登録 2005.11.27弁護士河原崎弘刑事法の争点、名誉毀損罪
名誉毀損罪については、保護法益、事実の証明などの論点があります。
保護法益
保護法益 説明 批判 事実説:判例、通説 事実上の社会的評価 事実摘示が名誉毀損と侮辱の差 二分説 名誉毀損:社会的評価
侮辱罪:名誉感情より名誉感情を害する感情を面前性がない
両者は観念的競合として成立するはず。230条の2は名誉毀損についてだけであり、侮辱罪が成立してしまう規範説:ドイツ 正当な社会的評価を受ける権利
虚名も保護
死者の場合・・・230条2項
公然性
不特定または多数の人が知り得る状態
内容 説明 批判 多数 25名、労働組合執行委員会 不特定 事実摘示の場所が一般人の出入り可能性 伝播可能性 本罪は抽象的危険犯 不特定または多数人に伝播する可能性 公然は、行為の結果ではなく、行為の態様である
犯罪の成否が相手の意思による
事実の証明
内容 説明 批判 処罰阻却事由 文理に合う 疑わしきは被告人に利益にの原則に反する。 違法性阻却事由 錯誤は事実の錯誤
確実な資料、根拠に基づいて真実と信じた
挙証責任の転換の合理的根拠
内容 説明 批判 検察官の証明の困難性 文理に合う 疑わしきは被告人に利益にの原則に反する。 被告人側に証拠がある 錯誤は事実の錯誤
確実な資料、根拠に基づいて真実と信じた
証明の程度
内容 説明 批判 下級審判決 合理的な疑いを超える証明
厳格な証明犯罪の成否に関する
文理に合う
特別な規定がない有力説 証拠の優越 私人の証拠収集能力
検察官に厳格な証明を要求する趣旨は誤った判決防止名誉の保護が軽すぎる