My Weekly Journal /辛口時評辛口時評・2004

                                     辛 口 時 評   wpeC.jpg (18013 バイト)  

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  トップページHot SpotMenu最新のアップロード                     執筆/担当:   津田 真

     INDEX                                       house5.114.2.jpg (1340 バイト)wpeC.jpg (18013 バイト)         

No.1 国会議員の公設秘書問題 2004. 3.30
No.2 何のための、“国民の浄財”か!/“公共放送の新の役割” 2004. 4. 4
No.3 この、社会的閉塞感!/04・参議院選挙 2004. 7. 1
No.4 国民が立ち上がる時! 日本が、テロ社会になる前に! 2004.12.15

  

                                   <辛口時評・2004/No.1> /(2004. 3.30)

   国会議員の公設秘書問題    

    「各党の一番厳しい主張が、最大公約数です! 

               国民の求める答えは、一目瞭然です

               wpeA.jpg (38590 バイト)  wpe89.jpg (15483 バイト)        lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト)    house5.114.2.jpg (1340 バイト)          

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「ええ、マチコです...

  皆さんが大変忙しくて、書き込みが遅れています。そこで、津田・編集長が、今回

は私に1人でやれという事です...

  うーん、編集長からしっかり指示されているから、大丈夫です!あ、ミミちゃんと、

ポンちゃんも、よろしくお願いします!」

「おう!」

「うん!」

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「ええ...」マチコが言った。「国が未曾有の大混乱の中で、夏の参議院選挙が近づ

いています。ところが、国会が無気力に陥り、“ベタ凪(なぎ)だそうです。すっかり、自

らの姿を鏡に映し、無力感に陥っているようです...あの、永田町で、今、いったい

何が起こっているのでしょうか?」

「そうだよな、」ポン助が言った。

「ええと...国会では、今...何を議論しているかというと...

  国会議員の“学歴詐称問題”ね...それから、国会議員の“秘書給与問題”かし

ら...ええと、それから、国会議員の“議員年金の問題”も審議していたわね...」

「うん...」ミミちゃんがうなづいた。

「他に、何だったかしら?」

「うーん...ええと...」ミミちゃんが、ミミを揺らした。

公設秘書の問題はよう、」ポン助が言った。「世襲問題”とつながってるよな。結局、

永田町全体が、その問題で、“長周期地震動”で揺れているぞ」

“長周期地震動”って、分らないもん!」ミミちゃんが言った。

「地震で起こる、長周期の振動だよな。それで、スロッシングが起こり、石油の備蓄タ

ンクのフタが揺れて、想定外の大火災になったぞ。永田町は今、その“長周期地震

動”で揺れ始めているよな...

  しかも、それを話し合ってる、ほとんどの議員が、世襲議員だからよう...この“長

周期振動”は、外部から来ているから、永田町の中ではどうにもならないよな

「うーん...そうなんだ...ええと、ミミちゃん、何か?」

“世襲”も問題だけど...」ミミちゃんが言った。「奥さんや、息子さんや、ご両親を

“公設秘書”にしているのも、問題ね。こんな事では、いい仕事は出来ないもん」

「うーん...そうよね...確かに、いい仕事はしていないわねえ...」マチコは、首

を傾げた。「ええと...津田・編集長から指示されているのは...

  “秘書給与問題”で、各党が“独自色”を出している事ね。それで、政策を競ってい

るわけだけど...そこから“最大公約数”を出すという事だ、と言ってたわね...」

「“最大公約数”って、何?」ミミちゃんが、首をひねり、長い耳を揺らした。

「うん...今まではさあ、国民を無視して、“各党が納得する、もっとも甘い最大公約

数”をまとめていたわけよね。これだと、国会議員の間では、話はまとまりやすいか

ら」

「うん!」

「でもさあ、国民が求めているのは、“各党の最も厳しい主張をまとめた、最大公約

数”だという事ねよね。これが、最低ラインだと、津田・編集長が言っていたわけよ

ね...」

「それだと、どうなるのかしら?」

「うん。無条件で、公設秘書は、“3親等まで禁止”という事じゃないかしら。うーん、こ

れなら、見た目にも、形整うわね...

  ともかくさあ、奥さんは配偶者であって、秘書じゃあないわよね。それに、子供や両

親も、そうよね」

「うん!」

「じゃ、よう...“議員年金”も、一番厳しいヤツがいいのかよ?」ポン助が聞いた。

「編集長は、その事は何も言ってなかったわね...でも、いい仕事をしていないんだ

し、それでいいんじゃないかしら...」

「おう...国会議員も、国民年金と、一本化するべきだよな

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「あ...一応、編集長に電話してみるわね...」マチコは、受話器を取って耳に当て

た。

「おう!」すぐに、津田・編集長の声が返ってきた。「ま、そんな所だな...ともかく、国

民が求めているのは、“国会議員全員が、公設秘書は3親等まで禁止”だ。理由なん

か要らない。国民が、それを求めていると言うだけで、十分だ。まあ、これすら実現で

きないようなら、日本の政治は、国民から完全に見放されるだろう...」

「はい!最低ラインですね?」

「ああ、そうだ、最低ラインだ!ご苦労だったな!」

「はい!」

                                               

                                   <辛口時評・2004/No.2> /(2004. 4. 4)

   何のための、“国民の浄財”か   

       “公共放送の真の役割  wpeC.jpg (18013 バイト)

 

「高校野球、松井選手の活躍、相撲、ドラマ、歌謡曲、クイズ・・・こうした番組

は、本当に“国民の浄財”で支える必要があるのでしょうか?

  国家が、建国以来未曾有の大混乱の時、“公共放送の真の役割”というもの

があるはずです。今、日本丸は、操舵手がいないまま、嵐の中を漂っています」

 

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                      wpe89.jpg (15483 バイト)   lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト)  wpeA.jpg (28223 バイト)      

「東京はもう、桜も散り始めたよな.....」

  ポン助は、杯の中に桜の花びらが舞い落ちたのを見つめた。それから、桜の枝を見

上げた。すると、サーッ、と微風が渡って来て、花びらが一斉に舞い落ちてきた。その

一枚が、また酒の上に浮かんだ...ポン助は、その杯をキュッとあおった...

「おいしい?」ミミちゃんが聞いた。

「うまいよな...」ポン助は、花びらが風に乗って流れていくのを見送った。

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「ええ...My Weekly Journal 編集長の、津田真です...前回は、マチコさんひと

りに頼みましたが、今回は大丈夫!」

「はい!」マチコが、嬉しそうにうなづいた。「でも、私に出来るかしら?今回は、ちょっ

と長そうなので、私ひとりでは心配です」

「はっはっ、大丈夫!ええと...今回のテーマは、“何のための浄財か!”だね。

  うーむ...これは、たびたび取り上げている事だが、公共放送のNHKに関する苦

言になる。まあ、こうした社会情勢だから、あえて、繰り返し、苦言を申し上げるという

ことだな...嫌われ者は覚悟で、誰かが言わなければならないことだ」

「はい!」

「まあ、最近の日本は...何故か、本当の事が言いにくくなり、マスコミに載せられ

て、“裸の王様”が何人も闊歩している。“世代交代”、“人心一新”が必要な御時世に、

老人グループがしがみ付いている。それが、この国の改革の道を阻んでいるわけだ」

「うーん...テレビでも、相変わらず、顔ぶれが同じですよね」マチコは、脚を組み上げ

て、片手で自分の茶を取り上げた。「日本をこんな事にしてしまった政治家たちが、この

国の将来をどうのこうのと言っていますよね...」

「うむ、その通りだ。そうした政治家も、“裸の王様”の部類に入るわけだが、本人はそ

れが分っていない。いずれにしても、日本が未曾有の大混乱に陥ってしまった現状に

ついて、国会でもマスコミでも、誰も本格的な追求をしていない。そのために、本来、厳

しく責任追及されるべき政治家官僚や、マスコミ人が、依然としてトップに君臨して

いるわけだ。これでは、国家や社会の改革など、進むわけがない」

「ようよね...」マチコは、両手で握りしめていたお茶を、そっと口に当てた。「その人

たちが、“裸の王様”なのかしら?」

「いや、“裸の王様”と言うのは、少し違うねえ...

  私がそう言うのは、芸能人なんかで、本当は嫌われているのに、やたらにテレビに

出てくるような人のことだ。それから、有名人の2世などは、親の七光りでマスコミに登

場してくるが、実は“そのコト”そのものが、国民から嫌われ始めているということだ。国

民は、2世議員を嫌うように、スターの2世だって好きなわけがない。その人に、本当に

スター性があれば、話は別だがね...」

「うーん...」マチコは、もう一口お茶を飲んだ。

                                                  wpe56.jpg (9977 バイト)                

 

「さて、現在、日本の状況は、“建国以来の国難”と言われています」津田は、口調を

改めて言った。「それは、この国の文化の、“花”や“葉”の部分がほとんど萎(しお)

てしまい、モラルハザードが社会や経済に蔓延し、構造的不況がさらに国民の心を

蝕んでいるからです。いったい、これほど“文化”がないがしろにされ、勇気や努力や

勤勉という“慣習法”が無視された時代が、かってあっただろうか...」

「はい...」マチコも、組んでいた脚を下ろし、膝に両手を置いた。

「また、社会で堂々と、“悪事”がまかり通り、“刑務所の塀の中”が面白おかしくから

かわれ...そうした“善悪の境界”というものを、灰色にしてしまった時代が、かって

あったでしょうか...

