更新日:2003/1/18
バンコクロマンチック旅日記 vol.3


○3日め
さて今日は所謂クリスマスイブである。世の中の男女カップルがらぶらぶで過す日。今日こそは下条さんと…と野心を燃やすバカ猫。んが、いつものとーり、お粥をたらふく食べてお昼まで昼寝してました。寝てばっかりです。食ったら寝るのバカ猫に諦め顔の下条さん。ごめんなさいごめんなさいと慌てて起きる。でも昼寝は大事なんだもん。

どーせ寝とぼけてしまったので、そのままバンコクに来た時は必ず行く足壺マッサージへ下条さんを連行する。ここは観光客用ではなくちゃんとしたお医者さん。初診は350バーツ。わしは初診ではにゃいと言い張り、300バーツ。ここの医者は掟が行く度に増えて行く。掟とは、

・生理中・妊娠中の女性はダメ
・手術後4週間はダメ
・食後1時間はダメ
・治療後、水に漬かるのはダメ
・治療後、しばらくは水分・果物を摂取してはダメetc…

ずらずらと並んだのを見て、いつ治療を受けたらいいのかしばし悩む。混んでいたのでしばらく待ってから治療。下条さんと二人で横に並んで受ける。やってくれたのは若いお兄ちゃん。下条さんはしぶいおっちゃん。マッサージ始まる。途端に騒ぎ出すバカ猫。つい蹴っ飛ばしてしまいました。うにゃーうにゃーと叫びました。で、痛くないツボを押されている時に下条さんに語りかけると、

バカ猫:「ねーねー痛いでしょう、痛いでしょー(嬉しそうに笑うバカ猫)」
下条さん:「うーん、うむうむ」

…まるで武士の様に耐える下条さん。それを見て大声出していいんですよーと何回も言うが聞いてくれにゃい。余程痛かったと見える。部屋に帰ってからぶつくさ言っていた。

下条さん:「なんだ、ここに大声だしてよいと書いてあった。もっとでっかく書いてくれれば叫んだのにー!ぷんぷん」

だからバカ猫の話しを信じてくださいってばー。クリスマスイブにまで騙しませんよ。夜は知りませんが。
さて、その足で同じスクンビット地区にあるFUJIスーパーへ出かけた。目的はタイ産の日本酒である。下条さんの旅の目的である日本酒。前日の伊勢丹にはなかった。幻の日本酒ーと売り場を徘徊していたら、下条さんが嬉々とした顔で瓶を抱えて現われた。喜色満面嬉しさ全開の笑顔であった。で、それだけを買うのは何だよねーと元主婦と主夫の二人は売り場をちらりと見回す。野菜がある。しゃぶしゃぶのタレがある。肉もある…何よりも下条さんが日本から持ちこんだ鍋・固形燃料がある!今日はクリスマスイブだ、ちうことは…

「部屋で鍋よねー。そーよねー。ケーキは買えばいいもんねー」

となった。目茶苦茶暴挙であるのはわかっている。わかっているが、目の前のやっすい野菜達の魅力には敵わない。だってね、殆ど10バーツなんですのよ。日本円で30円♪一番高かったのはもやしでなかろーか。日本と変わらず30円。下条さんと買い物をするうちに主夫と元主婦は目が鋭くなる。いい野菜を見極めるのに必死だ。しかも、20バーツになると高いわねぇ、そうねぇ〜とか平気で会話までかわす。日本円で60円を高いと言うこの主婦主夫。馴染むのが早すぎっ。結局、この後の事も考えて肉は買わないで野菜と調味料と日本酒を抱えて店をでた。その後側にある本屋により情報誌をゲットして、店内にいた優しそうな日本人の方に話しかけ、エンポリオ(ブランドばっかがあるデパート)にネットカフェがあることを聞き、そこへ向かった。ここでえらい待たされたので肉を買っていたら今頃バカ猫と下条さんは日本にいなかったものと思われる。

