12/14(日)
鉄道旅行の朝は早い。4時50分起床、5時半チェックアウト。ホテルから駅までは徒歩15分かかる。真っ暗でしかも雨の中、とぼとぼと歩く。コンビニはこうこうと明かりがついており、人がいる。
秋田駅に着くと、意外と多くの乗客がいた。6時発の男鹿線の始発に乗る。寝台特急日本海が遅れているので接続待ち。10分ほど遅れて発車。キハ40ディーゼル車。窓側に座ると、足許に邪魔なでっぱりがある。でも、ガラガラでボックスシートを独占。地元の人が10人ほど乗っている。真っ暗で外は見えない。居眠りしつつ06時54分終点男鹿へ。
男鹿半島の観光に男鹿線を使う人はほとんどいないと見える。いるのは地元の人ばかりのよう。駅前を散歩し、折り返し0723秋田行きに乗る。なんと、行きは一両だったのに、帰りは4両もつないでいる。うち2両はオールロングシート。ボックスシートに陣取る。景色を見るが、海はあまり見えなかった。0823秋田着。
駅弁を買い込み、0851秋田発の特急いなほに乗る。空いている。車内で駅弁を食べる。0923羽後本荘着。ここからは由利高原鉄道に乗る。乗車券は改札で販売。なんと、硬券。しかも、入場の際、珍しくハサミを入れた。入鋏なんて、何年ぶりだろう。ホームに入る。列車に乗る。
この由利高原鉄道は、路線名は鳥海山ろく線というが、「鳥海山麓線」という表記も見られる。時刻表は「山ろく」線だから、こちらが正しいのだろうか。さっそくお客さまセンターに文句をつけ、謝罪の言葉をひきだした(ウソ)。「おばこ」というヘッドマークがついており、車内アナウンスでは「おばこ号でございます」という。各列車に名前が付いているのかと思い、すれ違う車両を観察したが、どの車両も「おばこ」というヘッドマークがついていた。
話は前後するが0947羽後本荘発。のんびりとしたローカル線・・・とはいうものの、のんびりすぎる。遅い。もっと早く走れないのか?ちゃんと速度計を覗いていたわけではないが、時速40キロくらいしか出していないもよう。東日本の鉄道らしいというべきか。西日本だと、こんなローカル私鉄でも、けっこうスピードを出しそうな物だが。まあ、急ぐわけでもないので構わない。1028矢島着。降りる際、乗務員に硬券を「記念に貰ってもいいか」と聞くと、一瞬のためらいののち、「いいですけど、次から出さないでくださいね」と言われた。うーむ、最近たまたま不正乗車があり、警戒強化週間だったのか、それとも、あまりこのような申し出をする旅客はいないのか。ま、先方の言うことは尤もであるので、不満を言う筋合いはないのだが。とにかく無事に入手。
今時めずらしい鋏のはいる硬券。記念きっぷではなく、通常の乗車券である。
駅は改装されたようできれい。物産展や土産物屋を兼ねている。足裏マッサージ用のいぼいぼコーナーがある。靴を脱いで踏めということだが、雨が降っていて泥だらけなので、断念。1050矢島発の折り返し列車で1131羽後本荘に戻る。
矢島駅前のマッサージコーナー(?)。裸足になって歩けとのことだが、雨で断念。
昼食を食べるために、徒歩10分かかるジャスコへ。このジャスコ、店内が雑然としている。こんな店舗、東京じゃ怒られるだろうな。このジャスコにはレストランはなく、となりのスーパーの食堂で食べる。たまさんからメールを貰い、酒田駅前で待ち合わせる。1323羽後本荘発特急いなほに乗り、1420酒田着。たまさんと半年ぶりに会う。
先ほど昼食を食べたばかりであるが、酒田ラーメンの店「満月」に連れて行って貰う。御当地ラーメンというやつで、この辺のラーメンはみんなこの形式だとのこと。魚介系醤油ラーメン。東京では、最近ブームになっているが、この地では昔からこの味だったらしい。うすーいワンタンが入っていて、食べているうちにどんどん溶けてくる。
食後、車で貨物線や市内を見せて貰い、16時に別れる。慌ただしい。今度はゆっくり来たい物である。
1611、快速きらきらうえつ新潟行きに乗る。この列車は観光用の臨時列車。快速ではあるが、車内設備や停車駅、所要時間とも特急並。人気列車と聞いていたが、客は少ない。以前、観光用臨時列車のきらきらみちのくに乗ったが、あまり良い印象を持たなかった。もちろん、列車自体は良いのだが、きらきらみちのくは大湊線、津軽線という盲腸線を往復するため、どうしても鉄道マニアの乗客が目立つ。しかし、このきらきらうえつは酒田-新潟を特急並のスピードで結び、しかも快速なので費用も安いということで、地元客の方が多かった。やはり鉄道という乗り物、マニアのおもちゃとなっては面白くない。移動手段として機能している列車に乗りたいと思うのだ。勝手だが。
