My Weekly Journal /21世紀・日本社会の器新時代への奔流支流から奔流へ・政治編

                 支流から奔流へ政治編   wpeA.jpg (42909 バイト)  

            政治の私物化を排除  “国民主権”戦略的展開が 新時代を創出

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 トップページHot SpotMenu最新のアップロード/                         編集長:  津田 真

   INDEX                                                                       wpeA.jpg (42909 バイト)    

No.1 〔1〕 国民主権の戦略的展開 ≪政治編・・・プロローグ≫ 2005. 1.29
No.2     <1>ボスからのメッセージ 2005. 1.29
No.3     <2>旧・日本新党の版図を起動 2005. 1.29
No.4 〔2〕 崩壊寸前の日本社会受け皿の準備を 2005. 3.27
No.5     <3>NHKのシステムダウンに備えて.. 2005. 3.27
No.6 〔3〕 “ 維 新 ” への準備を!! 2005. 3.27
No.7

〔4〕 明確な“憲法違反”“労働賃金”“身分保障”の二重構造

2005. 5.18
No.8 〔5〕 NHK・政府・国会・自治体に対し、

                             “プラカード”“デモ”で直接抗議行動を!

2005. 5.18

      

  〔1〕 国民主権の戦略的展開         

         ≪政治編・・・プロローグ ≫

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<1> ボスからのメッセージ     

 

「ええ...」支折が言った。「クラブ須弥山の弥生さんが、サンドイッチとコーヒーを用

意してくれました。小休止にしたいと思います...」

  政治部の青木昌一が、編集モニターの方で手を上げた。

「あ、はい!青木さんの方で、何かあるでしょうか?」

「ボス(岡田)がインフォメーション・スクリーンで待機います、」青木が、壁面のインフォメ

ーション・スクリーンを回復した。「こちらの方の準備が整いましたので、小休止をしな

がら、“国民主権の戦略的展開”について、ボスの話を聞きたいと思います...」

「あ、ボス、おはようございます!」支折が言った。「今年も、よろしくお願いします!」

「うむ!あいさつは抜きだ!さっそく始めよう!」ボス(岡田)が、スクリーンの中で言っ

た。

「はい!それじゃ、おねがいします!」

 

************************************************************************************

「私の言いたいのは...一言だけだ...

  何年前になるかな...細川さんが、“細川・新党”を立ち上げたのは...それが

“日本新党”になり、すぐに政権をとった...しかし、拙速だったのか、“日本新党”

は、十分には育たなかった。国民が期待したほどには、機能しなかった...ともかく

自民党を倒すということで、あせりがあったわけだ...

  私は...細川さんが、テレビで“細川・新党”を立ち上げると宣言した、その数日後

には入党したと思う。あの、“細川・新党”の頃は、良かったねえ...私のような者で

も、必ず声をかけて呼んでくれた。私も何度か参加した。それから、“日本新党”になっ

たわけだが、しかし、私は政治的な野望はなかったので、次第にその中心から離れ

ていった...

  そして、つぎに私が、直接政治に参加しようと思ったのは、前回の参議院選挙だ。

が、やはり、本来政治向きではないということで、断念した...この判断は、良かっ

たと思う。私はやはり、この時代に生まれた1人の思想家として、多方面の事にコメン

トしているのが似合っていると思う...」

「はい...」青木が言った。「その経緯は、十分に承知しています」

「うむ!そこでだ...何が言いたいかというとだ...」

「はい、」

「私は、この日本に、もう一度...今こそ、“日本新党”が必要だと思っている...当

時“日本新党”に参加し、政治家になった人々は、皆日本の政治の泥沼に飲み込ま

れて行った。それは、まさに、すさまじいものだ。

  むろん、当時の“日本新党”は、今はなく...中には敵対していた自民党へ流れた

政治家も多い...結果として、変節してしまったわけだ...皆、一体、どうなってしま

ったのか...まさに、日本の政治の構造がおかしく...個人の力では、どうしようも

なかったのだろう...」

「はい...それは、まさに私たちも今、感じています」

 

「さて、そこでだ...

  私は...政治家にはならなかったゆえに...“細川・新党”、そして“日本新党”

の精神を、今も純粋に受け継いでいる思っている...そこで、再び、党名を変えて、

“新党・日本”を提唱、その精神を再生したいとおもっている...」

「はい!旗揚げするわけですか?」

「いや...

  私は、この時代に生まれた1人の思想家だ...政治家としての、旗揚げはしない。

その仕事を、政治的理想に燃える人にやってもらいたい。とにかく、若い人にやっても

らいたい...私は、思想家として、そのバックアップの仕事なら、微力ながら出来ると

思う」

「はい...それが、ボスの夢でしょうか?」

「政治的野心は、もともと私には無い。むしろ、静かに暮らしたい人間だ。ただ、一人

の思想家としてこの時代を眺めていると、あまりにも乱れに乱れている。1人の日本

国民として、やるべき事は、やらにゃならんだろうという事だ...」

「はい...」

「党の名称は何でもいい...ともかく、新時代の政治家の卵に、この“日本の政治を

一新す仕事”に立ち上がって欲しいと思っている...この日本の政治を、あの“日

本新党”発足当時のように...今度こそ純粋に、真の民主政治に変えて欲しいと思

う...私の言いたいことは、これだけだ」

  それだけ言うと、ボスは自分の方からスクリーンから消え去った。

*********************************************************************************

 

「ええ...」青木が、緊張した面持ちで、眼鏡の縁に手をやった。「ボスからのメッセ

ージは...“日本新党”を、名称はともかく、“その精神”を、再び立ち上げて欲しいと

いうことですね。やはりこの国は、政治が変らなければ、変っていかないのだと思いま

す」

「はい、」支折が言った。

「ええ...このボスのこの意見を踏まえて...、“国民主権の戦略的展開”の中で、

“政治の世襲問題”を考察してみようと思います...