  そのために、青少年がを飲み、タバコを吸い、“オヤジ狩り”“援助交際”をやっ

て、それで平気でいられる社会風土になってしまったわけです...いったい、誰がこ

んな事にしてしまったのか...まさに、この国は、建国以来の未曾有の大混乱に陥

っているのだと思います」

「うーん...そして、誰も責任が追及されていないし、罪にも問われていないわけよ

ね。善悪の境界も灰色だし...これでは、この社会を変えるのは、容易ではないわけ

ね」

「うむ...こうした折、問題の当事者ともいえるマスコミですが...」津田も、湯飲み

茶碗を片手でつかんだ。「何故か、“新しい日本文化の創出”の代わりに“野球”を押

し付け始めています。また、“国民的な大討論”の代わりに、“食い物の話”“芸能

人の話題”を流し続けています。いったい誰が、こんなことを画策し、推進しているの

でしょうかねえ、」

「うーん...マスコミが、“コネ人事”などで、力を落しているからでしょうか?」

「まあ、それもあると思います。しかし、“野球”を押し付けたり、“国民的な大討論”か

ら話題をそらしているのには、明らかな作為が感じられますね。しかし、それは当初

のもくろみを超えて、国家全体を非常に“危険な方向”へ導く要素をはらんできたよう

です」

「はい...そうなんでしょうか?」

「まあ、私も、これが杞憂(きゆう/取り越し苦労)であってくれればいいと思っています。それ

から、日本の社会に、新たな支配階級というか、上流階級のようなものが形成されつ

つありますねえ。今後、さらに国民に対する弾圧的なマスメディアの支配が続けば、そ

の方面への反動も心配されます」

「はい」

                                     

 

「さて、私の感覚では...

  日本はこうした中で、“背水の陣”にあります。そして、まさにこんな時に、NHKはほ

とんど何もしていないという不満があります。いや、こんな折に、何故、野球なのかと

言いたいですね。やる事をやった上での、野球なら、いいですがね、」

「はい」

「まさに、国民は、何のために“浄財”で、NHKを支え続けているのかということです。

NHKは、単に“関係者のメシの種”として存在しているわけではないのです。この国

の、唯一の公共放送なのです。民放と同じような事をやっていたのでは、困るわけで

す」

「そうですよね」

「冒頭でも言いましたが、高校野球、大リーグでの松井選手の活躍、プロ野球、相

撲、ドラマ、歌謡曲、クイズ”...この程度のものを、わざわざ“国民の浄財”で支える

必要が、はたしてあるのでしょうか。こうした娯楽的なものは、コマーシャルベースの

民間放送でも十分にこなせるはずです」

「ええ」

「まあ、国民としても...船が嵐の中で難破しかけている時に、公共放送にそんなも

のを期待していないはずです。まさに、こんな時こそ、嵐の状況をしっかりと見極め、

分析し、ピッチング(縦揺れ)とローリング(横揺れ)を最小限におさえ、“国民から任されて

いる操舵手の任務”を、しっかりと遣り遂げて欲しいという事です。

  それが、NHKを“国民の浄財”で支えている意味なのではないでしょうか。こんな

簡単な事は、是非分ってほしいと思います」

 

「あの、編集長...」マチコが、ノートパソコンのメモを見ながら言った。「先日、衆議

院と参議院で、NHKの決算が承認されましたよね?国会が、こんな状況を、承認し

たという事なのでしょうか?」

「うーむ...どうも、そういうことだろうねえ...

  NHK運営委員会も、国会も、何をやっているのか良く分らない...まあ、国会は、

社会保険庁が厚生年金の積立金で、職員の官舎を建てていたのも認めていたわけ

ですからねえ。その程度が、国会審議の実態なのかも知れません...」

「うーん...結局、あの社会保険庁の官舎は、どうなったのでしょうか?」

「国会が承認したとしても、国民としては、絶対に承認するわけには行かない問題だ

ろうねえ。だから、私は、“情報公開”“国民参加型の評価システム”の確立が急務

だと言うわけです」

「はい!」

「ところで...最近、NHKで、“年金問題”で3日連続の特集がありましたね」

「あ、はい」

「まあ、あまり白熱した議論にはならなかったですがね。設定が、あまり良くなかった

のでしょうか。連合・会長の笹森さんの意見が、印象に残っている程度です。あれは

確か、年金の水準は、“豊かさ”を求めるものではなく、“安心”を求めるものだ、という

ものでした...」

「うーん、はい...」

「国家が大混乱の時ですから、NHKにはこうした番組を、毎日、1年中、白熱した議

論をやって欲しいですね。現在の日本には、国民が大議論すべき課題が山積してい

ます。そして、まさに、こうした討論の場を、“国民の浄財”で支えられているNHKは、

しっかりと提供すべきなのです」

「どうして、NHKは腰が重いのかしら?何故なのでしょうか?」

「そうだねえ...

  いわゆる“組織”というものは、そんなものなのでしょう。官僚組織や地方行政組織

も、そうですからねえ。NHKは、前にも言いましたが、“日本のミニチュア”のような解

放系システムです。しかし、わざわざ“国民の浄財”で支えるほどの意味のない組織

なら、国民としては“聴視料”を拒絶すればいい訳です。そして、“新しい公共放送を

再編成”する事です。これは、国民としての、“正当な権利”でしょう」

「はい。これは、単純明快ですよね」

≪国民に対する弾圧・・・≫  wpeA.jpg (28223 バイト)  lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト) 

 

「さて...

  くり返しになりますが、国民が公共放送のNHKに求めているのは、“正しい社会”

を演出する“旗振り”の仕事です。また、文明の進展や、時代と共に変化していく、こ

の国の民主主義社会を見守り、“時代の舵”をしっかりと取って行くことです。

  また、あえて言えば、再びかってのような、国家全体を戦争に突入させるような事

態には、絶対に導かないで欲しいという、願いが込められています。いったいこの願

いに、NHKは、しっかりと答えているのでしょうか」

「うーん...」マチコは、腕を組んで、首をかしげた。

「まあ、状況は、“黄色信号”から“赤信号”へ移行しつつあるのではないでしょうか。

何となく自衛隊が海外へ派遣され、“国家主義”が台頭し、“国民全体が抑圧”されつ

つある様に感じます。冗談が、冗談でなくなりつつあるのを、感じるわけです...

 

  大多数の国民が、日々、非常に苦しい生活を強いられています。しかし、テレビ画

面からは、そうした臭いが、すっかり消し去られています。“明るい話”、“元気を出せ

という掛け声”とは裏腹に、“国民に対する弾圧”が、徐々に進行しているのかも知れ

ません...

 

  “医療費の負担増”や、“今後予想される増税”の背後で、憲法問題や有事法制が

議論され始めています。これそのものを議論する事は、決して悪い事ではないと、私

は思います。しかし、国家が未曾有の大混乱の折に、しかも出口も見えない状況下

で、それが議論されている事に、少なからぬ不安を感じます...」

「はい」

「政治の無気力...マスコミ文化の単調化...解決策が示されないモラルハザー

ド...これらは、本来、景気の上向きで解消できるものではありません。放置してお

けば、事態は悪化する一方です。また、長い不況の中で、国民生活は益々苦しくなっ

ているのが実状です。

  こうした状況下で、軍事力である自衛隊が動き始めたわけです...今後、こうした

流れは、益々加速していくでしょう...アメリカも、その気で日本をグイグイと押してく

るでしょうし、」

「アメリカに、ついていく方がいいのでしょうか?」

「まあ...私は、アメリカという国は好きです。それに、アメリカも、いろいろな側面を持

つ国だということです。また、大統領が変われば、アメリカの政策そのものも、大きく変

わるということがあります。

  こうした事を、全て考慮した上で...さて、現在のイラクの状況や、パレスチナ問

題への対応は、素直に賛成できないものがあります。こうした状況下での、自衛隊の

海外派遣になったわけで、今後の推移が、非常に気になるわけです」

「うーん...危険な臭いがするのでしょうか?」

「うーむ...私は、それを危惧しています...良くするも悪くするも、日本の社会は

今、大きく変わろうとしているのではないでしょうか。悪くすれば、戦前の国家主義

軍国主義のような臭いが出てきます...一方、私としては、“新・民主主義”の時代が

到来する事を願っているわけです」

「はい...でも、本当に、そんな事態が進行しているのでしょうか?」

「ま、実際の所は、分りません...

  ただ、国民もマスコミも、本当に言いたいことを言えないような現実も出て来ている

わけです...テレビでは、上意下達的に、人気者は松井選手に集中しています。ま

るで、他の選手や、他のスポーツは存在していないかのようです...

  それから、テレビ・通販や保険なども、コマーシャルを流している企業の寡占化が

進んでいるように思います。つまり、多様性が失われ、文化面での風景が非常に単

調になってきているわけです。これは、非常に危険な傾向だと思います...」

「はい...」

「だから私は、“情報公開”“国民参加型の評価システム”の確立で、新・民主主義

社会への脱皮を急ぐべきだと、主張しているわけです」

「現在、この国の文化は、危うい所にあるのでしょうか?」

「このまま行けば...弱さの反動から、国家主義民族主義が台頭する芽が出て来

る...可能性があります。それは、戦後もっとも警戒していた、戦前への回帰になっ

てしまう可能性があります...ま、国民の思いとは裏腹に、思わぬ方向に流れていく

危険があるということです」

「うーん...だから、NHKの役割が、非常に重要だということですね、」

「そうです。アメリカの大リーグの試合を中継したり、日本の巨人軍の試合を増やした

りと言うのは、本末転倒でしょう。“国民の浄財”で、公共放送を運営して行くのであれ

ば、まず“正しい社会の器”を創出し、“時代の舵”をしっかりと取っていく事に専念

るべきです

  息抜きの時間に、音楽や文化的な娯楽番組が入るのは結構ですが、現在のNHK

は、まさに、それが逆転しています。

 

 NHKには、はるかな“大所・高所”から、時代を見つめ、世界と日本を見つめ、こ

“日本丸の舵”を、しっかりと取って行って欲しいと思います...それが出来ない時

は、公共放送の“解体再編成”が必要になります...

