離婚裁判で真実を明らかにできるか

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2013.11.9mf
相談
結婚して7年になります。2年ほど前から、夫婦間で言い争いが多くなりました。 私(33歳)の夫(35歳)は、その頃(2年前)から帰宅が遅くなりました。私は、女性がいると考えていましたが、証拠はありません。夫の手帳に「RN」とのイニシャルが書いてあることが多く、これは女性の名前と思います。
夫は、1年前に家を出て、夫から離婚調停の申立をされました。調停で夫は、解決金として200万円を支払うと申し出てきました。 私は、離婚に同意できません。仮に離婚するなら慰謝料2000万円は欲しいです。 夫の年収は500万円、私は年収300万円、家は借家、子供はいません。預金は、夫が500万円くらい、私が600万円くらいあります。
私は、真実を明らかにしたく、弁護士事務所に相談に行きました。ところが、弁護士から、「証拠がないと不貞を証明できません。そうすれば、離婚判決が出るおそれがある」と言われました。 さらに、「着手金は50万円です。ただし、これは、2000万円を請求する着手金ではありません」と言われてしまいました。裁判所は、真実を明らかにしてくれないのでしょうか。この弁護士の言っていることは正しいですか。
依頼者は、また、別の弁護士事務所を訪ねました。

弁護士の回答
別居して1年経過していますので、婚姻生活は破綻していると評価されやすいです。 裁判官は神様ではありません。証拠がないと、不貞の事実認定は難しく、 相手を有責配偶者と認定し、離婚を排斥することは難しいでしょう。従って、離婚判決は出る可能性は大です。
 離婚訴訟(裁判) の着手金は、廃止された 弁護士報酬規定 では、「40万円以上60万円以下」と規定されていましたので、弁護士の説明する「着手金50万円」は適正です。これに加えて、2000万円の請求するなら、2000万円の着手金は109万円になります。

残念ながら、証拠がないと裁判所も真実を明らかにできません。離婚裁判の目的は、真実を明らかにすることではありません。「婚姻が破綻しているか、その責任はどちらにあるか、財産分与および慰謝料の適正額はいくらか」を決めるのが、離婚裁判の目的です。
夫は、200万円を提案しているのですから、これを300万円くらいにはできそうですよ。夫には女性がいるようですので、さらに、若干の増額もあるでしょう。
あなたが、それで、満足できないならば、弁護士が言う上記程度の費用負担を覚悟し、裁判にしたら、いかがですか。その場合、あなたは、「真実を明らかにする」と言う経済的価値以外の目的のために、費用を支払うのです。あなたが、本当に、それができるなら、あなたは、周りから尊敬される存在でしょう。

弁護士河原崎弘 03-3431-7161
登録 2005.8.9