  何処から手をつけても同じですが、“官僚の天下り”と同じで、“政治家の世襲”が、

諸悪の根源になっています。その“世襲・議員”が、日本の政界では、肩で風を切って

歩いているわけです」

「あの...ボスの、この意見というのは、どうなのでしょうか...急なものだったので

しょうか?」

「いえ、それは、当然の流れだと思います...」青木は、また眼鏡の縁に手をかけ

た。「だからこそ、何年か前、細川さんが“細川・新党”を立ち上げたのですから...

細川さんは、日本の政治を変えようとしたのです。今は、当時とは比べ物にならないく

らい切迫した状況で、まさに“細川新党”を必要としているのです...

「はい。まず、取り上げるのは、政治の世襲問題ですね、」

“世襲”が...なぜ問題かということを、ここで改めて、一言いっておきます...

  “世襲”で問題なのは、個人が議員を世襲するというよりは、利権構造が代々受け

継がれていく事が、大問題なのです。これは、民主主義社会をいびつにし、閉塞感を

加速させます。小泉・首相の“人生色々発言”で、それは如実に示されていると思い

ます。小泉さんは、まさに3世・議員ですからねえ...

  それから、“NHKに対する政治的圧力”が、あったとか、無かったとか、で騒いで

いる自民党の安部さんも、やはり3世・議員ですね。まあ、面白いのは...安部さん

の主張とは裏腹に、騒げば騒ぐほど、それそのものが政治的圧力になっているという

事です...それそのものが、政治的圧力の風景なのです。口先で勝っても、戦略で

負けているとは、このことです...

  こういう3世・議員や2世・議員が、政界では肩で風を切って闊歩しているわけです

ね...世襲・議員などはむしろ、肩身が狭い様でないといけません。いや、世襲・議

員などは、本来、あってはならんのです...」

「はい」

「これは“天下り”と同じ意味で、全面禁止にするべきです。政治家として、親と同じ道

を歩みたいのであれは、利権構造の無い、遠く離れた選挙区から出馬すればいいの

です...

  ええ...では、始めますか...」

「はい、お願いします。この問題では...」支折は、茜の方に小さく頭を下げた。「進行

役は茜さんに、お願いします。私は、小休止をとりますので、」

「あ、どうぞ、」茜が言った。

 

<2> 旧・日本新党の版図を起動!              

              

「コホン...ええ...世襲問題を...」茜が、コブシを握り、正面から青木を見つめ

た。「“国民主権の戦略的展開”の中で、考察するということですね?具体的に、どう

いうことなのでしょうか?」

「はい...」青木は、一瞥し、彼女の強い視線を肩で受け流した。「これは、至って単

純明快です...“主権の戦略的展開”の1つとして、国民全体が、“世襲・議員”に投

票しなければいいわけです。そうすれば、“世襲議員”は確実に落選します...そう

ですよね?」

「もちろん、そうですわ!」茜は、首を反対側にかしげた。「それが、“主権者の力”

す!小さな力ですが、結集すれば、この国の全てを動かします!」

「しかし...」青木は言った。「それだけでは、うまく行きません...つまり、“代わりに

選択すべき人”が、そこには居ないからです。そこで、ボスが、わざわざメッセージをよ

こしたわけです。そして、“日本新党”の意思を継ぐ、“新党・日本”を提唱したので

す」

「はい...そういうことですか...」

「そういうことです!」

「何故、“日本新党”なのでょうか?」

「何故...“日本新党”の意思を継ぐ必要があるかといえば、そこにはすでに“道”

が出来ているからです。これは、国民の財産です。“日本新党の作った道”が、“掛け

声1つ”で容易に活性化します。たちまち“日本新党”を上回る、巨大な政治勢力の結

が可能です。

  つまり、国民には、その準備ができているということです。災害訓練と同じで、しっ

かりとその訓練を積んでいるということです。当時は、他にも新党が幾つも出来ました

からねえ。国政選挙の無いこの1年をかけれは、十分に準備が出来ます...

  むろん、決死の努力無しに、これが達成できるとは思いません。しかし、為せば成

努力...いや、日本を復活させるためには、どうしても成さねばならない努力なの

ではないでしょうか、」

「そうですか...」茜は、指を組み、無言で青木を見つめた。「希望が持てそうですわ

ね。それから?」

「それだけです!後は、行動あるのみ!

  まず、“新党・日本”を旗揚げし、 “日本新党”の版図を活性化します。そして、“日

本新党”と同じように、来年以降の国政選挙に備えるのです。“日本新党”の“ノウハ

も、“情熱”も、日本全国にまだ脈々と生きているはずです。今こそ、この政治勢力

を、再結集し、さらに大きく発展させる時です。

  この準備をした上で、“主権の戦略的展開”として、国民全体が“世襲・議員”には

投票しなければいいわけです。“政治家、総とっかえ”の大波の再来です。この新勢

力が、世襲問題だけでなく、この日本に“平成維新”をもたらしてくれるものと思いま

す」

「はい!」

 

  〔2〕 崩壊寸前の日本社会受皿の準備を!  

  公共放送・NHKは、日本のミニチュア       

       NHKの健全化は、国家健全化の バロメーター” ! 

