第51話 ブレイク寸前!! 伊東のジョーフィッシュ 1997-08
今回は久し振りに海ネタ(情けない事に本来の海ネタが最近少なかったんです)。しかもこれ
また久し振りの 珍生物の話。
近年のマクロ系お魚ブームにより今まで目にした事もなかった魚が次々と人気者にのし
上がって? います。中でもここ1〜2年くらいよく話題になっているのがジョーフィッシュ。
和名ではアゴアマダイの仲間になります。よく雑誌に紹介されているのはパラオ等
海外の
ジョーフィッシュで、そのユニークな顔つきと 卵を口に咥えて守るという愛くるしさが人気に
なっています。2年位前に ぱっとサイデリアのCMに出演し、巣を作る魚として紹介されて
いました。彼らはガレ場の砂地に縦穴の巣穴を作って、 普段は巣穴の入り口から外を警戒
して顔だけ出しています。巣穴に砂が入ってくるとテッポウエビと同様、せっせと砂を外に
出します。日本でも沖縄等南方系でたまに紹介されていたのですが、今年に入り事態は
急変しました。なんと伊豆半島でも報告され始めたのです。
97年9月号の雑誌『Diver』に富戸のジョーフィッシュが紹介されていましたが、今回246
メンバーは伊東でジョーフィッシュに遭遇しました。ポイントはゴトウジ根北。8月前半の伊東
ツアーで ここでジョーフィッシュらしきヤツを発見し、今回 再チャレンジする事となったのですが
河野のおぢさんはビデオで見事に撮影に成功しました。高松君も数ショット撮っており証拠は
ばっちし。2本目の白根でも見られ、 要はいっぱいいるみたいなのです。今まで気に止めて
なかっただけなのか? それともここ1〜2年で住み着く様にようになったのかは不明ですが
徐々に話題になりつつあり 大ブレイク寸前!
正式な種類はイレズミアマダイやゴールドスペックジョーフィッシュでない事だけは
はっきり
しているらしいのですが、いかなる和名なのか?(和名があるのか?)これからが楽しみです。
(矢田)
水中生物を生きたままで捕獲する為に生まれたボクの水中アイテム:ごんずいシリーズ。
今や御法度の このテーマに果敢にもチャレンジする自分に惚れ惚れしてる今日この頃です。
以前 次世代のごんずいシリーズ:ごんずい3号の開発の事について少し臭わせたのですが、
いよいよ完成が間近に迫ってきました。円筒状の中をピストンを後退させると同時に海水
もろとも生物を吸込む ごんずい2号の開発当初より実は3号の構想はありました。バネや
ゴムの力でピストンの動作が終わると吸込みが一度終了する2号に対し、電気掃除機を
イメージした3号は電気の力でポンプを動作させ常時
海水を吸込み続ける事のできる夢の
マシーンでした。が、いかんせん材料費がかかり過ぎる事もあり着手できなかったのです。
昨年のごんずい2号Type−3完成後、安くこのごんずい3号を作るヒントがひらめき
遂に
試作に着手しました。なんと! 懸案の材料費はたったの¥3500円!!
恐るべしMr.ごんずいの
頭脳!! 大幅なコスト低下の秘密は1ケ¥600円のポンプ。これを2ケ使い、計算上は毎分
18リットルもの海水を吸込みます。ポンプを2ケ使ったので開発コードはGT-バキューマー
(ごんずい・ツイン-バキューマーの略)としました。
これは余談ですが 今年の3月頃に未だ妻が息子:竜士(りゅうと)を体内に宿していた時、
ボクが嬉しそうに『ねぇねぇ、名前が決まったよ』
と言ったら 妻は我が子の名前だと思った
らしく、ボクが自信満々に『GT-バキューマー』と発表した後
暫く しぃ〜んとなってしまった
という逸話もあります。
さてこのGT-バキューマー、吸水能力は今までのごんずいシリーズと比べ初代ごんずい
2号が0.5リットル/回、大幅に改良を加えた2号Type−3が4.5リットル/回なので
毎分18リットルというのはまさに史上最強のスペックを持つマシーンなのです。予定では
9月末に最終実験、そして10月初にはいよいよ海でパワーオン!!
