お正月は丹沢前衛でアマチュア無線運用 革籠石山 

 (2013/1/3、神奈川県愛甲郡愛川町)


お正月、1月2日3日は日本アマチュア無線連盟主催によるニューイヤーパーティがあり、山頂から各局への新年の挨拶をするのにもってこいだ。お正月休みでだらけた体には手短なピークに登ることしかできない。丹沢前衛、仏果山の稜線上にある革籠石山(640m)はまだ登ったことがなく、半原越からならすぐだろう。

(土山峠分岐から見る革籠石山)

車を走らせながら430をワッチしていると登山口の半原越の手前で、すでに経ケ岳山頂に移動しているJL1BWG局(Iさん)を430で発見、つい先日Iさんを含むフレンド局と忘年山行で浜名湖の山をともに歩いたばかりだ。新年初 QSOだ。Iさんの居る経ケ岳と目指す革籠石山は車道の通る半原越をはさんで反対同士、距離は近いが自分は今日は50MHzの運用予定だから混変調の心配はないだろう。

半原越にて、Iさんの車の向かい側に車を停めると、もう一台の栃木ナンバーのレガシーが停まっている。栃木からこんな山まで、新年早々になんたる物好き、と呆れていると、なんとその車から山姿の男性3人が出てきた。その一人、どうみても見慣れたニット帽と赤のミレーのザック。おま けにグレーのマウンテンパーカーまでザックに挟んでいる。ありゃ、ぱっとみて他人の空似かと思うが、どうみてもかの人はこれまた忘年山行でご一緒させていただいたJI1TLL局(Sさん)そのもの。一瞬躊躇して声をかけるとSさんもぶったまげた様子で、偶然の邂逅に信じられないといった様子。Sさんは栃木に住む学生時代の山仲間と経ケ岳に来たとの事。しかしこんなことってあるものか。お互い何の計画も知らないのにばったりとは。Sさんに、山頂にIさんが居ますよ、驚かせてください、とQSP。

半原越から革籠石山までは小ピークをいくつか越えていくのだが、ずるして地形図も持参せず、山と高原地図のみ。それもザックに入れたままで、歩 いていると着くだろう、とタカをくくっているといつの間にか腕時計の高度計が690mを示している。あ、これは気付かずに通過してしまったか な、と地図を見て、どうもそうらしい、でもまぁ山頂は踏んだわけだろうし、ここでやるか、と適当な小ピークで無線運用とする。しかし確か革籠石山には立派な山頂標識がある、と聞いていたが見当たらなかった。まぁいいか。。 2.5Wにヘンテナで50メガSSB。さすがにロケもよいこともありパイル交じりでよく呼ばれる。これは嬉しい。一通り楽しんだので今度は50メ ガでAM。これも数局。更に今度は電信に挑戦。電信は久しぶりで恐る恐るベビーキーでモールス打電。がこれは空振りで内心ホッとする。SSBに戻すとJJ1KAE(Iさん)、JR1NNL(Gさん)など山と無線の仲間に立て続けに呼ばれて気持ちよ くQRT出来た。

半原越えに向け、来た道を戻る。と下山後5分で、土山峠への分岐を右手に分けて、あれ?改めて山と高原地図をみると、どうやら自分は勘違いしていたようだ。革籠石山はここからまだピーク2つ先の様子。自分はその1つ目で、革籠石山を通過してしまったと勘違いして無線運用をしたのだが、これでは通過したのではなくその途中で無線をしたことになってしまう。なんと、まだ革籠石山を踏んでいない。これでは駄目だ、と急遽回れ右をして再び登り始める。我ながら何やっているんだろうと呆れるがこれでは山ランポイントにもならない。目の前に高く伸びる木の階段がこんなときは辛い。先ほどの小ピークを越えて10m程度下りてまた100m近く 滑りやすい木の階段道を登っていく。目前の結構尖ったピークが革籠石山で、そこには事前にJL1BWG局に聞いていたとおり立派な山頂標識と八王子方面の展望が待ってた。なるほど、この標識には気付かぬわけはないだろう。ここで再び50メガSSBで一局交信。これで正真正銘、山ランもOKだ。

しかしやはり小さな山だと馬鹿にして地図もろくに見ないし高度計も入山時に更正すらしない、となると本当に踏み跡をたどるだけで現在地の把握も出来なってしまう。これは反省。

半原越えに無事戻り車の無線機の電源を入れるとまだJL1BWG局は経ガ岳で運用中。当初はここから経ケ岳は登り帰してBWG局とアイボールしようか、 と思っていたが、革籠石山への登り返しですっかり気力をなくしてしまい、そのままBWG局の心地良さそうなパイル捌きをずっとワッチしながら帰路に着いた。


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