生物は機械です。そして人間も機械です。
機械、といういい方は少し曖昧なので言い直すと、
ある法則に従って状態を変えるシステムであって、ある時点でのシステムの 内部状態と、与えられる外部刺激がわかっていれば、次のシステム状態を 正確に予測できるものだ。ということです。( * )
人間の行動や、感情もすべて機械的に予測できるものだ、というと、 「いやそんなことはない、おれは『自分で』考えている。」 と反論する人もいるでしょうが、それも、結局は脳の中の電気的、 化学的な反応の産物です。電気反応も、化学反応も、ある単純なルールに 従ったものです。 「悩む」こと、「ひらめく」こと、「楽しいと感じる」こと、これらもすべて その一部です。
しかしもちろん、僕にはその予測をすることはできません。
現在、人類の英知を集めた道具である Sun SPARCstation-10 を使っても
無理でしょう。
生物を構成する材料も特殊です。普通、機械というと金属を思い浮かべますが、
生物は有機物でできています。有機物の振舞いは、人間にはわかりにくい。
でもそれはただ、人間の認識能力にとって、システムがとんでもなく 巨大で複雑でわかりにくい、というだけで、機械ではない、 ということではないのです。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp