MINAKO Physical Live Interview

〜Actor Side 〜





−美奈子さんは、芝居もいろいろ経験されて、役者をやってみて如何ですか−

ミ:商業ミュージカル(森は生きている)や、ドラマ(5月の風)や、ストレートプレイ(二人芝居”元気な人々−東京ブキウギ”)など、
色々な スタイルのお芝居をやりましたね。それぞれ、面白さ、難しさがあるので、どれが一番っていうのはないんだけど、ステージっていうものは、音楽で立ち続けてきたので、あってるんだろうなとは思います。
でも「森は生きている」をやってみて、たしかに踊るんだけども、それは、あたしが踊るんじゃなく、女官長が踊ってるわけですよ。
コンサートのあたしの踊りではなく、役になって踊る、それも面白いと思ったし、二人芝居もやってみて、その役で踊りも歌も歌う。うまく歌うだけが、歌じゃないって言われたんだけど、そっかーと。
映像をやったのを自分で見た限りでは、想像以上に自然な自分がいたので、映像も面白いのかなって、思いますよ。 周りからは、音楽があった方がいいよ、って言われて、そうなのかなって思ったりもするけど、色々なことにトライ してみたいなって思います。
まだまだ自分には何があってるって言える段階じゃないと思っているので、 自分が入り込めそうなものを、色々やってみたいなぁと。
2年間やってきてみて、出来そうな気がしてきたし、お芝居が好きになっているだけど、ただ今、私のポジションでお芝居の世界に入っていくっていうことは、主役を固める役回りになるし、生半可な気持ちではいけないなぁって。お母さん役ひとつでも、沢山の役者さんがいるわけだし、ミュージカルって言っても、本格的な 勉強が必要だし。逆に、あたしがいい意味で染まってないっていうことが、そういうことを求めてる演出家さんとの出会いがあえば、変わるだろうしね。
劇団に入ることが一番、早いのかも知れないんですけど、それはその劇団の色 に染まるってことになるんですよね。
はまり役って言っても、そうそう出会うわけじゃないと思うので、もっと、ストレートなお芝居の勉強をした方がいいのかなって思いますね。お芝居を やっていきたいという気持ちは、強くありますよ。勉強ですね。
こないだの二人芝居にしても、40分の劇に一カ月以上、みっちり稽古ですよ。
相手役だった、あたしのお師匠さんが、稽古場を一カ月押さえてくださって、 だからこそ、出来たというか。
お芝居って、不思議ですよね。その役に入りこ んでないと、何かあったときに、自分に戻ってしまうんですよ。
だから、mandaraのLiveで、二人芝居の劇中歌「YOU BELONG TO ME」を歌った時に戻っちゃって、そしたら急に恥ずかしくなっちゃって。
あのLiveの流れの中で、急に、アンジェラ米岡っていう役、人格に行くっていうのは、恥ずかしく ってね。二人芝居の初日は、BONが一番前で見ててね、フッとか笑われて、自分に戻っちゃったらどうしようとか思ってたんだけど、入り込んでるから戻らないんですよ。一番前にBONって拷問じゃない?
(一同爆笑)とか、 思ったんだけど、アンジェラという人から離れないから、最後まで行けた。
逆に、Liveだとあたしという自分を表現する場所なんで、MCとかで、素が出てしまうんだけど、芝居は戻っちゃいけないから。
二人芝居は、題材の面白いものがあれば、やってみたいですね。
いろんなお芝居 を見に行っても、同じ役者さんでも、あの芝居の時は凄く良かったに、今日の はそうでもないなぁなんて時は、どうしてもあるんですよ。どんなにお芝居が 上手な役者さんでも、この役にははまりにくいんだなぁっていうのが有ると 思うので、そういう意味で、お芝居は難しいですよ。
時間も、二人芝居は周りで見た人に、短いって言われたんだけど、でも40分が60分になったら、長いって言われるかもしれないし、もうちょっと見たかったって言われる位の方がいいかなぁ、とかね。
時間もね、ライブもそうなんだけど、BONに出てもら った時に、長いって、数回のリハで覚えられないよ!!って怒られた
(一同爆笑)
分かってるんだけど、あれもやりたい、これもやりたいってなっちゃって 笑、でも人のを見に行くと、今日のこれは長いなぁって
(一同爆笑)
たっぷりって いうのもあるけど、それは自信を持って見せられるものが、ある時かなって 思いますね。

−Singerのモードと、Actorのモードは違うっていう感じですか?

