第1話 クリオネは心の奇麗な人しか見れない?! 1995-03
ういーす。ごんずいです。記念すべき"ごんずいの戯言"の第1回は流氷ダイブツアーの報告を
します。
さて我々伊豆ダイバーが流氷と聞いて連想してしまうのが=寒いですよね。今回ツアーに
参加したメンバーも最初はそう思っていました。ところがいざ実際に潜ってみるとこれが=痛い
でした。とは言っても実際に露出しているのは口のまわりだけなのでこれを工夫すれば3.5
mmネオプレーンドライでも全然大丈夫!!
さあ,5mmのフードとグローブ、そして伊豆の海より1枚増やしたインナーに身を包み15kgの
ウエイトと共にエントリー。海水面の氷の結晶がキラキラ輝く幻想的な世界を通り抜けると
そこはオホーツクの海。もちろん初めて体験する海なので心がドキドキする新鮮な感動を覚え
ました。
しかし−2℃の水温は強烈!! 最近TVで人気の"天使"クリオネは『心の奇麗な人にしか見る
事ができない』と言われているらしいが246メンバーは全員見たゾ。更に定番と言われている
ウミグモや,図鑑にもあまり紹介されていないミジンウキマイマイ(巻き貝の仲間でクリオネ同様
羽根を出して泳いでいる)も見たゾ。
ただ残念と言えば、流氷本体(遥かロシアまで続いている)が陸から遠く離れていたので流氷の
上で遊べなかった事(いろいろな遊びがあるらしい)、そして2日前までできたというスノーモー
ビルが雪解けでできなかった事。今年できなかった事は来年にとっておこうと前向きに思うと
今から待ち遠しく思えてしまう非常に楽しいツアーでした。(矢田)
第2話 進化するログ! 只今ログブック整備中 1995-04
どもっ! Mr.ごんずいです。今回は自分のログブックの推移についてお話ししましょう。
実は今まで自分のログブックには大きく分けて3回の変化がありました。最初の大きな変化は
絵の追加です。それまでのログは、いわゆるデータ(ポイント、海境コンディション、見た生物等の
記録)しかとっていなかったのに対し、毎回マンガチックな絵を追加した事により一番印象に残った
事を視覚的に表現できる様になりました。
2番目の大きな変化は顔写真の使用でした。これは絵の延長なのですが,写真を使う事でより
リアルで愉快になりました。もちろん写真を使われる本人の了承はとってありませんのであし
からず(使われても怒らないでネ)。
そして3番目の大きな変化は"飛び出すログブック"の登場です。飛び出す絵本のパクリと言われ
ればそれまでなのですが、ログを開くとマンタやロウニンアジが飛び出すシステムは画期的でした
(ああ自画自賛)。
と、この様に日々新しいアイディアを取り入れてログブックを作るのはいいのですが、あまりにも
懲りすぎてて2年くらい前から潜るペースにログが追いつかないという不測の事態に陥ってしまい
ました。最近これじゃいけないと改心し、現在はログ整備の真っ最中。ダイブ本数が多くなって
くるとログブックをつけなくなってしまう傾向がありがちですが、これには感心しません。後輩育成の
為か? 老後の楽しみの為か? 楽しいログブックを作り続けるのが自分の使命と考える今日この頃
なのです。(矢田)
1つ前に戻る
第3話 とうとう見たゾ! 大瀬崎のクダゴンベ 1995-04
ごんずいです。今回は95年GWツアー第1弾,4/29〜30の大瀬崎ツアーの報告をします。
本当は大瀬の先にあるnewポイント井田&大瀬のダイビングを予定していたのですが、都合に
より井田へは行けず,結果的に大瀬崎のみのツアーになってしまいました。
でもその大瀬でとうとうクダゴンベを見たのです。『なんだよ〜クダゴンベかよ〜』なんて言わ
ないで!! 海外や沖縄ではなく伊豆で見た事に価値があるのです(キッパリ断言)。
クダゴンベはとても美しい魚で暖かい南の海では普通に見られる魚の部類です。その昔、
サカナおたくの教祖?!とも言われる西表島のMr.サカナ(笠井氏)がカワイイ魚という事で
ショップのTシャツにプリントしたり雑誌に紹介した事などから一躍人気者になりました。
冬は14℃まで水温が下がる伊豆半島でも生息が確認されており、特に大瀬崎は有名です。
ゴンベの仲間の中では極端に数が少ないといわれています。このクダゴンベ君はお気に入りの
