恒例の富士二ツ塚へのスキー登山へ 

 (2014/3/9、静岡県御殿場市)


(樹林帯を抜けて二ツ塚(左と中)へ向けての
大斜面を行く。距離感を失う広大さだ)
(ウインドクラストした斜面を滑るのは難しい。
おっかなびっくりでシュプールを残した。)

前回の山中湖北岸の山へのスキー登山から2週間、今度は例年のこの時期のトレーニングの山である富士山の寄生火山、二ツ塚をSさん(JI1TLL局)とともに目指 しました。ここは地元横浜から最も手近なバックカントリースキーエリア。ただし雪がそれほど多くないので旬な時期は限られる。が豪雪だった今年に限っては問題ないでしょう。

前回のこの山は丁度一年前、昨年は雪が全く無く登り初めから15分はザックにスキーをつけての登山でしたが、思惑通り今回は2月に関東を襲った2回の雪の影響で車道の回りもまだ腰辺りまでの雪の壁、お陰で登山口 に車を停めることもできません。太郎坊トンネルを越えた広場も先行車2台が泊まっておりその横は雪の壁で侵入不可能。やや戻りすでに5,6台は停まっている先行車の車列に注意深く縦列駐車しました。

天気はやや曇り。ところがスキーにシールを張っているとちらちらと小雪が舞い始めました。予報では昼に近づくにつれ晴れるということでしたので出発。のっけからスキーを履いて歩き始めます。林間の切り開きを北上するのが例年の登りコースですがここはまだトレースがありません。雪は豊富すぎるほどで、素晴らしい粉雪です。樹林を抜けるとウィンドクラストした斜面となりシールを貼ったスキー板でシュカブラを割って 高度を稼ぎます。ガスがかかりホワイトアウトしそうな大斜面ですがここは毎年のゲレンデです。勝手しったる斜面をひたすら登っていくとガスが晴れて、広大なスケールの真っ白な大海原が出現しました。目指す二ツ塚が左手に高い。宝永山も右手に現れました。距離感を失うこの雪の大海原。先行するSさんのシュプールを借りて乱れてきた呼吸を抑えつつ ひたすら登ります。二ツ塚(妹山)の最後の斜面は完全に氷化しており、エッジを立てますが嫌な感触が足裏に伝わりました。

寒風吹きすさむ妹山山頂ですが、持参したツェルトをスキーと山頂の神社の縁石を利用して張ると、中は風もシャットダウン、柔らかい日差しを受けて温室の中。きわめて快適な避難スペースの出現です。この中で昼食。Sさんはハンディ機で何局か交信していますが、肝心の私のリグは不調で電源も入りませんでした。ここはこれまで何度も登っておりこのピークからの交信も何度もしているので今回はツェルトの中でまったりするのみ。持参したテルモスのお茶に体が温まりました。

下山は広大なバーンをどう滑っても構いません。ただしシュカブラを破っての強いスキーが必要です。そんな技術無いぞ!ゆっくり斜滑降とシュテムテレマークターンで切りぬけます。しばらく下ると今度は雪面が柔らかくなります。富士山は雪質の変化が激しい。ターンが容易になったので、転倒することを気にせず少しスピードを出してフォールラインに対してまっすぐ下りるようにトライしてみます。上手くいくはずもなく大転倒。しばらくそんなことの繰返しで、樹林帯に戻ってきました。ここからは朝の通りさらさらの粉雪が待っていましたがスノーシューのトレースでルートはボコボコです。 それでも樹林の切り開きを目指します。樹林帯の中、枝を払いながら下ると最後は樋状の沢になり、今回は選んだ160cmの長い板が災ってかこのような喉のような地形ではやや苦労。なんとか下りて無事太郎坊トンネルに下山しました。

登り2時間、下り1時間。まったく気軽に楽しめるバックカントリーに感謝。帰りはお約束でいつもの御殿場市営温泉会館。(500円) 今日も山もスキーも温泉も大満喫でした。無線機の不調で山頂オンエアが出来なかったのが残念です。


(戻る) (ホーム)