第4章 発情

監修: VFD05003 ぷん


1 発情期は年に何回ぐらいあるの?発情すると、どうなるの?


 生殖可能な年頃になると(約4〜5ヶ月)1年中繁殖が可能です。つまり年に何回 ではなく年中発情しているといえるでしょう。オスとメスが一緒にいれば連続して妊 娠することもあります。ただ、やはり冬や夏よりも春の方が少し活発にはなるようで す

 発情すると、オスはオシッコを飛ばして縄張りを確保しようとします。飼いウサギ の場合は、メスの代わりに人間に対して交尾行動をしたりします。具体的には、しっ ぽを上に向けてブゥブゥ鳴きながら人のまわりを走り回って、特有の臭いのあるオシ ッコをひっかけたり、腕や足などにすがりついてきて、腰を振り動かしたりします。 興奮が高まると生殖器から粘液状の液体を出すこともあります。たまに気が荒くなっ て人間に噛みついたりするオスもいるようです。

 メスは季節の変わり目など突然巣作りを始めることがあります。完全な巣は作らな くても、やたらとものを掘ったりかじったりします。そして、お尻を強めに押さえる と、伏せて尻尾を持ち上げるような仕草をします。発情したメスがオスに追いかけら れると、フンフンと鳴きつつ、しっぽを横に振りながら逃げます。メスも発情すると 気が立って、物音などにヒステリックに反応するようになることもあります。

 メスは、想像妊娠することもしばしば見られ、巣を作り、本当に排卵しホルモンを 分泌して、乳腺が発達したり、腹が出てきたりします。

 ちなみに野性のアナウサギの観察では繁殖は春秋2回、メスは7日周期で発情する ということです。

 メスがオスと同じような発情行動をとったりすることもあります。( この章 4  参照)


2 生後どれくらいで子どもを生めるようになるの? 何才ぐらいまで生めるの?


 生後4〜5ヶ月で繁殖は可能です。しかし完全に成熟する6ヶ月〜1年ぐらい経っ てから、繁殖させる方がいいでしょう。あまり若いメスだと出産しても、育てきれな いこともあります。

 繁殖可能なのは、3〜4歳までと言われています。メスはもう少し長くて、5〜6 歳までだということです。ただ、年を取ると、産む子供の数は平均(7〜8羽)より も少なくなるそうです。

 ちなみにメスは年8回まで出産可能だそうです。


3 異なる種類を掛け合わせることはできるの?


 現在、飼いウサギとして飼われているウサギはすべて、生物学的には、

哺乳網−ウサギ目−ウサギ科−アナウサギ属−アナウサギ

に属しているといわれています。アナウサギ属には種はアナウサギ1種だけです。

 分類学的にはこの「種」までが「種類」と言えるものですが、さらにそれぞれの種 の中に、生物学的には同じ種であるけれど、人間にとって種類が違うように見える、 という「品種」というものが存在します。主に突然変異種などを人為的に交配させる ことによって作出されたものが多いようです。例えば、「アナウサギ」という種の中 の「テウト」「ロップイヤー」と言ったものが品種にあたります。生物学的には同じ ものですので、当然交雑が可能で、生まれた子供もちゃんと生殖能力を持つ同じ種と なります。属が同じで種が違う場合は、交雑は可能ですが、生まれた子供は生殖能力 を持たない、1代限りのハイブリッドとなる場合が多く、属が違う場合は交雑不可能 です。


4 メス同士、オス同士でも発情行動をするのは何故?


 上位を決めるマウンティングではないかとも思われますが、よくわかりません。 仮の異性として、欲求を満足させているのかもしれません。
 少なくとも、メス同士では「メス」の行為を争ってしようとはしていないので、 同性同士の順位争いかと思われます。


5 発情行動にはどう対処したらよい?


 一番自然なのは、適当な相手とお見合いさせることでしょう。しかしなかなかそう はいきません。そうなると、やりたいようにさせておくか、去勢するかしかありませ ん。

 去勢については米国では薦めていますし、方法を知っている獣医さんには難しい手 術ではないようです。House Rabbit Societyで去勢を薦めている理由は、1番目が増 えすぎ防止、2番目が去勢しないとかかる病気があるためです。(去勢しないとかか る病気については この編 第7章 去勢、避妊 1  参照)
 しかし日本で去勢手術に詳しい獣医さんがどれだけいるのかわかりませんし、去勢 をすること自体まだあまり知られていないように思います。命に関わることにもなり かねないので、信頼できる獣医さんが捜せなければやめた方がよいと思われます。

 メスに比べて特にオスは、激しく発情し、人間にすがってきては発情行動を繰り返 すということがあるようです。去勢できないのなら、ほおっておくしか手はなさそう です。


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