが売れる理由が、なんとなくわかる気がする。
 いや、ウィンダムの話であった。
 自分の車ではないので滅多に乗る機会はないのだが、サスペンションをスポーツモードに設定すると、まぁ、乗っても良いかな、という感じ。ソフトに設定すると、途端に古臭いフワフワと接地感のないだらしのない乗り味となる。まぁ、年寄りがあまり速度も出さずに乗ることを考えれば、それはそれでアリかな、とは思う。
 2.5LのV6エンジンは、これはなかなかトルクフルかつスムースに回るところが良いと感じた。反面、シフトショックの大きいATの出来はあまり良くない。ビーエムに乗ってより明確になったのだが、日本車のATとアクセルは、パワーの出方が唐突な味付けなのだ。必然的にガッと出てキッと止まる走り方になる。これを「キビキビ走る」などと表現される場合があるが、そうかなぁ、と思う。
 全体的にターゲットが不明瞭で中途半端な車のように感じる。ただ、これはあくまでも主観なので、この車に乗っている方の何かを否定しようと言うのではない。さらに、ひょっとしたら個体差によるものなのかも知れない、ということを付け加えておく。

『BMW 320i M-Sports(E46)』


 さて、納車から一ヶ月が過ぎ、すでに二千キロ近くを走行したのだが、トラブルもなく、この車の魅力に益々取り憑かれてしまっている。
 足回りの硬さからくる段差を越えたときの突き上げは小さくないものの、平坦な道では奇跡的なほど滑らかに走る。アクセルのオンオフによるギクシャク感は皆無だし、意識的にそういう操作をしたとしても、それが表出することは決してない。
 Dモードでの発進がダルであることを以前に書いたが、このモードでは2速発進を行っているとの情報を得た。そしてそれは、滑らかな発進のためだと言うのだが、なるほど、道理で。ギクシャクしないことと合わせて考えると、どうもフライホイールが日本車に比べて重いのじゃないか、という感じがする。もちろん、エンジンおよび駆動系からの振動が感じられないほどにバランス良く調律されているという前提条件をクリアしている必要もあるのだが。ブレーキは、踏んだら踏んだだけ効く。
 静粛性は高い。高いのだが、必要な音はちゃんと聞こえる。どういうことかと言うと、例えば小さな音でラジオを鳴らしていてもちゃんと聞き取れるくらい静かなのに、右折待ちなどですぐ横を他車が追い抜いて行くような状況でも、車が後から近づいてくる音は不快なノイズを消し去った状態で驚くほどはっきりと聞こえてくる。これはおそらく、室内に届いて良い音とそうでない音を周波数帯できっちり区別するように設計されているからなのだろう。こういう細かい心遣いはむしろ日本人の方が得意なんじゃないかと思ったりもするのだが。
 全体的な印象を言うと、運転者の認識と車の挙動が絶妙に同期している、ということになるだろうか。ポロのところでも書いたが、乗ってみないとわからない感覚なのである。もちろん、絶対的な速さであるとか、居住性や機能性に特化した車を求める人には向かないが、車を運転するという基本的なことに理念を求める人ならば、間違いなく選択肢とすべき車だと思う。あまり認めたくはないが、多少のプレミアム感を感じることが出来るという点も、捨て難い。
 いずれにせよ、この車は自分にとって唯一無二の存在になりつつある。それが幸せなことなのかどうかは別にして。

2007/5/2(Wed)

■GW特別企画 【俺的車列伝】 第三回(1997-2005)

