牡丹の手入れでよくある質問(FAQ)

  皆さんから、よくメールで質問があります。ご参考までに代表的なものをまとめて掲載しました。ご参考になれば幸いです。
 ただ、私は30年来牡丹を育てていますが、専門家ではありません。あくまでも私の経験と、専門家から伺ったお話、参考書などから得た知識でお答えしています。

植え替え

  • ぼたんの苗木を入手したのだが?
  •  最近牡丹の苗木を手に入れましたが、手入れの仕方がわからず困っています。基本的な手入れの仕方を教えていただけませんでしょうか?  (ともさん)

    お庭が有れば、庭植えが一番です。日当たりと水はけのいい場所を選び、30〜50センチ位の穴を掘り、バケツ半分くらいの腐葉土や堆肥を敷き詰め5〜10センチ位の覆土をして植付けます。
    この場合、接木をしているので継ぎ目を地面より10センチ位出して盛り土をします。水はけを良くして、継ぎ目が腐らないようにしてやる訳です。

    鉢植えにする場合でしたら、出来れば少し大きめの鉢(9号:27cmか10号:30cm)が良いと思います。ぼたんの自根を生やすのが狙いです。
    私の鉢植えの仕方を掲載していますので左のメニューから選んで参考にして下さい。

    基本は赤玉土6:完熟腐葉土4。

    庭土を使う場合は用土の排水性によって混合が変ります。粘土質であれば完熟腐葉土やもみがらくん炭(もみがら=脱穀した稲の殻)を大目に混合してやります。
    菊の用土でもよい。牡丹は多湿を嫌いますから用土の排水性を考慮すればあまり神経質になる必要はないと思います。

  • 浅めのプラスチック鉢ですが?
  •  花芽が二つついた牡丹の鉢をいただきました。
    今までに牡丹を育てたことがないのですが、浅めのプラスチック鉢に入っているので土も少ないし根詰まりを起こすのではないかと思い一回り大きく深めの鉢に植え替えてやろうと思っています。でも、ホームページで牡丹は植え替えをあまり好まないというようにありますよね。花が咲き終わるまでは環境を変えない方がいいんでしょうか?         3月(はなこさん)


     今年は「浅めのプラスチック鉢」のままが安全です。
    3月ですから芽が動きだしています。牡丹は芍薬の根に接木していますので、毛根です。
    大変傷みやすいので今はそっとしておくのが最善でしょう。今年はそのままで大丈夫です。
    真夏にベランダで水涸れが心配なら、9号位(27cm)の素焼き鉢か駄温鉢(ホームセンタ等で売っている茶色の鉢で縁にうわ薬=釉薬=を塗ってあるのが駄温鉢です)
    に「プラスチック鉢」ごと植えられたら良いと思います。
    花が終わって、葉が落ちきった秋に植え変えることをお勧めします。
    この春はきっと見事な花をつけると思います。
     また、何か有りましたら、どうぞメールください。
    水をやり過ぎませんように!


  • 寒牡丹の苗木が欲しいのですが?
  •  寒牡丹の苗木が欲しいのですが、どこで購入できるのでしょうか教えてください。

     春に咲くぼたんの苗木は、10月〜2月ごろ、一般にどこの園芸店でも扱っていますが、寒牡丹の苗木はそうでもないようです。少し大きめの花屋さんや苗木を扱っているホームセンターに入荷する場合がありますから時期になったら覗いてみてください。寒牡丹(冬ぼたん)の咲く有名なぼたん園では期間中苗木を販売している場合があります。例えば、東京上野の「東照宮ぼたん園」では売店においてあります。
     最近は、通信販売またはインターネットからも注文することが出来ます。


  • 鉢植えは寿命が短い
  •  鉢植えぼたんは寿命が短いとよく聞きますがどうしてですか?

     園芸店で販売している苗木や鉢植えのぼたんは、芍薬の台木にぼたんを接木したものです。つまり、草に木を接木したもので草の根から養分を吸収しているわけです。ぼたん自身の根がしっかりと生えて地中から十分に養分を吸収できるようにならないとダメです。一般に園芸店の鉢植えは、6〜7号のプラスチック鉢で、自根が中々生えません。しっかりした自根が生える前に写真のように、接続部分が痛んでダメにしてしまいます。大きな鉢をお勧めするのはぼたん本来の根をしっかりと作ってやるための環境にしてやるためです。その点、庭植えはしっかりした根が大地に生えるので寿命が長いのです。

     この台木の芍薬の根は細菌による「根黒斑病」に感染している可能性がある。主根の表面部分に黒い斑点があり、先端が腐敗している。感染している苗木は多湿、極端な多肥、未成熟堆肥などにより助長されるらしい。この菌は土壌中に数年間生息するので土からも感染する。
    発見したら、ベンレート水和剤50倍液に10分間苗基部を浸漬して消毒。古い用土は廃棄し新しい用土に植え替える。




    Last updated Jul. 3 '01
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