法の適用に関する通則法

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2011.4.27


「法の適用に関する通則法」が、 18.6.15 可決され、 18.6.21 法律第78号 として公布されました。
この法律により、法例は、この法律に代わりました。

弁護士河原崎弘
18.6.21 法律第78号 として公布
法律第10号
平成19年1月1日施行 法の適用に関する通則法 法例(明治三十一年法律第十号)の全部を改正する。 次 第一章総則(第一条) 第二章法律に関する通則(第二条・第三条) 第三章準拠法に関する通則 第一節人(第四条―第六条) 第二節法律行為(第七条―第十二条) 第三節物権等(第十三条) 第四節債権(第十四条―第二十三条) 第五節親族(第二十四条―第三十五条) 第六節相続(第三十六条・第三十七条) 第七節補則(第三十八条―第四十三条) 附則 第一章総則 (趣旨) 第一条この法律は、法の適用に関する通則について定めるものとする。 第二章法律に関する通則 (法律の施行期日) 第二条法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、法律でこれと異なる施 行期日を定めたときは、その定めによる。 (法律と同一の効力を有する慣習) 第三条公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定され ていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有する。 第三章準拠法に関する通則 第一節人 (人の行為能力) 第四条人の行為能力は、その本国法によって定める。 2 法律行為をした者がその本国法によれば行為能力の制限を受けた者となるときであっても行為地法によ れば行為能力者となるべきときは、当該法律行為の当時そのすべての当事者が法を同じくする地に在った 場合に限り、当該法律行為をした者は、前項の規定にかかわらず、行為能力者とみなす。 3 前項の規定は、親族法又は相続法の規定によるべき法律行為及び行為地と法を異にする地に在る不動産 に関する法律行為については、適用しない。 (後見開始の審判等) 第五条裁判所は、成年被後見人、被保佐人又は被補助人となるべき者が日本に住所若しくは居所を有する とき又は日本の国籍を有するときは、日本法により、後見開始、保佐開始又は補助開始の審判(以下「後 見開始の審判等」と総称する。)をすることができる。 (失踪の宣告) 第六条裁判所は、不在者が生存していたと認められる最後の時点において、不在者が日本に住所を有していた とき又は日本の国籍を有していたときは、日本法により、失踪の宣告をすることができる。 2 前項に規定する場合に該当しないときであっても、裁判所は、不在者の財産が日本に 在るときはその財産についてのみ、不在者に関する法律関係が日本法によるべきときその 他法律関係の性質、当事者の住所又は国籍その他の事情に照らして日本に関係があるとき はその法律関係についてのみ、日本法により、失踪の宣告をすることができる。 第二節法律行為 (当事者による準拠法の選択) 第七条法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による。 (当事者による準拠法の選択がない場合) 第八条前条の規定による選択がないときは、法律行為の成立及び効力は、当該法律行為の当時において当 該法律行為に最も密接な関係がある地の法による。 2 前項の場合において、法律行為において特徴的な給付を当事者の一方のみが行うものであるときは、そ の給付を行う当事者の常居所地法(その当事者が当該法律行為に関係する事業所を有する場合にあっては 当該事業所の所在地の法、その当事者が当該法律行為に関係する二以上の事業所で法を異にする地に所在 するものを有する場合にあってはその主たる事業所の所在地の法)を当該法律行為に最も密接な関係があ る地の法と推定する。 3 第一項の場合において、不動産を目的物とする法律行為については、前項の規定にかかわらず、その不 動産の所在地法を当該法律行為に最も密接な関係がある地の法と推定する。 (当事者による準拠法の変更) 第九条当事者は、法律行為の成立及び効力について適用すべき法を変更することができる。ただし、第三 者の権利を害することとなるときは、その変更をその第三者に対抗することができない。 (法律行為の方式) 第十条法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法(当該法律行為の後に前条の規定に よる変更がされた場合にあっては、その変更前の法)による。 2 前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。 3 法を異にする地に在る者に対してされた意思表示については、前項の規定の適用に当たっては、その通知を 発した地を行為地とみなす。 4 法を異にする地に在る者の間で締結された契約の方式については、前二項の規定は、適用しない。この 場合においては、第一項の規定にかかわらず、申込みの通知を発した地の法又は承諾の通知を発した地の 法のいずれかに適合する契約の方式は、有効とする。 5 前三項の規定は、動産又は不動産に関する物権及びその他の登記をすべき権利を設定し又は処分する法 律行為の方式については、適用しない。 (消費者契約の特例) 第十一条消費者(個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)を いう。以下この条において同じ。)