泌尿器科医・木村明の日記

木村顔

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。


男性医師による化粧指導


今日も皮膚科学会東京支部学術大会に出席。面白い企画がいっぱいで大成功の会でしたが、苦言を呈するなら、プログラム・抄録集が第1日目の5時前に売り切れていたこと。

今日のプログラムが何時に始まるか分からず、8時に着くように行きました。モーニングセミナーが始まったのは8時45分でした。

3つのテーマはどれも魅力的でしたが、「男性医師による化粧指導は可能か」を聞くことにしました。

開業前に皮膚科を教わったのは、東京共済の皮膚科の女医さん。外来診療を見学させてもらって一番力の差を感じたのは化粧指導。

お師匠さんは化粧について相談されると、化粧品メーカーの試供品を持ってきて、「これを使ってみて気に入ったら、院外薬局で購入してください。」

なので、2005年2月の日本皮膚科学会東京支部学術大会では、化粧品メーカーのブースを回り、試供品の提供を受けました。

この時、丁寧に説明してくれたのが、アクセーヌとラ・ロッシュ・ポゼ。ラ・ロッシュ・ポゼは2005年当時は、サリチル酸入りでピーリング効果のある美容液に力を入れていました。

私はニキビのピーリングにはサンソリットのスキンピールバーを使うことにしていたので、結局、ラ・ロッシュ・ポゼのサリチル酸入りの美容液を患者さんに勧める事はありませんでした。


なので、アトピーの患者さんにはアクセーヌのADシリーズ、ニキビの患者さんにはACシリーズのサンプルを渡し、気に入ったら東急SCの1階のアクセーヌの商品を取り扱っている店に行くよう指導していました。

ところが、どうもその店が東急SCから撤退するらしい、と、くノ一から聞かされました。一方、ラ・ロッシュ・ポゼはうちのビルの1階の薬局が取り扱っています。

ラ・ロッシュ・ポゼがアトピーやニキビ用にどのような化粧品を揃えているのか、今度説明を聞くことにしました。

閑話休題、今日のモーニングセミナーの成果です。男の医者は、「化粧品については化粧品メーカーに聞いて」と逃げて、化粧品の銘柄の説明まではしません。

一方、化粧品メーカーは病的な皮膚に化粧品を塗ることは建前上勧められないので「皮膚病をお持ちの方は、化粧品を使ってもよいかまず皮膚科専門医に御相談下さい。」としか答えられない、とのことでした。

化粧品は本来、健康な肌に用いるべきものなので、院内に化粧品を置くか、近くの薬局と連携して医者が指示を出してくれないと、化粧品メーカーとしてはアトピーやニキビなどの病的肌に、「この化粧品を使いましょう」と大っぴらに言いにくいようでした。

化粧指導では普段化粧していない男は女医さんに太刀打ちできません。くノ一の皆、がんばれ!

今日の学会では、水疱症・母斑・ナローバンドUVB・アレルギー検査・肝斑・腋臭・アクロコルドンなどいっぱい勉強してきました。夕方だけ勉強に行くのの数倍。

いずれこれらもブログネタにします。
木村明の日記
2008年2月10日