2003 年度・秋


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2003/12/25

 もう年末ですね。来週の今日が丁度元旦ですから、今年の更新はこれが最後になります。ちなみに、今この文章は土曜日に書いています。仕事が忙しくて、多分更新日直前では間に合わないですからね。

 先週お休みにしてしまったのは、忙しかったからというのもあるのではありますが、じつは 12/4 の挨拶でちろっとだけ触れた通り、音祭@フォーラムというやつを見に行ってきたのです。チケ代 9,500 円はたいて。

 んーまぁ、ちょうどテスト仕様作りに追い込まれていてクソ忙しい最中だったので (今もですが)、ちょうどいい気晴らしにはなったかなぁとは思うのですが、豪華キャストを迎えてのイベントの割にはなんだかいまいち物足りなかった、というのが正直なところで。。。誘ってくれた某夫婦 (特に旦那の方 ^_^;) はそれはそれは不満たらたらでぼろくそ言っていましたが。

 。。。最初ッからごちゃ混ぜで jam るもんだとばかり思っていたんですよね。結局 jam セクションは最後に一曲だけ、予定アンコールぐらいのおまけ的ノリでちょこっと演っただけ。ザ・サファイア・ブルース・バンドのみなさんは jam やるまえに帰っちゃったくさいし、スパイロ・ジャイラから jam に参加したのは Alto Sax やってた人だけだし。。。

 各々のステージでは、スパイロ・ジャイラが一番面白かったなぁ。というか一番まともだった (リー・リトナーのが酷すぎたというウワサもあるが。。。なんなんだよあのお唄のおにいさんは)。キーボード弾いてた、ふくよかなおじさんがいい感じだった。どうしてこう、この業界はキーボーディストにキャラの立った人が多いのかね。カシオペアのムカイヤさんとか(w。


 ソラノコエ(angela / StarChild)。貴様にこれが歌えるか!!?

 アニメ「宇宙のステルヴィア」の OP/ED を歌っていたバンドなのですが、タイアップだったのかと思っていたら結構密接にお仕事していたみたいで、このアルバムも「Produced by FOUNDATION U」となっておりました。angela のサイトを見ても、未だにラジオのお仕事とかでつながりがあるみたいだし、次のお仕事もアニメっぽいし。。。そもそも、ギターの KATSU 氏や超ストリングス隊の Kanaco 氏を始めとして、メンバーにアニメ好きがやたらと多いようで。。。

 んで、アルバムですが、もう言うことなしです。。。絶対オススメ (*^o^*)。ていうか買え (命令)。ジャケットの裏面なんか気にするな!!(w 特に、最近の J-POP はなんだかいまいち曲から面白さが伝わってこないとお嘆きの方にはオススメします。つか、まぢでイマドキの糞つまらない日本の音楽シーンを、是非とも彼らにシメ直してもらいたいものです。さもないと、下手すりゃ本気でエロゲー業界に飲み込まれちまうかもしれんぜよ。。。I've とか、UNDER17 とか。

 。。。と、ここまでノリで書いちゃってますが (^_^;、具体的な内容に触れてみると、結構ライン取りの難しいメロディーが多くて、その上トーンも高いし幅も広いので、歌ってみるとひたすら難しい曲ばかりだったりします。坂本真綾のように Jazz っぽいリズムとかを取り入れているわけではないのですが、どの曲もメロディーラインがかなり練りこまれている感じで、曲として凄く好印象なのです。友人の弁を借りるならば、某日影なす曰く、「(良い意味で) 椎名林檎っぽい」。それから某@DRK曰く、「中森明菜とか、あの辺の時代っぽい」。なるほどどちらも納得なのです。

 それでいて、なんと言っても素晴らしいのがボーカル・atsuko の歌声ではないでしょうか。パワーも抑揚も安定感も言うことなしだし、(アルバムとして楽しむには一番重要だと個人的には思っている) 曲の持つ印象に合った声色の使い方とかも凄く大切に表現されていて、もう本当に、すっげー、すっげーかっこいーボーカルさんなのです。


 「日本ブレイク工業 社歌」を買ったのですが (既にすっげーお気に入り)、こいつのレポは次回辺りに書かせていただきやす。気が乗れば、坂本真綾の新作「少年アリス」も。。。


 たまには若干危険なネタでも。

 最近私のメールアドレス向けに飛んでくる、間違いなく spam なメールどもです。。。

 Subject: 今日暇だよ(^o^)丿
    Date: Mon, 15 Dec 2003 16:24:11 
    From: petits_nya_milky_nya@yahoo.co.jp

掲示板みたよぉ♪良かったらメールしたいなぁ(*^_^*)遊びに行ったりしょっ☆彡

 どこの掲示板だよ。。。(ちなみにこの頃 ERK は結構長期間ダウンしていて繋がらない状態でした)

 ちなみにこのメールだけ Yahoo! Mail を使用しているようですが、あとの 2 通は何故か ezweb (携帯メール) からということになっています

 Subject: ひまひまだよお〜(^o^)丿
    Date: Thu, 18 Dec 2003 03:04:52 
    From: my.mariko2003@ezweb.ne.jp

あっそぼ♪まずはメールでプロフ交換しよっ♪♪
 Subject: ヒマ
    Date: Sat, 20 Dec 2003 15:39:07 
    From: my.mariko2003@ezweb.ne.jp

超ヒマ子です。あそぼ

 暇ですか。この俺様 (師走だから走っているのですか!? by 木村先生 Ver.) に向かって、暇ときましたか。

 喧嘩売ってますねこの女。まぁ、十中八九女性じゃないんだけどね。

 こちとら、毎日寝る間も惜しんで仕事しとるっちゅーに。。。・゜・(つД`)・゜・

 しかし最近の spammer (無差別ダメメール発信バカ) もついに怠惰入ってきちゃったンすかね。まぁ、携帯メールで出会いを求めるおばかちゃん娘を演出しようって腹なのかもしれませんが (最初の Yahoo! Mail もそうなのか!?)、もしそうなんだとしたら送る相手も携帯メールに絞らなくっちゃ。さもないと、ヘッダー部分を全部読まれちゃって、

X-Mailer: Mail Distributer

実は携帯のメール機能なんか使わずに、spammer ご用達な同報メール配信ツール (同内容のメールばら撒きツール) を使ってました、ってのがばればれちゃんだからね(w。

# 最近の携帯はメールヘッダーもちゃんと見れるのかもしれんが、どうなんだろ?

# ツール名は Mail Distributor ですが、ヘッダーでは Mail Distributer となっています。。。もちろん動作確認済(w。

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2003/12/11

 すっかり寒くなってまいりました。皆さんお元気ですか?