 

  ...まあ、現在のNHKの状況を判断するのは、この国の主権者である、国民自

の仕事です。そして、どうしても現在のNHKの体制が、納得できないと言うのであれ

ば、“聴視料”を一時的にストップすることも要です。そうした行動を取らないのであれ

ば、現在の状況を“承認”した事になるわけですから...」

「はい」

「まあ、私としては、NHK自身が、“徹底的な構造改革”を断行することを願っていま

す。ただし、もう残された時間は、あまり無いと思います...」

「うーん、はい!」

≪惑星・地球史・・・46億年の頂点で・・・≫   wpe89.jpg (15483 バイト)

「さて...

  NHKが、“公共放送”に名をかり、自分たちの好き勝手な番組を制作し、国民の浄

財を“メシの種”変えているのであれば...もし仮に、そうなのであれば...ぜひ

考え直して欲しいと思います。そして、何とか、この国が立ち直る方向へ、大きく舵を

切って欲しいと思います。

  何故なら、まさに現在、この国は未曾有の大混乱の真っ只中を漂流しているから

です!“21世紀初頭の嵐の海”を、操舵手がいないまま、荒波にもまれています」

「はい!」

「この時代に生まれてきた私たちは...この難しい21世紀初頭という時代を切り抜

け、安定した次の時代へ、文明を受け継いで行く、非常に重い責任があります。まさ

に、この時代に生まれた者の責務だと思います。そして、その後は、おそらく人類文

明は、ある種の安定期に入っていくものと思います...」

「はい...」

 

「人類文明は、その“文明の暁”から、まだわずかに1万年弱...また、あの18世紀

の、蒸気機関車に代表される“産業革命”からは、わずか200年余り...そして、

21世紀に突入した現在、第三の波の“情報革命”が爆発し、まさにそれが加速中で

す...

  この加速は、いったい何処まで続いて行くのでしょうか...はるか、太陽系の果て

まで続いているのでしょうか...高杉・塾長によれば、人類文明の版図が、広大な

太陽系空間にまで拡大した時、1つの安定期が到来するといいます...さあ、そうし

“超越的な時代”を、はたして人類は迎える事が出来るのでしょうか...」

「うーん...いずれ、そうした時代がやってくるわけですよね。私たちはいないけど、」

「高杉・塾長が言うには...人類文明は今、惑星・地球史の46億年の頂点にあり、

“非常に特異な今”を、“今の中”へ繰り込んでいると言います...その真意は、私に

は分りませんがね、」

「うーん...」マチコは、首をかしげた。「“今”というのが、分らないわよね、」

「まあ...それは、“認識の形式”の問題だと思います...“この世の形”を、基本的

にどうとらえるかという問題でしょう...私たちは、“意識”を時間と空間の関係式で

記述しているわけですが、リアリティーは時間と空間が未分化の領域に広がってい

ます...その、“この世”というものを、塾長はどうとらえているのか、それが分らな

い...」

「はい...」

             ***********************************************

「ええと...この辺で、まとめに入りましょうか?」マチコが言った。

「うーむ...そうだね...

  ええ...私たちは、NHKが劇的に変り、日本再生が軌道に乗っていく事を期待し

ています...そのために、NHKがまずやるべき事は、“社会正義の確立”だと思い

ます。ともかく、NHKには、社会で堂々と悪事が行われている現在の風潮を、一掃す

るような運動を推進して欲しいと思います。まず、そうした“基本的な秩序”を、社会の

土台に据える事が、今はもっとも大事な仕事だと思います。まあ、ごく、当然のことな

のですがね」

「はい!」

 

    wpe89.jpg (15483 バイト)        lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト)     

「ええ、マチコです...今回は、これで終ります...

  今、日本では“桜の開花前線”が北上しています。でも、心なしか、今年の桜は淋

しそうです...早く、この国が、しっかりと立ち直って欲しいと思います...

  ええと...ポンちゃんとミミちゃんは、今回は出番がありませんでした。ともかく、

ご苦労様でした」

「うん!」ミミちゃんが言った。

 

 

                                   <辛口時評・2004/No.3 (2004. 7. 1)

この、社会的閉塞感 (04・参議院選挙) 

「津田真です...

  参議院選挙突入で、社会的閉塞感がさらに増しています!何故なのか?ここ

は、一歩身を引いて、大所高所から眺めると、日本の全体風景が見えてきます。

いったい、私たちの社会は、何がおかしいのか?」

        wpeA.jpg (38590 バイト)                 lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト)      

                                                           

プロローグ                         

「ええ、お久しぶりです!マチコです!

  うーん、今回の“辛口時評”は、“クラブ・須弥山”のママ、羽衣弥生(はごろも・やよい)

さんに来ていただきました。私やポンちゃんは、特にビールやお酒が好きなので、いつ

もお世話になっています。

  ええ、弥生・姐(ねえ)様、よろしくお願いします...」

「あ、はい...」弥生は、ニッコリとうなづいた。「こちらこそ、よろしくお願いします。

  この間、高杉・塾長と、ループ量子重力理論の考察の仕事をしましたの...あ

の理論物理学の仕事は、本当に緊張しましたわ。けど、今度の仕事はオーケイよ。

政治家の批判でしたら、お手のものよ」

「うーん、姐(ねえ)さんは、そうですよね、日頃から...ええ、今回も、いつものように、

ズバッ、とお願いいたします!」

「はい!」弥生は、笑みを浮かべ、唇を、キッ、と引き結んだ。

 

  【社会規範の崩壊...】     wpeA.jpg (42909 バイト)     

                 “上の方から崩れて来た、社会規範” 

「ええと、津田編集長、」マチコが、津田の方を向いた。「まず、最初に一言、お願いしま

す」

「うむ...」津田が、うなづいた。「ええ、弥生さん...先ほど、この国は、“上の方”

“社会規範”が崩れて来たと言っていましたが、私も、まさに、同意見です...

  言葉は悪いですが、“官僚の天下り”、そして、“政治家の世襲”が、この国を“喰い

もの”にしてきました。それに加え、第4の権力と揶揄(やゆ)された“マスメディア”が、そ

の立場を利用して好き勝手をやり、この国の文化の空洞化に、拍車をかけてきまし

た。まあ、色々と言いたいことはありますが...全体風景としては、こういうことでしょ

うか?」

「はい!」弥生が、細い指を組み合わせた。「編集長のおっしゃる通りだと思いますわ」

「あ、姐さん、タバコをどうぞ」

「ええ...」

  弥生は、指に挟んでいたタバコを口にくわえ、細いライターで火をつけた。そして、

脇を向いて、ポッ、と煙を吐いた。その煙で、ミケが顔をかくようにし、のっそりとそばを

離れた。弥生が手を伸ばしたが、ミケはスルリとマチコの方へ逃げた。弥生はミケを見

送りながら、タバコをもう一口吸った。

「結局...この国は...」と、津田が言った。「“上からのモラルハザード”を引き起こ

し、現在の大混乱に至ったわけです。しかし、今回の参議院選挙でも、この反省が、全

くないですねえ。つまり、ここが、国民とズレている所なんです。はがゆい限りです...

“悪事”を平気でやり、“自分勝手”を平気でやり、“国民を無視”してシラを切る。だか

ら、国民も、白けてしまっている...」

「小泉・首相も、民主党の菅・前代表も...」弥生は、タバコを灰皿に置いた。「やって

はいけない間違いをしていますわ。小泉首相は、ご子息を芸能界に押し込んだし、菅

さんはご子息を、民主党の衆議院議員・候補に押し込みましたわね...

  これは、公職で権力の座にある者は、絶対にやってはいけないことですわ。民間企

業の社長さんなら、その範囲のことですから、国民の感知することではありません。で

も、高い地位にある政治家なら、まず国民全体の状況を考えるべきですわ。芸能人に

なりたい若者たちや、政治家になりたい若者たちの、公平性ということを、まず考える

べきで立場の人たちですわ...そのあたりの感性から、すでにズレています」

「そうよね!」マチコが言った。「トップが、平気でそんなことをやっているから、下の方

までモラルハザードになってしまうのよ」

「うーむ...その通りだねえ...

  年金問題も、制度をいじくるよりも、それ以前の問題として、社会保険庁厚生官僚

が信用できないわけです。国民年金の未納問題では、国会議員そのものが、信用で

きなくなっている。議員年金も、廃止が決まったわけではないしねえ...」

「そうですわ!」弥生は、灰皿にタバコの灰を落した。「“国民主権”と言いながら、結

局、官僚や政治が、この国を好き勝手に支配していますわ...口では“民主主義”だ、

“公僕”だと言いながら、国を大混乱にしてしまったんですもの」

「うーむ、その通りだ...

  この参議院選挙も、結局の所、政治や政党が“選挙の枠組み”を作ったわけです。

そして、国民に、さあ選べと押し付けてきた。しかし、国民にしてみれば、“選び様がな

い!”ということです。政と国民との、“信頼関係”が切れてしまっている...

「はい!」弥生が、コクリとうなづいた。「本当に、その通りですわ...

