河原崎法律事務所ホーム弁護士トラブル
2014.8.17mf更新

無意味な証拠の提出を求める依頼人

訴訟の場合、依頼人が、独自な判断をし、無意味な証拠の提出を求めてくる場合があります。
訴訟では争いのある部分について、証拠が必要なのであって、争いのない部分については証拠は必要ありません。さらに、重要でない部分にも証拠は必要ありません。また、証明力が弱い証拠も意味がありません。
関連性のない証拠を大量に持ってきたり、裁判中に、自分で書いた多くのメモを証拠として、「提出してくれ」と主張する依頼人もいます。自分で書いたメモなどは、いくらでも作れます。このようなメモを証拠として提出しても、通常は、意味がありません。
弁護士は、このようなことを依頼人に説明する必要があるでしょう。
しかし、いくら 説明しても、理解しない依頼人がいます。このような依頼人は、個人の依頼人であって、法人(会社)の依頼者ではありません。会社の担当者で、このような不合理なことを言ったら、仕事になりません。このような人は、会社を退職せざるを得ないでしょう。
人々にとって弁護士が身近な存在になったのでしょう(弁護士の顧客層が広がった)。このような依頼人は結構います。ひどい場合は、毎回の裁判期日ごとに、自分で書いた書面を持参し、証拠として提出するよう要求する依頼人がいます。

このような依頼人は、 人格障害の方から精神を病んでいる方まで、幅広いです。少し話しをすれば、自己中心的であることが、すぐ、わかりますので、依頼は断った方が無難です。
他方、 事件処理の途中で、依頼人が、意味のない「証拠を出してくれ」等と、執拗に要求する場合は、拒否せずに、ある程度、受け入れる態度が必要です。拒否するとトラブルになるからです。このような依頼人は、周囲とトラブルを起こしている、変人である場合が多いでしょう。
しかし、弁護士は、後から出てくる苦情、トラブルに巻き込まれ、時間を無駄にすることを考えたら、若干、手間をかけても、依頼人の希望に添うべきでしょう。
個人の事件を処理する弁護士は、このような、非合理的な、不必要な作業に時間を費やす覚悟が必要です。
2005.7.10