トサカ類があると数週間はその場所にいるというのが定説で、今回潜る直前にサウザーの
荒井氏から『水深30mにある黄色いトサカにいるよ』 という有力情報を得てそこのトサカまで
まっしぐら! 案の定クダゴンベ発見!!というわけです。
今まで何度となく探していたのですが見つけられず悔しい想いをしていたのですがやっとこ
大瀬で見れました。とてもラッキーでありました。(矢田with澤田)
ごんずいです。今回は私の過去についてお話ししましょう。と言っても秘密めいたものではなく、
自分の作った水中アイテムについてです。
子供の頃から自分で工夫して何かを作る(特にくだらない物)事が大好きであった少年"裕貴
君"は21才で水中世界に飛び込みました。以来、246科学技術省長官と呼ばれる(誰も
呼んでないヨ〜)現在に至るまで数多くの水中アイテムを開発してきました。
まず、初期のものととしては水中用釣竿。当時、妙に水中釣りが流行っていて、最初は単純な
竹竿赤間1号から始まり、やがてリール付グラスファイバー竿の玉砕1号/2号に進化しました。
ちなみに名前は八丈島:赤間ダイバーズインの赤間さん(有名人)が裏の竹薮から材料を調達
してくれたから記念に付けたり、いつもネーミングは感性のまま・・・
次に作成したのが水中垂れ幕。これはお馴染みの人も多いかも。最初は90年の西表島ツアー
で荘、高橋、浅井(共に敬称略)の3氏が同時200本ダイブという偉業?を成した時に作った
おめでた1号。この時は布切れに赤いスプレーで字を書くという族バリのものだったのですが、
その後100本記念用に各自のネームを縫い付けたおめでた2号が登場し、現在も活躍してます。
縫い付けがとても手間ですが出来上がりがきれいなので続けてます。
お店に水槽があった90〜91年頃は海水魚を採取するのが流行り、登場したのが
あのごんずい
シリーズ。そして遂にあの平成絶叫マシーンが世にデビューするのでありました。(2)へつづく
(矢田)
1つ前に戻る
ごんずいです。前回からのお話で91年頃の事です。
魚を取る為の水中アイテムで私は最初、手網を改良して、一度網に入ったら二度と外に出られ
ないというごんずい1号を作成しました。が、思うように取れない(魚に近づくと逃げられてしまう)
という根本的問題に直面し、何かメカニカルな方法で魚を取れないだろうか?と思案したあげく
開発したのが あの平成絶叫マシーンといわれたごんずい2号です。
これは円筒の中にバネで動くピストンが入っていて、スイッチを押すとピストンが作動
して筒の
中に海水もろとも魚を吸い込んでしまうというそれは恐ろしい"マシーン"でした。開発当初より
予想されていた吸引力不足を解決すべく91年後半には後継機ごんずい2号Type−2(通称:
ごんずいランチャー)の作成に着手しましたが、完成度30%で残念ながら計画が凍結してしまい
今日に至っています。いずれは電気掃除機をイメージした"ごんずい3号"を作ってやろうと思って
いましたが、ごんずいシリーズの復活は未だ先になりそうです。
以来、ここ2〜3年はメカニカルな水中アイテムは作ってません。最近になり、もう一度水中アイ
テム作りに没頭してみようかな・・・との考えが頭をよぎり、実はその準備を始めました。その
第1弾である自作の水中ライト"あかりちゃん"が登場する日はそう遠くないでしょう。
(矢田)
1つ前に戻る
今回は先日の6/3〜4の大瀬崎ツアーからの報告です。大瀬崎は言わずと知れた生物の
宝庫ですが、今回私は初めてダルマオコゼを見ました。『えっ?』と思うかもしれませんが,確かに
この名前を聞けば誰もが背ビレに猛毒のある岩の様な魚を連想してしまいます。でもほとんどの
人が想い浮かべているのはオニダルマオコゼでしょう。
私もオニダルマオコゼであれば今まで何度となく(特に大瀬で)見た事がありました。が、今回
見たのはオニではない普通のダルマオコゼ。ぢゃあどこが違うの?と魚類図鑑を開いてみると
意外な事にオニダルマオコゼは必ず出ているのに対し、ダルマオコゼは掲載もされていない
事が多いのです。私が知っているところではダルマオコゼの生態写真が出てるのは日本産
魚類生態大図鑑(東海大学出版会)しかありません(95/6現在)。ひょっとするとこれは稀種と
いう事なのでしょうか?