 Southern Comfort を知った辺りから、しばらくカクテルっぽい飲み物ばかりを飲んでいた私ですが、こう寒くなると流石に、よっぽど強いお酒か、もしくは暖かいお酒じゃないと辛くなってきますねぇ。最近は専ら、ジンロックか、スコッチロックか、焼酎お湯割のローテーションです。

 今日はジンを飲んでいます。もう既に酔っ払っています(w。こいつはロックと言っても正確にはストレートロックではなくて、ライムジュースを 1 : 1 かそれ以下ぐらいの割合で加えて飲んでいます。柑橘系の味が凄く良くなじむのです。おつまみはドライソーセージ。

 焼酎は、最近は芋焼酎を飲むようになりました。香りがよくて味もわかりやすいので、お湯だけで割っても結構いけます。なのでついつい梅干をいれずに飲んでしまうのですが、そうすると翌日は必ず二日酔いで頭が痛くなります (単に飲みすぎたのかと思っていたのですが、決してそういうわけでもないみたいです)。麦焼酎と違って結構翌日残るみたいなんですよね。

 しかしここ最近、毎日夜はお酒漬けだなぁ。少しは強くなったのかしら。ていうかアル中? それとも単に歳喰っただけなのか? (^_^;

 「哀愁の町に〜」はもうとっくに読み終わってしまって、今現在は次に読む本を探しているところなのですが、感想文とかは今週はあんまり書く気がしないんでまた今度ということで。。。ていうかもう、ほむぺじで感想文書くの飽きてきちゃったなぁ。

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2003/12/4

 忙しくなってきちゃいました

 そんなわけで、これからしばらくはらぺこの更新はおざなりになってしまうんではないかと思われまする。

 これからのスケジュールについて個人的におさらいしておこうかしら。

 まず仕事ですが、今週からテスト関連の仕事に移行することになりました。なんだか一気に、テストに使用する自前プログラム (私が作ったわけではない、という点がミソなのですが…) のメンテナンス (開発している物のほうで機能が追加されるたびに、こちらも同期して実装を追加しなきゃならないらしい…いまいち旨くないよなぁ) と、テスト仕様 (今まで面倒を見ていた下請け会社が作る GUI 部分ではなくて、コアの部分…こっちはテストも自動化するらしい。良いことだ) の作成 (予定は残り 10 営業日で 2400 ケースとか言ってたかな -_-;;;) という 2 つの結構オオゴトな仕事を突然押し付けられた形となっております (滝汗)。大丈夫なのか? >ヲレ。ていうか、芋焼酎お湯割梅干入りとか飲みながらのん気にこんなの書いてる場合じゃないんじゃないか!?

 次に創作活動のほうですが、こちらはしばらく完全に眠っちゃってましたねぇ。。。ていうか、腐っちゃってたというべきか。とりあえず、ゲーム作りのほうは共同開発でほったらかしにする訳にはいかないので (モチベーション的にもこちらの方が今は興味がそそられているということもありますが)、MML 絡みのほうはこのまま当分眠らせることにして、そっちを優先して作業を進める予定であります。

 それからイベントごと。実は先週末、某 ASM な方々のお誘いで、六本木のクラブハウスで行なわれたレイヴイベントなんぞに足を運んでいたのですが (なんか耳障りなひそひそ話があちこちから聞こえる気がするがまあいい)、その勢いで (っていうか、単にクラブが物足りなかったからというウワサもある)、12/16、17 に東京国際フォーラムで行なわれる音祭@フォーラムとやらを見に行くことになりました。リー・リトナーに、ラリー・カールトンですよあなた! 知らない? いや、ごめんなさい、実は私もあんまり彼らの音楽は聴いてないです (-_-;。フュージョンでもギタリストのアルバムはあんまり押さえないからなぁ。。。(反省) でも系統的には好きな音楽なので、かなり楽しみです。

 ちなみに 12/17 に見に行くのですが、仕事の方、テスト仕様作成の締め切りも 12/17 だったりします (-_-)zzZ9,500円を無駄にしないためにもこれからしばらくは真面目に仕事に打ち込まねば (T-T)/

 それから、12/28 〜 30 は有明辺りが騒がしくなるわけですが、今年もお友達の紫進氏のサークル・あとりえ月乃猫が参加するということで、こちらは 12/30 に冷やかしに行く予定。と言っても多分午後 2 時半過ぎの周囲がお帰りムードのさなかにこっそり土産物を持っていく程度になるとは思いますが。あー、一応土産物は SPIRYTUS を予定。多分当日は臭うので、こいつでばっちり消毒していただきます(w。

 んで、大晦日の ERK 年越しイベント。今年は holstein 邸で酒盛りしようとかいう話が一部で盛り上がっておりますが、どうなることやら。。。そういえばここ数日 ERK に繋がらないねぇ。どうしちゃったのかしらん?