  栗のイガと...リンゴの皮と...トウモロコシの芯を並べて...さあ、どうしても1

つ選べと言うわけでしょう...どれも魅力的ではないけれど、それじゃあ...リンゴ

の皮を...と、これまで、私たちは選んできたわけです。でも、今度ばかりは、どうで

しょうか?」

「栗のイガは、本棚に飾って置けるわよね」マチコが、ミケの頭を撫でた。「ポンちゃん

は、何がいい?」

「おれは、トウモロコシの芯だよな!」ポン助が言った。「徳利(とっくり)の栓に使えるぞ」

「うん!」

「だから...」津田が、手を伸ばした。ポン助の頭を、ひと撫でした。「私は、野党第1

党の民主党に対し、“国民のニーズに答える、選択肢を提示して欲しい”と言い続け

てきたわけです。私は...

 

   “国民主権”とは “議員を選出するルール作り” “投票”

    選挙の創出と管理/議員の歳費・叙勲・査問・懲罰/は、“国民主権”のステージで

 

  と主張して来ました...しかし、まだその“崇高な枠組み”が出来ていない現在、

それを“健全な野党”に期待したわけです」

「はい!」マチコがうなづいた。

「ところが、民主党が国民に押し付けてきたのは...この国の“将来ビジョン”ではで

はありませんでした。10年後、20年後、50年後の、“理想的な国家の器”ではなか

ったのです。まあ、結局、この参議院選挙でも...権力闘争としての、“与野党の対

立軸”だけだったわけです...

  単純で、無策に等しい対立軸ですが、しかし、政権交代を願う国民にとっては、まさ

にこれは選択しなければならない、“強力な対立軸”というわけです...しかし、今度

ばかりは、白けてしまっています」

 

【ヤクザ政治...】             

 

「単純化して眺めれば...」弥生が、ゆっくりとタバコを吹かした。「政治家は、この国

を喰いものにしている“ヤクザ”ですわ。官僚は、さしずめ、高笑いしている“お代官様”

かしら...

  それでも、関八州の宿場町が潤っていて、食べて行けた時は、宿場町の人々も黙っ

ていたわけね。でも、デタラメな経済で町全体がピンチになり、ヒトの心が荒っぽくなっ

て、社会規範が壊れ、文化もさびれ、ついに食べて行けなくなってきましたの。今の日

本は、本当にこれと同じじゃないかしら?」

「まあ...国民が今、真に必要としているのは、第1は、“モラルハザード社会からの

脱却”だと思います。しかし、政治とマスコミが引き起こしたこのモラルハザードに対

し、政治もマスコミも、ほとんど何の対策も示していないわけです。それに、コメントも

していない...しかし、このままで済むはずもないわけです」

「うーん...はい、」マチコが、うなづいた。「そうよね!」

「そして、2番目は、“日本の文化の再建”...国家や社会にとっては、豊な暮らしの

バロメーターである文化が、最も大事なのです。そして、それはイコール経済と言うわ

けではないのです。日本はすでに、“物”から“心”の時代へ移行しているからね。しか

し、まさに“社会の器”を、弥生さんの言う、ヤクザが壊してしまったわけです」

  マチコが、黙ってうなづいた。

「それから、第3は、もともと政治の責任である、“50年先を見据えた、社会システム

の創出”だと思います...

  ところが...参議院選挙の争点になっているのは、砂上の楼閣に等しい“年金改

正法案”や、“自衛隊の国連軍への参加”の話です。それから、“憲法改正”の話もあ

りますね。いずれも、むろん大事な話です。が、しかし、その前に、キッチリとやるべきこ

とがあるということです。

 

  つまり、モラルハザードからの脱却日本の文化の再建、そしてこの国の大構造

...つまり“平成・維新”の断行が不可欠だと言うことです。

 

  明治維新を見ても分るように、それから、あの太平洋戦争の敗戦後を見ても分るよ

うに、“新憲法”というものは、大混乱が収まった後に、“至高のモラル”“崇高な理

想”の下で、“新たな国の形”として示されるものです。しかも、今回は、“国民主権”

もとで、議会制民主主義の中で進められる、初めての憲法改正になるわけです」

「はい、」マチコがうなづいた。

「まず、モラルハザードの中で、国民を無視した憲法改正などは、論外だと言うことで

すね。その前に、キッチリと、やるべき事をやって欲しいということです。ともかく、モ

ラルハザードの上に、新憲法のヤグラをのせるわけには行かない」

「はい!」弥生が、うなづいた。「あの、編集長...今回の参議院選挙は、こんなこと

で通ってしまうのでしょうか?それで、選挙は、済んでしまうのでしょうか?」

「うーむ...まさに、それは、この選挙で、国民が判断する所でしょう...

  しかし、国民は、あんな年金問題や、あんな国連軍への参加問題の討論に、判決

を下してもしょうがないわけです。それこそ、弥生さんの言った、栗のイガと、リンゴの

皮と、トウモロコシの芯の中から、1つを選べと言っているようなものです。

  私たちは、それよりも、“もっとはるかに大事なもの”を選択したいわけです...

の国の将来について...しかし、その選択肢がないわけです...」

「うーん...はい!」マチコがうなづいた。

 

【戦略と戦術】         wpeA.jpg (38590 バイト)         

 

「うーん、民主党はさあ...」マチコが言った。「言いたくはないけど...常に、“戦略”

で間違ってるわよね」

「うーむ...それは言える...」津田は、天井を見上げた。「小泉政権は発足当初、

8割を超える国民の支持があった。あの時、その支持率は民主党の方にも大きく食

い込んでいた。ところが、民主党は、その“国民の切なる思い”を裏切り、小泉政権に

対し、“与野党の対立軸”で対抗したわけです。

  あれで、小泉内閣は、“新世紀・維新の同志”を失い、“抵抗勢力という悪い仲間”

付き合うようになった。これでは、改革が進むはずがないわけです。そして、小泉・内

閣は、見事に“グレ”てしまった。それで、弥生さんの言うように、この国はヤクザにのっ

とられてしまった。

  まあ、私としても、こんなことは言いたくはないんだが...そうでなければ、この国

の大混乱は、説明がつかないのです。抵抗勢力も、国がぶっ壊れるまで抵抗して、何

の益があったのでしょうか。当時、よりも自民党が大事だ。自民党よりも、派閥が大

事だと、テレビで堂々と広言していた議員がいました。あれから、この国は、確かに

壊れてしまいました。国が壊れて、派閥が生き残っているのかどうかは、私は知りま

せんがね」

「ええ!」弥生が、唇を引き結んだ。「それは、私も見ていました!何で、あんなことが

言えたのでしょう?」

「まあ...国がヤクザにのっとられて、どうなったか...現在の日本の社会状況が、

そうなのでしょう...

 

  金融政策という名目で、国民の巨大な金が不当に動かされ...モラルハザードが

蔓延し...風俗が乱れ、心が荒っぽくなり...文化が衰退...

 

  テレビドラマでおなじみの、関八州の宿場町の縮図が、まさに私たちの眼前にある

ようです。上の方で、“ヤクザの親分”と“お代官様”が、構造的な悪をやっているわけ

です」

「うん、具体的に、どういうことかしら?」マチコが聞いた。

「まあ、何度も言うことですが...

  銀行は、“ゼロ金利”で、国民の膨大な預金金利を吸上げ、“貸し渋り・貸し剥がし”

で、庶民を苦しめてきました。その一方で、大企業や息のかかったゼネコンには、“借

金の棒引き”で助けてやり、穴埋めは“税金”と言うわけだったのです。しかし、それで

も儲からないと言うことで、銀行は今度はサラ金と提携し、“高利貸しの業務”を拡大し

てきたようです...まさに、“悪どい”にも、ほどがあるということでしょう。

  どんな理由があるにせよ...こうした金融政策は、大所高所から眺めれば、まさに

“ヤクザ的な金貸し業務”そのものです。善良な国民の金を、思い切り吸い上げ、バブ

ルで踊った穴埋めにしているわけです。そして、当の、本来責任をとるべき官僚や政

治家や銀行は、厚生年金や税金を使って、相変わらず贅沢三昧をしているわけです。

  また、一方で、“闇金融の帝王”とか称する、違法・闇金業者のボスを捕らえ、“マネ

ーロンダリング(資金洗浄)などを追求しています。一体、“闇金の帝王”と、“国の金融政

策”は、何処がどれだけ違うというのでしょうか。金融政策では、それを合法的にやっ

ているだけなのではないでしょうか。

  まあ、ヤクザに個人的に恫喝されるのは、確かに恐いでしょう。自殺する人さえ、続

出しているわけです。一方、金融政策では、国民全体が恫喝され、会社や個人資産

が潰され、それこそ桁違いの金利が吸い上げられているわけです。そして、こっちで

も、自殺者が続出しています。しかし、こっちの方では、これほどの悪事でも、誰も逮捕

されず、誰も責任を取っていないわけです...

  金が無くなれば、気軽に税金をぶち込むシステムが出来ているわけです...これ

で景気が立ち直ってきても、こんな経済社会は、果たして信用できるのでしょうか。だ

から私は、“社会の器”が壊れてしまっていると言うわけであり、どうしても“維新”が必

要だと言うわけです」

「編集長...」弥生が言った。「民主党は、“国民の切なる思い”を裏切ったわけです

けど...それを本当に、反省しているのでしょうか?」

「さあ、どうかねえ...反省しているようなら、こんな選挙にはならなかったはずだが

ねえ...まあ、民主党の中も、色々、バラバラだからね...」

「はい、」

「さて...話を進めよう...

