冬のダイビング、串本エリアでは特にウミウシ類がクローズアップされる季節となります。
写真派ダイバーが多いという事もあり、もう訳の分からぬ名前のウミウシがわんさかてんこ
盛り状態。ま、冷静に見ればちょっと得体の知れない生物であるウミウシに人気があるのも、
かのウミウシ・ガイドブックのお陰でもあり、人気に火を付けてしまったピカチュウ・ウミウシこと
ウデフリツノザヤウミウシのお陰でもあるのは間違いないでしょう。
今回はそのピカチュウ様の話。ご存知ポケモンのキャラクターですが、その類稀な風貌に
世間は放っておくハズがありませんでした。長く突き出した突起と、黄色と黒の色は誰が
見ても不思議だわな…
そのウデフリ(=腕振り)という本名の如く、ウミウシなのに意外と動きが大きくて観察して
いても面白いのですが、マニアな生き物の写真なのに、ダイビングを全く知らない人にも『ほら、
ピカチュウ』と写真を見せてあげれるのも嬉しかったりします。で、出来上がった写真を我が子
達にも見せたのですが、ポケモンには全く興味を持っていない息子達は無情の無反応…
ちょっと悲しいです。
さて、このピカチュウ君、いやピカチュウ様はかなり稀種とされているのですが、時と場合に
よっては当りがあり、今年は当り年ではなかろうかというくらいに多く見れています。2月の
グラスワールドでは1ダイブで5〜6個体も見れ、しかも交接シーン(つまりHですな)もバッチシ
見れてしまいました。通常ならば水温が上がるとなかなか見れないウミウシとされているの
ですが、今年はかなり個体が多いのか、環境に馴染んだのか、なんか有難みが無くなるくらい
現れていて、ちょっと心配。何故って今までの経験では有難みがないくらいに見れた生物が
パタリと見れなくなると言う個人的なジンクスがあるからなのです。どうぞ来年も見れます様に…
(矢田)
今やフィギュア全盛の時代。子供と言うより大人が夢中になっている有様で、オレもその
一人に違いないのですが、海洋堂のフィギュアには恐れ入るね、まったく。そのリアルさと
購買意欲をかきたてるコンセプトは群を抜いていると思う。
そもそもダイドーの海洋深層水MIUの深海生物フィギュア・コレクションの第1弾で戦略に
ハマってしまったオレは、MIUを何リットル、いや何ガロンも飲む事になり、第2弾でも同様に
毎日1本ずつ飲むドランカー状態。一息付いたと思ったら、今度はグリコ黒潮コメッコを大量
投与するハメになり、その合間にチョコエッグに浮気しながら、どんどんとコレクションを増加
していったのであるが、正直体には悪い。黒潮コメッコも第2弾が登場し、集まった海洋生物
フィギュアは相当なモノになった。MIUと黒潮コメッコのフィギュアはオーナー会社こそ違う
けれど、フィギュアの台座の大きさがペットボトルのキャップのサイズに統一されており、
一貫性のある所がイイね。
MIUの深海生物シリーズではダイバーが普段は見れない深海の神秘的な生物が主役。
フクロウナギとか、ホウライエソとか、幼少の頃に図鑑で見た生物のフィギュアは確実に
オレのハートを射止めたのだった。更にMIU第2弾では隠れフィギュアにマッコウクジラvs
ダイオウイカという夢の競演には興奮した。一方、黒潮コメッコではダイバーにもお馴染の
生物達も登場した。黒潮が育む生物をコンセプトに、ジンベイザメ、マンタ、バショウカジキ、
ハンマーヘッド等のいわゆる大物を始め、ホウボウやトラフカラッパ、ハタタテダイ、ミナミ
ハコフグ幼魚といった小物までずらりと並んだ。
全シリーズをまっとうに揃えるとダブってしまい、かなりの時間と費用を要する。当然ながら
ネット上では売買が始まり、賑わうけれど、オレの場合、見えないフィギュアのバクチ性も
楽しんでいたので随分と時間がかかってしまった。
さて、ただ集めてもイマイチ面白くないので実はこれらを使ってバーチャル・オーシャンを
作ってみようと考えている。完全な自己満足の世界だが、部屋の中で深海〜表層までを
再現させるのだ。おお、考えるとゾクゾクする。でもいくらリアルなフィギュアでも、やっぱり
実際の海には到底敵う訳もなく、今日も潜り続けるMr.ごんずいなのである。(矢田)
水中アイテム製作なんて気分次第だったりするので、突然にヤル気が出て一気に仕上げて
しまうケースが殆ど。特に自分の場合、くだらないアイテムしか作らないという信念があるので
ヤル気がピークの時に作業しないと、『マジでこんなモノ作るの?』という最初の自己ハードルを
越える事が出来ないのです。なので長年暖めてきたアイディアをじっくり時間をかけて製作する
ケースなんて稀。
今回の水中アイテムもやはり一気に制作したのですが、実はアイディアそのものは4〜5年
前には既にあり、部材は2年も前に購入済だったのに放置していた作品です。名前はビーバム。
フム、ビーバムとは何ぞや? そんな周囲の疑問はビーバムが、B-BAMと公表された時点で
バレバレ。そう、ビビるんですシリーズの新作なのです。実に7年ぶりの新作。正式な名前は
ビビるんです・アナログメーター2003。つまり従来のシビレエイ発電確認装置に遂にアナログ
メーターが搭載されたのです。しっかし、くだらん…
NI(New-Item)プロジェクトのアイディア時代は『ビビりゃんせ』と呼んでいたのですが、無事に
BBプロジェクトに移管され、遂に完成したのであります。実に制作は僅か数週間。アナログ・
メーターは100円ショップで買った乾電池の残量メーターというバカさ加減も自分らしくてイイ!
