☆桃兎の小説コーナー☆
(08.12.22更新)
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ドラゴンマウンテン 第二部
第二話 ここは死都アランカンクルス
1 ココは 死都アランカンクルス
それは古い古い記憶だった。 この二百年の間、思い出さなかった日など無い、滅びの記憶。 無力だった。 病を振り撒いた憎い<魔>の生物。 それはたった二日の間の惨事だった。 なにも、出来る事がなかったのだ。出来なかったのだ。 「我の力は、一体何の為にあるのか。門を守り、民を護る為ではなかったのか? 誰一人 門がある限り、そこからは幾度も魔物が沸いてくるだろう。 魔界という異世界が存在し、<魔>が地上を狙う限り。 彼は再び立ち上がった。 自らが果たすべき約束は、守るべきものはまだこの手にある。
それから、彼はずっと一人でこの死都を護り続けた。 「……」 長い夜が開け、暁光が死都に降る。
歴史に忘れられた、竜の都。 遅い春を告げる風が死都をよぎる。 |
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1 魔界。 そんな魔界の西の外れに、豪奢な屋敷が存在していた。 |
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2 緑の国、グランディオーソ。 二人の悩みに手を貸す代わりに、竜の使いとなってあるものを受け取り、別の竜にそれ 彼らレンジャーは、冒険者などに山を案内する役目が主な仕事となっていたが、本来の そして。 岩壁の道をしばらく進むと、道は岩壁に突き当たり行き止まりになっていた。 |
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3
壁の向こうは予想したよりも広大な空間だった。 『……て、たすけ、て』 身も凍るような冷たい声がマリンの耳元で漏れた。 「お、お化け……ゴーストおおおおおおおおおお!?」 顔面蒼白になり、マリンは思わずガントにしがみ付き叫んだ。マリンはこういうのがど
何かが歩いて来ていた。 (え、……ガント?) 「何故この死都に人間が居るのだ? 我以外に生きているものは誰も居ない筈だが」
「う……あ……!」 男の顔が伸び、同時に体が劇的に変化していく。
それは紛れも無く、カヒュラの話に聞いたとおりの一匹の漆黒のドラゴンだった。 |
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