 あとはまぁ、ごく個人的なことですが、部屋の片付けと散髪とクリーニングはさっさとやってしまわないとなぁとか思っている次第。。。酒を買うのは忘れないくせになんでこういうことはすべからく後回しにしてしまうかなぁ>ヲレ。いかんですな、まったく。

 そんなところでしょうか。


 予定していた「ロリータ」感想文の続きはまた来週ってことで。。。あと、「哀愁の〜」の方はもう少しで読み終わるので、こちらも時間が取れれば来週にでもレポする予定っす。

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2003/11/27

 「ロリータ」の感想文続けます。

 ウラジーミル・ナボコフがこの作品を通じて「何を」伝えようとしたかについてここで論じるのは、あまりにもナンセンスです。何故なら彼はこの作品を通じて「何かを」訴えようなどという気はさらさら無いからです。それどころか、彼が主人公ハンバート・ハンバートの口を利用して作中に想定された読者 (すなわち、裁判官の方々であり、翼の生えた不感症の、でも時々感じやすかったりする女性陪審員の皆さんであり、生きてきた中で懇意に思うことのできた数少ない友人たちであり、そしてこの世に生を授かる現代そして未来のすべての人々であり) に対して発せられる主張の多くは、ニンフェットの問題以外にも私が彼と意見を異にする点はたくさんある と、あとがきでもはっきり明記しているくらいだったりするのです。

 あとがきにおいては作者の非常に興味深いコメントがありますので、まずはそれを抜き取って紹介してみることにしましょう。

 文学の教師というものは、とにかく "作者の意図は何か" とか、さらにひどいのになると、 "この作者は何を言わんとするのか" などといった問題を持ち出したがるものだ。ところが、あいにく私は、作品を書きだすにあたって、すこしも早くそれを片づけてしまいたいという以外には何の意図も持ち合せず、作品の生まれや育ちについて説明を求められた場合には、《霊感 (インスピレーション) と組み合わせ (コンビネーション) の相互反応 (インターリアクション)》 といった古めかしいきまり文句 — これは手品師があるトリックを説明するのに別のトリックを用いるのと似たりよったりだということは私も認める — に頼るしか能のない部類の作家に属する。

 また、氏はこうも書いています。

…私は教訓的小説などというものは読みもしなければ書きもしないし、ジョン・レイ (ハンバートが書いたということになっている本作を編纂したということになっており、はしがきという場で最初にいろいろと発言している人物) がいくら主張しようと、『ロリータ』は、いかなる教訓 (モラル) もひきずってはいない。私にとって、文学作品は、直截 (ちょくせつ) に美的悦楽とでも呼ぶべきものをあたえるかぎりにおいてのみ存在する。その悦楽とは、芸術 (つまり好奇心、やさしさ、思いやり、恍惚) が規範となるような精神状態と、何らかのかたちで、どこかで結びついた存在感だ。

 「芸術」という単語は、作中でハンバートも盛んに口にしています。この自伝的手記をどう芸術的に仕上げるかについて、ハンバート自身がいろいろと言葉を漏らしているのです。例えばドロレスの母親、シャーロットの、告白の手紙を読む前と後とで、ハンバートのシャーロットに対する態度を切り替えるために、以下のように言い訳していたりします。

 ここで、つぎのような重要な弁解をさしはさんでおきたい — これまでは私のなかの芸術家が私のなかの紳士を押えつけてきたという事実だ。つまり、この手記の文体を、ヘイズ夫人が私の邪魔ものでしかなかったころ書き綴った日記の調子に何とか合わせようと大変な努力を払ってきたのだ。あの日記は、もう残っていない。だが、その言葉の調子が、いまの私から見れば、いかに調子はずれの粗暴なものであろうと、それを保持するのが私の芸術的任務であると考えたのだ。さいわい私の物語は、回顧の迫真性のためにシャーロットを侮辱することをやめられるところまで到達した。

 しかし本当に面白いのは、そんな風にして作中で好き勝手に動き回っているハンバートの、文体に垣間見える表情の豹変ぶりです。ある部分では非常に面白おかしく滑稽に、かつ鋭く物事を描写し、またある部分ではひたすらヒステリックに自らを責めたて、またある部分では、非常にシリアスに事の成り行きを綴り、そして時としてあまりにも唐突に、ロリータへの切なる愛情を訴えかけたりする。こうしたハンバートの文体における表情の豊かさが、そのままこの作品における、ハンバートという人間の心情描写として、あまりにも遠まわしでありながら、しかし確実に有効だったりするあたりが、ブンガク愛好家 T.MURACHI 的にはとんでもなく衝撃的だったりしたわけなのであります。

 なんだかまた長くなってきちゃったので (それから時間も押してきてしまったので)、今週はここまでにしておきます (何に時間が掛かるかって、引用すべき部分を探し出すのが一番時間がかかるんですよね ^_^;)。ただ、私が書きたいと思っていたことは、実は今回でほぼ書き終えてしまったところもあったりするので、次週以降にこの続きを書くかどうかはわかりません。他にも書きたいネタがちろっとだけあったり、それから今読んでる「哀愁の町に霧が振るのだ」の方が 2/3 程読み終えてしまっていることなどもあって、他に書くべきこと (書きたいこと) がいろいろと出てきそうな予感もあったりします。まぁ、仕事の愚痴をここで書くことは (/. の日記のおかげで) まずあり得ませんが。

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2003/11/20

 見事なまでの怠惰病に見舞われております。なぁんにもやる気が起こらない。。。こないだの週末もずっとファミコンやって過ごしてしまったしなぁ。。。日曜日なんて朝 6 時に起きたのに。。。

 それもこれも多分仕事のせいだと、思ってしまう自分もなんだか悔しいと言うか情けないというか。/. の日記でグチグチと書いておりますのでそちらを見ていただければご理解いただけるのではないかと。。。解からないか(苦笑)。

 そんなわけで先週は意味もなくお休みしてしまいました。ごめんなさい。とりあえず、前々からお約束していたものから書かせていただきまする。


 「ロリータ」(ウラジーミル・ナボコフ Vladimir Nabokov /大久保康雄 訳/新潮社)。不遇の芸術作品。

 ネタばらしではありませんが、本作を未読の方にありがちな誤った印象を払拭するために、あらかじめ何点か解説しておくことにします。

 まず、「ロリータ」という単語について。これは、本作の登場人物であり、事実上のメイン・ヒロインであるドロレス・ヘイズの「ドロレス Dolores」が変化したものです。作中の訳注には次のように解説されています。