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   「アッブロード後の推敲中です/内容は、変わりません」

 

「さて、以前にも言いましたが...」津田が言った。NHKは、まさに日本のミニチュ

ア”の様です...放系システムとして、日本という国家と非常によく似ています。そ

して今は、国家財政と同じように、“浄財”という財政面で、国より先に破綻しつつあり

ます...NHKはまさに、国家健全化の“バロメーター”の役割を、精妙に果たしつつ

あります」

 

「はい!」支折が、うなづいた。「ええ...高杉・塾長、何か一言...」

 

「うーむ...そうですねえ...

  NHKは、まさに国家健全化のバロメーターとして、国に先行して走り始めていま

す。我々はまず、健全な公共放送を主権者である国民の手に取り戻すことで、この国

の大改造が可能になります。

  それから、政治は、“小さな改革”を積み重ねて行くのは得意ですが、“社会のパ

ラダイム”そのものを劇的に変えて行く能力は、著しく不足しています。そのような、大

政治家が出現しなかったと言うことでしょう。

  したがって、結局それを実現するのは、“哲学”であり、“思想”であり、ルネッサン

スを動かしていく“国民のエネルギー”...という事になります。最近、このことがしだ

いにはっきりとして来たのではないでしょうか」

 

「はい。大政治家の不在ということですね...それがこの国を不幸に陥れたと。茜さ

ん、お願いします」

 

「ええ、現在の日本は...」秋月茜が、作業テーブルにヒジを立てた。「奇妙なこと

に...立法府である政治と、行政府である官僚組織が、“時代”から置き去りにされ

つつあります。彼等の“世襲”“天下り”は、“モラルハザード”という腫瘍として、歴史

の中に塗り込めていくしかありません。私たちは、新しい政治形態新しい行政組織

を模索する必要があります。

  それから、これは最近特に顕著になってきたことですが...大企業が、この国の

主権者である国民と、対立を深めて来ています。“富の寡占”が進み、国民生活が極

端に悪化して来たことが、何よりの証拠です。そういうことであれば、結局、大企業も

“時代”から置き去りにされて行くということです...

  “富”は、社会システムが生み出した“果実”です。それは社会を構成する国民1人

人に、“正しく公平に再配分”されなければなりません。大企業や、一部の人々が、

独占していいものではないのです。国民は、それに対して、反撃を開始するということ

です...

  “情報公開”“国民参加型・評価システム”、そして“富の正しく公平な再配分”、こ

れが私たちの描く、“新・民主主義社会”の青写真です...」

 

「はい、茜さん、ありがとうございます」支折が言った。「ええ...青木さんは、今、ちょ

っと、席を外しております...」

                            

 

「さて、高杉さんの言うように、」津田が、言った。「NHKは、“国家健全化のバロメー

ター”として、精妙に機能しています...

  NHKの官僚的体質天下り体質、浄財による潤沢な資金での放漫経営...それ

から、モラルハザード...いい番組もあり、必死で文化を立て直そうとしている人たち

がいる反面、公共放送の戦略そのものを見失っています。システムが動脈硬化を起こ

し、もはや末期的症状ですね...

  いい番組もあるのですが、どこかピントが狂っている...それは、本来の任務を忘

れているからです」

「最近、ようやく改革に動き出しているようですけど、」支折が言った。

「そうですね...

  この状況は、日本国家の現状に、まさに“先行”しています。まあ、しかし、何度も

言うことですが...官僚的非効率が支配する国と同じように、どこか陳腐で、全体が

ズレていて、非常に高い能力を持ちながら、何故か自浄作用が無いわけです...

  今回は、“改革の掛け声”にごまかされることなく、公共放送の本来の任務まで遡

り、是非、解体再編成まで視野に入れて欲しいのです。公共放送を、“国民主権”

ビリアンコントロールで、どのように立て直すか...まさに主権者である日本国民

と、21世紀の日本の民主主義が試されています...」

「これが、“日本再生の露払い”になるわけですね」支折が言った。

「そういうことです...我々は、大いに期待しています。

  NHKは、“悪い意味”でも、品揃えは豊富です。しかし、国民からの“浄財”が断た

れ、切羽詰っています。ここは、公共放送のあり方も含めて、抜本的な改革と、再編

成が必至でしょう」

「それで、具体的にどうなるのでしょうか、公共放送は、」

「私はとりあえず、公共放送は、複数あっていいと思っています。それを“個人の浄

財”で支えて行けばいいわけです。多チャンネル時代ですから、色々あって言いと思

います...そうした中から、“新しい公共放送の形態”が生まれてくると思っていま

す。こうした時代ですから、今から形にはめるというのは無理だと思います」

「はい。これは、日本文化の再編成にもなるわけですよね」

「そうです...

  ともかく、慣習法を復活させ、“勤勉”、“努力”、“勇気”、“優しさ”などを評価し、

会を安定させなくてはいけません。そして、将来に対し、“夢と希望”を示し、その“道

筋を保証”しなければなりません。それで、誰もが、将来を展望できると言うものです。

  そうでなければ、努力のしようがないでしょう。教育問題も、犯罪発生率の問題も、

経済の問題も、社会の全ての“原点”は、そこにあるのです」

「まさに、その通りだと思いますね」高杉が言った。

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<3> NHKのシステムダウンに備えて   

                                                                                                                                   

「ええ...秋月茜です...

  “崩壊寸前の日本社会”ということですが...津田・編集長、事態はそこまで切迫

しているのでしょうか?」

「そうです...