  “自民党・長期政権”が、この国に未曾有の大混乱を引き起こしたのは、これは疑

い様のない事実です...しかし、55年体制以来の“旧社会党系の勢力”が、この国

の改革を壊してきたのも、これもまた、明確な事実だと思います...

  それから、細川内閣から羽田・内閣へ代わった後、自民党と社会党が連立政権

組んだのも、実にまずかった...あれは村山・内閣で、阪神大震災のあった時です」

「ええ、よく覚えていますわ...社会党・委員長の村山・首相は、自衛隊の出動命令

を出さなくて、神戸の街がいつまでも燃えつづけていましたわ」

「うん、」マチコが、ミケの喉を撫でた。

 

  【戦略的な間違い自民党、野党勢力、NHK 】 wpeA.jpg (42909 バイト)    lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト)

 

「話は少し変わりますが、“NHK”について、少し触れたいと思います...

  この巨大な公共放送も、日本が現在の大混乱を招いたということに対して、非常に

大きな“結果責任”があると、私は考えています。しかし、この大問題に対し、NHK自

身はどう考えているのか...これまで、一度でも、“国民に説明”したのでしょうか?

  わざわざ政府の予算から独立し、中立を期すために国民の“浄財”で運営されてい

るNHKは、何を差し置いても、まず国民に対し、状況を説明する責任があります。説明

は、直接国民に対して、繰り返し繰り返し行う責務があるはずです。この、最も基本的

なルール社会規範さえも、NHKは守るつもりがないのでしょうか...」

「その通りですわ!」弥生が、カチ、と2本目のタバコに火をつけた。「...NHKは、娯

楽番組を中止してでも、“聴視料”を支払っている国民に対して、キッチリと説明するべ

きですわ。

 

  “ニュースの選択基準”、“スポーツ選手や、取り上げる話題の選択基準”、“国民

的な課題に対するNHKの見解”、“国民の声を、公共放送にどのように反映させてい

るか”...

 

  ...こうしたことについて、“浄財”を提供している聴視者に、納得のいく説明をす

るべきですわ!」

  弥生は、タバコを吸い、ゆっくりと煙を吐いた。

「...そうでなければ、公共放送であるNHKは、“浄財”で運営されていながら、肝心

の視聴者には、運営について何も説明していないことになるわけですわ!」

「まさに、その通りだ...

  公共放送が、国民に対して開示されていず、“シビリアン・コントロール”下に無いと

いうことは、これは非常に怖いことだ。だから、これほどの、建国以来・未曾有の大混

乱を許してしまったとも言える。

  社会や文化に、“国民の声”が全く届かなくなってしまったわけだからねえ。政治と

マスコミが、“国民から乖離”し、文化が空洞化してしまったわけです。

  公共放送は、むろん、“シビリアン・コントロール”下にあってしかるべきものであり、

これは“自衛隊のシビリアン・コントロール”にも匹敵する大問題でしょう...ともか

く、NHKは、即今、国民に納得のいく説明をして欲しいですね」

「NHKは、“非常に非効率”だとも、聞いていますわ、」弥生は、タバコを持った手を口

に当てた。

「まあ...こうして苦言を言うというのも、ラクではないが...しかし、ここはしっかり

と言っておきたいと思います...

  NHKの設立当初...まさに、こうした大混乱に備え“NHKという防波堤”が創設

されたわけです。しかし、それが何の役にも立たなかった。いや、むしろ、こうした混乱

を助長した面すらあるというのは、一体どういうことなのか...

  このことについて、NHKは、“歴史的な大所高所の観点”から、“その時、歴史が動

いた”という鋭い突っ込みで、しっかりと説明を残しておいて欲しいと思います。いず

れ、歴史的な大判断が下される時が来るわけですから...」

“NHKスペシャル”か、“NHKドキュメント”として、しっかりと残して欲しいわよね」マ

チコが言った。

「でも、本当に、」弥生が言った。「あれよあれよと言う間に、“戦前のような、軍靴の足

音が聞こえる”、とまで言われる所まで来てしまいましたわね...これは、油断だっ

たのでしょうが、非常に恐い状況になりました」

「うむ...ま、この参議院選挙が、ひとつの分水嶺になるだろうね。本当に、透明な、国

民参加型の民主主義社会が到来するのかどうか...それとも、軍靴の足音が、さら

に高くなるのかどうか...いずれも、我々国民の、“政治に対する覚醒”にかかってい

ます」

「うん!NHKもさあ、いい番組を作ろうと、頑張っているのは分るわよね。でも、何かが

違うのよね...

  マチコは、ミケの頭を押さえ込み、キュ、と背中の方に撫で下ろした。ミケは、耳を後

ろにつぶし、目を吊り上げた。

「NHKはさあ...」マチコが言った。「民主党と同じように、“戦略”が間違っているん

じゃないかしら?」

「いい事を言う!」津田が、指を立てた。「その通りだ...いいかね、“戦略の間違い”

というものは、“戦術レベル”では絶対に回復できない。これは、よく言われていること

だ。“戦術”“作戦”レベルで如何に圧倒しようとも、“戦略的な負け”は回復不可能

なのだ。

  これは、軍事戦略でも、経営戦略でも、あるいは人生設計においても、非常に重要

なことだ。まず、戦略というものが大事なんだ」

「うん!」

「NHKは、個々に、如何にいい番組を制作しても、国民がNHKに求めているのは、も

ともと別の所にあるわけだ」

「それは、何かしら?」

「国民がNHKに求めているのは、娯楽番組ではない。国民が真に求めているのは、こ

の国の“社会正義と、民主主義の牙城としてのNHK”だ。そして、“伝統文化と、新し

い日本文化創出の守護神としてのNHK”だ...そうではないかね?」

「はい...」弥生が、小さくうなづいた。「私たちが求めているのは...そういうものだ

と思います、」

「うん!」マチコもうなづいた。

 

「話を進めよう...

  まあ、“戦略”において、最大の間違いを犯したのは、“自民党”だろうねえ...だか

ら、国がここまで乱れてしまった。彼等には、確信犯の側面もあるが、ここまで壊れる

とは思っていなかったはずだ。

  ところが、歯止をかける側の“野党勢力”も、“NHK”も、“戦略”的な間違いを犯し

た。まあ、新聞テレビも、やってはいけない大きな間違いをしたがね。それで、モラル

ハザードは歯止が無くなり、建国以来・未曾有の大混乱に突入した...

  しかも、政治もマスコミも、自らの大問題ながら、その“解決策”さえも示していない

わけだ。しかし、ここでシラを切れる状況ではないんだがねえ...

 

  “戦術”では、誤謬(ごびゅう/あやまり)や誤魔化しや、様々なテクニックを使えるが、“戦

略”ではそうしたものは一切効かない...したがって、戦略は、絶対に間違えてはい

けないものだ。

  まあ、戦略的な間違いは、致命的なわけだが...それと気づいた時、戦略的変更

は、速いほど、全体的な被害は低く抑えられる...

 

 ...ということだな...

「うーん、」マチコが、腕組みをした。「それじゃ、NHKは、どうしたらいいのかしら?」

「うむ...

  NHKは、こうした時節でもあり、“組織防衛”よりも、“国民や社会や国家を防衛”

ることを、最優先に考えて欲しいね。それが、“王道”だ。そのためには、“情報公開”

“国民参加型・評価システム”と合せ、NHKの解体・再編成も視野に入れ、考えて

欲しいね」

【国民参加型・評価システム... 】       lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト)  

 

「我々の主張してきた“国民参加型・評価システム”と言うのは...これは別途考察

していきますが...実はNHKのインフラと人員を活用すれば、それほど難しくなく出

来るのです。元々、これはNHKのやるべき仕事でしょうからねえ。

  それと民放新聞、そして、さらにきめ細かい全国的ネットワークを持つ、郵便局

を重ねてもいいわけです。郵便も、全国を網羅する情報の大動脈の1つですから、“郵

便によって集計される評価システム”も、当然あっていいわけです。こっちの方が好き

な人もいるでしょうしね...」

「あ、はい...郵便かあ...こっちの方で、のんびりと集計するのもいいわよね。目に

見える形だし、年配者にはいいかもね。こうしたランキングや集計で、この国の文化が

動いていけば、楽しいわよね」

「まあ、“集計のメニュー”作りも、色々あるわけだし...楽しくなるだろうと思います。

そうすれば、この国も、もう少し活気が出てくるのではないかな。本格的な評価システ

ムの確立には、時間がかかるでしょう。しかし、まず、何処からでも手をつけられる、そ

んなところから始めればいいわけです」

「はい!」マチコが言った。

                                         

「マチコです。今回は、これで終ります。

  次は、7月11に迫った参議院選挙をどうするかに移行します。どうぞ、ご期待くだ

さい!」

                   

 

                                <辛口時評・2004/No.4 /(2004.12.15  )  

 国民 立ち上がる時!   

      政治・官僚・マスコミ  wpe8B.jpg (16795 バイト)

     いずれも、玉石混合...しかし、自浄作用なく、悪化の一途! 

           モラルハザード! / 不道徳の極み  

         wpe75.jpg (13885 バイト)         

                                                                 

   〔1〕 マチコの“辛口一発”  wpe8B.jpg (16795 バイト)

 

  弥生が、慣れた手つきで、コーヒーカップを片付け、盆をワゴンに乗せた。それか

ら、細い指で、自分の前にそっと灰皿を置いた。

「さ、始めようか、」マチコが、組んだ両手を上げた。

「はい...」秋月茜が、小さくうなづいた。

「ポンちゃん、コッコちゃん、スクリーンをお願いね」マチコが言った。

「おう!」ポン助が、スクリーンの横で手を上げた。「使うのかよう?」

「用意しておいて、」

「できてるよな、」

「そ、」

  コッコちゃんは、ポン助の隣で、まだコーヒーを飲んでいる。

 

「ええ、改めて...

