熊谷からブラジルの街・大泉へ 

 2016年11月16日、埼玉県熊谷市、群馬県大泉町他


群馬県邑楽郡にある大泉町は町内の工場勤務者としてブラジル人を多く誘致しており、時期になるとサンバカーニバルもあると言う、そんな異国感のありそうな街としてかねてから興味があった。そんな大泉町をルートにはさんで、熊谷あたりから走り出しラーメン好きな自分にとっては尽きせぬ魅力の栃木・佐野市に出てみようと、ルートを計画した。

熊谷駅までは上野東京ラインのお陰でのんびりと行くことが出来る。駅前ランドナーを組み立ててほぼ真北に向かってルートを取る。しばらく走るとのどかな風景となりランドナーに相応しいのんびりポタリングルートになる。埼玉もこのあたりまで来ると北側にはいつも赤城山が大きく見えるようになる。ずっと北上すると利根川の土手に出て刀水橋でこれを渡るとはや群馬県だ。もうここは目的地の大泉町であるが、工業団地となりまだブラジルタウンらしい風景は無い。が暫く街中を走っていると集合住宅にブラジル国旗を掲げた一角となり、ポルトガル語の店の看板などが出てきた。またブラジル食料品などを扱うスーパーもあり、ちょっとしたリトルサンパウロであろうか。ブラジル食料品店に入ってみるとブラジル人女性と数名に家族ずれが買い物中、馴染みの無い包装のスナックや調味料、それに生活雑貨などもおいてある。またお惣菜も置いてあるが初めて見るチキンの料理だった。ふと、自分達もそうだった、と思い出す。ヨーロッパに住んでいた頃やはりこうしてデュセッルドルフやパリの街中にある日本食材店に家族と共によく出かけていたものだった。食べなれたスナックから調味料、豆腐、納豆に麺、小さいながらも何でも揃う異国の中の母国と言えた。ここもそんな存在なのだろう。

大泉には自動車会社(第2次世界大戦の頃の航空機が好きな自分にとっては日本最大の元・航空機メーカーと言いたいが)の工場や大手電気メーカ、食品メーカの工場などもあり、そんな一角をランドナーで走るぬける。盲腸線の東武小泉線の終着駅(西小泉駅)がありそれに沿って暫く走り再び北に進路を向けると再びのどかなルートとなった。空気が澄んでいるのか秋空も素晴らしく、のんびりと走るうちに秋の日も傾きかけ影が長く伸びるようになった。

東武伊勢崎線をくぐり佐野市までラストスパートをかける。佐野市の市境で夕暮れも近い。佐野はラーメンの街、何度も通っているお馴染みの店が何軒もあるが、今日は駅から一番近きてこの時間でも空いている店を選んだ。この店は3度目くらいだろうか、相変わらずの美味しさに満足して、佐野駅に戻りランドナーをばらして輪行袋に入れた。入線してきたのは、これは嬉しい、湘南塗装の115系。横須賀線塗装よりも個人的にはこちらのほうが好みでもある。もう東海道線から引退してしまい残念だが、まだまだこうして会えることが何よりだ。

佐野から小山に出て、川崎駅までは乗り換えなし。グリーン車でプチ贅沢をしながら地元横浜に戻った。走行距離47km。

熊谷駅で輪行袋を解いた 暫く走ると赤城山が大きく見えてきた ブラジル国旗にポルトガル語看板
秋空が高い 伊勢崎線は単線だった 最後は追われるように漕いで佐野市に入った 懐かしの湘南塗装115系にはワクワクした

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