| カッコ内はリンホフ・テヒニカの場合のデータ 1.ボードマウントのタイプ (リンホフボード)
 
 リンホフボードは三型と四型以降の現行ではタイプが違うので注意。
 またリンホフボードはホースマンやジナーを除いたタチハラなどの多くのビューカメラが採用している。ホースマンブランドでもウッドマンはリンホフ互換である。
 
 2.ボードマウントの内径寸法 (83mm)
 
 これに合わない大きな後玉を持ったものはマウント穴に入らない。
 ただしこれに合ってなくてもレンズの後玉をばらしてあとでピントグラス側から入れる手もある。
 
 3.フランジバック:ベローズの最短と最長 (92mm - 430mm)
 
 これが一番大事なところでもある。一般にレンズのカタログの必要フランジバック長から自分のカメラの最大ベローズ長以下のものを選ぶが、下記の事項を知っておくと良い。
 3-1.標準タイプとテレタイプ
 レンズには大きく分けて標準タイプとテレタイプ(テレフォトタイプ)がある。
 35ミリ一眼レフでもこの違いはあるのだがユーザーは意識することはあまりない。テレフォトタイプとは単に望遠レンズのことを指すのではなく、レンズの光学的な分類である。別な言い方をすると35ミリ一眼レフで広角で使われるレトロフォーカスタイプの逆でもある。つまりレトロフォーカスタイプが前面に大きな凹レンズ(負のパワー)を持って光学主点を前方に移動してフランジバックを長くするのとは逆に、後部に負のパワーを持ってフランジバックを短くするのである。
 
 言い換えると35ミリ一眼レフの広角レンズの場合はミラーを避けるためにレトロフォーカスタイプでフランジバックを長くするが、ビューカメラの長焦点(望遠)レンズの場合は蛇腹の伸張距離を短くすませるためにテレタイプでフランジバックを短くしている。
 
 たとえばフジノンレンズの300ミリを例にとると、標準タイプのレンズの場合は296mmフランジバックが必要でこのままだとホースマンでは蛇腹の長さが足りない。しかし、テレタイプの300ミリの場合はわずかフランジバックが196mmですむため取り付けることができる。
 3-2.実際に必要なフランジバック また単にフランジバックをクリアしただけでは無限にしかフォーカスが合わない使いかたしかできない。風景ならばこれでもよいが、一般的には標準タイプの場合はレンズの焦点距離(バックフォーカスでなく)に1.2をかけた長さが確保できれば通常使用が出来て、x2.0をクリアできれば近接が可能といわれている。これはあくまで目安である。
 またテレタイプの場合は焦点距離に0.9をかけた長さが確保できれば通常使用が出来て、x1.2をクリアできれば近接が可能といわれている。
 
 つまり360mmレンズの場合は 360x1.2=432mmのフランジバックが必要なのに対して、テレタイプの場合は360x0.9=324mmのフランジバックで通常使用が可能であることになる。
 これを自分のカメラの最長フランジ長(最大ベローズ長)にあてはめればそのカメラで実際に使える最長の焦点距離がわかる。
 
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