  今期、弁護士として採用されました、秋月茜(あかね)です...よろしくお願いしま

す。(あかね)と呼んでください...ええ、名前の通り、私は茜色...赤い色が大好き

です...今回は私が、津田・編集長に代わり、“辛口時評”を担当することになりま

した。

  先輩の折原マチコさん、羽衣弥生さん、どうぞ、よろしくお願いします。だいぶ、緊

張していますので、」

「うん...」マチコが、頬に拳を当てて言った。「“辛口時評” を、一発やるわね...」

「はい...じゃ、まず、マチコさんの“辛口”をお願いします」

「うん...

  政治家の、悪口を言うのなんかさあ、たいした事ないわよね...どこにだって転

がっているわよ...悪い事ばっかっりやっているから...犯罪発生率だって、ヤク

ザや暴力団よりも、高いんじゃないかしら...

  ヤクザや暴力団はさあ、悪いことをしても、国や社会は壊れないのよね。彼等も悪

いことだって認識してるし、警察が取り締まればいいわけよ。でもさあ、政治家が悪

いことをすると、社会のシステムが壊れるのよね...

  この人たちはさあ、何で平気で悪いことをするのかしら...国のために働くこと

が仕事なのに、国のことは少しも考えないで...そしてとうとう、日本の国全体が、

モラルハザードになっちゃったわよね...一体、どうするつもりなのかしら?

「1つ、疑問なのですけど...」弥生が、脚を組み上げた。「あの人たちは、毎日、何

をやっているのかしら?」

「うーん...そうなのよね、」マチコが、首をひねった。「多分、疑惑を追及している

んじゃないかしら、」

「ふーん...“疑惑”ねえ...」

“日歯連”からさあ、橋本・元総理大臣へ、ポンと渡された、1億円とかの“疑惑”を

追求してるんじゃないかしら、」

「でも、それは“政治”ではありませんわ...それは、単なる“自分たちの不祥事”

の、始末ではないかしら...それに、ヘタクソですわ...追及する方も追求される

方も、」

「うん...政治家はさあ、のらりくらりと、“自分たちの不祥事”を審議して、高い給

料をもらっているわよねえ...国民は、食えなくて、グロッキーなのにさあ...不祥

事はいくらでもあるから、ネタが尽きる心配も無いわよね!」

「そうですね、」茜が、初めて、口元に笑みを浮かべた。「ほんとに、呑気な話です。国

家が、この非常時の折に、です...」

「そうですわ、」弥生が、重ねて言った。「それに、肝心の“世襲問題”や、“天下り問

題”や、“モラルハザードの問題”、話題にものぼりませんわ。だから、本当に、あ

の人たちは、毎日何をやっているのかと思うんですわ、」

「はい、」茜が、赤いメモ帳を取って、うなづいた。「そのことも、考えてみましょう」

 

  〔2〕 社会混乱の原因が、明確になってきた 

      wpeA.jpg (38590 バイト)            

 

「ようやく、近頃...」茜が、言った。「社会混乱の原因が、何処にあるのか、その所

在が、一般の国民にも、にも明確になってきました...

 

  まず、“政治”“マスコミ”が、モラルハザードの蔓延に、全く対処していない現実

が明確になってきました...さらに、信じられないことですが、政党が時代と国民の

ニーズ(要求)に答えて、“国家の未来像”を全く示していない事です...また一方、マ

スコミは、“国民的な大討論の場”を、全く提供ていないという事実です...これまで

は、多少なりともあったものですが、最近では全く無くなっています...

 

  これは、意図 してやっていることなのでしょうか...かって、健全な社会の頃は、

それなりにあったものです...政治は未来を示し、マスコミは国民に敬意を払い、社

会が営々と培ってきた慣習法に忠実でした...

  それが、今は、学級崩壊のようになり...子供たちが、好き勝手なことをしている

ような状態になり...壊れてしまいました...こんなことでいいのでしょうか...

  もちろん、NHKにしても、シビリアンコントロールが効きません。特別に、“国民の

浄財”で運営される公共放送の役割を、全く果たしていません。いいものも作っていま

すが、公共放送の本来の任務を忘れています。ともかく、潤沢な資金で、好き勝手な

ことをしているわけです...」

「うーん...」マチコが言った。「だから...希望が持てないのよね...マスコミが、

モラルハザードを起こすなんて...先進国に、そんな例はあるのかしら...」

「だから、国民が、立ち上がらなければならないんですわ!」弥生が、コブシを握って

言った。

「そうですね...

  今、こうした状況の裏で、日本の社会に“新しい支配階級”が登場しつつあります。

そして、“富の寡占”が進み、一般国民へは何故か、弾圧が始まっています。負の遺

は全て国民に押し付け、大混乱とモラルハザードの中で、大増税時代への突入で

す。小泉・政権の、史上まれに見る反・民主化政策が推し進められています。

  また、自衛隊の海外派遣、9条を含む憲法の改正、国連・常任理事国への加名運

...と、覇権主義と軍事色の強い流れが加速しています。まさに、全体主義の臭

い、民族主義の台頭と、戦前の軍靴の足音を感じさせるものがあります...

  これが、国民合意による、納得のいくものであれば、それは仕方のないものかも

知れません...ところが、国民の合意の無い所で、全て決まっていきます...武器

輸出の禁止に関することもそうですね。国民が、大切に守ってきたものを、小泉・政権

は、なし崩し的に壊しています...」

 

<自衛隊は...>    wpe6A.jpg (45593 バイト)      house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「茜さん、」マチコが、作業テーブルの上で、両手を組んで言った。「このまま、自衛隊

のイラク派遣が継続されると、どうなるのかしら?」

「活動があいまいのまま...ただ紛争地域に留まるわけです...当然、戦争の泥

沼に飲み込まれるでしょう...そうなれば、いよいよ自衛隊も、武器を使い、犠牲者

もでます。小泉さんは、それを待っているのではないでしょうか...

  それが、自衛隊の初陣になります。そして、アメリカと共に戦う軍隊になってしまう

可能性があります。非常に、危険な臭いを感じます。したがって、ここは、一旦兵を引

べきです...」

「うーん...小泉・首相は、危険よね、」

非常に動きにくいのは、分ります。しかし、それが、決断です。役に立たない軍事力

を、危険なイラクに派遣しておく事は、リスクがかさむ以外のなにものもありません。

また、イラクにとっても、それは迷惑です。ともかくここは、日米関係だけでなく、大局

的な判断が求められます。歴史的な決断が、求められます。今からでも、遅くは無

いと思います...」

「はい、」

「津田・編集長の言われたように...

  日本の社会は今、ウクライナのような大規模な抗議行動を起こす時です。社会的

な混乱・民族的な危機は、ウクライナよりははるかに深刻です。この国では、社会の

基盤である“慣習法”すら、失われているのですから...

  今は、海外のことよりも、国内の社会体制を再構築することこそ急務です。このま

までは、日本そのものが“テロ社会”になってしまいます。小泉・政権は、国家の運営

というものが、非常にまずいですね...一刻も、任せて置けない状況です...

 

<マスコミは...>    wpe75.jpg (13885 バイト)     wpe8B.jpg (16795 バイト)

「茜さん、マスコミの方は、どうなんですの?」弥生が聞いた。「日本は、“脱・テレビ文

化”の時代に入ったのでしょうか?私はもう、野球“野”の字も嫌いになりましたの。

  かっては、野球などはどうでも良かったのですが、野球の話になると、チャンネルを

切り変えますもの...試合さも見ないのに、選手の移籍やギャラの話なんか、全く

興味ありませんわ。あの人たちは、たかが野球をやっていて、億万長者ですよ。あん

な遊びが、何だというのでしょう...ねえ、マチコ?」

「うーん...姐(ねえ)さんはさあ...野球が嫌いよね、」

「ゴルフも、です。私は、テレビに出てくる有名人は、みんな嫌いですの。だから、私

は、“脱・テレビ文化”になりそうですなんですわ...テレビを見るのが、苦痛になっ

て来ています...

「はい...

  テレビは、国民から見放され始めているのかも知れません...益々、視聴者と乖

離して来ています。しかし、それに代わるものが無いですねえ...これからは、地上

波デジタル放送で、多チャンネル化が進むわけですが、そこに、活路があるでしょう

か...

  ともかく、テレビ放送の“私物化”をなくし、社会の公共物として、復権できるかどう

か、ですね...テレビ放送を、経済の原理ではなく、かつてのように文化の原理

運営へ戻れるかどうか...それがカギになります」

「どうしたらいいんでしょう?」

「方法としては、簡単です...

