








寝たきりを招く骨粗鬆症 






















脳卒中とならんで、寝たきりを招く原因としてあげられるのが骨折です。お年寄り
は、若いころなら骨折することはないぐらいの、ちょっとしたことでも簡単に骨折して
しまいます。高齢になってからの骨折は、寝たきり、ひいては痴呆をも引き起こしま
す。骨折のメカニズムを知り、予防対策を講じることは、寝たきり・痴呆を予防する
うえでも大切なことです。






















骨がスカスカになる骨粗鬆症 




















年を取ってくると、誰でも骨量の減少がみられてきますが、それがもっと進んでくると、
腰や背中に痛みがでてきます。これが骨粗鬆症という病気の初期症状です。
骨粗鬆症は、大根に「ス」が入ったように骨がスカスカになる病気で、そのために骨は
もろくなり、簡単に骨折したり、つぶれたりします。ですから骨粗鬆症が進行すると、自
分の重みで背骨が自然につぶれてしまう圧迫骨折を起こし、腰や背中、首が曲がって
きて身長が縮んだりしてきます。












背骨ばかりでなく、他の部分の骨ももろくなってきます。ちょっと転んだり、手をついた
り、階段を踏み外したりで、簡単に手や足を折ってしまいます。こうしたお年寄り特有の
骨折は、骨粗鬆症によるものが大半をしめています。
昔は、腰が曲がって腰が痛くなるのは年を取ったせいだと思われていましたが、今日
で、骨粗鬆症という病気によるものであることが、医学的に解明されています。






















カルシュウム不足が骨粗鬆症を招く 






















骨粗鬆症を招く生理的要因に、老化による骨量の減少があります。骨は常に破壊と
形成が繰り返されており、正常の場合、破壊される骨量と形成される骨量のバランスが
とれて、骨量は一定に保たれています。しかし年を取ってくると、破壊される骨量が増
加し、それに見合うだけの骨が形成されないためバランスが崩れ、その結果、骨量が
減少してきます。
こうした生理的要因に栄養障害、特にカルシュウム不足が加わると骨粗鬆症が起こ
されます。食物中に含まれるカルシュウムああh、ビタミンDの作用により蛋白質と結合
して体内に吸収され、血液を通して骨に蓄積されます。骨には血液中のカルシュウム
量を一定に保つ働きがあり、血液中のカルシュウム量が減少すれば、骨からカルシュ
ウムを溶かしだし、血液中のカルシュウム量が多くなれば、骨からカルシュウムが溶け
出すのを止めて、血液中のカルシュウム量を一定に保ちます。
年を取って食物から取り入れるカルシュウム量が減ったり、ビタミンDが不足してカ
ルシュウムの吸収が悪くなったりすると、血液中のカルシュウム量が不足して、骨から
カルシュウムが溶け出し、これが長期間続くと骨粗鬆症を引き起こします。




















女性に多い骨粗鬆症 



















ところで骨粗鬆症は、男女差が非常にはっきりと現れる病気で、実は「女性の病気」
ともいわれるほど、女性の羅患率が非常に高い病気です。
これは女性がもともと骨が少ないうえに、閉経によりエストロゲンという女性ホルモンが
極端に減少するため、骨の破壊が増加し、かつ骨の形成が低下することにより引き起
こされます。
女性ホルモンは、カルシュウムの代謝に重要な働きをしていて、閉経によって女性ホ
ルモンの分泌が少なくなったとたんに、骨からカルシュウムが急激に溶け始めてしまい
ます。男性にも起こりますが、女性ほど急激ではありません。統計によると、女性は男
性の3倍以上の羅患率だといわれいます。
骨粗鬆症は死にいたる病気ではありませんが、ちょっとしたことでも骨折しやすくなり、
そのため寝たきり、痴呆をも引き起こす病気です。男性よりも長生きする女性としては、
骨粗鬆症の予防対策は大いに考えなければならない問題といえます。












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