と事業者(法人その他の社団又は財団及び事業として又は事業のため に契約の当事者となる場合における個人をいう。以下この条において同じ。)との間で締結される契約( 労働契約を除く。以下この条において「消費者契約」という。)の成立及び効力について第七条又は第九 条の規定による選択又は変更により適用すべき法が消費者の常居所地法以外の法である場合であっても、 消費者がその常居所地法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を事業者に対し表示したときは、当該 消費者契約の成立及び効力に関しその強行規定の定める事項については、その強行規定をも適用する。 2 消費者契約の成立及び効力について第七条の規定による選択がないときは、第八条の規定にかかわらず 、当該消費者契約の成立及び効力は、消費者の常居所地法による。 3 消費者契約の成立について第七条の規定により消費者の常居所地法以外の法が選択された場合であって も、当該消費者契約の方式について消費者がその常居所地法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を 事業者に対し表示したときは、前条第一項、第二項及び第四項の規定にかかわらず、当該消費者契約の方 式に関しその強行規定の定める事項については、専らその強行規定を適用する。 4 消費者契約の成立について第七条の規定により消費者の常居所地法が選択された場合において、当該消 費者契約の方式について消費者が専らその常居所地法によるべき旨の意思を事業者に対し表示したときは 、前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、当該消費者契約の方式は、専ら消費者の常居所地法による。 5 消費者契約の成立について第七条の規定による選択がないときは、前条第一項、第二項及び第四項の規 定にかかわらず、当該消費者契約の方式は、消費者の常居所地法による。 6 前各項の規定は、次のいずれかに該当する場合には、適用しない。 一事業者の事業所で消費者契約に関係するものが消費者の常居所地と法を異にする地に所在した場合で あって、消費者が当該事業所の所在地と法を同じくする地に赴いて当該消費者契約を締結したとき。た だし、消費者が、当該事業者から、当該事業所の所在地と法を同じくする地において消費者契約を締結 することについての勧誘をその常居所地において受けていたときを除く。 二事業者の事業所で消費者契約に関係するものが消費者の常居所地と法を異にする地に所在した場合で あって、消費者が当該事業所の所在地と法を同じくする地において当該消費者契約に基づく債務の全部 の履行を受けたとき、又は受けることとされていたとき。ただし、消費者が、当該事業者から、当該事 業所の所在地と法を同じくする地において債務の全部の履行を受けることについての勧誘をその常居所 地において受けていたときを除く。 三消費者契約の締結の当時、事業者が、消費者の常居所を知らず、かつ、知らなかったことについて相 当の理由があるとき。 四消費者契約の締結の当時、事業者が、その相手方が消費者でないと誤認し、かつ、誤認したことにつ いて相当の理由があるとき。 労働契約の特例) 第十二条労働契約の成立及び効力について第七条又は第九条の規定による選択又は変更により適用すべき 法が当該労働契約に最も密接な関係がある地の法以外の法である場合であっても、労働者が当該労働契約 に最も密接な関係がある地の法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を使用者に対し表示したときは 、当該労働契約の成立及び効力に関しその強行規定の定める事項については、その強行規定をも適用する。 2 前項の規定の適用に当たっては、当該労働契約において労務を提供すべき地の法(その労務を提供すべ き地を特定することができない場合にあっては、当該労働者を雇い入れた事業所の所在地の法。次項にお いて同じ。)を当該労働契約に最も密接な関係がある地の法と推定する。 3 労働契約の成立及び効力について第七条の規定による選択がないときは、当該労働契約の成立及び効力 については、第八条第二項の規定にかかわらず、当該労働契約において労務を提供すべき地の法を当該労 働契約に最も密接な関係がある地の法と推定する。 第三節物権等 (物権及びその他の登記をすべき権利) 第十三条動産又は不動産に関する物権及びその他の登記をすべき権利は、その目的物の所在地法による。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する権利の得喪は、その原因となる事実が完成した当時における その目的物の所在地法による。 第四節債権 (事務管理及び不当利得) 第十四条事務管理又は不当利得によって生ずる債権の成立及び効力は、その原因となる事実が発生した地 の法による。 (明らかにより密接な関係がある地がある場合の例外) 第十五条前条の規定にかかわらず、事務管理又は不当利得によって生ずる債権の成立及び効力は、その原 因となる事実が発生した当時において当事者が法を同じくする地に常居所を有していたこと、当事者間の 契約に関連して事務管理が行われ又は不当利得が生じたことその他の事情に照らして、明らかに同条の規 定により適用すべき法の属する地よりも密接な関係がある他の地があるときは、当該他の地の法による。 (当事者による準拠法の変更) 第十六条事務管理又は不当利得の当事者は、その原因となる事実が発生した後において、事務管理又は不 当利得によって生ずる債権の成立及び効力について適用すべき法を変更することができる。ただし、第三 者の権利を害することとなるときは、その変更をその第三者に対抗することができない。 (不法行為) 第十七条不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、加害行為の結果が発生した地の法による。ただ し、その地における結果の発生が通常予見することのできないものであったときは、加害行為が行われた 地の法による。 (生産物責任の特例) 第十八条前条の規定にかかわらず、生産物(生産され又は加工された物をいう。以下この条において同じ 。)で引渡しがされたものの瑕疵により他人の生命、身体又は財産を侵害する不法行為によって生ずる生 かし 産業者(生産物を業として生産し、加工し、輸入し、輸出し、流通させ、又は販売した者をいう。以下こ の条において同じ。)又は生産物にその生産業者と認めることができる表示をした者(以下この条におい て「生産業者等」と総称する。)に対する債権の成立及び効力は、被害者が生産物の引渡しを受けた地の 法による。ただし、その地における生産物の引渡しが通常予見することのできないものであったときは、 生産業者等の主たる事業所の所在地の法(生産業者等が事業所を有しない場合にあっては、その常居所地 法)による。 (名誉又は信用の毀損の特例) き 第十九条第十七条の規定にかかわらず、他人の名誉又は信用を毀損する不法行為によって生ずる債権の成 き 立及び効力は、被害者の常居所地法(被害者が法人その他の社団又は財団である場合にあっては、その主 たる事業所の所在地の法)による。 (明らかにより密接な関係がある地がある場合の例外) 第二十条前三条の規定にかかわらず、不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、不法行為の当時に おいて当事者が法を同じくする地に常居所を有していたこと、当事者間の契約に基づく義務に違反して不 法行為が行われたことその他の事情に照らして、明らかに前三条の規定により適用すべき法の属する地よ りも密接な関係がある他の地があるときは、当該他の地の法による。 (当事者による準拠法の変更) 第二十一条不法行為の当事者は、不法行為の後において、不法行為によって生ずる債権の成立及び効力に ついて適用すべき法を変更することができる。ただし、第三者の権利を害することとなるときは、その変 更をその第三者に対抗することができない。 (不法行為についての公序による制限) 第二十二条不法行為について外国法によるべき場合において、当該外国法を適用すべき事実が日本法によ れば不法とならないときは、当該外国法に基づく損害賠償その他の処分の請求は、することができない。 2 不法行為について外国法によるべき場合において、当該外国法を適用すべき事実が当該外国法及び日本 法により不法となるときであっても、被害者は、日本法により認められる損害賠償その他の処分でなけれ ば請求することができない。 (債権の譲渡) 第二十三条債権の譲渡の債務者その他の第三者に対する効力は、譲渡に係る債権について適用すべき法に よる。 第五節親族 婚姻の成立及び方式) 第二十四条婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。 2 婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。 3 前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。ただし、日本におい て婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。 (婚姻の効力) 第二十五条婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫 婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係が ある地の法による。 (夫婦財産制) 第二十六条前条の規定は、夫婦財産制について準用する。 2 前項の規定にかかわらず、夫婦が、その署名した書面で日付を記載したものにより、次に掲げる法のう ちいずれの法によるべきかを定めたときは、夫婦財産制は、その法による。この場合において、その定め は、将来に向かってのみその効力を生ずる。 一夫婦の一方が国籍を有する国の法 二夫婦の一方の常居所地法 三不動産に関する夫婦財産制については、その不動産の所在地法 3 前二項の規定により外国法を適用すべき夫婦財産制は、日本においてされた法律行為及び日本に在る財 産については、善意の第三者に対抗することができない。この場合において、その第三者との間の関係に ついては、夫婦財産制は、日本法による。 4 前項の規定にかかわらず、第一項又は第二項の規定により適用すべき外国法に基づいてされた夫婦財産 契約は、日本においてこれを登記したときは、第三者に対抗することができる。 (離婚) 第二十七条第二十五条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日 本人であるときは、離婚は、日本法による。 (嫡出である子の親子関係の成立) 第二十八条夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子 は、嫡出である子とする。 2 夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす。 (嫡出でない子の親子関係の成立) 第二十九条嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係については子の出生の当時における父 の本国法により、母との間の親子関係についてはその当時における母の本国法による。