Club ARISTO
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 アリストV300VEに乗るNO.2007のSOARISTOさんが、三連メーターパネルを自作されたので紹介してくださいました。今回もとても高いクオリティーに仕上がったようですね。


VOL.238 木目調三連メーターパネル製作記 <作成:'01年2月3日>
【はじめに】

 TOM'SさんのT.E.C.S.に引き続き、BLITZさんのD-SBCを装着したため、これまで以上にエンジンの調子をシビアにモニタリングする必要が出てきました。エンジンのチューンナップにしたがって、チェックすべき項目はいろいろとありますが、基本的でかつ最も重要なクーリング系の状態を見るため、油圧・油温・水温の各メーターを取り付けることにしました。
メーターを3個も取り付けるとなると、かなりのスペースを必要としますが、僕はノースモーカーなので、灰皿のあるセンターコンソール部に目を付け、そのスペースにビルトインすることにしました。
前回のブーストメーターパネルと同様に、「どこまで純正クオリティーに近付けられるか」を主眼に、メーターパネルの作成と各種メーターの取り付けを行いました。

【メーターパネル作成編】

 メーターパネルの作成手順は、基本的には前回と同様です。詳しくはVOL.215 木目調ブーストメーターパネル製作記を参照してください。きちんとした材料と道具を使ってじっくり取り組むことにより、純正同様の高いクオリティーに仕上げることができます。

〈写真1〉〈写真2〉〈写真3〉
  1. センターコンソールの灰皿部分を取り外しますが、勢い余ってあらぬ所に傷を付けないよう、作業の前にEMVの下側やシフトゲート周りに布ガムテープ等を貼り付けて保護しておきます。
  2. はじめに、灰皿のポケットになっている部分を引き出します。つぎに、両手で灰皿全体を支えながら、「えいっ!」と手前に引き出します。勘合ではまっているだけなので、意外と簡単に取り外せますが、シフトゲートに傷を付けてしまったり、シガレットライターの配線を引きちぎってしまわないよう注意します。
  3. 工作用紙を使って、メーターパネルが入る部分の型取りをします。出来型をイメージしながら、メーターが少し上向きとなるような位置とします。ここでの採寸精度が、最終的な仕上がりに大きく影響しますので、きっちりと型紙を作ります。特に、メーターパネル下端のシフトゲートパネルと接する部分は、微妙にラウンドしていますので、隙間が開いてしまわないよう入念に型取りをします。
  4. 今回のメーターパネルは、上段に3つのメーター(φ60mm)、下段にブーストコントローラーとターボタイマー(80mm×20mm)を取り付けますので、全体のバランスを考えながら型紙上に配置します。
  5. 型紙に合わせて5mm厚のアクリル板を切り出します。今回のパネルは、全部で9個のパーツから構成されています。精度を上げるため、直線部分はサーキュラーソー(円盤形の電動ノコギリ)を使い、メーターが入る穴はサークルカッター(電動ドリルに取り付ける、カッター付きのコンパスのようなもの)を使います。
  6. 切り出したパーツを組み合わせます。メーターパネルの強度を上げるため、パーツ同士は、瞬間接着剤で張り合わせから、M2mm×12mmのビスを使って固定します。なお、メーターパネルには、締め込んだビスが隠れるよう、ビスの頭を逃がすためのテーパーを付けておきます。(写真1)
  7. ビスの頭が入ったテーパーを、「厚付けパテ」と「薄付けパテ」(ホルツ)を使って埋めます。さらに、耐水ペーパーを使って、メーターパネルの表面が平滑になるように整えます。
  8. 下地処理として、サーフェサーを吹き付けます。メーターパネル表面に細かな気泡が見られる場合には、この段階で修正しておきます。(写真2)
  9. ウォーターペイントにより、純正と同様なブラックウッド調の塗装を施します。さらに、「極細コンパウンド」(ホルツ)を使って、ツヤが出るまで丹念に磨きを掛けます
  10. メーター類を取り付ける前に、メーターパネルの外周やメーター類が入る穴の部分に、走行時にカタカタ音がしないよう、薄いスポンジシートを貼っておきます。(写真3)
    また、おまけとして、「油圧」「油温」「水温」の文字を、テプラで作って貼っておきます。(日本語表示が、なかなかグー!)(^-^)g

 実は、このメーターパネルを作成している最中に、複数のメーカーから、センターコンソールやエアコンダクトにはめ込むタイプのメーターパネルが発売されましたが、目も飛び出さんばかりの価格にびっくりしてしまいました。
なぜなら、今回のメーターパネルは、材料費だけをとれば、アクリル板の\1,470+α(東急ハンズ)だからです。(^^;

