見ぃちゃった見ぃちゃったニチリンダテハゼ見ぃちゃったぁと、ご機嫌なごんずいです。夏の
西表島ツアーで念願のニチリンダテハゼ(以下ニチリン)を見たので報告します。
テッポウエビと共生するダテハゼは大瀬や伊豆山にもいますが,そのダテハゼの中で最も
印象的なのがニチリンです。最大の特長は第1背ビレのマーク。まさしく日輪(ニチリン)を
彷彿させるこのダテハゼは日本では本当に珍しく、数カ所で確認されているのみ。『見たい
魚のリクエストありますか?』という質問に『ニチリン!』と言ったら、さすがのMr.サカナDSでも
『うーん』と言うくらい西表でも数が少ないみたいです。
話は少し飛びますが、その昔、福岡博多の某ビルの飲食階の広場で海水魚が入った水槽が
5〜6個並んでいて、なにげに覗いてみると何とニチリンがいるぢゃないですか!
あの時の
衝撃は今も鮮明に残っています。私はそこで初めて生のニチリンを見たのでありました。
話を西表に戻すと、我々がお目にかかれたのは最終日のラストダイブの事。水中ボードで
『すごい! ニチリンがいる!』と教えられ、確かにその指先を見ると・・・と、そこにいたのは色が
少し薄い普通のダテハゼ。そうです。特長の背ビレが寝ていたので外見はごく普通のダテ
ハゼとほとんど同じなのです。写真を撮るための "背ビレ出し待ち"をしたのですが、なか
なか立ててくれず、結局根負けして真正面から1枚撮っただけ... 出来上がった写真はやはり
ただのダテハゼでした。ちくしょう! 次の機会にはバッチシ撮ってやるゼ!!
(矢田)
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第12話 95夏の総決算! 北へ南へ3000km 1995-08
ごんずいです。いやぁそれにしても今年の夏は本当によく遊んだぁ!!
お陰で休み明けの
仕事が辛いのなんのって・・・ とにかく今年の夏の2回のビッグツアー(定義は伊豆半島から
離れるツアー)をまとめてかえりみるというのが今回の報告です。
まず北へ246(このフレーズ結構気に入っている)。3月の流氷以来今年2度目となる知床では
北の海の短い夏を体験しました。自分にとって初めてのオホーツクの夏でしたが印象に残った
のは,やはり地味な魚が多く、生物の種類も少ないという事でした(それでも厳冬と比べると全然
多いけど・・・)。しかし,食べるものは旨いっ!! ウニやカニ,イクラなど北の幸は北で頂くのが一番!!
次に南へ246。知床ツアーより僅か10日後に3000km南下し,亜熱帯の西表へ。南の海は
北とは対照的でした。カラフルでワンダフルでビューティフルな魚達が舞い踊るダイバーの
天国そのものでした。生物の数も種類も多いし、透視度も25m以上見えるし、やっぱり最高!!