ああ恐るべしMr.ごんずい・・・
(矢田)
今回は珍しく真面目且つ環境問題の話。今年は我々ダイバーに非常に関連深い環境問題が
いろいろとクローズアップされています。新年早々のナホトカ号重油流出事故もそうですが
何と言っても最大の注目は諫早湾の干拓事業。あのギロチンと呼ばれた湾を仕切る遮断塀の
映像は確かにショッキングなものがありました。事故による環境破壊とは大きく異なるのが
人間が故意に行ったという点。ダイバーとしてはやはりこの行為に反対の立場を取らざるを
得ません。
諫早湾の干潟に住んでいた生物の多くは確実に死に絶えますし、ほぼ再生不可能でしょう。
ましてこの事業がどこまで公益になるのか?という物議が論争されている様では明らかに
先走り行為と非難される判断でしょう。
さて実は妻の実家は長崎県・諫早でこのお盆に帰省した際、諫早湾の現状を見て来ました。
一言で言えば『もう手遅れ』という気がします。湾の仕切られた内側は既に干上がっており
とても干潟の生物が生きてゆける状態ではありません。更に腐敗により周囲はかなり悪臭が
立ち込めていました。車で走りながら窓を開けても臭かったので近所の人は大変でしょう。
ムツゴロウに代表される干潟の生物は既に相当の数が減ったと思われます。ムツゴロウは
かの有名な有明湾よりもこの諫早湾の方が生息個体数が多かったという調査報告結果もあり
何故もう一度論議が出来なかったのか?と思います。と、そんな事を言っても僕はこの環境
破壊に対し直接影響を受ける事はないので地元住民の思惑なぞまるで無視して反対・反対と
怒り騒いでいるのですが、地元の人の心境はさぞ複雑でしょう。まるで諫早湾周りの人間の
利益の為だけに環境破壊をした様にも報道されているし
今まで日本中いたる所でさんざん
破壊を行ったくせに何故諫早湾だけ叩かれるのか!という声も当然あるでしょう。
しかし清く正しく納税している一国民として僕の主張を言わせてもらうと『白熱の論議は結構
だが強硬は卑劣すぎる』です。今まで中止した前例がないからという役所の典型の様な考え
では情けないのです。(2)へ続く。 (矢田)
前回からの続きで珍しく環境問題について訴える話。日本有数の諫早湾の干潟をあまりに
安易に破壊してしまった日本人なのですが、逆に我々に何が出来るか?と思うと難しい問題に
直面します。何故なら我々ダイバーは海を、自然を守ろう!!と言いつつ確実に海を破壊するから
なのです。
海から見りゃぁ水中で生活する訳でもない人間共がのこのこ海にやって来てかき回して行くの
だからダイバーは多かれ少なかれ海を破壊しています。典型的な例は水中銃による乱獲。
今や銃を使った捕獲はほとんど許されませんが、一部の海では今でも食べもしない小魚まで
むやみに殺しているのが現状。ボクは魚を取るのは悪いとは思いませんが、殺したら食べて
やらないと彼らも可哀相ですよネ。
次にフィンキック等によるサンゴやトサカ類の破壊。ここ5〜6年という短い期間でも大瀬崎・
先端のトサカは激減したし、今は見事な伊東のソフトコーラルもこのままでは直に少なくなると
思います。場所によっては海中の岩に触る事すら禁止している所もあるけど、明らかに初心者に
多く見られるこの手の破壊は各自のスキルアップに頼るしかないのです。また僕たちイントラの
指導力にもかかって います。
最後にゴミ。さすがにダイバーが海中でゴミを捨てる事はないですが、浜辺でくつろいだ際の
ゴミをきちんと処理しないと海へ流れるのは明らか。少しカン違いしてる人が多いのはミジン
ベニハゼ。よく空缶の中に入って顔を出している写真がフォトコンに見られますが、あれは
人間によるゴミ汚染を訴えたもの。カワイイから当選している訳ではありません。
この様にダイバーは悲しくも海を汚す危険性が高いのです。自然を守るという意味では潜ら
ないのが一番に決まってます。と、僕は勝手にジレンマに陥ってしまうのですが決して悲観
する事はありません。逆にダイバーでなければ判らない海の素晴らしさや汚染の具合を一般の
人達に伝える事が出来ます。これが僕の主張。こう考えると少し気が楽になります。ネイチャー
派のごんずいは海を愛するがゆえいろいろと勝手気ままに書きました。でもいいよね、これ
『Mr.ごんずいの戯言』だもんな… (矢田)
暑いんだか寒いんだかよくわからない97年夏も過ぎ、すっかり秋。いよいよ水温も高く、透視
