NHKの取材直後から試作を開始した2002年の
流氷ダイビング本番モデル。
過去最小である直径4mmの小型モーターを採用。
オネクリ史上、最小&最軽量を実現した。限界とさえ
考えていた超シンプル構造のM−14をも超える。
全長2.7センチ、総重量は6グラム。
試作機であったM−21で採用した構造である、駆動
モーターからの直接駆動方式や、金属羽根を採用。
本体の電源はM−21と同様に小型アルカリ電池で
あるLR41ボタン電池、頭部と尻部の発光ダイオード
電源には補聴器用の超小型ボタン電池のPR521を
採用した。電池の接触問題は小型ネジで締め付ける
バッテリーBOX:リュック02で完璧に解決した。
各部の説明
頭部
オネクリM−23の頭部は試作機であるM−21と全く同じ、薄型の発光
ダイオードを装備。トレードマークである悪魔の角はもちろん健在である。
あえて前に突き出していたM−18よりは幾分大人しい。これには同じ
頭部を持つ、M−21のテレビ映りが良かったという背景がある。
今回もオネクリ開発ではM−18から採用を始めたバスコークを使用して
おり、柔軟な仕上がりになっている。
バッテリー部(リュック02)
今回のバッテリーは実は本体に内蔵する計画で進められていた。
が、そうする事で全長が3cm以下とする事が非常に困難であると
判断し、今回も本体の背中に背負わせる形となった。電源には
M−21で採用し、見事に成功した小型アルカリ・ボタン電池の
LR41を2ケ直列=3.0Vで本体の小型モーターを駆動する。
頭部と尻部の発光ダイオード用の電源は当初はM−21と同様に
超・超小型の釣りウキ用リチウム電池:BR211/2B(3V)を使用
したかったが、入手が困難という現実に敗れ、補聴器用の小型の
ボタン電池:PR521を2ケ直列で使用。M−21でも問題となった
接触不良については金属プレートを互いにネジで締め付けるという
前代未聞の新技術で完璧に解消した。
本体+スイッチ部
本体のボディには透明パイプを組合わせて、その中には世界最小の直径
4mmの超小型モーターを固定した。モーターのシャフトの先に円盤を付け、
円盤と径0.2mmのピアノ線で外部に振動を直接伝える。本体内部では
モーターが高速回転をしているのと、金属羽根を使った事によって非常に
メカニックな音が出ているのが今回の特徴だ。
M−23ではモーターが小型化したのでスイッチも本体に組み込む事が
可能となり、背面に取り付けた。スイッチの表面を薄い指サックで覆って、
その周囲をバスコークで固めるという方式で防水している。以前M−18で
防水ゴムにコンドームを使用していたが、今回、NHK取材という事もあり、
避けた。
尻部
今回もオネクリ尻部には発光ダイオードを搭載。M−18からの継承となる。色は
今回、オレンジ色から赤色に変えた。流氷下の海は比較的暗い事が覆いので、
より水中で目立つ色彩に変更したのだ。
この部分も試作機のM−21と全く同じ構造としている。
羽根部
オネクリ2002での大きな転換であったのがこの金属羽根だ。オネクリ史上
初めて採用した。今までゴム性の羽根で、それなりの動きであったが金属に
する事で、よりメカである事が誇示され、連結部が完全に内側に折れ曲がる
事が可能となったので羽根の曲がりとしてはクリオネに近いのだ。
ジョイント部の工夫や細かい作業に、かのNHK取材チームをも圧巻したのは
まぎれもない事実である。
右の羽根にはM23、左の羽根には2002と刻印。
大きさ比較
オネクリ史上最小、最軽量となるオネクリM−23。全国、いや、
衛星放送で全世界を震撼させたオネクリM−21より約5mmも
小さくなった(写真はNHKで放送されたM−21のレプリカタイプ
との比較)。これは今までの最小レコードを持つM−18より更に
小さく、且つシンプル構造の振動共鳴型マシーンではなく、直接
駆動型である事に大きな意義がある。まあ、実際には2.5mmを
狙っていたのだが・・・
恒例ともなる10円玉と比較したのが左の写真。
どうだ!と言わんばかりで
あるが、ここまで小さくなってくると、そろそろダウンサイジングもサチってきた
なぁ・・・と言うのが本音である。出来れば2cm程度にまでは小型化したい
ものだ。