ただ、毎日のパイナップルには少し飽きてしまった・・・。
この短期間中にダイバーで日本国内を3000kmも移動したのはきっとオレ達246秘境潜水隊
(Y,S,T)だけだろう・・・と思っていたら、後日あのニュース・.ステーションで須賀潮美ちゃんが
北海道.利尻島→沖縄.西表島ルートで潜っていました。似た事をやっている人はいるもので、
日本は広い様で狭いものであります。(矢田with関口&堤)
第13話 まる珍 パクパクに思わずV(ブイ) 1995-09
ダイビングをやっていてユニークな生物に出会うと思わず心がなごみますが、今回はその報告。
この生物は以前はパクパクと呼ばれていたそうですが最近はホホジロゴマウミヘビというたい
そう真面目な和名が付けられたそうです。いわゆるアナゴの仲間ですが、体色はなんとオレンジ
色! この点で近似種のダイナンウミヘビ(体色は銀色)とは見分けがつきます。それで顔は尖って
いて、いつも口をパクパクしています(だからパクパクと呼ばれていた・・・)。バカみたいにパクパク
しているので、思わず笑ってしまうこの珍種は ちょい前に雑誌で紹介されていたので存在は
知っていたのですが見たのは初めてでした。
場所は大好きな大瀬崎・先端右サイドの水深17mにて。近づくと"すぅーっ"と砂の中に隠れて
しまったので『あちゃー』と思ったのですが、暫くして砂から"にょき"と顔を出し口をパクパク・・・。
よーく見ないと判らない小さな目もカワイイものでありました。
近い種類でミナミホタテウミヘビというのが大瀬崎ではよく見ますが、対照的にこいつは"ひょい"と
砂から出した顔を 指でグイグイ押さえても平気なのに対して、パクパクは少し警戒心が強いみたい
であまり近づけませんでした。とにかく思わずVサインの出たパクパクとの1stコンタクトでありました。
(矢田)
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以前に自作水中アイテムの話をしましたが、今回はその続き。自作水中ライトの"あかりちゃん"の
悲しいお話なのです。
この自作ライトの開発コンセプトは水中蛍光灯でした。今まで各社いろいろな水中ライトを出して
いますが、未だないのが蛍光灯。ダイバーの使うライトは普通ピンポイントであり、蛍光灯の様に
室内の照明に使う広域の光源は意味がない!と、そこで終わってしまうのが普通の人。ダメだと
判っていてもとりあえず作るのがMr.ごんずいの呆れたところなのです。
某宗教団体も部材を揃えたという町田東急ハンズで電子工作キットを調達し、それをハウジング。
ネックになる防水は二重ラバー構造で完成!! 我ながらなかなかの出来栄えでした。
そして大瀬.湾内のナイトにて遂に世界初の水中蛍光灯"あかりちゃん"のデビュー!!
が、事態は
思ってもみない事に・・・ なんと別グループのダイバー達が蛍光灯らしき物を持っているではないか!
しかもメーカーのプロトタイプみたいな・・・彼らは世界初の私の偉業をあざ笑うが如く次々と水中に
消えていったのでありました。
悔やんでいてもしょうがない! 世の中にはオレと同じくだらん事を考えるヤツもいるものだ!
と開き
直りエントリー。が、17分後、無残に水没。水没後はオニオコゼを殴るただの棒になっていたの
でした。ちくしょう!! このままじゃ終わらんゼっ。"あかりちゃん"の改造(〜9/末)と、新作の
あかりちゃん・spec2(12/初)で必ずこの仇は討つゾ!! それにしても
あのメーカーのプロトタイプ
みたいなヤツは何だったんだろう・・・ (矢田)
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Mr.ごんずいです。今回はなぜ僕がごんずいの名前を語っているか?という、どうでもいい話
なのです。
そもそもこの "Mr.ごんずい" を使い始めたのは今から5年くらい前の事です。きっかけは特に
ないのですが、西表のMr.サカナをパクったのは確か。『私は魚!』なんて言える分際じゃない
ので、せめて好きな魚"ごんずい"にしたのが始まりです。
ごんずいという魚はとてもユニークでダイバーならずとも釣り人にも有名です。知ってのとうり
海に住むナマズの仲間で、地味な体の色と8本のヒゲはいかにもみすぼらしい・・・
また小さい
頃は集団になってごんずい玉と呼ばれる集合フェロモン群をなし、夜になると単独で行動する・・・
更に、弟1背ビレと胸ビレに棘を持つ毒魚で釣り人からの嫌われ者である・・・
と、ここまで
羅列するととても他人とは思えない、自分にとってとても愛くるしい魚なのです。
特に小さい頃のごんずい玉はとてもカワイクて、いつもちょっかいしてしまうのです。だから
見つけるとすぐ人に教えてしまうのですが、『なんだよ〜っ たかがごんずいで!』
なんて言わずに
私がガイドする時のお約束と思って頂けると嬉しいのです。
で、最近 Mr.ごんずいスタンプを作りました。今まで自分のプタンプを持っていなかったので
いつか作ろうと考えていたのですが、約5年の歳月をかけてようやく完成。みなさん!