【各種センサー取付編】

 今回も、C.A.のフレンドディーラーであるネッツトヨタ東京の「ハブポート若林」さんのご協力の下、取り付けと配線を行いました。
メーターは、前回と同様にA'PEXiさんのもの、ブーストコントローラーとターボタイマーは、BLITZさんのものを選びました。これらは全て、バックライトがブルーのELとなっています。夜間のイルミネーションの統一感を期待しての選択です。
メーターは、全て電子式であるため、各所にセンサーを取り付ける必要があります。油圧・油温センサーは、SARDさんのオイルフィルターマウントブロックを介して、水温センサーは、A'PEXiさんの水温計アダプターを介して取り付けました。
以下に、装着したパーツの一覧を示します。

〈表1〉装着パーツリスト
メーカー製品名コード定価数量備考
A'PEXiELメーター 圧力計 \36,0001φ60・ホワイトパネル・新単位系(SI)表示
ELメーター 温度計 \31,0002
水温計アダプター590-A002\2,6001φ34
SARDオイルフィルターマウントブロックSB32\8,5001φ75・3/4-16UNF
油温センサー用ソケット19300\1,4001M14-1.5(内径M12-1.25)
スポーツオイルフィルターSF04(63204)\2,5001φ75-80(H)・3/4-16UNF
BLITZD-SBC(シルバー) \52,8001 
MSTT \15,8001 
サンヨー
テクニカ
STARBO 車種別専用ハーネスAT-025\4,8001 
TOM'Sハイプレッシャーラジエターキャップ16041-TAE10\2,8001Aタイプ
ローテンプサーモスタット16700-TJZ01\7,0001Eタイプ
SAMCOラジエタークーラントホースキット40TCS102/C\20,0001アッパー&ロアーセット
BILLIONスーパーサーモLLC TypeRBSL-4\5,80024リットルボトル

[油圧・油温センサー取付]

 油圧・油温センサーの取り付けは、純正センサー位置やオイルパンに取り付ける方法もありますが、今回は確実を期すために、オイルマウントブロックを使う方法にしました。ちょうど、オイルフィルターとエンジン下部との間に挟み込む感じです。これにより、オイルフィルターの取り付け位置が、約4cmほど飛び出す形になりますが、自分で交換した感じでは、特に作業性に問題は無いようです。
SARDさんのオイルマウントブロックのセンサー取付穴は、1/8PTとM14-1.5となっています。また、A'PEXiさんの圧力センサーの径は1/8PT、温度センサーの径はM12-1.25となっています。したがって、オイルマウントブロックに油温センサーを取り付けるためには、径を変換するソケットが必要となります。
オイルマウントブロックにセンサーを取り付ける際には、センサーのネジが切ってある部分に、市販のシールテープ(水道用のもので可)を何重にも巻いておきます。これをきちっとしておかないと、後でオイルが漏れてきて痛い目に遭います。センサーは、せっかく巻いたシールテープを剥がさないようにしながら、規定のトルクできちっと締め込んでおきます。(写真4)

[水温センサー取付]

 水温センサーの取り付けは、ラジエターホースのアッパー側で、できるだけエンジンの出側に近い位置とします。今回は、A'PEXiさんの水温計アダプターを使いました。
水温計アダプターを取り付けるためには、ラジエターホースを取り外す必要があるので、一旦ラジエタークーラントを抜かなければなりません。そこで、今回の作業に合わせて、ブーストコントローラー装着によるエンジンの熱量アップの対策として、水冷系の強化を図ることにしました。
ラジエターホースをSAMCOさんのシリコン製、サーモスタットをTOM'Sさんのローテンプ型、クーラントをBILLIONさんの高効率型に交換しました。なお、TOM'Sさんのローテンプサーモスタットは、ウォーターインレットガスケットが付属していないため、純正のものを別途用意しておく必要があります。
ラジエターホースは、純正のものはクランプ(の様なもの)で挟んでありますが、これではあまりにも心許ないので、SARDさんのホースバンド(HS24)で確実に固定しておきます。水温センサーは、油圧・油温センサーと同様に、シールテープを巻いて、規定トルクで締め込んでおきまます。(写真5)
パーツの取付後は、プレッシャーテスターで圧を掛けて、各部から漏れがないことを確認します。また、ラジエターキャップを外した状態でエンジンを回して、内部に入った空気を抜きます。ただし、2JZ-GTEは、一旦ラジエターに空気が入ってしまうとなかなか抜けないようです。しばらく走行した後に、もう一度空気の抜け具合とリザーバータンクの水量をチェックしておきます。

〈写真4〉〈写真5〉
オイルブロックと油圧・油温センサー水温計アダプターと水温センサー

[配線の引き回し]