度も良いダイビングのベストシーズンになりました。しかもこの時期の伊豆は黒潮に乗って
やって来る死滅回遊魚たちまでも見る事ができる何ともお得な?シーズン。
そもそも死滅回遊魚という名前は良くないと前々から訴えているのですが、いわゆる幼魚達が
南から流れて(回遊)来て、冬を越せずに死んでしまうところから その名が付けられています。
但し中には冬を越して住み着く逞しいヤツもいる様です。
この死ぬか生きるかは魚種にもよると思いますが 一番彼らにこたえるのが水温だと思います。
今までもネジリンボウ等の南方系の魚はその冬により越冬したり、死滅してしまったりと、その
年による様です。一昨年の冬の様に12℃くらいまで下がってしまうとアウチ、14℃くらいならば
恐らくセーフという 1〜2℃が運命の境目だと思われます。なのでガイド的には水温が下がり
過ぎない事をひたすら祈る思いです。
ハゼ等の巣穴を持つ魚はともかく、チョウチョウウオの幼魚等はほぼ確実に死んでしまうみたい
です。トゲチョウチョウウオの幼魚もこの時期確実に見れるのですが伊豆では成魚は見れません。
少し可哀相ですがこれも自然の摂理、いた仕方ないです。 なので9〜11月、せいぜいこの時期
彼ら幼魚のカワイイ振る舞いでも見てあげましょう。
生き物というのは不思議なもので小さい頃は共通してカワイイ存在に思えます。これは哺乳類
から魚類に至るまで同じ。人間の赤ちゃんはどの子もみんなカワイイ(うちの竜士は別格だが・・・)
もの。但し人間にたとえるとロリータ嗜好という事になって、アブないですが
この時期に現れる
南方系の幼魚はどれもみな成魚に比べ奇麗な色彩をしています。メガネスズメダイの幼魚なんて
大人に比べて全然奇麗で絵になります。雑誌等にも『本当にこんな魚が流れて来るのかよ?!
』と
疑いたくなるような南方系の魚まで現れる伊豆半島。
彼らは最近のマクロ写真の格好の被写体となっており、246で言えば澤田君の様な小物ファンに
とってこの時期はオタクでオトクなベストシーズンなのです。 (矢田)
第56話 ごんずい3号 謎のベールを脱ぐ!! がっ・・・ 1998-01
昨年秋に完成した新型小魚吸込み器のごんずい3号(開発コード名:GT−バキューマー)
ですが、
完成して3ケ月も経つのに全然日程が合わず海でデビューさせられませんでした。このマシーン、
90年にごんずい2号を開発した当初から構想はあったのですが安くて良い部材が見つからず、
完成までになんと7年もかかった夢のマシーンなのです。
スイッチを入れると2機のモーター(ここがGT:ごんずいツインの意)が作動して毎分18リットルの
水を吸い込む仕組みになっています。安い材料を・・・と探した挙句に電池式の灯油ポンプ
(1ケ
600円)を見つけ、ようやく制作にかかり これまた6ケ月もかけて完成させました。
さて運命の1月26日、日帰り大瀬ツアーを企画し いよいよデビュー。世紀のショーの証人は
堤&高松君。気がかりは水中実験は初めてな事(風呂場で水没すると空しいから・・・)。
端から
見て明らかに異様な器材?!のごんずい3号をBCに装着し、いざエントリー。
先ずは水深5mで動作確認と思い、吸引口を自分の頬につけてスイッチオン!!『ブィィィーン』、
『おおっー、吸引するぅ〜』夢のマシーン:ごんずい3号は見事に吸引したのです。嬉しくなって
堤&高松の両人の頬につけて吸引能力を堪能してもらいました。
次はいよいよ獲物探し。深場に移動し 獲物を探してウロウロウロ・・・ と、ごんずい3号を見ると
スイッチ部に浸水が! 『あっ、やべぇ〜』と思いスイッチ入れても全く反応なし・・・
(グスン) 哀れ
ごんずい3号は獲物を見つける前に水没しちまったのでした。しかし浅瀬に
戻ると弱々しい
ながらも再びモーターが回り始めたのです。その時 目の前にはごんずい玉がっ・・・
『よっしゃ!
イカレポンチ〜! (注:ごんずい2号のファイヤーに相当)』 しかしごんずい玉は何事もなかった様に
悠然と戯れていたのでありました(どっかで書いたゾ!このフレーズ)。 最終的には電池部にも
浸水し 完全なお陀仏状態で、浮上後器材を洗っている最中 スイッチ入れてもないのに『ブブッ・
ブィーン』と暴走し、分解しないと止まらなくなる始末でした。まるであかりちゃん.spec2の悲劇を
再現している様ですっかり落ち込んでしまった僕・・・ ごんずいシリーズはこれで永遠の終焉か?!