ドロレスとは "悲しみ" "悲哀" の意で、キリスト教の "マリアの悲しみ" に由来する

 本作中でロリータは、始め 12 歳の少女として登場し、その母親の死後、およそ 2 年間に渡って、主人公ハンバート・ハンバートと生活を共にする。その後、彼女にとってはドラマチックな (そして変質者ハンバートにはちっとも喜ばしくない) しばしの別れがあった後、母親に大分似てきた 17 歳の貧しい妊婦ドリー・シラーとして再び登場します。「ロリータ」と言う単語は現代、一般的には彼女がハンバートと暮らしていたぐらいの年代の少女を指し、且つ性的な意味合いを込めるような場合にわざと使われることが多いですが、それは作中の彼女の境遇と、そしてその性格、悪たれ娘っぷりに由来するのではないかと思われます (実際にこの単語に対して抱く印象は人それぞれかとは思いますが)

 なお、「ロリータ・コンプレックス」という言葉もこの作品から由来するわけですが、私は本作を読み終わってからは、この言葉はあまり安易に使うべきではないなと思うようになりました。詩人ハンバートは、この年代の少女のうち、特に 自分より何倍も年上のある種の魅せられた旅人に対して、人間らしからぬ、ニンフのような (つまり悪魔的な) 本性をあらわすことがある ような魅力を持った娘のことを、総じて「ニンフェット」と呼んでいたことから、本作にちなんで言うならばむしろ、「ニンフェット・コンプレックス」と言った方がよっぽど正確で、一般的たり得ると言えるんではないかと思うのです。そして、ニンフェットと、そうでない娘の区別がつかないような単なる節操なしは、実はニンフェット・コンプレックスですらありません。

 次に主人公ハンバート・ハンバートについて触れておきましょう。この作品は、作中でハンバート・ハンバートを名乗るその人自身が書いた獄中手記を、「哲学博士」ジョン・レイ・ジュニア氏の手によってごくわずかに編纂したもの、という形をとった小説です (もちろんこれらの設定もすべてナボコフによるフィクションです)。その手記の中で彼は、彼自身の出生から、彼の手からロリータを奪った偉大なる変態作家クレア・キルティを殺害するに至るまでのすべての経緯を、克明に、しかし実に詩的に、芸術的に記述しています。資産家の家に生まれ、8 歳のときに母親を失い、少年時代にはついに性的最終目的を成し遂げることの出来ないまま、恋人アナベルを発疹チフスで失い、そのショックがもたらすトラウマによっていかなる恋もできない灰色の青春時代を送り、こうして苦悩に満ちたおとな、社会不適合者はできあがったのです。彼は生涯 3 度の結婚をしています。一度目は身の安全のため、つまりニンフェット・コンプレックスであることを隠すための (ついでに言えば彼の堕落した欲求の捌け口となる肉人形を得るための) 結婚で、相手はアナベルという名の女性。この女性はあまり器量はよくなく、口数が少ないのが唯一のとりえだったのが、ハンバートが渡米を目前とした頃に急に別れ話を吹っかけ、結局彼女の隠し恋人である 白系ロシアの元陸軍大佐 に女房を持っていかれてしまいます。二度目はロリータの母親シャーロット・ヘイズ。ロリータ目当てで彼女の家にご厄介になるハンバートにシャーロットのほうが恋をしてしまい、彼に恋文を宛て、ハンバートがそれに付け込むという経緯。ロリータへの思いを綴った日記を見つけてしまったシャーロットは別れを告げた直後に、まるで示し合わせたかのように車に轢かれて死んでしまいます。その後、ロリータとの堕落に満ちた放浪の旅があり、しばらくの間ロリータを学校へ通わせた後、再び発った二度目の旅中で、ハンバートは愛するロリータを手放してしまうのですが、その更に後に、失意のハンバートはロリータの二倍の年齢の女性リタと三度目の結婚をするのです。この女性とは、一時平和な生活が送られたものの、ロリータのなれの果てであるドリー・シラーからの手紙を受け取ったその日に、別れの手紙を酔っ払って寝ている彼女のへそに貼り付けて永久に別れてしまいます。

 。。。なんだか長くなってきたので今回はここまで、続きはまた次週書きます。まだ私の感想には入っていませんが (^_^;。なんだか酔っ払ってしまって、いまいちタイピングもはかどらないので。。。


 ちなみに、この小説は分量の割には、読み終えるまでにかなり精神的な体力(wを必要とします。ちょっと疲れたので、今は一休みがてら、読みなれている椎名誠氏の作品を読んでいます。「哀愁の町に霧が降るのだ」という作品で、私小説かと思っていたらどっこいスーパーエッセイで、ノリ的には「わしら怪しい探検隊」よりも更に砕けた感じです。上・下巻の大作であるにもかかわらずぐいぐい読めてしまって、今日の時点で既に上巻がほとんど読み終わってしまっていると言う状態だったりします。多分再来週にはレポできるんではないかと。。。

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2003/11/6

 「ロリータ」ですが、一応読み終わりました。だけど感想はもうちょっと待ってくだちゃい。今日はもうあんまり時間が無いし、自分の頭の中での整理もでききっていないので。。。一言だけ言わせてもらえば、ロリータ・コンプレックスなどという言葉は本当にこの物語を読んだ人間が作った言葉なのだろうか、という、読み途中に湧き上がってきた根本的な疑問が、読み終わるまでに結局解決できなかった、ということです。はっきり言って、この物語から教訓を学び取ろうだとか、この手の人種の精神論学的な回答 (傾向および対策?) を導き出す材料にしようなどというのはいささかナンセンスだと思うのです。今のところは。
 もしかしたら、もう一度か二度、読み直してから、感想を書くかもしれません。いや、それほど考える必要があるような価値のある物語とも思えないのですが、何か、見落としているような気がしなくも無いので。。。