これから
僕と潜ったらガンガン押してネ。(矢田)
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数ある共生ハゼの中で一度名前を聞けば忘れられないのがネジリンボウ。名前の由来は
多分、体のねじり縞の模様からだと思いますが、それに加え頭の先っちょが帽子をかぶって
いるみたいに黄色いのが特長。
このハゼの存在を知った時は伊豆にいるなんて考えもしませんでした。が、大瀬などでは
よく見られていて度々雑誌に紹介されてます。初めて見た時は残念ながらカメラを持って
おらず、じぃーと見てただけで満足だったのですが、いざカメラを持つと撮りたくなるのが人の
性。だから大瀬などでカメラを持って入ると必ず生息エリアで探すのですが、いかんせん臆病な
魚なのでなかなか見つからない!! でも遂にその時は来たのです。場所は富戸のヨコバマにて。
調査潜水を兼ね自分自身初めてヨコバマに入ったのですがラッキーでした。最初に写真を
撮っていたグループの後で待機し、自分の番が回ってくると気合入れてバシバシ撮影。近づき
すぎると穴に引っ込んじまうので慎重に近づくと、普段穴から離れない魚なのに穴から離れ、
底から15cm位の所を泳いでるわ、無警戒にもテッポウエビまで出てくるわで超ラッキー。
結局残りのフィルムを全て撮りきって自身満々で現像に出して後はひたすら出来上がりを
待つ(この間が妙に楽しい時間)。
ところが出来上がった写真は裏腹に被写体は小さいし、ピントはズレてるし・・・
ああぁ情け
ない。それでも一番ましな1枚を大きく引き伸ばしてニヤニヤしてる自分がカワイイ
今日この
頃なのです。(矢田)
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以前に自作水中ライト"あかりちゃん"の話を書きましたが今回はその続編。水中へ蛍光
ライトを持ち込むという画期的発想から生まれた"あかりちゃん"でしたが、1stダイブで無念の
水没を遂げてしまいました。原因はパッケージの防水の甘さで、採用した二重ラバー構造では
僅か17分しかもちませんでした。
一度は失敗したものの、このままでは引き下がれず今度は防水対策に防水接着剤を使用し
再度"あかりちゃん"は復活したのです。しかも今度は放水モニター(Mr.ごんずいスタンプを
押した紙)を内蔵し益々グレードアップ(どこが!)。そしていよいよ運命の大瀬湾内のナイトダイブへ。
どこぞのメーカーがオレの真似をして作った(そう決めつけている)水中蛍光ライトを持つ連中も
何人か浜にいて、それを見るとがぜんやる気満々! で、運命の19:00エントリー
20:40エキ
ジットの40分のナイトダイビングを無事完走。よく目立つと評判も上々。ナイト初心者からも
『どこにいるかすぐ判り安心感があった』との声もあり、開発者として嬉しいかぎりです。
しかし、"あかりちゃんプロジェクト"は未だ終わった訳ではありません。制作中のあかりちゃん
spec2では現行より約20倍の明るさ(なんと80W相当)を狙っています。きっと某メーカーの
物以上の光度が得られると考えてます。12月の恒例クリスマスin大瀬崎ツアーでデビュー
予定です。乞うご期待!!(矢田)
今から3年位前、三浦半島の油壷マリンパークに行った時の事です。発電するので有名な
デンキウナギを発電させる実験コーナーがあって、それを見て『はっ!』と思いついたのが今回の
話のネタ。
もちろん海にはデンキウナギはいなくて実験の対象はご存知シビレエイ。まぬけな顔でユー
モラスなこのエイは名前のとうりビリビリとしびれる様な自己発電をします。伊豆の海ではよく
見られ特に大瀬崎のナイトでは遭遇率がかなり高いみたいです。シビレエイの発電作用をダイ
バーがフィールドで視覚的に見れるような装置があるとおもしろいっ!と思い、作ったのが名付けて
"ビビるんです"。
構想は3年、制作10日で完成。発電を視覚でとらえるのにムギ球を使いましたが、通常これらの
電球には使用電圧があり、定格以上の過電圧では壊れてしまいます。シビレエイが発生する
電圧は60〜80Vなので、ムギ球の定格(約1.5V)より全然大きく、直列抵抗をつけて電圧を