  それは国民自身が、すでに社会全般で感じていると思います。中でも、凶悪犯罪

多発し、治安の面でも、いよいよ大改革を断行しなければ、どうしようもない所まで来

ています。

  つまり、社会のトップから...“政治の世襲”“官僚の天下り”を禁止し、“マスメ

ディアの私物化・陳腐化”を正して行かなければ、どうにもならないと言うことです」

「はい、」

「しかし、今回、ここで改めて言うのは...いよいよ“社会の主要システムの1つ”が、

ダウンするということです。

  つまり、公共放送のNHKシステムダウンです。ともかく、金が回らなくなりますか

らね。これは、非常にダイナミックなものになると思いまます...年金システムなども

破綻していますが、影響はまだ先の話です...しかし、NHKは、即今、資金が回ら

なくなります」

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「編集長、」秋月茜が言った。「NHKは、これからどうなっていくのでしょうか?」

「うーん...そうだねえ...」津田は、両手を組み合わせた。「国民の聴視料の保留・

不払によって、NHKは経済的に動かなくなっていくでしょう。

  まあ、公共放送としては、すでにあまり役立ってはいなかったので、表面的にはあ

まり影響ははありません。娯楽番組や、教養番組が主で、後はニュースやスポーツ

や、技術開発などですから...

  本来の任務である、“公共放送としての社会の啓蒙”や、“社会正義と民主主義の

牙城”“日本文化の守護神”の仕事は、ほとんど積極的にはやらなかったのです。た

だひたすら、潤沢な資金で“好きなこと”を大雑把にやってきたわけです。だから、こん

な国になってしまった。しかも、長年、それを放置しつづけてきたのです。

  国や社会が、こんなことにならないようにするために...政治的にも財政的にも中

立な、国民から“浄財”を集める、公共放送のシステムを創ったのです。その、設立当

初の精神は、いったい何処へ行ってしまったのでしょうか...そのための、社会健全

化のシステムが、まるで機能していなかったのです...そして、まさに、社会が壊れ

てしまいました」

「はい...」茜が、小首を傾げた。「NHKは今、改革を叫んでいますが、それはまだま

だ、非常に薄っぺらなものだと思います...

  国民が求めているのは、“社会正義と民主主義の牙城”“日本文化の守護神”

のです。“海の向こうの野球選手”を連日追いかけていて、“日本文化の守護神”と言

えるのでしょうか?“犯罪被害者”や、“中国からの帰国した残留孤児”の支援をほっ

たらかしておいて、“社会正義と民主主義の牙城”と言えるでしょうか...

  私たちは、マスメディアの中立性のために、NHKに“浄財”を出しているのではな

いのです。メディアとしての中立性はもちろんですが、もっと突っ込んだ、“公共放送と

しての社会の啓蒙”や、“社会正義と民主主義の牙城”として、“日本文化の守護神”

として、まさに富士山のように、毅然とそびえていて欲しかったわけです

「そうですわ!」支折が言った。「それなのに、わずかなお金や、権力のために、堕落

したりして...

  それで、編集長、NHKがシステムダウンになったら、何が問題なのでしょうか?」

「私は、関係者ではないので、詳しいことは分りません。しかし、NHKには、非常時の

役割等も相当量あると思います。システムダウンしてしまうと、万一何かが起こった場

合、大変な事態になります。したがって、その“万一”に備えて、そのための準備を始

めて欲しいと言うことです。

  つまり、リスク管理ですね。何処と、何処と、何処が、非常時の公共放送として必要

不可欠か。人員、予算、バッアップ体制はどうするか...そのための検討と、訓練

を開始して欲しいと言うことです」

「うーん...」支折が、髪を揺らした。「それは、NHK内部ですることでしょうか?」

「当然、NHK内部で、“公共放送の核”として、継承する部分があります。それから、

民間でサポートできる部分があると思います。

  国民の意思で...あえてNHKをシステムダウンさせる以上は...当然、それを

自覚し、それなりの覚悟と準備が必要です。したがって、可能な限りの、バックアップ

体制をとっておく事が大事です。その上で、NHKの解体と再編成を、すみやかに進め

るということです。

  これは、オンラインシステムのコンピューター停止し、主要ソフト周辺機器を再編

するのと似ています。臨時のバックアップ体制を敷き、できるだけ早く、新しいシステ

ムに切り替えることです。私は、システムの専門家ではないので、具体的内容のこと

は言えませんが、すぐにも検討を始めて欲しいと思います。病気の治療は、早ければ

早いほどいいのです」

「はい...NHKの内部と、それから民間のサポートですね。インターネットが、大い

に役立ちそうですね」

「そうです...

  それから、各行政機関の広報を強化する必要があります...非常時に備えて、厚

生労働省や、国土交通省などは、ラジオ、テレビ、インターネット等、複数の広報活動

を充実させて欲しいですね。

  それから...NHKの規模は縮小して行くことになると思います。したがって、例え

ば、文化的な事業などは、文化庁へ移管していくことも必要になってくると思います。

そして、最も肝心なことは、“公共放送の再編成をどうするか”ということです。“インタ

ーネット時代のスタンダードとしての公共放送”を、どう確立するか...国民参加で、

しっかりと議論を進めて欲しいと思います」

 

〔3〕  維 新 への準備を!! 

 

「ええ...高杉・塾長...」秋月茜が、ノートパソコンから目を上げ、高杉を見た。

「はい、」高杉が答えた。

「NHKが、聴視料の保留・不払運動によって、財政的に行き詰まりつつありますね。

公共放送の、システムダウンです。このことの、周辺企業への影響や、国民生活への

影響、さなに国家体制への影響はどうでしょうか?」

「うーむ...もちろん、非常に大きいと思います...