 その他のことについては、今週は特に書くことは無いです。お酒は。。。Southern Comfort と Spirytus は予想通り順調に減っていっています (Spirytus に関しては予想以上かな?)。ジンはなかなか減らないですねぇ。。。この中では一番マシなお酒のはずなのだが(w。カクテルのレシピ探して、何か作ってみますか。ヘタにネタにすると某しげさんに怒られそうだけど(w。

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2003/10/30

 楽器フェアに行ってきました。今回はパシ彦の展示会場ということで、えー、そのー、なんといいますか。。。なんだかフツーの企業展示会になっておりました(汗。

 これまで楽器フェアといえば池袋サンシャインで行われていたものなのですが、サンシャインはビルのフロアいくつかを使って会場にするので、変に音が響かなくて良かったのですが、今回は展示会場ということもあって、やたらとごんごん音が響いて、これ、楽器系のイベントとしてはどうなんだろう? とか思ってしまったわけでして。

 出店されていたものの中で目を引いたものとしては、とりあえず KORG新しい KAOSS PAD 君でしょうか。まぁ、勉強不足だっただけに驚きもひとしおだったというただそれだけのことなのですが。。。音だけではなく映像にまで、あの縦横無尽なパッドインタフェースでエフェクトを入れられちゃうというのは、はっきり言って反則じゃないですかね。VJ (Video Jockey ...クラブやライブで DJ とつるんでバックスクリーンの映像で演出を行うイカしたファンキーな方々のこと) をターゲットにした商品な訳ですが、VJ じゃなくても欲しいと思わせるアレゲな魅力満載です。会場では実際に職業 VJ な人が、一緒に出展されていた ELECTRIBE MX を駆使する職業 DJ な人とつるんでデモ演奏していましたが、なにしろ KAOSS PAD の方はこれまでに無い新感覚過ぎる機材だったがゆえに、VJ のお兄さん、かなり四苦八苦しておりました(w。

 あとはまぁ、月並みというか、生楽器方面でいくつか目を引くものはあったものの、それほどの収穫も無かったような。展示されている楽器の豊富さも、一昨年ほど酷くは無かったものの (一昨年は WTC の影響で海外からの出展が本当にお寒かったのです。。。)、それでもあんまり大したことなかったし、密かに探していた GM2 の参考書も見つからなかったし、ドイツ共同ブースでは楽譜を並べただけの静かな空間で真中に腰をおろしてしかめっ面でじっとしている外人がいるだけでなんだか近寄りがたかったし。。。全体的に見てイマイチぱっとしない楽器フェアでした。

 もっともそれだけに、17:00 からの向谷実&神保彰スペシャルセッションは本当に盛り上がりましたが。もう、なんちゅーか、向谷実、しゃべるしゃべる(w。YAMAHA のイベントなので MOTIF ES の説明とかしたりするわけですが、実際に演奏して見せたかと思うと、何の突拍子も無く「えー、何故カシオペアが T-SQUARE になれないのかといいますと…」などと言い出して笑いを買ったり、油断も隙もあったもんじゃないといった感じで。あれは面白かった。。。


 で、いい感じでその続きなのですが、横浜行ったついで、という訳でもないのですが、夕食を済ませに、兄貴が働いているカレーミュージアムへ行き、そのままおいらだけ分かれて兄貴の家へ、愛しい甥っ子に会いに行ってまいりました。

 なんといいますか、正直、もっと感慨深いものを感じるのではないかなぁなどと、勝手に想像して、心底身構えても見たりしていたのですが、実際あってみると素直にかわいくて、…うん、可愛かったです。子供ができるってのは、いいものですねぇ。そんなわけで、実際に会ってみたおかげで、むしろ、もっと事実を軽く受け止められるようになって、気が楽になりました。

 考えてみれば、うちの叔父さん、つまり親父の弟は、50 歳近くになってようやっと第一子を得たわけで (あちらは双子なので第一子とは言わんのかも知れんが)、それを思えば、おいらももうしばらくは気長に構えてても問題ないのかなぁなんて思わなくもなかったり。。。いや、叔父さんのように生きたいのかといわれると、それはどうなんだろうか、自分でもよく分からんのですが。

 。。。まぁいいや、こういうことをぐぢぐぢ考えてみたところで、どうせお酒が欲しくなるだけなので、今日はもう寝ます(w。ちなみに最近はモスコ・ミュールにはまってしまって、意外にも Spirytus の減りが早かったり。なんだかなぁ。。。


2003/10/23

 今週ははっきり言って書くことがありません。ロリータはほとんど読み進んでいないし、作中に出てきた、ジンのパイナップルジュース割りは、試してみたけど、案の定、毎日呑みたい酒とは思えなかったし。ていうか、今おいらの押入れには、まだ半分も飲んでいない Cutty Sark (スコッチ) と、開けたばっかりの Bombay Sapphire (ジン)、Spirytus Rektyfikowany (アルコール度数 96 度のウォッカ)、Southern Comfort (2 本目 ^_^;) がどかどかと並んでいて、居間にはチリ産白ワイン (銘柄確認するのもめんどくせぇw) がおもむろに未開栓のまま放置されていて、冷蔵庫には大分昔にもらったまま飲み切っていない日本酒が眠っていて、さらに台所の下には鍋とかと一緒に二階堂 (焼酎) があぐらをかいていたりして。。。すっかり家中酒だらけです (;_;)/。どうしちゃったんだろう、ヲレ。

 まぁ、心当たりは無いのか、と問いただされれば、思い当たる節は、かなり明確にあったりもしなくも無かったりするわけなのですが。。。

 最近、めっぽう仕事が面白くないんですよね。いや、もとよりあんまり仕事を面白いものとして解釈しないほうではあったのですが、それにしても、最近は特に面白くないというか、ただただ腹立たしいばかりというか。。。

