アリストV300VEに乗るNO.2007のSOARISTOさんが、純正のポジションランプを白色LEDに交換されたので紹介してくださいました。蒼白の光を放つHIDヘッドランプと、非常に良くマッチングしていますね。
[はじめに]
メンテVOL.265「スーパーコバルトHIDバルブ装着記」で紹介させていただいたPIAAさんのスーパーコバルトHIDバルブを取り付けたことにより、これまでにない蒼白の光を手に入れることができました。しかし、困ったことに、ハイビームの中のポジションランプが、何となく黄色っぽく浮いて見えるようになってしまいました。
ポジションランプは、既にPIAAさんのエクストリームホワイトに交換していたのですが、一度気になり始めると、いつまで経っても気になって仕方がありません。こうなったら、とことん白い光を追求するしかありません!
そこで、より白い光を得るために、日本が世界に誇る発明である(?)高輝度白色LEDを組み込むことにしました。[作製方法]
白い光を放つ光源として、日亜化学さんの高輝度白色LED(NSPW500BS)を使います。φ5の大きさで、5,600mcd(カンデラ;輝度を表す単位)の光量があります。秋葉原のジャンクショップで、1個380円で売られていました。
定格電圧は3.6Vですが、抵抗を入れるスペースが無さそうなため、少し手抜きをして、4個を直列に接続することにしました。
一つ問題となるのは、純正のウェッジ球のコネクタにどのようにきちんと固定するかです。ウェッジ球を上下に切断して下半分をベースとすることも考えましたが、結局はプリント基板を作製することにしました。
[写真1]
- 今回作製したプリント基板です。(写真1)
- (上半分です。下半分は別の基板です。何の基板かはヒミツです)
- プリント基板は、サンハヤトさんのキットを使うと比較的簡単に作製することができます。
- Adobe Illustratorでマスクパターンをデザインし、写像反転してからOHPシートに印刷します。
- 太陽光の下でフォトレジスト基板を感光させ、素早く現像します。
- エッチングして不要な銅を取り除くと、プリント基板の出来上がりです。
[写真2]
- プリント基板を切り出したものです。(写真2)
- 上側の円盤状の基板は、LEDを取り付けるためのベースとなります。(φ15)
- 下側の2枚の基板は、ウェッジ球用のコネクタに接続するための接点となります。(9mm×12mm)
- 写真右下は、プリント基板のマスクパターンです。
[写真3]
- 作製したLEDポジションランプを前から見たものです。(写真3)
- 円盤状の基板の表側には、ステンレステープを貼り、リフレクターとしての役割をさせています。
[写真4]
- LEDポジション球を後から見たものです。(写真4)
- 接点となる部分は、まず基板2枚を重ね合わせて、瞬間接着剤で固定します。
- つぎに、円盤状の基板にT字型になるように瞬間接着剤で仮止めし、ハンダ付けでしっかり固定します。
[写真5]
- 白色LEDは指向性が強いため、リフレクターを取り付けてみました。(写真5)
- (NSPW500BSの指向特性は20°)
- リフレクターといっても、「タイコ釘」といって、釘の頭を隠すための化粧用の釘です。本体にぴったりの大きさです。
- (東急ハンズで発見しました)
- 効果の程は・・・、逆に暗くなってしまったので外しました。
写真は拡大されているため分かり辛いのですが、実物はもの凄く小さなものです。
[装着比較]
[写真6]
- 装着前の状態です。(写真6)
- ポジション球は、PIAAさんのエクストリーム・ホワイトです。
- 純正に比べれば、かなり明るく白いのですが、それでもHIDを点灯してしまうと黄色っぽく見えてしまいます。
[写真7]
- 装着後の状態です。(写真7)
- ロービーム側はエクストリーム・ホワイトのままです。白色LEDとの色調の違いは明らかです。
- 写真では少し青み掛かっていますが、実際には蒼白の光そのものです。
[インプレッション]
[写真8]
- 夜のフロントマスクです。(写真8)
- (写真は羽田ビッグバード出発ロビー前)
黄色っぽい色調が無くなり、白を基調としたクールな感じになりました。
高輝度白色LEDの単価がまだ高いため、アフターパーツのウェッジ球と比べるとかなり割高になってしまいますが、球切れもありませんし消費電力は僅か0.24Wですから、コストパフォーマンスはなかなかに高いと思います。
後から知ったのですが、既に白色LEDを使ったポジションランプが市販化されていたようです。
「が〜ん!」(T.T)
せっかく苦労して作ったのですが・・・。世の中こんなもんです。[おまけ]
[写真9]
- 調子に乗って、さらなるバージョンアップを図りました。
- 6個もの白色LEDを使った、「豪華V6仕様」です。(写真9)
- 片バンク3個のLEDに、12Vを印加しています。
- 若干オーバードライブ気味ですが、最大電圧は4.0Vなので大丈夫だと思います。
「豪華V6仕様」は、「直4仕様」に比べるともの凄く明るくなりました。LED数が1.5倍になっていることと、印加電圧が3.0Vから4.0Vになっていることで、感覚的には2倍以上明るいように見えます。市販されているLEDを1個だけ使ったポジションランプとは、明るさがかなり違うと思います。
真正面から見ると、何となく新型CIMAのマルチプロジェクターヘッドランプのようです。
命名、「フォースは我に、ミニミニマルチプロジェクターポジションランプ」。(長い)
しかし、部品代だけで片側2,280円。高い・・・。(^^ゞ
[写真10]
- 「豪華V6仕様」を点灯した状態です。(写真10)
- 「お前はハイビームか?」というくらいの明るさです。(^^ゞ
- (ちょっと大げさですが・・・)
- 写真は、ダークブルーのTTEに乗られるNo.1453アネストさんの車です。
- (アネストさんの車は、メンテVOL.260「TTEアリストへのデコライン装着記」で紹介されています)
[おまけ2]
やはり、4.0Vはオーバードライブのようでした。装着後2日で素子が燃え尽きてしまいました。どうりで明るい訳です。(^^ゞ
(アネストさん、ゴメンなさい!)
ここは初心に戻り、手抜きをせず、きちんと抵抗を入れることにしました。
[写真11]
- 「改良型豪華V6仕様」です。(写真11)
- 基板上は超過密状態で抵抗を入れるスペースが無いため、接点上に斜めに抵抗(82Ω)を入れました。
- これでLEDに掛かる電圧は、1個あたり約3.5Vになります。
一から基板を作ったり超高密度集積をしたりと、作業性とコストを考えないもの凄く細かな作業になってしまいました。また、いろいろとハプニング(?)もありましたが、何とか満足いくものができたと思います。
[おわりに]
本作品の製作にあたって、そもそもポジション球に白色LEDを使うというアイデアは、偶然お会いすることができた「KENYA」さんと「てつぢ」さんからいただきました。どうもありがとうございました!
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