ドロップするような作りにし、それをパッケージして両端子を出せば完成。
次はシビレエイの電極(±)がどこにあるのかですが2つの説があって(今まで見た文献で内容が
違う)、1.表面+裏面−説と、2.頭側+胸ビレ側−説。多分、2.が正しいと思うのですが、こんな
ものは実際にやってみた方が早いので気にしない。で、いざ大瀬崎へ!と意気込んで行ったのは
いいのですが肝心のシビレエイが見つからず・・・ ビビるんですは小さくBCのポケットに常備
出来るので次にシビレエイを見た時に結末を報告します。(矢田)
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今回の話の発端は5年位前の大瀬ナイトダイビング。言い出しっぺは荘先生。ナイトで変な
魚を見たらしくかなり興奮していました。その魚は砂に潜って目と口だけ出していて頭を殴ると
『オエ〜オエ〜』と鳴きながら舌をペロペロ出して逃げて行ったんだ・・・ という荘さんの話に
一同大爆笑。『そんな魚いないよ〜』、『何かの間違いじゃないの?』という冷ややかな声に
荘さんは『絶対に本当だ。信じてくれよっ!』と力説したのでした。
当時の図鑑を見ても該当するものは見つからず、やがてその幻の魚は大瀬オエオエウオと
命名され語りぐさになったのでした。ところが1年後のある日の事、お店で偶然"フィールド図鑑
フィッシュウォッチング"のミシマオコゼを見て荘さんは『これだ!』と声を上げました。これでオエ
オエウオの正体はミシマオコゼの仲間であることが判ったのですが、本当に舌をペロペロ出して
オエオエ〜と鳴くのかはなはだ疑問でした。
ミシマオコゼの仲間はナイトでの遭遇率が高いようで、特に大瀬崎の湾内では砂地という条件も
あるのでしょうが見たという話をよく聞きます。自分も何回か見ていますが、殆どは小型のキビレ
ミシマという種です。キビレミシマを見つける度に頭を殴ってみたり(少しかわいそうだけど・・・)、
一度は両手で握りしめたりもしましたが決して鳴きませんでした。
しかしこの前湾内で大型種のメガネウオをいじめた時、こいつはキビレミシマとは違って確かに
舌をペロペロ出すのです。こいつがオエオエウオの本当の正体?!と期待しましたが残念ながら
鳴きまでは確認できませんでした。今は"鳴かぬなら鳴くまで待とうメガネウオ"
といった心境
です。(矢田)
海にはいろいろな生物がいて未だに発見されていないものも多くいるに違いありません。
いくら図鑑の内容が充実してきているとはいえ、未だに自分の知らない『何ぢゃこれ?!』という
生物に遭遇し続けています。今回はそんな生物達のお話を2つ紹介します。
最初は3〜4年前に伊豆山で出会ったフグの話。形はコクテンフグに似ているのですが色は
薄汚れた茶色で、目は充血した様に真っ赤。水温が12℃と低かった為か動きは鈍く、すぐに
捕まってしまうまぬけなヤツでした。今まで見た記憶のないフグの種類だったので図鑑で
探したのですが載っておらず、かなり調べたのを覚えてます。普通の図鑑には記載が無く、
最終的には図書館まで足を運んで判った結果がアカメフグ(そのままじゃ!)。さほど珍しくない
らしいのですが不思議とそれ以後全く見ていません。フグの正体を調べるのに約1ケ月かかり
ましたが、まだこれは早い方。
もう1つの話は今年 大瀬崎の柵下で見た妙な横縞模様の魚。形はイシダイに似ているの
ですが模様は全く異なって、黄色と黒の横縞が入っているのが特長。発見した時に一見して
珍しそうだったのでカメラを持っていた堤くんに撮ってもらったのですが、かの『日本産魚類大
図鑑』を見ても載っていませんでした。『何かの幼魚だろうか?』と思いつつ月日は半年流れ、
このほど魚の正体がイシダイとイシガキダイの雑種である事を知って、やっとこ半年間のもや
もやが解消しました。
この他にも前回報告したメガネウオ(大瀬オエオエウオ)など正体が判明するまで随分と
時間がかかる生物が多く、あらためて海の生物層の広さを感じるのです。(矢田)
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