ミ:そう、mandara Liveの「YOU BELONG TO ME」はシンガーになってるから、アンジェラにはなれないっていう。
あれも、お芝居が終わってすぐだったら、 戻れたかも知れないけど、やる事が恥ずかしかったのね。
周りは絶対やれって 言われたんだけど、そっかなぁ、そっかなぁ、でも台詞はなぁっていうね 笑。
小野ちゃんとかは、ステージに出る時は、ジェームス小野田っていうのが、キャラが本名とは別に出来上がってるから、そのジェームスっていうキャラがあるから、ステージで他の役になるのもやりやすいのかなぁって、思った。
Summer Partyの”すずな姫のテーマ”も面白かったよねぇ 笑。あたしも"おねしょ、おねしょ"で振り付けることになろうとは
(一同爆笑)
お子さんが楽しめる世界なので、照れくさい感じもあったかもしれないけど、小野ちゃんは役になりきってるから、ブレない、根っからの役者気質だと思うんですよ。

−美奈子さんは、女優をやる時って、特に二人芝居は練習も含めると一カ月以上、ドップリひたったわけじゃないですか。
それと、普段のミナコさんって いうのは、パッと切り換えられるんですか?

ミ:そうでもないですよ。私、そんなに器用じゃないから、二人芝居なんかは、ズッと怒るシーンが多かったじゃないですか。
そうすると、怒りっぽくなるんですよね。普段は絶対、言わない、言えないことも、ワッって言っちゃったりして 笑。
それは、人それぞれだと思うんだけど、根が素直なもんで 笑、そこに入りこんでいっちゃうタイプみたいで。
なんか悲しいシーンが続いちゃった りすると、なんか一人になりたいなぁとか、そんな気持ちになることはある。
アンジェラは特にズッと責められっぱなしだったじゃないですか、そうすると毎日毎日練習で罵倒されるわけですよ。
台詞と分かっていても、そういうメンタルな部分で、自然に役に変わったままになってるということがあるわけですよ。
ずっと女優やってる人の話とか聞くと、旦那さんとか大変だって聞くわけ。
モードチェンジが出来にくくなってるから。アンジェラの時は、普段もアンジェラの顔になってたかもしれないですね。怖かった、怖かったってみんなに言われたんだよね 笑。金子が一番、大変だったかも。
音楽って、ワッと発散できるじゃないですか?二人芝居なんか、特に相手とのキャッチボールだから、発散出来ないわけ。
台詞でひどいこと言われても、普段だったら言い返せるのに、役柄でグッと気持ちを押し込めないといけない から。
もう、相手の感情をもろ受け止めるので、発散できなくなっちゃうわけですよ。だから、役者さんって、やればやるほど、煮詰まる部分もある気がしますよ。何十年も役者やってらっしゃる方でも、ワークショップに参加されたりして、自分を見つめなおしたりしてますからね。

−役者さんだと、一つの大きな仕事の節目、映画を撮り終えたとか、舞台が終わったとかになると、自分に染みこんだ役を、
元の自分に戻す為に、髪を切ったり、染め替えたり、気分を変える工夫をされてるように見えます−

ミ:うん、おっしゃってましたね。そこに入りこんだら、自分では分からなくなってるんだけど、旅行に行ったりとか、髪切ったりするとかして、スコンと抜ける瞬間を作るんだよね。
私は二人芝居の後、Liveを入れてたから、そのLiveモードになることで、リセットされたんですよ。チエちゃん達と、合宿とかもして、特に合宿でリセットされたかな。だから逆にライブで「You belong to me」をやった時に、今度は、台詞とかもあるし恥ずかしいなって思いながら も、入りこめれば出来るよって、思ってたの。そしたら、もう完璧にリセット されちゃってて、本番になったら照れちゃって照れちゃって。
周りには、役者やって歌手に戻れるかなぁって言ってたらしいんだけど、合宿に行ったら、すぐ戻っちゃったーって 笑。だから、あのアンジェラに戻れなくって。
なんか、歌を歌う時っていうのは、自分をさらけ出すような気がするのね。 で、お芝居の時は、アンジェラならアンジェラっていう、ぬいぐるみを着てる ような気持ちで 笑。
もっと、自然にあっち行ったり、こっち行ったり出来れ ばいいんだけどね。

−少し感想ぽいんですが、役者さんて大きく二つのタイプがあると思ってい て、真っ白な状態ですぐ役に染まって演じられる人と、
どちらかというと、その俳優さんの個性が先に立つ人、役を引き寄せるタイプがある気がします。
ミナコさんの場合、前者、役に染まるタイプだと思うんですね−