『トヨタ セリカ SS-III(ST202)』


 個人的に、この車はある意味ターニングポイントであった。
 二人目の子供が産まれた年の暮れに、あれだけ気に入っていたCR-Xを下取りにしてこの車を新車で買った。この車もまたモデル末期に購入を決めたのであり、登場時からずっと乗りたいと思いつつ縁の無かった車だったのだ。
 この車を買う前の年に、父親がカリーナからカムリに乗り換えた。考えてみれば、そもそもカムリはコロナ、カリーナの姉妹車として、また、二代目セリカの4ドア版として登場したのではなかったか。などといかにもなにかありそうな符合について書いてしまったが、単にカムリもセリカもうちから歩いていける距離にあるトヨタカローラ店の取扱車だ、というだけのことなのだが
 さて、この車に関してはあまり多くを語る必要がない。なぜなら、ただひたすらにアルピーヌ・ルノーA110をモチーフにしたという造型に惚れただけであって、事実、エンジンがVVT-i化によってそれまでの180馬力から200馬力へとパワーアップした3S-GEとなり、さらにGT-FOUR専用アイテムだった大型リアスポイラーが装着される最終型が出る、という話はそれまでのモデルを買おうと思って足を運んだディーラーで初めて得た情報だったからだ。
 という訳で、今もまだ現役で嫁が通勤に使っている。数年先に、息子が乗ることになるだろうか。そうなると良いな。

『日産 サニー EXサルーン(FB13)』 ※画像は当時のカタログ。


 いよいよ一人一台の車が必要となり、安い中古車を探すことに。
 ただし、安かろう悪かろうでは全く意味を成さない。ということが、図らずもこの車で証明された。
 日産という会社が衰退していく様は、オートバックス時代にやってくる客の車が圧倒的にトヨタ車で占められていたことによって実感していたし、日産の車はどこか垢抜けていなかった。もちろん、Zであるとかスカイラインなどに代表されるスポーツモデルに限っては別であったが。
 八十年代の中頃、「トラッドサニー」を始めとする直線基調モデルへの移行によってそれまでの古臭さを払拭した日産ではあったが、時期を逸した感は否めなかった。そうして全てのモデルに於いてトヨタ、ホンダの後塵を拝することになったのは記憶に新しいが、さて、何を思ったか今度は日産の車に手を出してみたのだった。
 実際のところ、もうあと十万円も出せば、十倍くらいはまともな車が買えたのだが、パワーウィンドウも集中ドアロックもないサニーを買ってみようと何故か思ってしまったのだなこれが。どうでも良いが、ミッションは4速AT。
 色々と言いたいことはあるが、まぁ辞めておく。車検はそれでも一度通した。四年乗ってやはり出入りしていた会社の社員に捨て値で売り払った。

『トヨタ エスティマ・ルシーダ X ジョイフルキャノピー(TCR20G)』 ※画像は当時のカタログ。


 世間様ではどうも「エスティマ」という車が売れているらしいと聞きつけ、早速ディーラー系の中古車屋へ。
 とりあえずこの車を買った経緯なんかは過去のたましいに書いてあるようなので割愛するとして、Xという最下位グレードにも関わらず、オプションてんこ盛りな車だった。ちなみに、2.4Lのフルタイム4WD車。
 純正カセット+ラジオ+CDチェンジャーとさらに後席頭上にはこれまた純正格納式のテレビモニター。さらにデュアル・エアコンにジョイフルキャノピー(前席手動サンルーフ+後席電動サンルーフ)というメイカーオプション全部載せ的な仕様だった。
 ただ、例に漏れず走行距離は多め。もっとも、ディーラーで三年保証を付けて貰えたんであまり気にならず。後にカロッツェリアのナビを自力で装着し、ステアリングにイタルボランテを奢り、さらにスタッドレス・タイアまで購入してしまうという過保護っぷり。ところが結局この車でスキーに出かけることもなく、なんで4WDを買ったんだか良くわからないことになってしまったのはご愛嬌。いやでも八人フル乗車で人数分の荷物まで収まってしまうという懐の深さには正直驚いた。
 しかし、街乗りで5〜6km/lという燃費はさすがに維持が難しくなってきたのと、発進時にエンジンがストールする症状が頻繁に発生するようになったため、去年遂にその役目を終えた。まぁ、あそこまで使い倒せばきっと成仏してくれたに違いない。