  特に、NHK本体や、周辺企業、そこで働いていた大勢の人たちが、直接的な影響

を受けます。しかし、これは他の企業でも同じことで、倒産や再編成は日常茶飯事の

ことです。ただ、今回は非常に規模が大きいことと、今までのような放漫運営は許さ

れないと言うことです。

  まあ、NHKには、非常にいい番組も多く、独自の技術力もあるわけですから、それ

を今からどのように切り替えていくか、しっかりと計画を立てて欲しいと思います。もち

ろん、切り捨てて行くぶん、切換えて行くぶんも、多くあると思います...」

「はい...国民生活や、国家体制への影響は、どうでしょうか?」

「うーむ...

 

  “国民の意思で、“公共放送・NHKをシステムダウン”させる”

 

  この国の“主権者は国民”であるということを、これほど如実に示した例は、過去に

はなかったことです。“この国のことは、主権者である国民が決める”ということです」

「そうですね...

  麻生・総務大臣は、“聴視料の保留・不払”を処罰すべきかどうか検討する、という

ような発言をしていますね。しかし、この国の“主権者の動向”を、誰がどのような権

限で処罰できるのでしょうか?」

「まあ、本末転倒ですね...

  むしろ、“厳重に処罰されるべきはNHK”です。主権者である国民によって、厳重

に処罰されると言うことです。それから、そんなことでNHKの予算を承認してきた政治

家が、厳重に処罰されると言うことです。

  それを実行するために、国民が立ち上がって、“伝家の宝刀”を抜いたわけです。

“シビリアンコントロールの直接行使”に踏み切ったわけです。もはや、この方法しか、

この国を変えることが出来ないと考えたからです」

「はい...

  国民から“浄財”を集めながら、公共放送として機能せず、好き勝手なことをしてき

たのはNHKです。まさに国民が、NHKを厳重に処罰する権限を有するということだと

思います。そして、最も肝心なことは、政治行政も、公共放送に口出しすべきでは

ないと言うことです」

「うむ、」

「そのためにこそ、」茜は、語気を強めていった。「NHKは、予算も人材も、政治や行

政から独立しているのです...それがいつの間にか、政治に弱くなり、ベッタリにな

り...ついに“浄財”を出している庶民のことなど考えなくなりました。

  そして、設立当初の“公共放送の本来の任務”はすっかり忘れ、潤沢な資金で、好

き勝手なことをやっている団体になってしまったわけです」

「これは、立法府という団体も、非常によく似ていますね。国会もまた、機能しなくなっ

ていますから...」高杉は、苦笑した。

「そうですね...」茜は、微笑をこらえ、パソコンに目を落した。「...これは、本末転

倒です。麻生さんというのは、そういう人だったのでしょうか?」

「まあ、言わされたんでしょうが...そう言ったわけですからねえ...

  政治家は、言ったことには、責任を持たなければいけません。吉田茂・元首相の孫

だということですから...まず保守勢力の筆頭なんでしょう...」

「うーん、そうですか...

  ええと...NHKのシステムダウンによる、他への影響はどうでしょうか?これは、

“維新”につながるのでしょうか?」

「それは...」高杉は、津田の方を見て、笑った。「私より、編集長に聞くべきでしょ

う...」

  津田は、白い歯をこぼして、うなづいた。

「そうですね、」茜が微笑した。

 

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「まず、NHKの再編成の動きを受けて...」津田は、片手を立てた。「それから、ライ

ブドアの株での殴りこみで...民間をも含めて、メディアも再編成が加速するでしょ

う。

  これと並行して、“大改革”国民運動を盛り上がって行くと思います。改革のエネ

ルギー新時代建設のエネルギーは、国民が常に供給していかなければなりませ

ん。見習うべきは、“明治維新のバイタリティー”でしょう。

  日本は、世界史の奇跡といわれた、“社会の鮮やかな一大変身/明治維新”を成

し遂げた国家です。この成果で、日本がアジアで唯一、世界の列強に参入したので

す。そして100年後の今日でもなお、自他ともに認める先進となっているのです。

  しかし...昨今の日本は、世界の嘲笑と、冷笑をかっている分野が、少なからず

あります。そして、それが次第に拡大し、未曾有のモラルハザード社会に陥りました。

このていたらくは、どうしたことでしょうか...

  原因は、“清濁を合わせ呑む”ことが、社会的に公認されたことによります。これ以

降、社会はしだいに“清”が駆逐され、“濁”に染まっていったのです。このトップでの

“濁”は、“政治”“官僚”“マスメディア”のモラルハザードを加速し、そのシステム

私物化”を許してきたのです...

  これは...三国志の“天下三分の計”にも似ていいるし...鉄壁のトライアングル

にもなっていて...なかなか突き崩すことが出来ません。そして、当該の人たちは、

この事態を丸く治めるために、日本社会に“新しい身分差別を導入”しようとしていま

す。このこと事態は、思い当たるフシがあると思いますがね、」

「はい!」茜が、コクリとうなづいた。「私たちも、“人権指数”“辛口時評”で告発し

てきました!」

「そうですね...

  しかし今、“公共放送の破綻”により、ようやく鉄壁のトライアングルの一角が、シス

テムダウンしようとしています。ここまで言えば分かると思いますが、もはや“政治の

世襲”“官僚の天下り”も、構造的に総崩れになるということです...」

「うまく行くでしょうか?」高杉が言った。

“国民の覚醒”が全てのカギになりますが、うまく行くと思います。中心軸さえ崩さな

ければ、」

「はい。“情報公開”、“国民参加型・評価システム”、そして“富の正しい公平な再配

分”...これが崩れなければ、きっと日本の明るい未来社会の基礎が出来ます」

「さて、そこで...