 派遣で、立場的に下っ端で、それでいて関わり始めてから長くて (かれこれ丸 3 年経ってしまったんですよね…)、その多くをバグ管理に費やしてきた私は、とっても便利な人間辞書という立場に置かれ、新しい下請け (そう、下請けの会社が入れ替わったんですよ、明確な手続きとかあったのか知らんけど) が作ってくる文書のチェックなどということを任されていたりします。なんでも、今までの下請けの会社とは違って、ちゃんと SE として仕事してくれるような会社であるらしい、と一応小耳には挟んでおります。なんつったって、うちの会社を蹴って選んだ会社だからね

 しかしまぁ、しっかりとスーツに身をまとった 3 人 (4 人だったかなぁ。。。) が、あの職場で毎日夜遅くまで (どのくらい遅くまでやっていたのかは私は知りません、その頃から今に至るまで、私はあんまり残業しない、ごくごく平和な日々が続いているのです) 開発しているソフトウェアの過去バージョンや、MS-Word などと睨めっこしている光景を目にしていた辺りから、厭な予感はしていたんです。。。ていうか、むしろ厭な予感しかしなかったわけですが。

 そしてそれは、チェックすべき文書が「ユースケース定義書」と呼ばれるものである、と知った瞬間、もはや確信に変わってしまっていたのです。ユースケース定義書。平たく言えば、機能別に文章で記述されたフローチャートみたいなものです。フローチャートは処理の流れをモロに図で書く方法のことですが、ユースケース定義書は、ユーザーが行う操作の流れを記述し、それに対応する形でシステムの動作を定義するものです。どっちにしろ、それらは手続き型プログラミングと呼ばれる、30 年以上も昔に計算機科学の世界では非効率的なものとして否定された概念を引きずった、いわば化石なのです。

 処理の流れ、操作の流れを追うという方法は、もはや設計ですらありません。車を作るのに、車を操作する手順をまとめて設計書とする技師はいないでしょう。ソフトウェアの世界はより工学的に発展し、動作を手順だてて記述するというやり方から、場合分けによって必要な機能を列挙するというやり方 (構造化)、更には単純に機能ではなく、いくつかの機能を持つことによって何らかの役割を果たす部品を列挙するというやり方 (部品化、いわゆるオブジェクト指向) へと変遷してゆきました。多くのシチュエーションで、C++ や Java といった、オブジェクト指向を取り入れた言語が使用されるようになり、更には元々オブジェクト指向ではなかった言語の多くが、オブジェクト指向的な概念を取り入れるようになってゆきました (VisualBasic とか)。

 つまり、仕事で使用するツールとしてのプログラム言語が、もはや手続き型プログラミングを前提とはしていないんです。そして、実際にそのプログラムのベースとなる部分は、既に部品としての明確な種類分けが施された、完全なオブジェクト指向として設計が進んでおり、開発も始まっているのです。そのベースを利用して、システムを構築する下請けが、そのシステムを手続き型の概念を用いて開発を継続すれば、どういうことになるでしょう? 根本的な部分でやり方が違うのに、仕事が破綻しない訳が無い。きっと彼らは、機能別に分けられたクラスの同じ名前の関数に、まったく同じ処理内容の手続きを共有することなくコピーするでしょう。バグがあっても一箇所だけ修正されて、同じバグがある似たような動作をする部分はまったく修正されないか、いくつかは合わせて修正されても必ず一つは見落としが出ることでしょう。これまで前任の下請けがしでかしてきた過ちと、同じ失敗を繰り返すことが分かり切っているのに、そこに希望が見出せると思いますか? 答えは否です。既に私は諦め切っているのです

 それなのに、根本的に無意味であることがわかり切っている設計文書をチェックし、指摘事項を列挙しなければならないとしたら、そんな仕事を続けながら、酒を飲まずにまともな精神状態を保ちつづけることは、果たしてまともな人間には可能でしょうか? 少なくとも私には不可能です。その上、そんな役立たずの文書をもとに作られた総合テストの仕様書が、とてもそれを見ながらテストを行うことなんて不可能な酷い品質の代物だったりすれば、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱に放りたくもなります。とにかく、今、自分のやっている仕事が、とても意義のある仕事であるとは、到底思えない日々が、ここの所しばらくの間、続いているのです。将来、どんなに酷い失敗を自分がしでかしたとしても、今ほど逃げ出したいと思うことはないんじゃないかとさえ、思ってしまうのです。

 もしも私がこの勤め先の社員で、この下請け会社との重要な契約の取引の場に居合わせることができたならば、きっと私はもっともっとこの会社にいろいろなことを要求し、意見していたでしょう。こんな無意味な文書を量産される前に、もうちっとまともな方向性を提示することは可能だったはず。もう、なんというか、不甲斐ないとしか言いようが無いです。泣き声で。・゜・(ノД`)・゜・

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2003/10/16

 DivX コデックのバージョンを上げるついでに、Ad-aware を試してみた。

ad-aware.png (71 KB)

 88 items だって。すげぇ〜(w。

 心当たりのおありな方はぜひお試しを。特にうちの親父とか(苦笑)。


 先週、ウィルキンソン・ジンジャエールを見つけてうれしいうれしいという話を書きましたが、同じお店で今度は本物の SPAM を見つけました。

spam_and_dai-chan.jpg (31 KB)

 SPAM というと最近ではあまり良いイメージをもたれない言葉として使われるようになってしまいましたが (迷惑メールと言う意味で。。。ただしこちらは小文字で spam と書くべきですが)、もともとは Hormel Foods 社のランチョン・ミートの商標だったりします。

 前々から食べてみたいとは思っていたのですが、早速買ってきて食べてみました。ちなみに下の写真は中身を取り出してみたところ。

spam-substance.jpg (25 KB)

 なんていうか、缶詰の形そのまんまの肉の塊が、缶にぎっちり詰まっているサマは、なかなか圧巻です(w。一応加熱済みの豚肉をミンチにして塩で練ったもので、丁度、ソーセージの中身だけで大きな塊を作ってみた、といった感じのシロモノです。