ネットカフェで日記を更新して、巡回して、雑文日記4号館でバンコクで過す二人という言葉を見つけ、掲示板に書きこんだり、お知りあいの掲示板に書き込んだりしてのんびり過す。エンポリオはさすがに有名ブランドオンリーデパートだけあって、イルミネーションのすべてに凝っている。が、一番目を引いたのは「ロードオブザリング ツインタワー」の広告であった。この時点で、絶対見ると心に固く誓うバカ猫。下条さんにも何度もねだった。すでに抵抗をしない下条さんは頷くのみである。どうやら先程の足壺マッサージがカナーリ効いているらしい。疲れた顔で目が鋭くなりかけている。いかん、このままだと下条さんが爆発してしまうと、いそいそとホテルに戻る事にした。だって怖かったんだもん。帰りがけにマーブンクローに接している東急で肉とエビ四匹を買い、部屋に戻った。ちなみにこの時点の下条さんはいつものにこやかな下条さんとはでんでん違う下条さんになっていた。バカ猫、あまりに焦ってホテルへの帰り道を間違える。後ろから下条さんが来る。間違えた事を謝ってちょいと引き返そうと歩き始め、何気に振り返ると黒いオーラを背負った下条さんが、

「ホテルはまだかー。こんど道を間違えたらゆるさんぞー」

と、無言で見つめてくれた。酔っぱらっていないマジな下条さんは怖いけれど格好良いなぁと不謹慎に思っていたバカ猫。ホテルへ着くなりバカ猫はケーキを買いに走り、下条さんは先に部屋に戻っていただく。さすがにクリスマスイブだけあってケーキ売り場にはえらい人だかりだった。が、どうやら店員が注文を取りに来ないだけで、みんなショーケースの前であれやこれや選んでいるだけ。注文をしたいけれど、店員がこにゃい。しょーがねーなぁとレジに向かい、

バカ猫:「プリーズ、テイクアウト ケイク。アイ ステイ ディス ホテル」

中学生以下の英会話で店員を呼びつけた。そしたらショーケースの前にいた人達がわらわらと店員に寄って来て注文をしそうになる。店員さんはタイ語でなにやら一喝する。
周りの痛い視線を受けながら、レモンタルトやらオペラやらクラシックチョコらやらラズベリーショートにレモンチーズケーキ、ティラミスと注文した。端から適当に頼んだだけであるが、最後のティラミスだけ入っていなかった。入ってなくて良かった〜と後でしみじみ思ったけどね。ちょっとだけ食べたかったな。美味かったんだもん。

さて、ケーキを抱えて部屋に戻ると下条さんが缶ビール片手にご機嫌であった。どうやらマッサージで疲れたのもあるが、エネルギー源であるアルコールが切れていたらしい。バカ猫もぷしゅっと缶ビールを開けて飲む。バカ猫の夢に、

「彼と二人の海外旅行ではビール片手にのんびりするの♪」

という科目があるのだが、まさか下条さんがそれを叶えてくださるとは思いませんでした。これがクリスマスプレゼントだったんですね。ふと枕元を見ると可愛らしいクリスマスカードとサンタ袋が。もしかしてこれは下条さんからかしら?と期待に胸を膨らませて聞いてみる。

下条さん:「いえ、ホテルからでしょ。枕元にありましたよ」
バカ猫:「……鍋の支度でもしましょーかねー(がっくり)」

嘘でもいいから、僕からのプレゼントと言って欲しかったです。けっ。
その後の鍋はホテルに無礼だと思いながら、がしがしと喰いまくりました。
海外旅行は21才の時から行ってます。バンコクは6回目です。でもこんな暴挙をしたことは未だかつてありません。ホテルさん、ごめんなさい。でも鍋美味しかったです。

夜もふけてまいりました。鍋も終り、ケーキを貪るように食べる二人。終いにゃ、これは罰ゲームか?と言うほど苦しいケーキ苦行。泣きながら食べる下条さん。kasumi教に入るならばこれくらいの甘いものを食べれなければいけないと、励ますバカ猫。
どこがロマンチックだかわかりません。そーこーしている内に話しは、雑文界ネタ→2ちゃんやらおもしろサイト→北朝鮮→アサシン→kasumi教教典へと発展。この旅行では最後には必ずkasumi教教典もしくはkasumi教布教ねとらじ開催、で終わることが規則となりました。

ふと気がつくと、下条さんがベッドの上で少年のような可愛らしい寝顔で寝ていました。海外でのクリスマスイブ、まさか先に寝られるとはねぇとふてくされて寝たバカ猫。聖夜はやっぱり聖夜でした。ちくしょー。(続く。次はオカルトよーん)

追記:下条さんはこの夜もやっぱり起き出して、ケーキをツマミに酒を飲んでいたそーです。だから起きると冷蔵庫が空になっちゃうだってば。





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