  “新しいメディアのスタイル”“新しい政治のスタイル”“新しい行政のスタイル”

いうものを、準備しておく必要があります。これを今から、しっかりと議論を重ねて欲し

いと思います。これが、“新時代の日本の骨格”になります。

  日本における第2ステージの民主主義/新・民主主義のスタートです。その上に、

“21世紀ルネッサンス”を走らせ、肉付けして行くことになります」

「うーん...いいわねえ...」支折が、むこうから歩いて来ながら言った。自分の椅子

を引いて、席についた。「いよいよ、その準備を開始するわけですね...」

「そうです!」津田が、大きくうなづいた。「いよいよ“維新”が胎動が感じられます!」

 

 

〔4〕 明確な“憲法違反”  

           “労働賃金”“身分保障”の二重構造

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     <青木 昌一>                <秋月 茜>     <津田 真>   <星野 支折>  <高杉 光一>

 

「ええ...」支折が、茜の方に向かって顔を上げた。「“緊急課題”が浮上しました!

これだけは、是非早急に検討したいということで、編集部で決定しました...

  “緊急課題”は、同じ仕事をしていて、“労働賃金”“身分保障”が全く違う...こ

うした“ダブル・スタンダード”が、日本の企業社会の中で拡大していることです。茜さ

ん...これは、どう理解したらいいのでしょうか?」

「はい...」茜は、姿勢を正した。「これは、人権上の大問題です!“人権指数”の担

当者としては、放ってはおけない問題です!この日本の国、日本の社会に、“新しい

身分差別”が生まれつつあります!小泉・政権の重大な“失政”です!」

「うーん...そうですか、」

「昔から、アルバイトはありました。日雇いや、派遣労働の原型はありました。また、

そうしたことを承知でやっている、フリーターもいました。何かの資格をとるためだった

り、音楽家や画家や小説家になるための修行だったり...実際に学生のアルバイト

もあったわけです。

  ボスから聞いたのですが、ボスもまさにそうしたフリーターだったそうです。そのこ

とに、暗いイメージはなかったといいます。しかし、それが現在のように、社会構造

に広がってくると、大問題です。普通の社会人が、正社員を望んでも、アルバイトや派

遣労働者にしかなれないということは、まさに大問題です...」

「はい、」

「小泉・政権は、“派遣労働”が、こうした深刻な社会構造になることを、放置してきた

わけです。これは、どうあっても、“派遣社員・派遣労働”のあり方を、根本的に是正し

なければなりません。

  この国の“主権者である国民”は、企業が自由に使える付属物ではないのです。逆

に、企業という社会的存在の方が、“社会を豊にする付属物”なのです。憲法に照らし

ても、まさに本末転倒の状態が出現しています。これを正すのは、国会の仕事です

が、私たちとしても、放置できないと言うことになったわけです...」

          wpe7.jpg (10890 バイト)  wpe4F.jpg (12230 バイト)

「そうですね。その“社会システムが生み出した果実”である“富”も、“正しく公平に”

再配分されなければいけませんよね...消費市場があって、生産があるわけですか

ら...“富の独占”はゆるされませんよね...“富”は、社会システム全体で作り出

すものですから、」

「その通りです。私たちは、“負け組の反乱”“消費者の反乱”も企画しています。

ールの値上げなどでは、引き続き、“負け組の反乱”を考えています。そして、BSE問

題における米国産牛肉の輸入では、“消費者の反乱”を考えています。

  アメリカの経済制裁の圧力を、なぜ消費者が“BSEのリスク”として負わなければ

ならないのか。一方、当事者の政治家や財界人や企業家は、“安心な日本の高級和

牛”を食べていればいいわけです。“不安”“リスク”“痛み”は、全て社会的弱者

に押し付けてくるのが小泉・政治の実態です...」

「うーん...そうかあ...

  結局、そういう安い牛肉を食べるのは、庶民になるわよねえ...結局、問題は全

“負け組”に押し付けてくるわけね...“勝ち組”は、新しい身分を得、富の寡占

行い、さらに社会の右傾化を創り出すわけか...」

「そうですね...ですが、その問題は、この次の機会にしましょう...

  今回は、“憲法違反”の問題です。私は、現在、企業に広がっている、“労働賃金と

身分保障の二重構造”は、はっきりと“憲法違反”だと思っています...“基本的人

権”と、“法のもとにおける平等”、そして“国民主権”に反しています。

  この状況は、まるで、かっての武士階級農民階級のように、“歴然とした格差”

なって来ています。これは、社会全体で定着する前に、何とかしなければなりません。

それ以降となると、“勝ち組”と“負け組”の間で、社会的なテロ大暴動が発生する

事態になります...

  それから、現在、日本の国全体を眺めてみると...すでに、差別化は、徐々に社

会全体に波及している様相です。それは、教育水準の差に反映し、上流階級の世襲

へ移行して来ているのが、顕在化して来ています。

  東京大学の学生の、親の年収や職業を調べれば、それは“歴然としている”と言

われますね。これは、すべて、自民党・長期政権の中で起こって来た弊害です。その

政権の下で、日本の社会はいったい、どのような原理で動いてきたのでしょうか。

  現在の“モラルハザード社会”に陥った状況を切り裂いてみると...うーん...

主主義とも、法治社会とも異質なものですね。この先進国と言われる日本社会は、い

ったいどのような共通原理で動いているのでしょうか...

  ともかく、悪事や不正が堂々とまかり通っているのは...私の知る限りでは、ヤク

ザ社会や暴力団の社会ですが...まさか、こんなものをモデルに、自民党・長期政

権が続いてきたのでしょうか...」

「うーん...そうですよね...」支折が、頭をかしげた。「暴力団と、政治家は、どう違

うんだと言うような声も聞きますよね、」

「ええ、その問題も、別におくとして...」茜は、細い手で、赤いメモ帳を脇へやり、ノ

ートパソコンのキイボードを叩いた。「ええ... 企業が人を雇うのに、このような憲法

違反を犯していいものかということ...また、ここに戻りましょう。これは、国家の基本

姿勢に関わる大問題です」

「うーん...でも、これは政府国会で、しっかりと国の“舵取り”をするべき問題じゃ

ないでしょうか?」

「そうです...

