クラブアリスト ロゴマーク

 アリストV300VEに乗るNO.5684のBVLGARI◆BLASTOさんが、突然見舞われたエンジンブローからリプレイスするエンジンの入手、エンジン載せ替え、そしてブローしたエンジンを分解しての原因の追求までご自身の手により行われましたので、その過程を紹介して下さいました。


VOL.400 エンジンブロー載せ替え・原因追及レポート
<作成:'04年3月30日>
2003年10月29日明け方、いつも通りの信号からの加速中に突然見舞われたエンジンブロー。それから2ヶ月半近く経ちましてようやく再び動き始めた自分の車。当初はショップに一存も考えましたが、多額の請求は目に見えていましたし、それ以上に自分が壊してしまったのだから再び自分の手で走るようにしてやりたいという気持ちが大きかったのです。

【03/10/30 突然のエンジンブロー】

とりあえず知人を呼び、修理工場に運びました。そこで積車から降ろしている途中にエンジンがロック、ジャッキアップして覗いて見ると腰下のクランク部ブロックに大穴が開いていました。『今気付いた。エ、エンジン全損じゃん・・・。』という事で先ず手始めにスペアのエンジンを探す事から始まりました。が、2JZ-GTEはいざ探せばなかなか無いものです。あっても安いけど雨ざらし保管や本体のみ30万等々で段取るまでに約2週間を要してしまいました。

遠方の業者さんから送って頂いたスペアエンジンは走行50000km、ノーマルにて使用で10万円と良心的でしたので即決致しました。しかし所詮は中古エンジン、届いて開けてみるまで分かりません。結果的には調子も悪くなく、洗浄とフラッシングのみ行いました。と、順調に進みそうだった計画も一変、忙しさも重なりましてここから一ヶ月半放置されることになります(^_^;)結局手を付けだしたのは12/25、クリスマスでした。

3面に穴が開いています


【03/12/25〜26 エンジン載せ替え】

脱着に関して先ずしなければならない事は補器類、配管、配線を外していく事です。純正からかなり変わってしまっている為サービスマニュアルはあまり役に立たないと思い、メモとデジカメで各所を記録しながら作業を進めていきます。幸いにもタービン回りは純正よりもはるかに簡単なのですが、配管と配線の多さには閉口してしまいました。最近の車は何をこんなに制御してるんでしょうね(汗)エンジンはエンジンメンバーごと降ろしてしまう下抜きとチェーンブロック等で前から引き抜く上抜きがありますが、今回は設備の関係で後者になりました。どちらにしろプロペラシャフトは切り離さなければなりませんし、足回りをバラしエンジンメンバーを落とさなくてはスペース的に抜けません。

バンパー、ラジエター、コンデンサー、IC、コアサポート、そしてヘッドライトを外し、AT本体ごと引き抜いていきます。降ろされたエンジンはATを切り離し、ドナーとしてコンプレッサーやパワステポンプをスペア(NEWエンジン)側に提供という事になりました。そしてスペアにそれらを移植、ベルト類を張りあとは元通りに繋げて車体に載せていきます。年の瀬迫る『師走』の中、手を付けれたのはここまででした。

エンジンを上から引き抜きます


【04/01〜載せ替え完了】

年が明けて1/7、またしても作業が中断してしまいます。何とこの場所を借りている会社の別店舗がトレーラー同士の接触に巻き込まれ、突っ込まれたのです。ラッセル車の如く車3台を押し退け、全損2台を含む計5台が巻き添えに・・・。結局この日は丸一日復旧に追われ作業ができませんでした。しかしこの時点で1/10〜の九州への個人的慰安旅行が決まっており、宿も予約してあります。ピンチ(大汗)

翌日から再び作業開始、慎重にかつ急ピッチで進めていきました。しかし予想以上に時間がかかってしまったのは後にも先にも配管と配線でした。今度は自分の記憶力の悪さにウンザリ・・・。そしてエアコンのガス漏れ原因が分からず半日、ゲンナリ・・・。エアコンは配管内に特殊な液体(蛍光溶剤)を送り込み、紫外線ライトを当てて漏れを発見するのですが、どこからも漏れた形跡がないにも関わらず真空引き後にエアが混入するのです。手を動かし頭を働かせ・・・せめてもの救いだった事は、トヨタの共販がすぐそこにあり部品の即納が可能だった事・・・♪結局出来上がって動き始めたのは旅行予定時間の5時間前、不安を残しながらの試走旅行となりましたが、秋吉台でのワインディング、下関の河豚、そして別府での温泉・・・自分のアリストでの旅によりまた特別な思い出となりました(^.^)

最終チェック 前オーナーのオイル管理が少し気になります


【04/03〜ブローしたエンジンの分解】

3月に入り、暖かくなってきましたのでブローしたエンジンをバラしてみました(^^ゞ捻じ切れたコンロッドに叩かれ、3面に穴が開いていますが・・・。

仕様ですが、エンジンノーマルにT78-33D-17cm2というタービンで、これはTRUSTのタービンキット一式です。。それをトムスのT.E.C.S.&TRUSTのRevicW+サクションパイプに打ってある追加インジェクター2本で制御しています。Revicは回転とブースト圧にて追加インジェクターを噴射する物です。つまり各ポートに打ってあるインジェクターはノーマルで、追加にて不足分を補うというかなり古臭い方法です。大まかな燃調はとれるのですが、厳密に言うと各気筒ごとの燃焼を最適にはできないのです。どういうことかと申しますとサージタンクに入った空気は真っ直ぐ進もうとするので奥側の気筒の方が密度が高くなる事、そして手前側の方がラジエターに近く温度が低いので燃焼が違ってきます。またこのままでは点火時期の調整ができないのです。各気筒の燃焼状態のバラツキもヘッドの画像にてお分かりいただけると思います。今回のエンジンブローも6番でした・・・(苦笑)

ブローの原因ですが私はデトネーションや燃調の不具合によるものだと思っていたのですが、ヘッドを開けてみるとピストンは正常でした。メタル類に多少擦れた跡はありましたが、油膜切れのような状態でもなく、未だになぜ6番のコンロッドが捻じ切れたのかは謎です。変速時もアクセルを抜かずにベタ踏みしていた事により、多少のオーバーレブが繰り返され(フルブーストでの1速、2速はノーマルにはありえない吹け上がりをしますので・・・)金属疲労により破断したものだと解釈していますが・・・(苦笑)
2JZヘッドです ピストン&コンロッド(右端が捻じ切れた6番)
捻じ切れた6番のアップ

下面と側面に穴が見えます・・・(´・ω・`)

最終チェックの画像でも分かるように、新しいエンジンはカム付近に変色したオイルがこびりついていました。エンジン自体は絶好調で安心しましたが、オイル管理はさらに気を使うようになり使用メーカーも変え、今は少し硬めのエステルベースオイルを使用しています。しかし今回の作業でまた足回りのリフレッシュとサブコンによるセッティングが遠のいてしまいました(;_;)夏までには・・・(^_^;)一連の作業に場所を貸して下さったオ○トクラフト様、そして手と知恵と時間を貸して下さった従業員の皆様ありがとうございました。
復活したBVLGARI◆BLASTO号 ヘッドレストモニター


クラブアリストisland
GO TOP メンテTOP ←BACK NEXT→ 投稿する