 センサーの配線は、φ7のコルゲートチューブを使って、純正の配線や配管に沿わせて車内に引き込みます。コルゲートチューブは、市販の融着テープを使って適切な間隔で固定します。
水温センサーの配線は、エンジンルームの隔壁にあるドライバー側のグロメットから、油圧・油温センサーの配線は、助手席側のグロメットから車内に引き込みます。ドライバー側は、ヒューズボックスを外せば簡単にアクセスできますが、助手席側は、バッテリーを降ろす必要があるので少し面倒です。
メーターの電源関係は、IGは今回取り付けるターボタイマー用のハーネスから、TAILとGNDは、「シガレットライター照明」のコネクタから取り出します。配線同士の接続は、接続する側の配線の被覆をワイヤストリッパで3〜4mm程度剥き、割り込ませる側の配線をハンダ付けし、融着テープできちんと絶縁しておきます。

【メーターパネル取付編】

 さて、これでやっとメーターパネルを取り付ける準備ができました。写真をご覧になればお分かりのとおり、灰皿部分の狭いスペースにたくさんのメーター類を押し込んだため、かなりの高密度集積になっています。うまく順番を考えてビルトインする必要があります。

  1. 取り付ける前に、各種メーター類に配線を接続し、正常に動作するかどうか確認しておきます。
  2. メーター類の配線を、接続しやすいような長さと位置に整理しておきます。配線は、走行中にカタカタ音がしないよう、系統毎に束ねて、スポンジシートでくるんでおきます。
  3. メーターパネルに、ブーストコントローラーとターボタイマーのユニットを、両面テープを使って固定します。(この時点では、メーター本体はまだ実装しません)
  4. メーターパネルの外周に貼ってあるスポンジシートに、薄くグリスを塗っておき、周囲に当たらないよう、ゆっくり慎重に灰皿部分に押し込んでいきます。
  5. メーターが入る穴に指を入れて、ブーストコントローラーとターボタイマーのハーネスを接続します。ブーストコントローラーへのナイロンチューブの配管は、特に確実に接続を確認します。
  6. 配線を、メーターが入る穴から引き出し、メーター本体に接続します。
  7. メーターが入る穴の周りに薄くグリスを塗っておき、配線が絡まないように気を付けながら、メーター本体をゆっくりメーターパネルに押し込んでいきます。
〈写真6〉〈写真7〉
センターコンソール部アップコンソール部全景

 三連メーターは、左から油圧計、油温計、水温計です。下段は、左側がD-SBC(ブーストコントローラー)、右側がMSTT(ターボタイマー)です。メーターパネルの取り付け方向は、視認性を考えて、少し上向きに傾いている共に、ドライバー側にも微妙に傾いています。
メーターパネルとセンターコンソールの間は、きっちりと型取りをしてあるため、隙間なく完全に一体化しています。また、メーターパネルやメーター本体は、特にビス等で固定していませんが、走行中のがたつき等は全くありません。固定しない方が、何かの折りにメーターを外す必要が出た時に対処しやすいと思います。
今回は、メーターパネルの木目調ペイントと合わせて、カップホルダーの蓋とシフトゲート周りのベゼルも同色にペイントしてみました。(クラウン・アスリート用のものではありません)
純正オプションのブラックウッド調パネルと相まって、コンソール周りの統一感が出ました。

【インプレッション】

 またまた、ドライバーズシートに座るのが楽しくなってしまいました!

まず外見的には、純正の三連メーターと、今回取り付けた三連メーターのホワイトパネルがうまくマッチングして、なかなかいい感じになりました。特にナイトドライビングでイルミネーションを点灯した時には、メーター全体が青白く浮き上がり、とてもレーシーな雰囲気を醸し出してくれます。信号待ちで停まった隣の車の人が、思わず覗き込んでいる(ような気がします)。

〈写真8〉
イルミネーション点灯時
(カーソルを画像の上に!)

 また機能的にも、とても満足しています。これまでは、なかなか細かなところまで気付かなかったエンジンの調子が、手に取るように分かるようになりました。エンジン始動後から、次第にオイルの粘度が安定していく様子や、エンジンの暖まり具合をつぶさにチェックできます。
特に冬季は、無駄な暖気を抑えることができますし、夏には、回し過ぎによるパワーダウンを未然に防ぐことができるはずです。逆に、純正の水温計が、どれだけアパウトに動いているのかが分かります。(と言っても、ドライバーを不安にさせないために、わざと鈍感を装っているのですが)
また、ブーストコントローラーやターボタイマーは、ちょうど手の届きやすい位置にボリュームスイッチがあるため、操作がとても楽です。

あえて欲を言えば、ELメーターの作動音が少し気になることです。ブーストメーター1個では分からなかったのですが、さすがに4個も付くと気が付きます。と言っても、それほど大きな音ではなく、アイドリング中で車内が静かな時に、少し耳に付く程度の微かな音量です。
「ミーン」と「キーン」の合成和音ですが、これはこれで、飛行機のコックピットのようで、レーシーな雰囲気をさらに高めてくれています(?)。

やっとの思いで完成した後、パッセンジャーズシートにいつも座るヒトに、開口一番、「ハデ〜ェ!」と言われてしまいましたが、

「い〜んです!(本人さえよければ)」 (川平慈英風発音)(^o^)v
クラブアリストisland
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