  でも、そこが空転し、機能不全に陥っているとなれば...何処かの組織が告発

るか、誰かが裁判を起こすべきですね。こんな、憲法違反の不誠実な社会状態を、放

置しておくわけには行きません!」

「はい」

「日本の企業は今、大幅な黒字を出しているといいます...ところが、生産も消費も

伸びていません。物のデザインが悪いし、あらゆる業界で、魅力的な商品というもの

がありません。それは、実感しているのではないでしょうか?」

「ええ、本当に、いいデザインのものがないですよね。だから、ブランド志向になってし

まう...これじゃ、消費が伸びないですよね。社会も暗いし...」

「なのに、企業は莫大な黒字を計上しているということは、労働賃金の方を大幅にカッ

、それが黒字になっているのです。派遣社員やアルバイトを使い、労働コストを極端

なまで落しているからです...

  そして、労働者に十分な賃金を支払わないから、消費が伸びないのも当然です。

実に、下手な経済政策ですね。政治全体が、支離滅裂ですね...」

「つまり、ここでもまた、“富の寡占”が、構造的に起こっているということですね?」

「そうです。小泉・政権の、弾圧・反動政策の1つです!放置できません!」

「うーん...何故、こんなことが、放置されてきたのでしょうか?」

「肝心の国会が...」茜は、首を振った。「同じ憲法の問題でも、与野党とも、“憲法

改正”で議論の方をやっています。緊急性もないのに、やっていると言うことは、おそ

らくそっちの方が好きだからでしょう...この人たちは、いったい何を考えているので

しょうか...」

「うーん...そうですよね...」

「空理空論に明け暮れ、現下の国家の大問題を店(たな)ざらしにし、“未曾有のモラル

ザード社会”を生み出しています。まさに、政治の怠慢です。国民との乖離が、決定

的となっています」

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「かって、衆議院・議長だった奥野誠亮氏が...」政治部の青木が、口を開いた。「国

会議員は、“外を歩くのが恥ずかしい”、」と、テレビのインタビューに答えていたのを

思い出します。「だいぶ昔になりますが...当時、不条理な国会審議が、よほど恥ず

かしかったのでしょう...

  ところが、今は、それが当り前の風景になってしまいました...衆・参の各委員会

学級崩壊...国会は学校崩壊...“世襲”、“天下り”、“議員年金”は全く手付か

ず...“富の寡占”、“新しい身分差別”、“国民の弾圧政策”、“モラルハザード社

会”は放置したまま...

  これでは、国会議員が、何を怒鳴っても、まるで説得力がなくなりましたねえ...

まさに、“魁より始めよ”と言いたいですね」

“魁より始める”...その能力があるのでしょうか?」支折が首をかしげた。

「さあ...どうでしょうか...

  ともかく、日本は大混乱の真只中にあるわけですが、問題を引き起こしている人た

ちに、その当事者意識がないですね。この人たちは、国や社会や文化がブチ壊れて

も、かまわないと思っているわけです。国家財政かせ破綻しているのに、役人の無駄

使いに歯止がかかりません...

  まあ、NHKの予算は、“浄財”を出している国民が、直接握っているわけですが、」

「やはり、NHKがカギになるのでしょうか?」支折が聞いた。

「そうですね。そうだと思います」

 

「 私たちは、“辛口時評”でも言ってきたことですが、」茜が言った。「憲法問題を議論

するには、政治は、“禊(みそぎ)が必要です。社会を、“未曾有の大混乱に陥れた世代

の議員”は、その“時代的責任”を取るべきです。そのような政治家に、“憲法改正を

言う資格”はありません」

「そうです。まず、時代的な政治責任を、しっかり取るべきです。総理大臣・経験者が、

国会議員の座に居座るというのも、見苦しいですね。これが、政治を混乱させている

要因の1つです」

「はい、」茜が、青木のほうを見て言った。「ええ、ともかく、憲法改正を議論するのは

かまいませんが、政治的には、“仕切り直し”が必要です。これが、私たちの意見で

す。

  現在の“モラルハザード社会”も、バックグラウンドでは“法の秩序”は厳然と生きて

います。したがって、いずれ最後には、“法的に決着”を付けなければなりません。例

え、20年30年かかってもです。

  アメリカでは今でも、戦時中に日系人を拘束したり、財産を接収したりしたことが、

裁判で争われています。また、戦中・戦後の機密文書も順次公開しています。これ

が、アメリカ社会の正義であり、高い信頼性であり、いいところなのです」

「まさに、その通りです」青木が、眼鏡に手をかけた。「歴史的に裁くと言うことです。

それが、その社会の良心というものです。日本の“モラルハザード社会”の実態という

ものも、“少し時間を置いて裁判”を始めた方がいいと思います。

  アメリカのように、戦時中の行過ぎた行為を、戦後しばらくたってから判断すると言

うことです。これは、誰のためでもありません。自分たちの社会が、より良い社会を保

つためのシステムです。そして、社会を構成する人々は、特に上に立つ人々は、常に

歴史を意識しながら行動して欲しいと言うことです」

「罪は必ず暴かれる...その約束の下に、社会の安定は保たれるのですわ。その

通りだと思います」

「そうですね...」支折もうなづいた。

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「それにしても、」編集長の津田が言った。「日本の基本である憲法を変えようと議論

をしているのに、“明るい未来の展望”が全く感じられない...というのは、どうしてな

のでしょうか...むしろ、暗い時代、危うい気分...になると言うのは、どうしたこと

なのでしょうか。このままの、憲法改正は、悪い兆候を感じます...」

「そうですね、」青木が言った。「確かに、危うい、悪い兆候でしょう...