何より38歳にしてこんなモノを真面目に作り上げた自らの精神力を自画自賛したいネ。
電極部分は従来の2本の針からピンチ式(洗濯バサミだったりする)に変更。シビレエイの表と
裏を挟む方式に変更。今まで電球での発光確認だった部分も、発光ダイオードに仕様変更して
残しました。問題はシビレエイとの遭遇がいつ実現するか?という事だね。さすがに毎回BCの
ポケットに入れる訳にはいかない精密機器(?)なので、遭遇の可能性次第で水中に持ち込む
事になりそうです。
過去2回の遭遇ではいずれもグレー判定に終わっているので、今回は完全に決着を付ける
意気込みなのです。早くシビレエイと遭遇できます様に…と祈る反面、でも遭遇するまでが
楽しかったりもするし…と複雑なごんずいでした。(矢田)
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第114話
Mr.ドジョウ&ナマズ ―ごんずいの息子たち―
2003-06
今さらでもないが、オレはMr.ごんずい。2児の父親である。子供は共に男の子、確実に
オレの遺伝子を継承した息子たちである。今回は息子たちの話。
長男の竜士(りゅうと)は今年で6歳になる。その竜士、3歳の頃に何故だか妙にドジョウに
ハマってしまった。童謡:どんぐりころころを寝かし付けに唄ってやると超・ハイになり、喜んだ
ものだ。そして遂には『パパはごんずい、りゅうはドジョウ』と言い始め、自分の両手を口の
近くに持って行き(ヒゲの真似して)、『Mr.ドジョウ』と名乗ったのである。正直、感動した。
子は親を見て育つが、やはり魚が好きになり、オレが彼にあげた一世代前の図鑑を見て、
随分と魚の名前を知っている。寝かせる時に魚の話をよくしてあげるのだが、これが彼の頭に
ズンズンと入っていくみたいで、最近では日本にいる6種のクマノミの名前はおろか、ハギの
仲間が寝る時に流されない様に口でつかまる話とか、サメは太古の昔から現存する貴重な
生物である事も知っている。家に飾ってある水中写真にも反応し、自ら潜り、写真を撮るのだ
とも言っている。もしかすると将来本当に一緒に潜るかもしれないなぁ。
次男の翔真(しょうま)は今年で3歳。兄に影響されたのか?2歳にして突如、『ちょうまは
ニャマズ』と言いだした。僅か2歳にしてMr.ナマズである。恐るべし、ごんずい遺伝子!
未だに翔真ちゃんが何故にナマズの存在を知ったかは不明であるが、もしかすると近くに
ある木曽三河公園のキャラクターの影響なのかもしれない。
ドジョウもナマズもヒゲを持ち、正にごんずいの息子としては十分すぎる名前である。あと
15年もすれば彼らも自らの意思で人生を選択するだろう。ダイバーになり、海とか自然の
素晴しさを体験してくれると嬉しいが、オレだってまだまだ老いる訳にはいかない。彼らが
大人になる頃でも現役バリバリでなければ格好つかないし、それなりの自信は当然あるが
そろそろ40歳も近いし健康管理だけは真面目にしないとダメだな。
昔抱いた将来像は、愛娘がダイバーになり、その女友達のダイバーから憧れの眼差しで
見られるダイバーとなる…というモノだったけど、無理そうだ。息子のガールフレンドで我慢
するしかないか、ハハ…。(矢田)