 で、最初は食べ方がよく分からなくて、とりあえず 6 枚切りのパン 1 枚の上に、1/3 ぐらいにスライスして鉄板で軽くあぶったこいつを乗っけて齧ってみたのですが、とにかくやたらと塩っぱくて脂っこくて、正直食えたものではありませんでした。Wilkinson で無理やり流し込みましたが、このときほど Wilkinson の生姜辛さがありがたいと思える体験は、後にも先にもあまりあり得ないことでしょう。。。

 そんなわけだったので、まぁ到底はジャンクフード、決してうまいものではないなという結論に、最初は落ち着いたのですが、丁度その頃、あまりにもタイミングよく Slashdot で話題に上がり、SPAM はおいしいと評するツワモノが続出したため、考え方を改めた私は、そこでの書き込みを参考に、残りの SPAM をがんばって美味しく平らげることに成功しました。

 以下、簡単にレシピをば。

  1. 6 枚切りのパンを 2 枚焼く。
  2. 1/3 ぐらいにスライスした SPAM をフライパンで焼き色がつくまで両面焼く。サラダ油を使用すると、SPAM の脂分が少しは流れ落ちるので良い。
  3. 1 枚の焼きあがったパンに、レタスを 2 枚分ほど乗せ、その上にさらにスライスしたトマトを好きなだけ乗せる。
  4. さらにその上に焼いた SPAM を乗せ、その上に薄くスライスした生のたまねぎを適量乗せる。
  5. SPAM を焼いたフライパンをそのまま洗わずに、卵を落としてターンエッグにし、ミックスチーズを振り掛けて溶けるまで加熱する。できたら熱いうちに SPAM の上に乗せる。
  6. トマトケチャップをお好みで適量乗せる。最後にもう 1 枚のパンを乗せて出来上がり。

 とにかく、SPAM の塩っぱさ、脂っこさをいかにして和らげるかがコツ。そのためにも、新鮮な生野菜をふんだんに使用し、さらには目玉焼きとチーズのようなアクの強い素材を同居させることでごまかしを効かせる。生のたまねぎは肉の臭みを和らげる効果があり、これも欠かせません。あとはソースにトマトケチャップだけではなく、マスタードや黒こしょうなどを加えて試してみるのも良いかもしれません。

 もっとも、「それなりに」美味しくいただく方法でしかないので、あんまり期待を胸に膨らまして SPAM を買いに行ったりすると、後できっとがっかりするのでオススメしません。それから、このレシピを参考にしたために、顎が外れたり、大事な服を汚したり、著しく健康を損ねるなどの損害を被ったとしても、私 T.MURACHI は一切責任を負いませんのであしからず。


 哀少女ローラもとい「ロリータ」は、やっと前半の第一部が読み終わって、第二部に差し掛かったところです。なんだか丸々 1 ヶ月ぐらい掛かりそうな勢いのローペースで読みつづけています。読めば読むほど、同情の余地を失ってゆくハンバートですが、しかし同情できないと思うのに比例するような形で、人間っぽさといった感じの妙な魅力が膨らんできている気もします。まぁこいつに関しては読み終わってからと言うことで。

 んで、今週はとっても久しぶりに、ネタ帳を追加しました。今回はフィクションです。最後にネタ帳でフィクションを書いたのが 2001年8月23日なので、実に 2 年と 2 ヶ月ぶりということになります。。。とんでもないブランクだなぁ。もっとも、音楽製作の方がよっぽどブランクは長かったりもしますが。。。

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2003/10/9

 先週辺りから、近所の JUSCO 津田沼店が開店しました。24 時間食品売り場が開いているということと、食品専門店街の一角で WILKINSON ジンジャエールが売られているのを見つけたことから、既にちょくちょく使い始めていたりします。。。あ、新津田沼駅から直結しているのはたった今知りました(爆笑)。まぁ、知ったからって JR 津田沼駅から家までの道のりが近くなるわけでもないんだけど (思いっきし自分ちの位置が特定できそうなコメントだな)

 WILKINSON ジンジャエールは私もつい最近ネットで知り、そして本当につい最近、とあるピザのお店 (なんとかまどで焼いてくれる超本格派!!) で初めて飲んですっかり気に入ってしまった飲み物で、カナダドライやらなんやらと比べても比べ物にならないくらい「本物の生姜汁」(よーするに物凄く生姜辛いということ) なのです。特に、ジンジャエールで割って作るカクテル (モスコ・ミュールとか) を作ろうとか思っている人には絶対オススメです。まぁ、ストレートで飲むにはちょっときつい飲み物ですが (私はふつーにストレートで飲んでますが ^_^;)

 ところで、24 時間やっているだけあって (きっと開店したばかりだから、ということもあると思う)、夜遅くでも結構お客さんが入っているのですが、なかでも小さい子供連れの親子が多く見かけられるのには正直驚きです。。。恐らく小学校にも上がっていない子供がやいやいはしゃいでいて、親らしき人がそれをあやしている、という光景が、夜中の 11 時半過ぎに見られるというのは、どうしたことだろうとか思ってしまうのは私だけでしょうか? もちろん、こういうことに自分だけの価値観で語ることがナンセンスであることは承知の上ですが、少なくとも、幼稚園児のうちには絶対に見ることのできるチャンスがあった筈の、両親のえっちシーンも見たことの無い私(wには (おいらが小学校に上がって間もなく、妹が誕生したのでした)、あまり考えられないことなのです。。。嗚呼、あの異様なまでの、大晦日の興奮が懐かしい (;_;)/


 「ロリータ」ですが、未だいくらも読み進んでいなかったりします (1/3 行かないぐらい)。私はフランス文学に精通しているわけではないのでよく分からないのですが、女性の名前に「〜イータ」といった発音の接尾子をつけるのは、愛称か何かなのでしょうか?

 それと、非常に興味深いお酒の飲み方が紹介されています。シャーロット・ヘイズのラブレターを読み、決断の後、彼女を迎え入れる前にハンバート・ハンバートが飲んだ大好きな飲み物、「ジンとパイナップル・ジュースの混合酒」。なんでも「いつも私の精力を倍加する」んだそうで。。。ほほぅなるほど。そいつは良いことを聴いた。こりゃあ今週末にもジンとパイナップル・ジュースを仕入れて禁オナを再開せねば (あれ?)