  こうした時は、やはり...日本を壊した“政治家”、日本を壊した“官僚組織”、日

本の文化を壊した“マスコミ”の実態を、歴史的に総括しておくことが大事になります。

これは、長い目で見た歴史的正義と言うことではなく、現下の“維新の起点”として、

“責任の所在”と、“功罪”を明確にするということです。

  功と罪を一緒に評価すべきではなく、功は功、罪は罪として、しっかりと分析し、国

民的な評価をしておくべきだと言うことです。社会システムとして、二度と同じ過ちを

繰り返さないために、です...」

「はい、」支折が言った。

「ウーム...」津田が、力をこめて、腕組みをした。「そうしないと、“モラルハザード社

会”からは、スッパリと脱出することは出来ないでしょう...国民の側にも、いよいよ

荒療治をする覚悟が必要だと言うことでしょう...

  国を壊した“政治家”“官僚”“マスメディア”が、まさに“国民主権”に取って代

わっているのが、現下の日本の社会の風景です。この人たちは玉石混合ですが、全

体としては、まさにこの国を壊してきました。非常に、罪深い人たちです。

  その玉石混合を...社会の“慣習法”に照らし合わせ...キッチリと整理し、それ

ぞれに国民的な評価を下す...先ほど青木が言った、“社会の良心”というものが、

ここにあるわけです。この、“国民的評価”“歴史的評価”を下す約束だけは、しっか

りと果たさなければなりません。それは、維新の原動力になるものです...」

 

  〔5〕 NHK・政府・国会・自治体に対し、house5.114.2.jpg (1340 バイト)

   “プラカード”“デモ”で直接抗議行動を

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「私たちの社会に、」茜が、作業テーブルを見回して言った。「“維新”の大波を引き起

こさなければなりません!民主主義の器の中で革命を起こすには、民衆が立ち上が

らなければなりません!

  政治が当てに出来ない今、まさに国民自身が、直接・抗議行動に立ち上がらなけ

ればなりません。これが、“新・民主主義”における、直接・民主主義の比重を高めて

いくことと連動しています。つまり、国民が動かなければ、この閉塞状況は、一向に変

らないと言うことです...

  そのために、政府国会NHK...それから、自治体政府の外郭団体等に対

し、“プラカード”・“デモ”・“集会”等で、直接・抗議行動をする時期に来ています。そう

しなければ、この事態は、一向に変ってきません。

  この未曾有の社会混乱の責任が、いったい何処にあるのか、明確に突きつける必

要があります!」

「そうですね、」支折が言った。「“前の戦争”の総括は、天皇の統帥権の問題で、しっ

かりとは行われませんですた。しかし、現在の未曾有の社会混乱に関しては、その

“責任”を明確にするべきです。それが、日本復活の出発点になると思います」

「はい!」茜が、支折の方にうなづいた。「主権者である国民が、力を示すことが重要

です!

  まず、主権者である国民が、“シビリアンコントロール”を取り戻すことが第1だと思

います。そして、そのために、公共放送の再編成が急務です!NHKには、真っ先

に、“プラード”“デモ”直接・抗議行動を具体化すべきです!」

「うーん...NHKが、最も嫌うところでしょうね、」

「だから、効果があります!」茜は、唇の端に、笑みを浮かべた。「今のままのピントの

ずれた改革では、国民が納得しないことを、明確に示すことです。

  私たちは、“公共放送の本来の使命”問題があるとしているのであって、“公金の

使い込み”“横領”は単なる犯罪です。そんなものは、司法が裁く仕事です。ともか

く、数人単位でも、“プラカード”を持って、具体的に抗議を始めて欲しいですね...

  NHKの総本山の、東京・渋谷でなくてもいいのです。全国で、燎原の火のごとく立

ち上がればいいわけです。私たちの“浄財”が、適切に“公共放送本来の目的に使わ

れていない”と、抗議すればいいのです...娯楽番組人気取りは、必要ありませ

ん。もし入れるなら、ほんの息抜き程度でいいのです」

「はい、」

「これが、現在の不誠実な社会に対する、“最も身近で効果的な抗議”の手段です。

公共放送を国民の手に取り戻せば、日本が変わってきます。文化が変ってきます。そ

れが、“維新の大波”を引き起こします。

  そして、逆に眺めれば、公共放送・NHKが劇的に変らなければ、日本の社会状況

劇的には変ってこないと言うことです。日本の社会風土や文化全体も、“維新”への

大変革には突入していないと言うことです。

  津田・編集長が、“NHKの健全化は、日本健全化のバロメーター”だと言っていま

したが、その通りだと思います。公共放送・NHKは、システム論的に見ても“日本のミ

ニチュア”であり、また“日本を映す鏡”なのだと思います」

「はい。とにかく、国民自身がダイナミックに動かないことには、“新・民主主義の時

代”は、幕が開かないということですね、」

「そうです!そういうことです!」

 

  〔6〕 大変革の準備を wpe8B.jpg (16795 バイト) house5.114.2.jpg (1340 バイト)

                                                 wpeA.jpg (42909 バイト)   

         公共放送、NHKのシステムダウン

       立法府への不信、政治のシステムダウン

            治安の悪化、社会全体のシステムダウン

 

  

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