春浅く 1

4月、尾瀬はまだ雪の中、5月、ようよう雪解けが始まる。
原は全面雪で、4メートルは積もるという。

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鳩待峠の積雪(5月の連休)
雪は深いが、5月ともなると、尾瀬特有の赤茶けた渋色がにじみ出ている。
この時期、木道はすっかり雪の下で、どこを歩いても自由だ。
その代わり、川や池溏に落ちても文句を言わない覚悟が前提になる。

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山の鼻田代もわずかに拠水林で見当がつくが、全面雪で覆われている。


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中田代までくると雪はやや浅くなる。
どうやら、原の真ん中から雪解けは始まっているらしい。

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尾瀬沼が気になるが全面凍結して、自由にヒトが歩ける。
すでに、溶け始めた箇所もあり、割れはしないかとビクつくが、ビールで元気づけて渡る。

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夏の朝のあの風情はどこへ行ったのか

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尾瀬の春は雨が多い。
そして、雪解けが一挙に進む。
小さな魚たちも原中を我が世界とばかり活動して、花達も活発に芽出しを始めている。
一雨一雨が尾瀬を慈しんでいるようだ。


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