 しかしなかなかおもしろいです、この小説。ハンバート・ハンバートの獄中手記という形を取っているようなのですが、物語を物語とすべく、「一生懸命芸術的に物事を描写しようとしている風」を巧妙に演出しています。したがって、ハンバートの心中、清らかな想いから悪態、恐怖、ヒステリーに至るまでの心象描写に長けていて、個人的には読んでいて飽きがこないです (しかしながらここで、電車の中で「ロリータ」と題された文庫本を読みながら一生懸命笑いをこらえているサラリーマン風ハゲアタマをご想像くださいw)。そして、そうでありながらも、読者自身はハンバート本人にはなりきることができないように書かれている、というのもポイントなのではないかと思います (結果的にそうなってしまっているだけかもしれませんが)。恐らくこれは、ハンバート本人が、自分自身のことを、なるべく客観的に描こうとしている風に、文章が書かれているからなのではないかと思います。この、(世間的に見れば倒錯したと言わざるを得ない変質的偏愛物語に) のめりこませるのではなく、あくまで一歩手前に引き、距離を置いた状態で読ませようとするやり方は、とても洒落た試みだと思うし、反面、アメリカ国内の出版社には受けが悪かったのにもうなずけるような気がしてしまいます。

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2003/10/2

 ついに月を表す数字が 2 桁になりました。月を表す英単語の末尾は先月から既に -ber となっておりましたが。ってなんだかいまいちおもしろくない書き出しだなぁ。

 とりあえず、やっとこさ読了したあの小説の紹介から入りましょうか。

 「“Roadwork”改題 最後の抵抗」 (スティーヴン・キング (リチャード・バックマン)/諸井修造 訳/扶桑社ミステリー)。

 脳腫瘍で息子を亡くし、そして道路工事によって、家と、勤め先のクリーニング工場を取り壊されることに傷心する主人公、バートン・ジョージ・ドーズの、絶望に満ちた物語。しかしその物語とは裏腹に、文章は面白おかしい演出に満ち満ちており、読んでいて飽きることが無い。そしてそのオモシロさゆえに、かえって主人公の狂気が、より一層深みを帯びて、読み手の心に染み入ってくるのだ。

 ネタばれですが、最終的にはこの男は、爆薬を用いて自分もろとも家を爆破して散り果てるのです。その結末におけるジョージの描写は、“The Longwalk”で最後のひとりに残っても歩みを止めないギャラティや、“The Running Man”でロッキードに乗ってゲームズ・ビルに突っ込むリチャーズに通ずるものがあるように思えます。何はともあれ、スティーヴン・キングは、発狂し、あるいは最終的に何らかの形で果ててしまうような人間の心理描写が、非常に巧妙な作家であると言えます。必読書ですね。断然オススメ (*^o^*)

 ところで、この小説中で、ジョージが内証の飲み物として愛飲している飲み物があります。それは、「サザン・コンフォートのセブンアップ割り」です。物語のちょうど真中辺りに登場する、オリヴィア・ブレナー (これまたネタばれですが、冬の糞寒い中、ヒッチハイクでラスベガスへ行こうなどという風変わりな女) を以ってして、「まぁ、おいしい」と言わしめたその飲み物に、私は心惹かれました。ちなみに、Southern Comfort というお酒自体は、リキュールの一種で、不味いバーボンを何とか美味しく飲めるようにしようと味付けしたのが始まりである、などといわれています。

 あいにく 7up は (少なくとも、私の果てしなく狭い行動範囲においては) 見つけることができなかったので、Sprite で代用していますが、本当にとっても美味しい飲み物なので、写真付きでレシピを紹介しましょう。

  1. ハイボール・グラスを用意しましょう。私が持っているのは、高さ 12 〜 13 cm 、直径 7 cm ぐらいの、卵形をしたグラスです。
    high-ball.jpg (22 KB)
  2. 氷を適量入れます。市販のものを 4 〜 5 個程度。
    high-ball-with-ice.jpg (19 KB)
  3. Southern Comfort を、1.5 オンス注ぎます。と言っても、私は 1.5 オンスを計量できるものを持っていないので、目分量で入れます。写真は、ちょっと入れすぎかもしれないです(w。ちなみに、目安は大さじ 1 杯が 0.5 オンスといわれています。ただし、日本製の大さじはアメリカのそれよりも若干小さめに作られているので、3 杯よりも若干多めに使用する、と認識しておいた方が良いでしょう。
    high-ball-with-ice.jpg(19KB)
  4. グラスいっぱいに、炭酸飲料を注ぎ、マドラーで軽く (炭酸が抜けない程度に) かき混ぜてできあがり。あれば 7up が良いのでしょうが、私は前述の通り Sprite で代用しています。三ツ矢サイダーやコーラなどでは未だ試していません。
    sensation.jpg (24 KB)

 私は基本的に、甘いお酒はあまり得意ではないのですが、こいつだけは素直に美味いと思いました。非常に飲みやすく、またキック力も抜群です (Southern Comfort はアルコール度数が 39°もある)。漫画家・山田玲司氏は名作「B バージン」の中で、短期決戦で酔わせてやっちゃえ的な飲み物として、モスコ・ミュールを紹介していますが、こいつはモスコなんかよりも全然飲みやすく、女を落とすのにも絶好の飲み物なんでは無いかと思われます(w。正直、お子様でも飲めるんではないかというくらい。。。(−_−)


 で、現在読んでいるのは、これまた超古典、「ロリータ」です。

 自分がロリコンであるという自覚症状があるからということもあるのですが、そもそもこうした変質的な性的嗜好を持って生きている人間の心理というものには、前々から興味を抱いていました。著者ハンバート・ハンバートによる獄中手記の実話小説、といった形式を以って、物語は描かれているようです。未だ冒頭しか読んでいないのですが。

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