ASP における重要な変更箇所

ASP では、いくつかの重要な変更および拡張が行われています。アプリケーションを ASP の以前のバージョンから更新する場合は、次の変更箇所に注意してください。

注   ASP の新機能については、「ASP の新機能」を参照してください。

• バッファ処理が既定でオンに設定されている IIS 4.0 では、応答のバッファ処理は既定でオフになっていました。IIS 5.1 では、スクリプトでバッファ処理をオフにしない限り、出力に対して必ずバッファ処理が行われます。つまり、最終的な出力がクライアントに送られるのは、処理が完了したとき、またはスクリプトが Response.Flushメソッドを呼び出したときになります。IIS 4.0 から IIS 5.1 にアップグレードするときに、IIS 4.0 設定が維持されます。したがって、応答バッファ処理は、オンにするまでオフのままです。詳細については、「ブラウザにコンテンツを送信する」の「コンテンツのバッファ処理を行う」を参照してください。



• Response.IsClientConnected  IIS 4.0 では、Response.IsClientConnected は、ASP ファイルがブラウザにコンテンツを送った場合に限り、正しい情報を返しました。IIS 5.1 では、ASP ファイルはブラウザにコンテンツを送る前に IsClientConnected プロパティを使用できます。詳細については、「IsClientConnected」を参照してください。



• インクルード ファイルのセキュリティの向上  IIS 4.0 では、物理パスにマップされている仮想ルートにインクルード ファイルを格納している場合、ASP はファイルを処理する際に、物理パスのセキュリティ資格情報を使用していませんでした。IIS 5.1 では、ASP はインクルード ファイルを処理する際に、物理パスの資格情報を使用します。詳細については、「ファイルをインクルードする」を参照してください。



• 既定のドキュメントとクエリ文字列の動作  IIS 5.1 では、.asp ( .cdx) ファイルが既定のドキュメントとして構成されている場合、URL に既定のドキュメントが指定されていなくても、クエリ文字列を受け付けることができます。たとえば、URL http://www.microsoft.com/default.asp?newuser=true と http://www.microsoft.com/?newuser=true はいずれも、クエリ文字列値を既定の .asp ファイルに送ります。



• トランザクション フラグ  IIS 4.0 では、ASP が新しいトランザクションを開始していることを示すために、「必要」、「新しく必要」、および「未サポート」のトランザクション フラグを使用していました。IIS 5.1 でも、この動作に変更はありません。ただし、.asp ファイルが新しい Server.Execute メソッド、または Server.Transfer メソッドを使用して、トランザクションが完了している .asp ファイルを実行する場合、トランザクション フラグの状態は、次の .asp ファイルのために保持されます。2 番目の .asp ファイルのトランザクション フラグが、トランザクションがサポートされているか、またはトランザクションが必要であることを示す場合は、既存のトランザクションが使用され、新しいトランザクションは開始されません。



• Both-Modeled オブジェクトの動作  Both-Modeled COM オブジェクトがフリー スレッド マーシャラをサポートせずに Application の状態に格納されている場合、エラーが発生します。Both-Modeled コンポーネントは、フリー スレッド マーシャラと統合したうえで、Application の状態に格納する必要があります。



• メタベースに移動した構成可能なエントリ  次に示す IIS 4.0 のレジストリ エントリは、メタベースに移動しました。
• ProcessorThreadMax
• ErrorsToNTLog

IIS 5.1 では、構成可能な ASP に関するパラメータはすべてメタベースから変更することができます。詳細については、「メタベースについて」を参照してください。

• ローカル サーバー COM オブジェクトのセキュリティ  IIS は、"クローキング" と呼ばれる Windows の新しい COM 機能を使用すると、.asp ファイルがインスタンスを作成するローカル サーバーのアプリケーションに、作成元のクライアントのセキュリティ コンテキストを適用できるようになります。以前のバージョンでは、ローカル サーバー COM オブジェクトに割り当てられる識別情報は、オブジェクト インスタンスを作成したユーザーの識別情報に依存していました。



• オブジェクトをより早く解放する  IIS 4.0 では、COM オブジェクトが解放されるのは、ASP がページの処理を終了したときに限られていました。IIS 5.1 では、COM オブジェクトが OnEndPage メソッドを使用しない場合、およびオブジェクトの参照カウントが 0 の場合に、オブジェクトは処理が完了する前に解放されます。

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