夫と愛人を別れさせるには/私は離婚しない
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2015.5.1mf
弁護士河原崎弘
夫と女を別れさせたい
夫は、愛人を作っています。興信所の調査では、相手の女性は、夫の会社の派遣社員です。証拠の写真もあります。しかし、私には、離婚する意思はありません。
夫と女性を別れさせたいです。そのため、相手の女性を訴えるつもりですが、その前に、会社に乗り込んで上司に相談しようとも考えています。
その他に、夫を相手の女性と別れさせる方法はありますか。
方法
「不倫を止めさせることは、なかなか、難しいですが」と言いながら、弁護士は、次の方法をアドバイスしました。
- 内容証明郵便
まず、内容証明郵便 で、500 万円ないし 1000 万円の損害賠償(慰藉料)請求をし、不倫を止めるよう求めるとよいです。相手の女性が、通常の神経の持主なら、相当悩み、交際を躊躇します。
若くて(20代)、結婚を予定している女性なら、不倫騒動は、結婚の障害になるので、交際を止めるでしょう。
女性によっては、愛人であるあなたの夫に慰謝料を負担させようとします。あなたの夫がこれを拒否すれば、2人は別れるでしょう。
- 誓約書
相手の女性に会い、「今後交際しない」旨の誓約書を書かせる。
相手の女性がまともなら、このような書類を書く可能性があります。その場合、「再度、交際をした場合には、500万円払う」等の違約金(損害賠償の予定)条項を入れるとよいでしょう。違約金は高すぎると無効になります。正当な金額の3倍以内にして下さい。
- 調停申立、訴え提起
夫と相手が相当深い関係なら、次に、不倫相手の女性に対し慰藉料を求めて 調停 あるいは訴訟です。
調停なら自分でできます。訴訟なら弁護士に依頼します。
不倫相手の女性に対し慰藉料を求めて訴えた場合の効果は、一様ではありません。
自分の交際相手には配偶者がいて、「裁判沙汰になり、面倒だ」と感じ、交際を止めるのが、普通の女性です。この場合に裁判所が認める慰藉料額は(あなたが離婚しない場合) 50 万円ー 200 万円位です。それでも負担に感じ、交際を止める女性は多いです。訴える場合は、500 万円ないし 1000 万円位を請求するとよいでしょう。
この裁判では、裁判官は、あなたの夫を利害関係人として呼び出し、「あなたが1番悪い」と、言って、執拗に慰謝料を負担させようとするかもしれません。夫には、裁判官に対して慇懃無礼な態度で(反抗してはいけない)、これを拒否させなければなりません。
この種の事件に対して裁判官個人の感情が判決に影響します(特に女性の裁判官の場合)。あまりにおかしな判決なら控訴しましょう。
なお、あなたの夫に対し、「奥さんと離婚し、自分と結婚して」と、迫る女性もいます。居直って、家を出る夫もいます。
- 相手の身内に相談
夫あるいは女性の親、兄弟などに事情を話し説得してもらう方法は、一般的には、交際を止めさせるには相当効果的です。特に、女性が若い場合、女性の親は、女性の将来を気遣い、女性に別れるよう説得してくれます。
相手の両親などの住所は、弁護士に依頼し、住民票 → 戸籍謄本 → 戸籍の附票と追っていけば、わかります。外国人の場合でも、住民票を取り寄せることができます。弁護士法 32条の2を使って、弁護士会を通して調査することもできます。
- 夫の職場に行く
夫の職場に行き、上司と相談することは一般的にはよい方法でしょう。
職場の対応は、職場の体質によって異なります。銀行などトラブルを嫌う会社は、積極的に二人を別れさせてくれます。夫は将来大きなハンデを負うでしょう。
普通の会社は、職場での不倫は職場にとってよいことではないこと、女性が派遣社員なので辞めさせることが容易なため、次の契約の更新をしないとの方法で女性を職場から離れさせるでしょう。
マスコミ、広告会社などは、「社内恋愛は社員個人の問題であり、会社は関係ない」との態度をとります。
夫の対応は、夫の性格によって異なります。夫が世間体を気にする性格なら、女性との交際を止めるでしょう。世間体を気にしない性格なら、交際を止めず、かえって二人の結びつきを強めるかもしれません。
まれには、だらしのない夫の場合には、会社を辞めてしまうこともありますから、慎重に考えてください。
以上の通り、効果は一様ではありません。
妻が何もしなくとも、「やはり妻が良い」と感じ、妻のもとに帰ってくる夫もいます。この場合、妻が夫を受け入れることができるかとの次の問題があります。
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