ともあれダルマオコゼという魚の特長は顔にあります。ダルマの様な顔をしていて、体はまるで
岩みたいなオニダルマオコゼよりは若干スリム。頭でっかちのユニークな形をしています。ひょこ
ひょこと歩く姿は実にカワイイものでした。前日のナイトではオニオコゼも見ることができ、オニ
ダルマオコゼ、ダルマオコゼ、オニオコゼという名前の似た3種が全て見れる大瀬の湾内、甘く
みるべからずなのです。(矢田)
突然ですがあなたはホタテエソという魚の名前を聞いたことがありますか?
世間的には決して
メジャーとは言えないこれらのマニアックな魚たちも,近頃の素晴らしい魚類図鑑のおかげで
世に紹介されつつあります。
ホタテエソ最大のエピソードと言っていいのが、比較的最近発見され、新属/新科/新種に分類
されたという点でしょう。この珍種、我々のホームゲレンデである伊豆半島で個体採取されたと
いう身近な存在でもあります。
細長い体に大きな胸ビレ、そして最大のチャームポイントは背ビレにあります。水中では砂地の
上でじっとしているのを良く見ますが、人の気配を感じるとジャンプする様に素早くピュッと移動
します。移動中は背ビレは折り畳みますが、落ち着くと必ずピンと背ビレをおっ立てます。この
仕種が妙にカワイイので私も好きな魚の1つに入れています。
最近ではホタテエソが見たいというリクエストも多くなってきました。さすが珍種というだけあって
私が初めて見たのが大昔ではない93年11月の事。場所は大瀬崎の先端にて。彼らはあまり
動かないらしく、−25〜30mの水深で比較的安定してウオッチングできています。さあ貴方も
この珍種を自分の目で見てみませんか? (矢田)
1つ前に戻る
今回は7/28〜31の知床半島ツアー陸上編の報告です。今回、知床半島の最北の町ウトロ
より北上し、前人未踏の僻地へ潜るという壮大なスケールのものでした。"知床"の語源は
アイヌ語で"地の果て"という意味からきているとの事でしたが、そこはまさに地の果てを彷彿
させるものがありました。
先ず,初日ウトロ到着後に秘境の温泉カムイワッカの滝へ。ここは本当に秘境中の秘境でウトロ
から山中へ車で約30分、更に約30分の沢登り後,ようやく滝壷に到着。岩盤から湧き出るお湯と
沢の水がブレンドして温泉の川になっている世にも珍しいものでした。
翌日、いよいよウトロから出航し、秘境知床岬方面へ! 漁師番屋までの約2時間の船旅が自分に
とっては だだっ広いオホーツク海をマリンジェットで自走するという予想もしない展開に・・・これは
全くの偶然ですが、,途中トドに遭遇したおいしい所は堤君が担当し、それ以外の吹きっさらしの
厳しい所は矢田が担当でした(涙)。番屋での食事は豪快そのものでホタテ、ウニはほとんど食べ
放題!!