この場合において 、子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によればその子又は第三者 の承諾又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。 2 子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者又は子の 本国法による。この場合において、認知する者の本国法によるときは、同項後段の規定を準用する。 3 父が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における父の本国法を第一項の父の本国法とみなす 。前項に規定する者が認知前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者 の本国法とみなす。 (準正) 第三十条子は、準正の要件である事実が完成した当時における父若しくは母又は子の本国法により準正が 成立するときは、嫡出子の身分を取得する。 2 前項に規定する者が準正の要件である事実の完成前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者 の本国法を同項のその者の本国法とみなす。 (養子縁組) 第三十一条養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子 となるべき者の本国法によればその者若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処 分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。 2 養子とその実方の血族との親族関係の終了及び離縁は、前項前段の規定により適用すべき法による。 (親子間の法律関係) 第三十二条親子間の法律関係は、子の本国法が父又は母の本国法(父母の一方が死亡し、又は知れない場 合にあっては、他の一方の本国法)と同一である場合には子の本国法により、その他の場合には子の常居 所地法による。 (その他の親族関係等) 第三十三条第二十四条から前条までに規定するもののほか、親族関係及びこれによって生ずる権利義務は 、当事者の本国法によって定める。 (親族関係についての法律行為の方式) 第三十四条第二十五条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成 立について適用すべき法による。 2 前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。 (後見等) 第三十五条後見、保佐又は補助(以下「後見等」と総称する。)は、被後見人、被保佐人又は被補助人( 次項において「被後見人等」と総称する。)の本国法による。 2 前項の規定にかかわらず、外国人が被後見人等である場合であって、次に掲げるときは、後見人、保佐 人又は補助人の選任の審判その他の後見等に関する審判については、日本法による。 一当該外国人の本国法によればその者について後見等が開始する原因がある場合であって、日本におけ る後見等の事務を行う者がないとき。 二日本において当該外国人について後見開始の審判等があったとき。 第六節相続 (相続) 第三十六条相続は、被相続人の本国法による。 (遺言) 第三十七条遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。 2 遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。 第七節補則 (本国法) 第三十八条当事者が二以上の国籍を有する場合には、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有す る国があるときはその国の法を、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国がないときは当 事者に最も密接な関係がある国の法を当事者の本国法とする。ただし、その国籍のうちのいずれかが日本 の国籍であるときは、日本法を当事者の本国法とする。 2 当事者の本国法によるべき場合において、当事者が国籍を有しないときは、その常居所地法による。た だし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)及び第三十二条の 規定の適用については、この限りでない。 3 当事者が地域により法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(その ような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の 本国法とする。 (常居所地法) 第三十九条当事者の常居所地法によるべき場合において、その常居所が知れないときは、その居所地法に よる。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)の規定の 適用については、この限りでない。 (人的に法を異にする国又は地の法) 第四十条当事者が人的に法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指 定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある法)を当事者の本国法とする。 