“阿弥陀堂だより” ★★☆ 監督・脚本:小泉尭史 |
「雨あがる」に続く小泉尭史作品。 売れない作家・孝夫と、女医・美智子の夫婦が孝夫の故郷に戻ってきます。美智子がパニック障害という精神的な病を抱えたことから、孝夫の故郷で暮らすことにしたもの。 本映画は、瑞々しい新緑の頃から始まり、夏、紅葉、雪と、自然の美しさが印象的です。長野県飯山市にロケしたものですが、場面の多くが屋外の撮影で、しかも日本の原型といえるような信州の自然を背景にしているところが素晴らしい。ストーリィ云々以前に、画面の清々しさが忘れられません。 あくせくして働く都会を離れ、自然と共に伸びやかに生きることができたとしたら、どんなに素晴らしいことか。本映画の画面からは、そんな思いが伝わってきます。 ※91歳の北林谷栄さんは、本作品にて日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。北林さんが老齢をおして本作品に出演したのは、劇団同期生であった宇野重吉さんの長男・寺尾さんと共演したかったというのが理由だそうです。その寺尾聡さん、本当に宇野重吉さんによく似てきました。 2005.01.16 |
※原作
→ 「阿弥陀堂だより」
(付録)
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