残念だったのは天気がいまいちで満天の星空が見れなかった事。それと知床岬へ上陸を試みたら
環境庁の監視部隊がたまたま?!いて(現地:木澤氏いわく初めて)上陸禁止と追い返されてしまった
事。その日は曇っていて北方領土は見えなかったけど、翌日は知床峠から巨大な国後島をばっちし
見れました。ロシアから返還された暁には一度潜ってみたいと思うごんずいでした。(矢田)
1つ前に戻る
今回は先日の夏の知床ツアー水中生物編の報告。
私たちは普段,伊豆という世界に誇れる海に当たり前のように潜っていますが、オホーツクの海は
それとは対照的です。一言で表現するならば『原色の海』。つまり、魚はあくまで魚らしい色をして
いて、カラフルなものはほとんどいない海です。南方の海に見る華やかなちゃらちゃらしたヤツらは
北の海には存在せず、本当に地味な魚ばっか! それでも自分にとってはほとんどが初めて見る
ものばかりで新鮮でありました。
流氷ツアーでは2本潜って僅か1匹のフサギンポしか見れなかったのに対し、さすが夏となると
魚も増えてエゾメバル、アイナメ、ギスカジカ、クロガシラカレイなど知床の常連魚はひととうり
見れました。でも今回のターゲットはホテイウオ(通称:ゴッコ)に代表されるダンゴウオ系統の
魚を見る事。彼らは一様に変な顔をしていてとても愛くるしいのです。
図鑑によるとフウセンウオとかナメダンゴとかを水中で見つけるのはかなり珍しい様で、『この
写真は○○のxxmで撮影された』などと書かれているものが多いのです。案の定、海の中では
これらのユニークな連中を見つける事はできませんでした。が、幸いな事にカニ直売所の水槽で
コンペイトウとご対面!! これがカワイイのなんのって・・・ イザリウオも人気があるけどコンペイトウは
絶対に一見の価値あり。ちょっと失礼して水槽から取り出し手の上で記念写真したら腹の下の
吸盤でぴとっと張り付くコンペイちゃん!! という訳で来年の夏も北国へ行く事になるのかなぁ・・・
(矢田)
1つ前に戻る
今年の夏は5年ぶりに沖縄.西表島に行ってきました。今回はその報告。
ダイバーならば一度は行ってみたい秘境.西表へは那覇から400km南西の石垣島へ飛び、
更に高速船で西へ約45分。イリオモテヤマネコが生息する事で有名なこの島は水温が28〜
30℃、透視度25m以上、生物はいたって豊富で大物から小物まで・・・と4日間のフルダイ
ビング中はダイバーにとってまさに天国そのものでした。
今回は現地サービスとしてミスターサカナDSを利用しましたが、ここのガイドは特筆すべき
ものがありました。知っている人もいると思いますが,まず第1にブリーフィングが素晴らしい!
ポイントや見れる生物はもちろんの事,すごいのは生物に関するエピソードを盛り込んだお話
まで付いているのです。これには感心しました。
第2に実際に見つけるのがうまい事です。確かに根付きの魚等はあまり動かないし・・・と
言ってしまえばそれまでですが、どのガイドも本当に良く見つけます。第3に大きな水中ボード
での説明。小さな水中ノートでは全員に教えるのは至難の業。その点、大きな水中ボードを
使っての説明だと後ろにいても字が読めるので集まってこなくてもよい(砂の巻き上げも少ない)
し、一度にみんなに教えられるという優れ物なのです。
水はキレイで生物数も多く、ガイドとしてはうらやましい条件が揃っているけどこっちも負けられ
ない!! サウザーの荒井氏は既に水中ボードを採用してるし、自分も何か考えなくては・・・と、
非常に勉強になったツアーでした。(矢田)
1つ前に戻る