ただし、日本海のよく見える羽越本線を走っているものの、時間帯が遅いため、全く海は見えず。女性車掌が沿線の観光案内をするものの、もう真っ暗で、せっかくのリゾート列車が台無し。もっと早い時間帯に走らせれば良いものを。。。新潟発酒田行きは、昼の明るい時間帯を走るので、景色を見たい方は、そちらに乗ることをお勧めいたします。私は移動手段として乗ったので、不満はなし。1839新潟着。
初めてまともな時間に新潟駅に降り立った。これまではムーンライトえちごの乗り換えとしてしか下車したことがないので、朝の4時や5時しか来たことがない。この時間帯は活気づいている。書店で列車内で読む本を購入、夕食を食べ、明日の朝食を調達し、2019新幹線とき東京行きに乗る。このまま東京に帰ってしまいたい誘惑に耐え、2043長岡下車。長岡も大きい駅だった。2058長岡発の上越線の普通列車で、2133小出着。本日の行程は終わり。
小出では大勢降りた。しかし、この人々はいったいどこに消えたのだろう?気付くと駅には私ひとり。駅前のビジネスホテルに泊まる。きれいで設備も良い。しかし、トラブル発生。歯科医の指示で、毎晩歯間ブラシを使っているのだが、なんと、歯と歯の間に刺している最中に、ブラシが根本から折れてしまった。つまり、柄の部分だけが私の手に残り、ブラシが口の中に置き去りにされてしまったのである!前歯であればなんとか引っ張り出せそうだが、前歯と奥歯の中間ぐらいの歯なので、ブラシの先っぽがわずかに顔を出しているのみ。フロントに電話し、ピンセットやとげ抜きがないか尋ねるもないとのこと。歯間ブラシが入ったまま東京まで過ごすわけにもいかないし。。。と悪戦苦闘していると、やっと取れた。口の中は血だらけになってしまった。
この日、ホテルのテレビでフセイン元大統領が拘束されたニュースを聞いた。
12/15(月)
朝4時50分起床。5時20分チェックアウト。フロントの人は眠っていたのか、服装が乱れている。ネクタイもしていないし、袖のボタンが止まっていない。言葉は敬語だが、不機嫌そう。昨晩の段階で「明日ははやくチェックアウトする」と伝えておけば良かったかな?
0536小出発の只見線始発の会津若松行きに乗る。列車のアイドリング音が響き渡る。まっくらな駅に、ぼーっと列車のライトが浮かび上がる。これから5時間を共にする列車である。2両編成の
キハ50。5人ほどの客を乗せて小出を発った。真っ暗で景色は見えない。いつのまにか眠っていた。
気付くと大白川に停まっていた。ここで20分ほど停車。暫く行き、会津川口でも30分ほど停まる。なぜ小出-会津若松が5時間もかかるのか不思議だった。他の列車だと4時間で行くのに。それは途中で長時間停車するからだったのだ。時刻表をよく見ればわかったことだが。会津川口には学校があり、地元の高校生が降りていった。
しかし、只見線に一人で乗るなど苦痛ではないのかと心配していたのだが、まったく杞憂だった。朝食のパンを食べたり景色を見たり、地図を見たり、本を読んだり。ボックスをひとりで占領して足を前の座席に投げ出す。広々としている。なんだか非常に贅沢な時間のような気がしてきた。何もすることがない。本を読みたければ自分の部屋で読めば良いわけだが、邪魔が入らない只見線の車内で読書をするというのも良いものだ。東京では、1時間も電車に乗るというと、ものすごく長い気がするが、只見線の車内では、「あっ、もう一時間で会津若松か。もうすぐだな」などと思ってしまう。感覚がずれてくるようだ。1037会津若松着。
駅前のドムドムバーガーでコーヒーを調達し、1059磐越西線快速郡山行き。景色は良いが、ボックスシートの向かいの席との感覚が狭く、窮屈。1206郡山着。郡山では本屋を立ち読みし、駅弁を買い込み、1236新幹線やまびこ号で東京へ。なんと、この電車の車内で、オーケストラのトレーナーのO先生と出くわしてしまった。先生はアマオケの指導の帰りだという。私は只見線に乗ってきた帰りだとも言えず、旅行ですといってお茶を濁すしかなかった。