(矢田)
第57話 悪魔復活! オネクリM−10 堂々の完成 1998-01
今年も斜里町に流氷が1月25日 初接岸(流氷初日)し、いよいよ流氷シーズンがやって来ま
した。すっかり流氷にハマっている僕は地球温暖化が心配される中、よくぞ今年も来てくれた・・・
と感謝する様になりました。そして忘れてならないのが 流氷の天使クリオネ型水中ロボット:
オネクリです。
昨年たった一人でウトロに出向いたのは完成したオネクリを試したいという気持ちの現れでも
ありました。が、97年流氷型オネクリM(モデル)−7は現地では どっかん・どっかん?!ウケた
ものの 無残にも水没し、目的であった『クリオネとオネクリの共に舞うシーン』を写真に収める
事はできませんでした。そして今年あのままで終われない僕ちんは遂に史上最小、最軽量の
オネクリM−10を完成させたのです。
先ず軽量、小型、完全防水を開発の3本柱にあげ 1つずつクリアする方法をとりました。最大の
問題は水没です。今までM−6,M−7共に水中で動きましたが水没し、海水でやられて数日後
モーターがダメになった苦い経験があります。浸水は全てモーター動力を細ワイヤーで直結する
ハネの可動部からでした。これを改良すべくM−10では完全に防水されたシールド内で回転
させ、シールドの外でハネにつながった対の磁石が連動する磁力結合型にしました。更に小型
モーターの負荷を左右アンバランスとした事で水中では微妙なバイブレーションを起こしオネ
クリの動きは複雑なものになります。
次にM−7で既に5.5cmだった大きさを更に小型・軽量化する為、スイッチと電池を改良。
スイッチは超小型ディップスイッチに変更、電池は今までずっと使ってきた単5電池からボタン
電池に変え 大きさは4.5cm、重さはM−7の70%にまで小さくなったのです。従来の
モーターからハネの動きを直結するタイプはボタン電池では負荷が重過ぎて過去に諦めた
経緯があったのですが、今回 磁力結合型にする事で実現できました。
M−7までは横に出していたオネクリの特長とも言える黒いツノは M−10では前に出し、
流氷の悪魔を外見で主張させています。さあ、いよいよ流氷ダイブを待つのみ。今年こそ!
天使&悪魔の共演を実現させるべく準備万端のごんずいです。(矢田)
いよいよ98年流氷ツアー。と、言っても今年は堤君とボクの2人だけ。まあ、昨年がボク1人
だったので倍増か?! 来年はみんなで行こまいか。
さて、今回は流氷ダイブに加え 高所淡水&氷結ダイブを体験してきました。場所はあの
"クッシー"で有名な屈斜路湖にて。ボク自身 実は淡水ダイビングは初めてでした。
屈斜路湖は北海道・釧路支庁の弟子屈町にある 標高121m、水深−118mの日本で
7番目に大きな湖。冬期は一面が氷結しますが、今回はそこに潜ったのであります。通称:
アイスパックと呼ばれているこのダイビングは40cmも張っている氷にチェインソーで出入口を
開けガイドロープ沿いに潜ります。なんといっても驚くのが流氷と違い クリアな氷でガラスの
様に下が透けて見えるのです。と、言う事は水中からも上が見えちゃうのです。すごいでしょ!
生物は何も見なかったのですが、流氷とは一味も二味も違った氷の世界を体験できた事に
満足しています。
あまりにも氷が透けて見えるので水中から出入口の穴が見えないのにはさすがにビックリ
しました。あいにく この日は北海道全域にブリザードが吹き荒れた天候だったのが残念でした
(これもブリザード男:堤のせいじゃ!!)。
で、パックアイスの後は釧路川の川下り。でもカヌーで下るわけではなくドライスーツにパン
パンに空気を入れ、 3点を付けてのアドベンチャー。何事も経験だけどこの日の天候は何より
辛かった・・・ 屈斜路湖から釧路湿原を抜け、太平洋に注ぐ全長129Kmの釧路川を潮では
なくて川の流れに身をまかせ、まさに葉っぱになった気分。初めて流氷を見た時の気持ちに
似てたなぁ・・・ なんか日頃の生活の悩み事などどうでも良くなった気がしました。
途中、湧水のある場所の水はホントにキレイ! 素晴らしい大自然を全身に感じる事ができました。
ただ水量が少なく途中で倒木に引っ掛かったり、浅瀬に乗り上げてしまう事が度々で
更に
川から上がると吹雪いていて寒かった・・・
こうしてアイスパックと川下り、初めての経験で 『大自然を十分に遊び尽くす』という北国の
ダイバー達の遊びの基本を学んだような気持ちになった一日でした。(矢田&堤)
知床流氷ダイブもボクにとって4回目。もはやここまで来るとウトロは第3の故郷です。前日の
アイスパック&川下りで吹き荒れた天候ですが この日はピーカン無風で最高の流氷ダイブ
日和となりました。
今回のダイビングポイントは昨年と同様、ウトロ港よりちょっと離れた幌別バス停前の沖。
びっしり張った流氷の上を歩いてポイントに到着。そしてナント 246専用の穴を開ける事から
始まったのです。誰も入った事のない新鮮な穴(ちょっぴり嬉しいです)。チェインソーで四角く
穴を開けて出来上がり。そしていざ氷幻想の海へ・・・ 昨年と同様ホロベツ川の淡水による
ハロクラインが発生し、もやもやの層を通り抜けると いきなりスッコーンと見える不思議な感覚。
と、こうして紙面で書くよりも一度体験すると判るのですが、実に素晴らしいっ!