『VOLKSWAGEN POLO(6NAHS)』


 サニーを売り払おうとしていたタイミングで、売り払った先の会社の知り合いが買わないかと持ちかけてきた。ので、購入。初のドイツ車。そして、この車が後のBMW購入に繋がっていく。
 正直に言います。ドイツ車を日本の気候の中で、本国と同じように維持するのには無理があると思います。なので、高温多湿に弱い部分から壊れたり千切れたりします。正直に言います。日本では、ドイツ車は日本車よりも壊れる確立が高いです。そして、補修パーツは国産車のそれよりもかなり高価です。
 とはいえ、走行中にタイミングベルトが切れて(七万キロ走行時)腰上総取替えになった以外の不具合は、荒天時のポイントへの浸水によるプラグ発火不良と、左右パワーウィンドウのレギュレータ破損のみ。エンジンそのものには何も問題は発生せず、ミッションも同様。最終的に十二万キロを走行したが、結局致命的な不具合は発生しなかった。さすがにシートと足回りはヘタってきたが。
 ボディサイズと排気量(このポロは前期型なので、1.6LのSOHC)を考えると、日本車にはライバルとなる車が多数存在しそうなものだが、個人的な感想を言うなら、日本車にはライバルはいない、と言い切ってしまおう。
 それは、アタマで考えてもきっと判りません。実際に自分の車として日常的に使ってみないと、こういう結論には至らないと思います。不満な点は沢山あります。例えばパワーウィンドウのスイッチがセンターコンソールの変な場所についていて使い辛いとか、メーターパネルの中にシフトインジケータがないとか、ラジオの入りが悪いとかアンテナを保護するゴムがすぐにボロボロになるなど…。そういったネガティブな部分は日本車ならばほぼ皆無でしょう。ですが、この車の本質はそこではないのです。車として、走る曲がる止まるという基本性能にコストが注がれているのです。
 さぁ、門戸は開かれています。後はホンの少しの勇気があれば、明日からあなたもこちら側の世界に来る事ができるのです。
 さぁ。
 昨日、壽太郎に売った。

2007/5/1(Tue)

 職場の部下でもある壽太郎にポロを譲ることになったので、ゴールデン・ウィークの谷間の平日を利用して名義変更に行ってきた。
 こ奴は人の話を聞いているふりをしながら聞いていないことが多いので、自分の買うポロがマニュアル車だと思っていたり、名義変更のために習志野へ行くと勘違いしていたりするような奴なのだが、とりあえず待ち合わせ場所の我孫子駅には時間通りに現れた。
 と、よくよく考えてみれば、こんな車だよ、とネットで見つけた画像を見せたことはあったが、壽太郎が実物を見るのはこのときが初めてである。実物も見ずに車を買うなんて、ある意味凄いぞ。いや、俺が買わせたのだが。
 さて、前日に会社の部下である大龍に手伝わせて内外装をピカピカに磨き上げたポロで、野田の自動車検査登録事務所へ向かう。
 俺のうちは習志野ナンバーエリアなので、当然、習志野ナンバーが付いているのだが、壽太郎の住まいは野田ナンバーのエリアなのだ。なので、ナンバー変更のために実車を検査登録事務所に持ち込まなければならない。面倒だ。
 三十分ほどで国道十六号沿いにある検査登録事務所に到着。案内の看板を見ると、移転登録(名義変更)の手続きはA棟→C棟の順に廻れ、と書いてあるのでまずはA棟に入る。



 ところが、移転登録の申請書はC棟で販売しているのでまずはそれを買って来い、と命じられる。という訳で隣接のC棟へ。



 C棟で申請書を購入し、再びA棟へ。むー。
 とにかく記入例に従って手数料納付書と移転登録申請書、自動車検査記入申請書に記入する壽太郎。



 ところが、自動車検査記入申請書というのがOCRシートになっていて、住所の欄は住所コードで記入せよ、と指示されている。で、当然ながら慌てる壽太郎と俺。
 「ボクんちの住所コードっていくつですか?」と俺に聞く壽太郎。馬鹿か。知らん。ふと見ると、記入卓に紐で結び付けられた冊子が、野田ナンバー管轄の住所コード一覧であった。
 こんなとこだけ省力化したって意味ないだろ、とココロの中で毒づきながら、壽太郎の作業を見守る。
 なにはともあれ申請書および譲渡証明、車庫証明、印鑑証明などの書類一式を提出し終えてごきげんの壽太郎。