  “テレビ文化の黎明期”に回帰することです。国民みんなに愛されていた、あの時

代の番組制作の精神、報道の姿勢に、帰ることです。そこから、再度出発することで

す。

  それには、人心を一新し、組織を改変することですが、それが“革命”ということに

なるわけです。ともかく、一時代が終りました。旧勢力を一掃 し、人心を一新するべき

でしょう。思い切って、一気に、若い世代に任せてしまうのも、いいと思います。明治

維新は、そうでした...」

「...それが、できるかしら?」

「具体的には、マスコミ内部でクーデターを起こすか、外部から潰すか、ということに

なるわけですね...今、NHKの聴視料の、“支払い拒否”の運動が起こっています

が、これが明確な形の、外部からの圧力です。自浄作用が無い組織に対しては、こ

れが確実な方法です。

  “浄財”で運営されているNHKが、シビリアンコントロールが効かないというのが、

そもそも本末転倒な話です。この一事をとって見ても、この社会がいかに危機的な状

況かが分ります。政治も、官僚組織も、マスコミも、万事こんな状態です玉石混合と

はいえ、自浄作用が機能せず、社会システム全体が末期症状に陥っています...」

「はい...」

「この、“上から”モラルハザードが、ついに社会全体に蔓延したのです...しか

も、上の方では、“清濁を合わせ呑む”ことになっていて、罪にはならないのです。下

の方だけが厳しく“犯罪”を追求されています。“銀行の借金の棒引”や、“政治家と

金の問題”もさることながら、厚生労働省や社会保険庁の、“莫大な公金の使込み”

さえも、犯罪ではないのです。

  上の人たちは、それで豊に暮らしているわけです。下々では、“引ったくり”や、金

“強盗”は、凶悪犯罪となわけです。もっと、政治、行政、マスコミは、しっかりして欲

しいですね。国民に、模範を示して欲しいものです」

「はい、」弥生が言った。

「ええと、NHKの話に戻りましょうか...NHKについては、もう少し言いたいことが

あります」

「はい、」

「NHKは...例えて言えば...この国のシステムに常駐して、“常時ウイルスを監

視”いるバックアップ・システムであり、“非常電源”の役目を担っています。だから

こそ、国民は、その安全装置“浄財”で支え続けてきたわけです。

  それが、いつの間にか、社会の表面に出て来て、好きな事だけをして、“社会の上

に君臨する巨大な妖怪”に変貌してしまいました。

  これは、公共放送であるNHKの、“国民に対する明確な裏切”です。それに対し

て、“浄財”をストップするというのは、まさに“適正な行為”だと思います」

「うん!そうよね!」マチコが、うなづいた。

「場合によっては、“第2・NHK”を創設し、そちらの方へ“浄財”を回してもいいので

はないでしょうか。これからは、多チャンネル時代ですから、複数の公共放送も可能

なのではないでしょうか...」

  〔3〕 日本が“テロ社会”になる前に!

   wpeD.jpg (8229 バイト)         

「さて...」茜か、ノートパソコンを手前へ引き寄せた。「...

  小泉・首相は、“テロの撲滅”を前面に出していますが...小泉・首相の政策を推

し進めて行けば、日本の社会そのものが“テロ社会”になってしまう様相です。小泉・

政権は、明らかに180度方向転換しました。反・民主的反動・政権になってしまい

ました。人の意見、国民の声に全く耳を傾けなく、非常に、危険です。この流れを止め

るには、“国民”が立ち上がらなければなりません...社会が、急速に悪化していま

す...」

「はい、」マチコが言った。

 

「小泉・首相は、アメリカのブッシュ大統領と歩調を合わせています...」茜は、ノート

パソコンのキイボードを、素早く叩きながら言った。「 さあ...そこで、テロとは、何な

のでしょうか...改めて考えたいと思います...

  パレスチナのイスラエルに対する抵抗運動が、単純にテロと言い切れるのでしょう

か...2000年前に、そこにユダヤ人の国家があったという理由で、現在住んでい

るパレスチナ人を追い払うことが、国際社会の正義なのでしょうか...この問題は、

もはやお互いに尊重し合い、譲り合うしかないと思うのですが、一方が軍隊、一方が

テロ組織と規定するのでは、あまりにもバランスを欠いています。

  また、ロシアのチェチェンに対する政策は、苛烈なものですが、このテロも歴史的な

経緯があり、単純ではありません。ロシアの政策が、チェチェン人に苛烈なものになる

ほど、その報復としての無差別テロも、苛烈なものになっています。

  国際部の大川慶三郎さんの話では、ここではまさにイスラム社会との、“文明の衝

突”が起こっている様相だと言います...チェチェン人の背後には、巨大なイスラム

文明があるのです」

「うーん...“文明の衝突”の最前線と言ってたわよねえ...」マチコが言った。

「はい...

  アルカイダのようなイスラムのテロ組織は、いったい何を主張ているのでしょう

か。その肝心の“テロ組織の主張”が、日本のマスコミなどではキッチリと伝わって来

ません。 まず、その主張に耳を傾け...よく話を聞き、真摯に分析することが必要で

す。

  それから、こちらの主張と意思を伝えるべきです。ところが、日本政府の姿勢や、

日本のマスコミ報道などでは、テロは“問答無用!”、“悪い!”と決め付けています。

確かに、テロそのものは、非合法であり、凄惨なものす。

  しかし、アメリカにおける同時中枢テロのような、あれほどの行為に及ぶには、

れ相応の深刻な状況があるはずです。そのことを、正面から受け止め、紛争の理由

を真剣に考えるべきなのです、」

「うーん...そうよね、」マチコが言った。「ブッシュ大統領はさあ...“やられたら、や

り返せ!”、“根そぎやっつけろ!”という感じよね...何故、テロが起こっているか

は、まるで考えていないわよね...自分たちが絶対に正しいと思っていて、反省す

ることが、ないんじゃないかしら、」

「はい...マチコさんの言うように、そこが...背景に宗教が色濃く出ている、2つの

文明の衝突なのでしょう。いずれも一神教であり、1人の絶対的な神がいて、それゆ

えに他の神は否定され、文明が排他的なのです...ユダヤ教も、しかりですね」

「あ、そうそう...ユダヤ教と言うのは、どういうものなんですか?」

「これは、キリスト教と同じです。ただし、キリスト教では、イエス・キリストをメシア(救世

主)だとしているのに対し、ユダヤ教ではメシアはまだ現れてはいないとしています。

あの、紅海を割って、海を渡ったという、“モーゼの戒律”を基礎にして発展したもの

です。旧約聖書の“出エジプト記”にでて来る、シナイ山での“十戒”の事です」

「旧約聖書では、一緒なんですのね?」弥生が聞いた。

「そうです。宗教的には、非常に近いですね。アメリカは、イスラエルの建国の経緯も

あり、イスラエルに偏りすぎています。中立的な紛争の仲介者ではないですね」

「そのアメリカに、小泉さんが同調しているのわよね...でも、さあ、日本は宗教的

には無色で、アメリカとも、イスラエルとも、イスラムとも違うのよね...日本はやは

り、独自のスタンスをとるべきじゃないかしら」

「そうですね...」

「小泉さんは、とにかく強引よね!」

 

大川慶三郎さんが、先日 “人権指数”のページで言っていました。テロを根絶する

のは、“不可能だ”、と...」

「はい...」マチコがうなづいた。

「だから...“良い社会・良い世界”を創ることです...社会システムの上から、テロ

起こらない世の中・テロが起こらない世界を創出する、のがいいのです...大川さ

は、そのためにも、強力なリーダーシップが発揮できる、“地球政府”が必要だと

っていました。

  で...日本は、“国連平和主義”の路線でいいと思うのですが...ところが小

泉・首相は、アメリカの子分になりたがっているわけです...小泉さんの人生観が、

色濃く出ているのではないでしょうか。

  そして、まるで映画の善玉が、悪玉を退治するかのように、単純に図式化して、

“テロは断乎阻止する!”、“やっつけろ!”と、例のワンフレーズで繰り返すわけで

す。

  “社会的病理・社会的不条理”を真剣に考えないのでは、病気の解明はもとより、

治療も不可能です。仮に、現象面でのテロを退治しても、病気の根元は残るわけで

す。根本的な解決にはなりません。これは、国内政治においても、国際政治において

も同じです...

  小泉さんは、大混乱の日本社会の、社会的な病理を、解明しようとさえしていませ

んね...これは、指導者の姿ではありません...」

                  house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「うーん...日本は、“テロ社会”になるのかしら?」マチコが聞いた。

「ある意味では、もう“テロ社会に突入”しています...

  政治的なテロは起きていませんが、異常な犯罪が、続発しています。それに、社会

全般にモラルハザードが蔓延していますが、これも内容を細かく見れば、一種のテロ

と言えるかもしれません。

  それに、先日...12月13日に起こった“ドンキホーテ”の連続放火事件も、3人

の犠牲者が出ていますが、これもテロの範疇(はんちゅう)に入るでしょう。社会状況が、

騒然としてきています。今のうちに、何とかしなければなりません」

「はい、」

「不満が極度に高まり、それを政治行政マスメディアが真摯に受け止めない場

合...必然的に社会は壊れていきます...ところが日本では、そもそそうした所

から、モラルハザードが下の方へ拡大して来たのです。これが、この国が未曾有の

大混乱になった最大の原因です」

 

「あの、茜さん...」弥生が、細い指を組み、顔を上げた。「日本では、今後、どんな

テロが起こるのでしょうか?」

「さあ...私は専門ではないので...」茜は、トン、とキイボードを1つ叩いた。「大川

慶三郎さんなら、分るかも知れませんけど...でも、過去のことなら分ります...

  ええと...近代日本でも、テロはしばしば起こっていますね...戦後、それも私

たちが知っているということでは...

  日本赤軍連合赤軍の一連の事件がありますね。その他にも、爆弾事件などが

ありました...左派の学生運動が鎮まり、成田闘争が終ってからは、そうした組織

だったものは無いようです...」

「ふーん...日本にも、色々と、テロはあったんですね、」

「最近、ずっとないのが、むしろ珍しいと言えるかも知れません...

