フリーソフト(だけ?)で地層想定断面図をつくる


目的

 お金をかけないで(時間はかけて?)断面図をCADで作る。


準備するもの
 (a) (フリーソフトの)CAD
 (b) 簡易柱状図をCADデータに変換するためのソフト
 (c) 凡例をCADデータに変換するソフト
 (d) 自動的に図化できない部分を編集する根性

 (a) (フリーソフトの)CAD
 JW_CADが有名ですが、「どす離レ」するためにWindows版のフリーソフトを使いましょう。最近はJw_win、HO_CAD、PC定規(最新版はシェアウェアになった)などいろいろあるようです。
 (b) 簡易柱状図を図化するソフト
 地層想定断面図で面倒な作業の一つが簡易柱状図の書き込みです。ベクターでフリーソフトを探してみると、
 「斉藤ZENDAYU」さんの「AutoCADLT用ボーリング柱状図作図」と
 「あおそく」さんの「AS-柱状図作成」
 の2つを見つけることができます。HO_CADやJw_winであれば、DXFの柱状図を出力する「AS-柱状図作成」がいいでしょう。このページでは、私の作った産廃ソフトを使用した例を紹介します。
 (c) 凡例を図化するソフト
 全地連の業界標準案や国土交通省の地質調査資料整理要領(案)に準拠すると、  の3つの凡例を作らなければなりません。
 断面図凡例は、あらかじめ汎用性のある凡例をつくっておいて、それを貼り付ければいいと思います。その都度作るのであれば、断面図の一部をコピーすれば、比較的簡単に凡例の作成ができると思います。
 土質区分凡例は、表形式なので、HO_CADであれば表作成機能を利用して編集することができると思います。また、エクセルで作成し、X-J(ペケジェー)というフリーソフトでJWC形式に変換する方法もあります。
 柱状図凡例は、柱状図の一部をコピーして再編集する方法や、土質パターンをソフトに登録し、それを貼り付ける方法などが考えられます。私の作った産廃ソフトには柱状図凡例を出力する機能があります。
(d) 自動的に図化できない部分を編集する根性
 鍛えてください(^^;)

使用例紹介ソフト

このページで使用例を紹介するのは、次の3ソフトです。

● HO_CAD(Hiroshi Okazakiさんのフリーソフト)

 HO_CADは、操作方法がJW_CAD(DOS版)とほとんど同じで、複数のファイルを開くことができ、カラーの塗りつぶしが可能です。JWCファイルの読み書きができるため、JW_CAD、Jw_winなどとデータの交換が可能です(DXFより確実)

● 柱変換2000.xls(フリーソフト)

 自作産廃ソフトです。特徴は、
 エクセルのマクロでDXF(JW_CADに特化)の簡易柱状図を出力します。
 Jwtrane.exe(Yoshiki SAKAI氏のフリーソフト) 経由でJWCファイルの簡易柱状図も出力できます
  (これを使うということは、どす離レできてないってコト?)。
 まとめて10地点分の簡易柱状図を標尺付きで出力します。
 柱状図凡例の出力もできます。
 グラフ部分を対数表示にすることもできます(N値以外の目的で使える)。
 動作させるためにはExcel2000が必要です。(Excelはフリーソフトではありません)
 データは直接入力のほか、柱状-BASEデータの読込みもできます(岩盤はダメ)。
 最近は、柱状-BASEデータの編集ができるフリーソフトもいくつかあるようです。ついでに紹介しておきます。
TJ (伊東広敏さんのフリーソフト)
 エクセルで柱状-BASEデータの編集が可能。AutoCAD経由で柱状図出力ができる。
エde柱(フリーソフト)
 これも自作産廃ソフト。エクセルで柱状-BASEデータの編集をする。
GeoBuild LightEdition(中央開発(株)地盤情報システム事業室さんのフリーソフト)
 柱状図や土性図、スウェーデン式サウンディング結果の編集・印刷ができる。
 柱状-BASE、岩盤-BASEデータの入出力に対応。私はデータの打ち込みにこのソフトを使っています。

●X-J(Toshiki Nakataさんのフリーソフト)

 エクセルでつくった表をJWC形式に変換するソフトです。エクセルの行高や列幅をmm単位で変更するおまけ機能もあります。

断面の作成例

イ 柱変換2000.xlsによる編集作業

イ.イ エクセルを起動させ、柱変換2000.xlsを読み込みます(オープニングノ画面)
イ.ロ 地層やN値のデータを入力します。(編集中ノ図イ)
イ.ハ 柱状図の標高、位置等のデータを入力します。(編集中之図ロ)
イ.ニ 縮尺や標尺等の設定を入力します。(編集中ノ図ハ)(編集中ノ図ニ)
 (編集中ノ図ホ) jwtrane.exeの設定
イ.ホ 記号凡例の設定をします。
 まず、「この頁全消去」をクリックし、次に「地層名の取り込み」をクリックすると、柱状図データから地層名の部分を抜き取ってきます。(編集中ノ図ヘ)
次に、表の「順番」のところに数字を打ち込み、「並べ替え実行」をクリックすると、打ち込んだ数字の昇順に並べ替えを行います。(編集中ノ図ト)
イ.ヘ 「ファイル出力」をクリックし、ファイルの出力先とファイル名を入力します。
 今回は、基本設定で「JwtranによりJWC出力」が選択されているため、拡張子が「.JWC」のファイルを作ります。(出力スル所ノ図)
 保存を実行すると、Jwtranが立ち上がります。(JWTノ図)
 リターンを押し、Jwtranを終了させます。画面にDOS窓が残る場合は、DOS窓右上の[×]をクリックして終了させます。画面に「Jwtranの変換作業が終了したら、okをおしてください」と表示されます。
 (確認シテイル所ノ図) ※okを押さないと、正しいファイルが作成されません。
 okを押して、柱変換2000.xlsによる簡易柱状図の出力が終了します。

ロ X−Jによる凡例の作成

ロ.イ エクセルで土質(地質)区分凡例を編集します。
出力範囲を指定し、X−Jのエクスポート機能によりJWCファイルの出力をします。(X−Jノ図イ)
ロ.ロ 出力したJWCファイルをHO_CADで読み込みます。
当初は縦書き部分が横書きになっています。(土質区分凡例当初ノ図)
 HO_CADの編集機能で縦書部分を修正し、JWCあるいはHOC形式で再保存します。(土質区分凡例編集後ノ図)

ハ HO_CADによる編集作業(本番)

ハ.イ 柱変換2000.xlsで作成したJWC断面ファイルを読み込みます。(読込ミ直後ノ図)
ハ.ロ 地層の境界線等の編集をします。また、土質(地質)区分凡例を読み込み、断面図に貼り付けます。(HO編集中ノ図イ)
ハ.ハ 断面図凡例を編集し、柱状図凡例を整え、平面図を貼り付け(あるいは編集)します。(HO編集中ノ図ロ)
ハ.ニ 色塗りして仕上げます。(HO編集中ノ図ハ)

ニ 出力例(PDF)

 こんな感じです。



 おいおい、地質時代が逆になっているぞ。やりなおし!!