 タバコを一本吸っている間に新しい車検証が出来上がり、それを持って今度はC棟へ行き、自動車税申告書を記入、提出。
 すると今度は古いナンバーを持って隣の窓口へ行けと指示される。この辺の窓口の流れは、車の売買を生業としている方々にとっては重々承知の助なのだろうが、素人にしてみればいったりきたりと煩雑な事この上ない。もっとも、そんなことも知らない素人がうろうろしていて良い場所ではないのかも知れないが。
 持参したドライバーを使って封印を破り、古いナンバーを外し、窓口へ持って行く。ここで壽太郎が、なぜ俺が用意周到にドライバーを持っているのかについて疑念を差し挟むのだが、ちょっと考えればわかることだろ、と諭す。が、わかってなかったのは俺の方だった。外す気満々でドライバーを持ってきたのだから、予め外しておけば良かったのである。俺のバカバカ。
 五分ほどで新しいナンバーが手渡され、車両に取り付けて待てと指示される。
 で、せっせとナンバーを取り付ける壽太郎。



 後ろもね。



 無事に新しいナンバーを取り付けて待っていると、ほどなくして自動車登録番号標交付代行者の方がやってきて、車台番号を確認するのでボンネットを開けろ、と指示される。で、慌てる壽太郎。
 代わりにボンネットを開けてやって、自動車登録番号標交付代行者の方に車台番号を確認して貰い、さらにリアのナンバーに封印をして貰う。これで名義変更が完了。時間にして一時間弱。手順がわかっていれば、ナンバーの変更がある場合でも三十分ほどで終わると思う。

 「さ、これでこの車は今日からお前のものじゃ。煮るなり焼くなり好きにせぃ」
 「ありがたき幸せ。ささ、お代官様。山吹色の菓子にてございます」
 「越後屋、おぬしも悪よのぅ」
 「いえいえお代官様にはかないませぬ」
 「ぅわっはっはっはっは」



 さて、本日のメイン行事は名義変更ではない。免許を取って初めて壽太郎が公道に出る、それに俺が同乗する、というのが主目的なのである。
 一通りポロの操作について説明した後、検査登録事務所を出て、国道十六号を失踪いや疾走する壽太郎とポロ。こ奴はいつもニヤけてやがる。一方、俺はドキドキ。



 しばらく走り、まずは国道沿いのコンビニの駐車場に入り、車でお買い物、の練習。
 しかし久しぶりに見たぞ。へたくそマーク。



 さらに国道をずんずん進む。うまく車の流れに乗れるようになったので、次はワインディング・ステージへ。
 で、やっぱりコーナリング中の視線が定まっておらず、アウト側へと膨らむ車。助手席側に迫る縁石。怖い。
 コーナリング中は視線をコーナーの奥に取ることを教えつつ、無数のコーナーをクリアさせる。ひとしきり走ったところで再びコンビニへ。雨が落ちてきた。



 さらにワインディング・ステージは続く。が、ようやく要領が飲み込めたのか、コーナリング中の車の姿勢が安定するようになる。やれば出来るじゃん。
 次の市街地ステージに備え、ラーメンで腹ごしらえする壽太郎。



 壽太郎がホームセンターで買い物をしたい、というので、急遽、大駐車場ステージに突入する。
 大きな駐車場というのは、ある意味信号のない見通しの悪い交差点のオンパレードである。そこへさらに歩行者が入り混じり、運転初心者にとっては過酷なことこの上ない。
 が、なにか起こるだろうという予想に反し、何事もなくホームセンターを後にして、いよいよ市街地ステージに突入。しかし、連休の谷間の平日ということもあって、思ったより道路はクリア。なんなく壽太郎の自宅に到着してしまう。
 という訳で、今日でポロとはお別れ。まぁ、売られて行った先が壽太郎のところなので、俺としてはいつでも帰ってきて良いんだよって感じか。大事に乗ってやってちょーだいよ。



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