弁護士間に力関係は存在するか
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2015.2.10mf
質問:弁護士間に力関係
はじめまして。
私は、現在 民事事件で紛争中なのですが、
当然のことながら、弁護士さんに事件を依頼したいと考えています。
そこで、弁護士さんを選ぶ際に参考にしたいのですが、
弁護士さんの間に力関係は存在するのでしょうか。
以前 弁護士さんの間で、ある程度事件の方向性等が決まってしまうようなことを
聞いたことがあるので、心配になりました。
今回 相手は先生と同じ第二東京弁護士会所属の弁護士さんをつけてきまし
た。
やはり顔見知りだったりすると、年齢経験等 先輩後輩関係ってあるのでしょうか。
弁護士の先生に対して 失礼な質問だとはわかっております。
しかし 私にとっては一大事であり、真剣に悩んでいます。
何回か弁護士会の有料法律相談等にも通って、いくつかの法律事務所も訪問しているのですが、相談した先生に
依頼するところまでいけずにいます。
弁護士さんとは信頼関係がなければ、心配になってしまうような気がしております。
そういう意味では、今までに信頼(頼れる?(笑))できそうな方がいなかったのは事実
です。
お忙しい中 このような愚かな質問で大変申し訳ございませんが、
本音のところをお聞かせいただけませんでしょうか。
お答え:その弁護士が研究熱心ことが重要
弁護士間に力関係は存在するか
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それぞれ、能力の違いがあり、専門分野の違いがあります。
気を付けなければいけないのは、その弁護士が研究熱心かどうかです。
あなたの事件とは関係はありませんが、技術的な問題がある場合は、弁護士にある程度その技術を理解する能力が必要です。弁護士にその能力がない場合は、技術論争の段階で負けてしまいます。技術的な説明をしても弁護士が理解できなければ、その弁護士は不適当でしょう。
めったにないことですが、以下は、相手の弁護士の稚拙さが目に付いた例です。
- 婚約不履行事件で婚約の成否が争いになった
相手の弁護士は、弁護士になったばかりのようでした。尋問が争点でないことに万遍なく及び、大事な争点の尋問が欠けていました。それに加え、当方の尋問に「異議」を出しましたが、的外れでした。尋問技術の未熟さが目立ちました。結果の判決は当方の勝訴。
- 相続回復請求事件
相手の弁護士は、感情的で、和解の席で、当方の依頼者と口論することが多く、尋問の際も同様でした。その結果、相手の弁護士は、遺留分減殺 の主張をすることを忘れ、判決は当方勝訴。
- 相続回復請求事件
相手の当事者は、当方の尋問に、あわてて口ごもりながらも、極端に正直に答えた。尋問につき相手の弁護士の指導を受けていない様子でした。相手の弁護士の当方の依頼人に対する尋問も争点に関係のない感情的なもので、意味がなかった。結論は、当方勝訴。
周囲に話では、相手の弁護士は、脳梗塞などの後遺症にあるのではないかと思われた。
- 遺言無効確認事件
相手の弁護士は、公証人が口授すると誤解していたようでした。民法969条の解釈を誤っていました。そのため、的はずれな尋問をしていました。尋問も技術不足でした。判決は当方勝訴。相手の弁護士は資格はあるが、過去において政治家であり、弁護士の仕事からは離れていたようでした。
弁護士間で事件の方向性等が決まるか
- 弁護士間の話合いで、事件を決着させることは多いです。しかし、それは依頼人
の意思に基づくものです。依頼人の意思を無視して解決することはないでしょう。
弁護士は依頼人の意に反する行動をすることは許されません。
弁護士がそのような行動に出るおそれがある場合は、依頼人は、弁護士を解任できます。そのような行動に出た後は、弁護士会 に懲戒の申立ができます。
双方の弁護士が知り合いである場合
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相手の弁護士が知り合いであることは時々あります。しかし、事件処理内容には悪い影響はないでしょう。
知り合いの場合、話合いで解決し易いと言えます。
私も、相手方の弁護士が、高等学校の同じクラスメイトであったことがありました。結局、うまく(依頼者が満足する)和解ができました。
何回か有料法律相談等にも通っているが、担当された弁護士に依頼する気になれない
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これからも有料相談に通って信頼できる弁護士を探してください。
しかし、多くの弁護士に会っても、回答が気に入らないなら、それは、弁護士が真実を言い当てていて、その回答があなたの気に入らない、あるいは、貴方の要求に無理がある場合がほとんどです。あなたのケースは、どの弁護士に依頼しても、あなたの気に入る解決は困難である可能性が大です。
弁護士と信頼関係がないと、依頼するには心配であること
- その通りです。信頼できる弁護士に依頼してください。
弁護士の本音
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東京ではあなたが心配しているようなことはないでしょう。
現在、弁護士間では、医師の間に見られるような極端な能力の差はないでしょう。しかし、これからは弁護士の数が増え、法律家の養成制度も、医師と似たようなものになろうとしています。弁護士も能力の差が生じることが前提です。これを、消費者(依頼者)が選択するような方向に進んでいます。