2 前項の規定は、当事者の常居所地が人的に法を異にする場合における当事者の常居所地法で第二十五条 (第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)、第二十六条第二項第二号、第三十 二条又は第三十八条第二項の規定により適用されるもの及び夫婦に最も密接な関係がある地が人的に法を 異にする場合における夫婦に最も密接な関係がある地の法について準用する。 (反致) 第四十一条当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本 法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)又は 第三十二条の規定により当事者の本国法によるべき場合は、この限りでない。 (公序) 第四十二条外国法によるべき場合において、その規定の適用が公の秩序又は善良の風俗に反するときは、 これを適用しない。 (適用除外) 第四十三条この章の規定は、夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務については、適用しない 。ただし、第三十九条本文の規定の適用については、この限りでない。 2 この章の規定は、遺言の方式については、適用しない。ただし、第三十八条第二項本文、第三十九条本 文及び第四十条の規定の適用については、この限りでない。 附則 (施行期日) 第一条この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置) 第二条改正後の法の適用に関する通則法(以下「新法」という。)の規定は、次条の規定による場合を除 き、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に生じた事項にも適用する。 第三条施行日前にされた法律行為の当事者の能力については、新法第四条の規定にかかわらず、なお従前 の例による。 2 施行日前にされた申立てに係る後見開始の審判等及び失踪の宣告については、新法第五条及び第六条の 規定にかかわらず、なお従前の例による。 3 施行日前にされた法律行為の成立及び効力並びに方式については、新法第八条から第十二条までの規定 にかかわらず、なお従前の例による。 4 施行日前にその原因となる事実が発生した事務管理及び不当利得並びに施行日前に加害行為の結果が発 生した不法行為によって生ずる債権の成立及び効力については、新法第十五条から第二十一条までの規定 にかかわらず、なお従前の例による。 5 施行日前にされた債権の譲渡の債務者その他の第三者に対する効力については、新法第二十三条の規定 にかかわらず、なお従前の例による。 6 施行日前にされた親族関係(改正前の法例第十四条から第二十一条までに規定する親族関係を除く。) についての法律行為の方式については、新法第三十四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 7 施行日前にされた申立てに係る後見人、保佐人又は補助人の選任の審判その他の後見等に関する審判に ついては、新法第三十五条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (民法の一部改正) 第四条民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。 第二十三条第二項ただし書中「法例(明治三十一年法律第十号)その他」を削る。 (手形法の一部改正) 第五条手形法(昭和七年法律第二十号)の一部を次のように改正する。 第八十八条中「法律」を「法」に改める。 第八十九条第一項及び第二項中「法律」を「法」に改め、同条第三項中「日本ノ法律」を「日本法」に 改める。 第九十条、第九十一条、第九十二条第一項、第九十三条及び第九十四条中「法律」を「法」に改める。 (小切手法の一部改正) 第六条小切手法(昭和八年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。 第七十六条及び第七十七条中「法律」を「法」に改める。 第七十八条第一項及び第二項中「法律」を「法」に改め、同条第三項中「日本ノ法律」を「日本法」に 改める。 第七十九条から第八十一条までの規定中「法律」を「法」に改める。 (遺言の方式の準拠法に関する法律の一部改正) 第七条遺言の方式の準拠法に関する法律(昭和三十九年法律第百号)の一部を次のように改正する。 第二条中「法律の一」を「法のいずれか」に改め、同条第二号から第四号までの規定中「法律」を「法 」に改める。 第三条中「法律の一」を「法のいずれか」に改める。 第六条中「地方」を「地域」に、「法律」を「法」に改める。 第七条中「法律」を「法」に改め、同条に次の一項を加える。 2 第二条第三号の規定の適用については、遺言の成立又は死亡の当時における遺言者の住所が知れない ときは、遺言者がその当時居所を有した地の法を遺言者がその当時住所を有した地の法とする。 (扶養義務の準拠法に関する法律の一部改正) 第八条扶養義務の準拠法に関する法律(昭和六十一年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。 第二条第二項中「適用すべき法律」を「適用すべき法」に、「日本の法律」を「日本法」に改める。 第三条第一項、第四条第一項、第五条及び第七条中「法律」を「法」に改める。 第八条第二項中「外国の法律」を「外国法」に改める。 (民事訴訟法の一部改正) 第九条民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の一部を次のように改正する。 第三十三条中「日本の法律」を「日本法」に改める。
登録 2006.7.21