  理由は、2つあると思います。1つは、日本はその頃から、経済大国・技術大国

道を歩みはじめたことです。短いながらも、日本にも栄光の時はあったのです。皆、お

おむね豊であり、“テロが起こらない良い世の中”が、現在まで続いています...

  でも、ここへきて急変しました。経済が空洞化し、モラルハザードが上の方から下

の方へ拡大...希望も夢も持てない社会になってしまいました。これでは、教育

問題を論じても無意味です。努力が報われない社会では...

  小泉・内閣は、戦後の日本が営々と築き上げてきたものを、一気に突き崩してしま

いました...」

「はい、」

「さて、もう1つの理由は、若者が政治に関心を持たなくなったと言うことです。そのこ

とが、この国を老人の天下にしてしまいました。文化的にも、若者のパワーが薄れ、

純粋な若い情熱が薄れ、親父ギャルが出現する有様です、」

「うーん...」マチコがうなづいた。

「でも...

  このままでは、社会的なテロも、政治的なテロも、必然的にやって来ます。こうした

生活の苦しさから、テロは発生するのです。これは、テロそのものをたたくことでは、

解決しません。テロは、エスカレートするばかりです。そして、そういう社会にならない

ようにするのが、万人に平等な、“良い社会・良い政治”なのです。

  国民は、我慢もするし、努力もするし、大増税さえも、甘んじて受けるでしょう。ただ

し、“政治”も、“官僚”も、“マスコミ”も、モラルハザードを正し、透明な、“情報公開”

、“国民参加型・評価システム”の、新・民主主義の社会が実現すればです...

  政治、官僚、マスコミさえ、キチンと襟を正し、過去の柵を清算すれば、この日本の

国は、再び活気を取り戻し、安定した豊な社会にすることができるのです...」

「それじゃ、どうすればいいのかしら?」マチコが聞いた。

             

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「はい...ええ...それでは、まとめます...」茜は、ノートパソコンを、正面に据え

た。「ええ...

 

          今こそ、国民が立ち上がる時です! 

 

  津田・編集長の言うように、国会やNHKへ、抗議に押し寄せることです!ウクライ

ナの国民のように!国民の意思を、行動で示す時です!この国の、現状の流れに

対し、この国の主権者である国民が、真に怒っていることを、行動で表面に押し出す

ことです!

  いったい、何故こんな国になったのか!誰が、こんな国にしたのか!今こそ、その

病根をしっかりと解明し、国家を再生しなければなりません!

 

  まず、“NHKの解体再編成”をすることです!それには、“浄財”で支えられている

糧道を断ち、“シビリアンコントロール”の力を示すことです!

  このホームページでは、NHKの本来あるべき姿を、“NHK設立の本来の使命”

“社会正義と民主主義の牙城”“伝統文化と新しい日本文化の守護神”...などと

言ってきました。それに対し、現実のNHKは、肝心なことは事は何もやっていない

と...ただ、潤沢な資金で、好きなことをやっているだけだと...

  しかし、実際のNHKは、さらに凄まじいデタラメ振りのようです...スキャンダル

不正という面でも、組織がガタガタになっているようです。私は、マスコミ関係者で

はないので、そうした内情は分りませんが、最後にはやはり、“NHK設立の本来の

使命”が問題になって来ると思います。

  解体再編成するのが、いいと思います。それと、多チャンネル時代が到来します。

これからは、独立した複数の公共放送があってもいいと思います。私たちは、浄財そ

ちらの方にも振り向ければいいわけです。もっとコンパクトで、信頼性の高い公共放

が、必ずできると思います。

 

  “シビリアンコントロールの威力を示す”...と言うことでは、“聴視料”支払

拒否は、威力を発揮し始めています。これは、“国民主権”を示す上で、非常

象徴的な意味があると思います。この国を変えていく、突破口になるものです。

 

  次に、“政治の世襲”“官僚の天下り”です...この国にモラルハザードを引き起

こした元凶ですが...これを内部の自浄作用に期待するのは、“百年河清を待つが

如し”で、およそ不可能だということも分ってきました。

  それどころか、この国に“新しい支配階級”を創り上げ、この問題を棚上げしてしま

おうという、とんでもない意図を感じます。この国に、“新しい身分差別”を作り出し、

“新しい支配階級”がで来つつあるという問題は、かなり奥が深い感じがします...

  これには、様々なスペクトルがあります。“政治家の世襲”、“官僚の天下り”をはじ

め、“テレビ文化の独占”、“富の寡占化”、“勝ち組・負け組”を作り出し“極な低賃金

労働者層を生み出した”ことなど、様々です。

  しかし、奥の深い謀略の反面、計画そのものの本質が、極めて幼稚であり、無謀

であり、かつ、成り行き任せの観があります。このあたりは、日本の社会の現状をよく

表わしていると思います。

  それにしても、“新しい身分差別”の創出は、大きな時代錯誤があるということで

す。そして、この弾圧に対しては、先進国である日本の国民は、覚醒し過ぎている

いうことです。国民は、これを座視しないということに、最初から思いを巡らせるべきで

す。

  しかし、それでもあえて、“新しい身分差別・新しい秩序作り”が推し進められるよ

うであれは、必然的に凄まじい抗争が生まれます。テロも起きます。すでに、人の命

は、相当に軽くなっているようです...

 

  ええ...

  本格的なテロに発展すれば、今後は大量破壊兵器が使われることも考えられま

す。日本は、すでにオーム真理教の信者によって、“松本サリン事件”“地下鉄サリ

ン事件”が引き起きています。サリンという大量破壊兵器の1つは、すでに日本におい

て使われているわけです。また、広島ではウラン型・核爆長崎では、プルトニウ

ム・型核爆弾が炸裂しています。

  核爆弾とサリンという、二種類の大量破壊兵器が使われているのは、歴史上、日

本の国民に対してだけです。この上、さらに悲劇を招くのでしょうか...しっかりと、

国民の側に立って、国を治めていれは、こんなことにはならなかったはずです。

  まして、無益な“新しい身分差別”、“富の寡占化”、などは、是非やめて欲しいと

思います...小泉・首相は、一体何を考えているのでしょうか?

 

  私たち国民は、NHKに対してばかりでなく、この国の“政治・行政”にも、真

の意味でのシビリアンコントロールを確立する時です!

  津田・編集長が“編集長の一言”で言っているように...

  霞ヶ関の官庁街や国会議事堂に、国民が抗議に押し寄せることです!街で

は、赤い手袋や赤いマフラーで、強烈な抗議の意思表示すことです! 

           (編集長の言うように、...最初は、ちょっと控えめで、緑でもいいと思います。)

  ともかく、この冬は、社会抗議の象徴として、赤い手袋が流行です!ほんの

小さなことから、ウクライナのように、大きな国民運動のうねりになります!そこ

に、国民主権があり、社会正義が確立し、国民の願いが実現します!

  この国は、もはや国民自身が立ち上がらなければ、どうにもならない所まで来

ています!

 

    この冬は、維新・革命の、“赤い手袋”が流行です! 

 

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「うーん、赤いで袋かあ...」マチコが言った。ウクライナは、オレンジ色で埋まった

わよね。赤い色は、“赤軍”にならないかしら?」

「ええ、そのことは、津田・編集長も言っていました...

  ソ連邦が分裂し、中国が資本主義化し、“赤軍”はもういないと言うことです。ウク

ライナでは、かって実際に“赤軍”が存在したということで、赤を嫌ったと思うが、日本

はそうした歴史はないと言っていまし...」

「はい、」弥生が、首を斜めにして、うなづいた。

「日本は、今、“平成の維新”を必要としています。赤は“革命の色”なのです...こ

日本の現状を変えたいのであれば、“維新”を起こす必要があります。その、統一

的な意思表示のための、赤い手袋です...

  この小さな意思表示の一歩が...意思の統一の流れが...この社会に“維新”

を引き起こします。ここから、国民の願いが実現します...そっと、赤い手袋に、1人

1人の小さな願いを託してください...それが、ターニング・ポイントになります...

「うーん、赤い手袋はさ、100円ショップで売ってるわよね!」マチコが言った。

「まず、女子高生や、女子中学生あたりに、協力してもらうのがいいかも知れません

わ、」弥生が言った。「赤い手袋に、抵抗がありませんもの。もともと赤い手袋をしてい

る娘もいるし...もちろん、彼女たちも、この国を変えたいという気持ちはあります

わ」

「そうですね、」茜が言った。「そして、次は男子生徒に...

  この国も社会も、やがてそっくり、若者世代のものになるのです。是非、今から、政

治にも目覚めて欲しいと思います。この国は今、赤い手袋をはめて、社会のあり方に

抗議すると言う、その小さな一歩、小さな意思表示、小さな協力が、欲しいのです。

  これは、大人から子供まで参加できる、この国を変えるエネルギーになります...

日本中、みんなが赤い手袋をはめれば、そして日本人の心が1つになれば...明る

い社会は、必ず実現します。

  そういう願いを込めて、赤い手袋をして欲しいと思います。政治家も、官僚も、マス

コミ人も、必ず分ってくれると思います...」

「そうよね!」マチコが言った。「もちろん、大人もよね!」

「そうですね!

  この小さな一歩を踏み出すことが、やがて日本を変えていきます!大きな社会全

体のうねりに発展していきます。そして、正しい政治勢力が結集されて、議会制民主

主義の中で革命が遂行されて行きます。必ず、明るい、良い社会ができるはずです」

「はい!」弥生がうなづいた。

             wpe75.jpg (13885 バイト)