ミ:嬉しいな。あたし、アンジェラとかやって、みんな、あたしの地のキャラで笑ってくれてたらどうしようとか、思ったりもしてたんだけど。

−こないだのサマパで、小野田さんと美奈子さんが朗読をされて思ったのが、小野田さんは役を引きつけるタイプで、
美奈子さんは役に染まるっていうのが対照的だなって思ったんですよ。まるで、その詩を書いた方がいらっしゃって読んでるような感じでした−

ミ:そうか、あたしはそういうタイプなのかな。やってみて思ったのが、自分でも不思議なくらいに自然に役になりきっていたんですよ。
別に押し付けて、泣かせようと思って読んでるわけではなくって。ニュートラルな感じなのかな?
小野ちゃんとリハーサルの時に、ビックリしたのが、私、朗読やったことないし、茨城訛りもあるし 笑、大変だよっ、でも練習するねって言って、朗読ってどう やってやったらいいの?って、で小野ちゃんが読んでくれたんですよ。あっ、 それでいいんだって。で、当日のリハーサルの時に、小野ちゃんをフッって見たら涙ぐんでてね、こっちは本当?なんでなんで?って言いいながら、嬉し かったですよ。
お芝居やって一番感じた、お芝居っていいなーって思ったのは、あたし、自分 の中で好きな部分もあるけど、コンプレックス感じる部分もあって、でも、基本的に明るい自分が好きなんですよ。たまたま、そうじゃない自分の時に、お芝居の世界に入って、いろんな人になれるお芝居っていいなーと。自分を 捨てられるっていうか、忘れらる、ニュートラルになれるっていいなーと。

−ニュートラルな感じ、それは美奈子さんの役者の強みかも知れませんね。
どんな役にもなれるということは、天性のもので、ワークショップで学べるものでもないでしょうし−

ミ:そうだといいですね。だから、自分に似た役の時には、そのまま家へ持って 帰れるけど、そうでもない役は、まっすぐには家に帰れない 笑みたいな。芝居 をやる時に、その人の人物像を作り上げて、クセを作ってっていうのも大切なんだけど、もっと自然にその場ですうーって役に入っていけて、心がある言葉 が出てくることが、私はいいのかなって思うんですよ。
以前は、ワークショップに行く時は、そんな役は出来ないみたいなのも、あっ たけど、今は気負いがないというか、いろいろやってみようって思ってます。
歌ってるときの方が、緊張してたりするかもなぁ 笑。なんで、あたしお芝居の 時に、こんな堂々としてられるのかって思ってたんだけど、役が入ってるから なんですよね。今度から違う人になって、ステージ上がろうかな 笑。

−完全に違う人になって出ると違うんでしょうか 笑−

ミ:全然違う人になって、最初から最後まで演出してもらって、ストーリーが あってネ。その方が緊張しないかな。そういうのは苦手だと思ってたけど。今日は、ホイットニー・ヒューストンです、なんて言いながら、出てきたら どうします?笑 サーッて引かれたりして(一同爆笑)

−じゃ身近なところで、お兄さんになって出てくるのは、いかがでしょう?笑−

ミ:竜男(たつお)です、次男ですとか言って? 笑。笑っちゃってできないで しょう。
昔、米米であったじゃないですか、「バストクラッシュ」っていうのが。 マリ男と竜男で
(一同爆笑)よく、出来たよねぇ。思い出してきたよ。
てっぺいちゃんと小野ちゃんのホモの曲で「ヒップ・クラッシュ」って曲が、あるでしょ。BONが、じゃー、それもシュークでやろうとか言い出して 「じゃ、バストクラッシュだ!」って言っておなべ劇なんだけど「マリ男」 「なんだよー、竜男」とか言ってねー。
で、てっぺいちゃんとマリ男と竜男で スーツ着てて、シュークはお水なスーツの下に、ラスベガスのショーガールみたいな衣装を着込んでて、早変わりするんだけどねぇ。スーツは脱いだんだ けど、帽子は脱ぐの忘れてて、帽子かぶったまま、レオタードで出ていった時 はもう
(一同爆笑)しかも、ズボン脱ぎきれてなくて、足首でずったままで、 もう自分でも笑っちゃって苦しいし、帽子脱げてないのは、自分だけ気がつい てなくて、「ハーイ!!」なって、カッコつけて踊ってるし(一同爆笑)
そんなの ばっかりですよ 笑。

−ありましたね!歌とお芝居をやっみて、今後は、どんな活動をやって行かれたいですか?−

To be continued・・・「MINAKO Physical Live Interview − Physical Side」  (全3回)


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