氷の成す造形は
もちろんなのですが、ハロクライン層と上の流氷の間に薄くスコーンと抜けている部分があるの
です。何か雲の上に出た様な感覚でワクワクしますよ。
さて生物の方ですが、いました!クリオネ。1.5cm位の小ぶりなヤツから3cm近い型のいい
ヤツまで あちこちで舞っていました。ここ3回 クリオネの写真は失敗しているので今回は気合
入れて行ったのですが、難しい〜! なにせ2cm程度の浮遊しているものをファインダーに入れて
撮るんですから ちょっとカメラを動かすと クリオネが一瞬にして視界から消えたり、カメラの動きに
引き寄せられたりするのはあたり前。
お馴染みの真紅の触手のフウセンクラゲの他に今回目立ったのが宇宙船とも言われるウリ
クラゲ。この電飾がまたキレイなんだなぁ・・・ 天気が良かったので上から差し込む光が出入り
口の四角い形に海底に写ってまた見事。これまたパラオのブルーホールに負けない美しさです。
流氷の下で氷が成長するシャンデリアが少なかったのと、氷自身が薄めだったのが残念でしたが
今年も最高の流氷ダイビングとなりました。(矢田&堤)
今回の流氷ツアーの締めくくりは流氷の天使ならぬ 悪魔オネクリ。昨年初めて流氷ダイブに
臨んだオネクリM−7は水中で動いたもののオーバーウエイトに泣き
そして無念の水没・・・
クリオネと共に舞うという人類史上初の偉業、いや愚業を達成する事は叶わなかったのです。
そしてMr.ごんずいのプライドをかけ 絶対に水没しないと自負する構造のM−10をひっさげ、
ウトロに乗り込んだのです。今回はオネクリ・キャンペーンを積極的に展開し、現地サービスの
ダイブハウス:トッカリのクリオネTシャツを見事なまでにパクッた
オネクリTシャツまで作り、
更にオネクリシールまでも用意しました。現地での反応は思ったより遥かに大きく、がぜん
ヤル気満々!!
そして流氷ダイブ当日、前日のブリザードがウソの様に晴れ上がり、絶好のダイビング日和と
なりました。カメラのハウジングポートのオネクリの入ったケース(オネクリハウス)を取り付け
水中へ。しばらくすると天使クリオネが登場。いよいよ出番じゃ!
いくぞオネクリ君! 前回30g
だったオネクリは小型化して23gまで小さくなったものの
恐らく昨年同様に沈むだろうと
思われた為、ピンポン玉を工夫して作ったオネクリフロートをあらかじめ装着しておきました。
そして運命の瞬間、オネクリM−10がオネクリハウスからハッチアウト!
シュッポーン!
な・ナント!!今度は浮力があり過ぎて一瞬にしてオネクリM−10はフロートもろとも上がって
行ったのです。ふと見るとオネクリがいない・・・ どこにもいない・・・
捜索に出たところ何と
オネクリは水深6mから一気に浮上し、ハロクラインの層を突き抜け、その上の氷に貼り
ついていたのでぃす(人間ならエンボ)。
オネクリを連れ戻してスイッチオン! ・・・・え、動かない、ピクリともしない・・・
なんてこったい、
オネクリはエンボで逝ってしまったのでしょうか?! 1本目が終わって見るとナント水没まで
してるぅ〜・・・ こんなはずでは・・・
すっかり落ち込んでしまいましたが、2本目にガイドの北口さんの協力のもと、クリオネと
既に死んでしまっているオネクリを写真におさめました(悲しすぎるぅ・・・)。決して成功とは
言えない今回のオネクリ、そして2年連続の失敗でもう後がないMr.ごんずい。この日から
既に99年型オネクリの開発は始まった!! (矢田&オネクリウォッチャーズ)
1つ前にもどる