登山NO.0058 岩 木 山( 岩木山:1,625m ) 1995.10.14登山


 百沢スキー場より見た岩木山( 1995.10.14 )

【岩木山登山記録】

【岩木山登山データ】

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NO.58 岩木山登山記録

全国に散らばる百名山のうち、なかなか着手することができないのが北海道と東北地方の山である。

北海道は仕方がないとしても、東北は少し登頂数を稼ぐ必要があるということで、会社の3連休を利用して、 岩木山と八甲田山をセットにした山行を企画した。

横浜を夜の9時半に出発する夜行バスに乗って、 翌朝、定刻より早い7時前に弘前バスターミナルに着いたのだが、 弘前に近づくバスの車窓から 岩木山の見事な姿を見ることができ、 眠気も吹っ飛んで登高意欲が沸いてきた。

弘前バスターミナルからは、枯木平行きのバスに乗って岩木山神社で下車。 神社前の広場に立つと、 神社の立派な鳥居の上方に 岩木山が見え、 心弾む思いだった。

まずは神社にて山行の無事をお願いした後、神社脇の杉林の中に入って薄暗い道を暫く進むと、やがて視界が開けて 桜の木が多く植えられた公園となり、 そこをそのまま突っ切って 百沢スキー場に入った。

スキー場は広々として気持ちが良く、そのススキの原の向こうに見えた岩木山は、赤や黄色に紅葉しており、青い空の下に美しく映えていた。

ススキに囲まれた砂利道を暫く進んで行くと、やがて登山道に変わり、小さな沢を横切った少し先から道は急坂となったが、 ここは鼻こぐりと呼ばれるところで、 その他にもカラスの休場、 七曲りといった 面白い名の付いた場所が続いた (順番は記憶に定かではない)

登山道の周りの木々は、完全に赤や黄色に紅葉しており、輝く太陽のもとできらきら光ってまぶしい。

やや登り疲れた頃に大きな岩のある姥石 (うばいし) に着いたが、登山道脇の草の中に赤錆びた火の見櫓があったので登ってみると、 紅葉の林が続く向こうに、 3つの頂を持つ岩木山が、 青い空をバックにして悠然とした姿を見せてくれていた。

姥石から左に曲がって溝状の道を暫く進むと、道はまた急登となり、喘ぎながら登っていくと焼止り避難小屋の前に出、 道はそこから左に折れて、 大きな岩がゴロゴロした沢の中を登ることとなった。

やがて両側の山も迫り谷が狭くなってきた頃、先の方に小さな滝とその傍らに梯子が設置してあるのが見えてきたが、 ここは坊主ころがしと呼ばれるところで、 昔は難所であったらしいが、 今は梯子のお陰で難なく乗り越すことができる。

坊主ころがしから先は登りもキツくなったものの、狭い谷間の道からは抜け出て、開けた感じのする所となり、 少し息苦しさが抜けてくる。
やがて道も平らになり始めると、 コンコンと水が湧き出ている錫杖清水で、 疲れた身体にはその冷たい水が大変おいしく感じられた。

さらに沢を上り詰め、槍ヶ岳の穂先のような岩を過ぎると、人為的に整備された山の斜面を左側に見るようになり、 頂上も近いことを感じさせてくれた。

やがて種蒔苗代と呼ばれる池の前に出て、池の左を通って斜面を登っていくと、八合目スカイラインからの道と合流し、 今までの静かな登山道とはうって変わって 人が多く賑やかになった。
彼らは八合目まで車で来たのであろう、 あきらかに登山者とは違う軽装、 革靴で登ってきており、 少々ゲンナリとさせられた。

岩木山山頂に登るには、この後、第一おみ坂、第二おみ坂と呼ばれる急坂を登らねばならないが、 観光客には負けたくない気がしたので、 かなりのスピードで追い抜きをかけて、 一気に頂上まで登りきってしまった。

頂上は大きな岩がゴロゴロしており、また中央には四角錐の形をしたコンクリート製のモニュメントがあって、多くの人がそれをバックに 記念写真を撮っていたが、 ご多分に漏れず私も そのモニュメントの横に書かれた " 岩木山1,625m " の文字が見えるようにして記念写真を撮ってもらった。

そこより少し離れた場所には岩木山神社奥宮があり、賑わう山頂の中では少し雰囲気を異にしていたのが印象的であった。

山頂からはあまり展望を得られず、当然、鳥海山や明日登る予定の八甲田山などの山々は、雲の中で全く見えず、 紅葉した岩木山自体の山腹と 八合目の駐車場だけをよく見ることができた。

それでも小1時間程山頂でのんびりしてから、八合目スカイラインの方へと向かっていくと、途中に鳥ノ海噴火口があり、 その荒々しい岩肌が爆発の凄さを物語っていた。

八合目に下りる前に鳥海山にも行ってみたものの、頂上の場所はあまりはっきりせず、書かれた文字が全く読めない古い標柱が 広い草地の上に立っている所が頂上と思われた。 そこからは三角のピラミッド状をした岩木山がよく見えた。

八合目まで下って、自動販売機でジュースを飲んだ後、リフト駅下から嶽温泉に向けて下山を開始したが、 最初の頃は、 振り返れば木々の間から岩木山が見えることもあったものの、 その後はほとんど展望のないコースとなり、 紅葉に染まった木々の間をひたすら下るだけであった。

やがて、所々にスキー標識があったことからスキーのコースだと思われる、ブルドーザで整地した幅広い道に変わると、 周りの木も 太陽の光の中で黄色の葉がまぶしく光るブナの林に変わり、 大変気持ち良く歩けるようになった。

暫く進むと道が2つに分かれた所に着いたので、指導標に従って左に進み、稲荷神社の横を通って行くと、 リゾート地のように (実際、リゾートなのかもしれない) 賑わう嶽温泉であった。

温泉で汗を流し、 バスにて弘前に向かったが、 振り返ると 登る時には頂上部分が3つ見えた岩木山が、 横幅の広い富士山のような形にその姿を変えて、 立ち並ぶ旅館・売店の上に見えていた。


岩 木 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1995.10.14 天候:晴れ時々曇り単独行前夜車中泊
登山路:岩木山神社−神苑桜林−七曲り−鼻こぐり− 姥石−焼止まりヒュッテ−坊主ころがし−錫杖清水−種蒔苗代−鳳鳴ヒュッテ−岩木山−鳳鳴ヒュッテ−鳥ノ海噴火口 −鳥海山−鳥ノ海噴火口−スカイライン駐車場(8合目)−嶽・羽黒分岐−嶽温泉
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(夜行バス:車中泊) −弘前バスターミナル−(バス)−岩木山神社
交通復路:嶽温泉−(バス)−弘前バスターミナル・弘前駅−(奥羽本線)−青森()。 八甲田山の項参照。
その他:10月13日夜行バスにて出発。翌14日に岩木山登山。14日は青森泊。


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