研究テーマ->ジャンル研究->民族音楽->アフリカ音楽
|
各民族音楽の特徴をとらえ、自動作曲や自動編曲を利用したコンピューター・ミュージックで再現するということを試みています。このページ
では、コンピューター・ミュージックで各民族音楽の特徴をもった曲の作成を行うという観点から、特に留意した点を中心にして紹介しています。
|
|
|
特徴 |
アフリカ音楽といっても、広大なアフリカ大陸ですから、やはり様々な民族音楽が存在します。しかし、共通するのは、やはり強烈なリズムでしょう。特に、異なるリズムを同時に演奏し、1つのリズムを作り出すポリリズムが特徴です。 |
音階も、やはり、広大なアフリカ大陸ですから、様々なものが存在します。1オクターブの中の12音のうち、4音から7音を使用する感じですが、12平均律のようなかっちりとした調律方法があるわけではなく、それぞれの音の高さもアバウトです。
色々ある音階のうち、分かりやすいのは「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」を使用するいわゆるヨナ抜き音階です。この音階を、カリンバ(ムビラ)という楽器で演奏すると、でたらめに弾いても、かなりアフリカっぽい感じになります。カリンバは、長さの違う鉄の板を、木の上に並べて置いたもので、親指ピアノとも呼ばれているらしいです。この鉄の板を指で弾いて演奏するのですが、これが、オルゴールのもとになったらしいです。他の楽器としては、しわがれたボーカルが入ることが多いようです。
また、大勢の男女が声をかけあうように歌うパターンもあります。
アフリカの民謡は、他の国の民謡とちがい、みんなが歌い継ぐような確立されたメロディがあるようなものは少なく、部族の中で即興的に演奏するようなものが多いです。歌詞があってメロディがあって、楽譜もあるというよな感じではありません。それでも何曲か有名な曲がありますので、アフリカ音楽のページで紹介しています。 |
|
|
|
音階
|
4音階 「ド」「ミ♭」「ソ♭」「ラ」
5音階 「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」
6音階 「ド」「レ」「ミ」「ソ♭」「ラ♭」「シ♭」
など色々なものがあります。
アメリカのブルースの起源はアフリカ音楽にあると言われています。ミbやシbの音を西洋の和音に乗せて弾けばとてもブルージーな音になります。これらの音はブルーノートと呼ばれています。アフリカ大陸から無理やりアメリカにつれてこられた黒人たちが、自分たちのねぐらとなっている納屋に置かれていたピアノなど西洋の楽器に自分たちの音楽を乗せたところ、西洋の音楽とアフリカの音楽が融合してブルースのもとになったという話です。
アフリカの民謡で広く歌われていて、楽譜があるものはごくわずかですが、実際の曲でどのような音が使われているか調べてみました。
|
ド |
ド# |
レ |
レ# |
ミ |
ファ |
ファ# |
ソ |
ソ# |
ラ |
ラ# |
シ |
チェッチェッコリ |
0 |
0 |
0 |
0 |
26 |
0 |
0 |
32 |
0 |
85 |
0 |
5 |
マライカ |
23 |
0 |
17 |
0 |
25 |
15 |
0 |
9 |
0 |
2 |
0 |
8 |
|
|
|
|
ポリリズム |
説明が難しいですが、幾つかの楽器を同時に演奏するとして、各パートが異なる拍子で演奏するような状態をポリリズムと言います。たとえば、ドラムをたたいている人は3拍子、カリンバを演奏している人は4拍子で演奏しているような状態です。このような場合、拍がそろうのは、12拍ごとになります。 |
|
|
|
楽器 |
|
カリンバ |
親ゆびピアノとも呼ばれる楽器です。 |
|
ボーカル |
|

|
ジェンベ
|
アフリカのドラムです。 |
|
|
|
|
|
|
自動作曲ソフトによる再現 |
「自動作曲システム」では、カリンバという楽器ではなく、マリンバという音色を用いています。 音階は、「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」の5音階を使用しています。
「自動作曲システム」では、リズム用のトラックを2つ用意し、この複合リズムの雰囲気を作り出そうと試みています。参考に聞いてみた曲は、ショナ族の曲で、3連音符を4回繰り返すようなものでした。これ以外のリズムもあるのでしょうが、この、3連音符4回のリズムパターンが、後のジャズやブルースの基本リズムになったのかもしれません。最初は、4分音符の3連音符だけでリズムを構成するようにしていましたが、後で、8分音符の3連音符も取り入れるようにしたところ、よりアフリカっぽい曲ができるようになった気がします。MIDIデータ(旧)とMIDIデータ(新)を聞き比べてみてください。 |
自動作曲システムによるサンプル曲 |
|
|
|
関連リンク |
「AfloPoly」では、色々なポリリズムがショックウェーブで再現されています。かなり充実した内容となっており、とにかく、一聴の価値はあります。
|
|
|
|
|
|