ロボット漫才

   
 

介護施設でのレクリエーションなどでご覧ください。高齢者の「あるある」をテーマに、2体のロボット「太郎と花子」が漫才をします。

 
デイサービス
 

 
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ネタ一覧

 
  (太郎)どうも、みなさん。今から漫才をさせていただく、頭がいいことで有名なロボットの太郎です。
(花子)いつも元気な相方の花子です。
(太郎)いやああ、今日のお客さんはけっこう年配の人が多いね。
(花子)そうやね。平均年齢は70歳くらいなんかな。仕事も定年になってはるやろから、みんな暇なんやね。
(太郎)僕も年取ってきたからな、最近、デイサービスいうもんに行きはじめてん。
(花子)デイサービスってなんなん?
(太郎)高齢者用の幼稚園みたいなもんや。昼間、家族が働きにでている間、することない高齢者を集めて、ごはん食べさせてくれたり、お風呂にいれてくれたり、ちょっとしたレクレーションをしたりしてくれるんや。
(花子)なるほど、たしかに幼稚園みたいやね。
(太郎)いろんな人がぉるで。
(花子)たとえば?
(太郎)みんながあつまってゲームしたり、歌を歌ったり、お話したりする部屋があんねんけどな、そこで、なんでも「あれ」とか「それ」で言うおばあさんがおんねん。
僕にも話かけてくれるんやけど何を言ったはるんかようわからんねん。
(花子)こっちにしたら、どれ?って感じやね。スタッフさんも困ったはるやろ?
(太郎)それがな、どうもスタッフさんは、ちゃんと言わはってることが分かるみたいやねん。
(花子)へ〜たいしたもんやね。
(太郎)でな、そのおばあさんな、僕に自分で作ったお菓子とか、なんかわからん食べ物を上げるゆうて、強引に差し出してきよんねん。この前も家で作ったアップルパイあげるいうて。
(花子)もらったらええやん。アップルパイ嫌いなん?
(太郎)いやいや、アップルパイっていっても、黒い塊から、なんか赤いスライムみたいなんがはみ出してる得体のしれんもんやで。
(花子)なるほど、それは怖いなぁ。
(太郎)で、例のスタッフさんも困ってはって、受け取るだけ受け取って、「あとでスタッフがおいしくいただきました」って言うたはったわ。
(花子)なんかテレビの料理番組みたいやね。
(太郎)たぶん、あれは裏で捨ててるな。あと、おばあさんだけやなしに、変なおじいさんもおんねん。デイサービスに来てる人らには、杖をついてる人が多いんやけどな、一人、杖をひきずってたり、浮かして持ってたりするおじいさんがおんねん。
(花子)杖、いらんのんちゃうん。
(太郎)せやねん、スタスタ歩かはんねん。でな、たまに杖を大きくふりかぶって、ゴルフのスウィングの真似をしたりしよんねん。
(花子)危ないなぁ。なんで杖もったはるんやろね。
(太郎)僕も聞いてみてん、なんでですかって。
(花子)なんて答えはったん?
(太郎)杖をもってたら落ち着くねんて。
(花子)なんやそれ。ようわからんなぁ。
(太郎)そのおじいさん、けっこう問題児で、他にも色々とスタッフさんを困らせてはるみたいやで。
(花子)へ〜。かなんなぁ。
(太郎)お風呂が嫌やゆうて、なかなか入ってくれへんだり。説得して入ってもらうのに20分もかかったっていうたはったわ。
(花子)20分も?
(太郎)あとの人らの時間が押すって言って、スタッフさんがこまったはったわ。
(花子)でもお風呂嫌いやねんやったら、ササッと入ってろくに洗わんと上がってきはんのんちゃうん。
(太郎)それがな、入ったら入ったで、「浴槽から出たない」って言って、なかなか上がらはれへんねん。
(花子)天邪鬼やなぁ。まるで、あんたみたいや。
(太郎)え、なんでわかったん?
(花子)やっぱりな。どこへ行ってもおかしなことばっかりして。あんたとは、やっとれんわ。
もう帰らしてもらうわ。