栃木の低山巡り 唐沢山、大平山、晃石山

(2002/12/21,22、栃木県佐野市、栃木市、下都賀郡大平町)


(雑木林の尾根道には低山歩き
の楽しさが凝縮されている。落葉
をカソコソと踏んで山頂へ。)

年末の3連休に鬼怒川へ温泉旅行へ。その行き帰りを利用して栃木の低山を歩こう・・。横浜から湾岸高速を経て東北道へ。佐野で高速を下りて、課題の一つであるラーメンを先ずは食べる。佐野の市街地まで繰り出してラーメンを食べるのもこれで5回目で以前は行列で入れなかった店に今回はすんなりと入れた。家族とて週末のラーメン行脚にはすっかり慣れてしまったようだ・・これで低山行脚にも慣れてくれると良いのだが・・。


唐沢山

生憎の雨模様もラーメンを食べ終わる頃にはみぞれとなった。当初は大平山・晃石山を歩く予定だったがこれでは無理で、ガイドブックを広げて車でいけそうなところを探す。唐沢山は佐野の裏山という感じで車で山頂近くまでいけるようだ。

寒々とした山頂直下の駐車場で車を置き家族には車内で待っていて貰い、傘を差して山頂へ歩く。雨のガスがどんよりとして雑木林の中に粒子が溶け入りそうだ。雨の山にはそれなりの美しさがあるように思える。ただ雨だと山に行くことはあまりないのでその美しさは見慣れない。濡れた落ち葉を踏む。傘を叩く雫の音には雨粒の規則的な音に木の枝から落ちてくる雫の不規則な音が混じる。冷めた湿気を押し分けて神社の立つ山頂に出た。1200MHzで駐車場の家内と交信して下山する。


大平山晃石山

温泉と料理を満喫して翌日はゆっくりと帰路につく。家族も喜んでくれたのがなによりも嬉しい。が、別にテーマパークに行くわけでもなく名所・名勝に寄るわけでもなくそのまま山をめざすというパターンは何時まで家族も我慢してくれるだろうか。ただ山を歩くようになってから世間での名所・名勝といった風景が妙に自分の中で陳腐化してしまったのは事実で、百の名勝より一の山の風景のほうがはるかに心に訴えてくる。この事実を家族にも気づいてもらいたい。

栃木市の市街地を抜けて両毛線の大平下駅の近くで高架陸橋をこえて大平山の山麓に出る。グレープロードと名づけられるこの道の沿線にはぶどう農園が点在するらしい。大平山から晃石山へとぐるりと両山をまわるために山麓に車を置いてしばらく車道を歩く。しばらく歩き左に派生する舗装された山道に入りさらに上がると大平神社の参道に出る。ここは栃木市市街地からの車道が通じており同行の家族からは「えー、なんでここまで歩いたのぉ??」と苦情が出るが、まぁまぁここはなだめすかして登ろう・・。

この桟道沿いには土産物屋が続き、卵焼き(350円)が名物のようだが登りはじめが既に12時半だった為に先を急ぐことにする。下山して時間があったら戻るのも良さそうだ。苔むした階段となり大平神社へ。こじんまりとした良い神社で、ちょうど氏子が総出で年末への準備だろうか、しめ飾りを作っているところだった。30cmくらいの藁を数本づつ綺麗にたばねてうまく三つ編みの要領で編み込んでいく。何処からきた?と聞かれて家内が「横浜から」と答えているがどうも相手にピンとこないようだった。それはそうだろう、わざわざ横浜からここまで来る人が居るとは即座には思い浮かばないだろう。

神社の裏からすぐに山道となった。高度を稼いでいくと展望が広がり栃木市の市街地が一望できる。さらに進み木の根と石の混じる急坂を登って大平山の山頂には小さな祠が立っていた。手早くワイヤーダイポールを張って50メガでCQを出すがまったく交信が聞こえてこない。CQを連発しても全くの空振りで、10分近くたってようやく柏市の局から応答があった。ほっとしてQRTするが、ずいぶんと閑散としたバンドに寂しさを感じてしまう。ちょうど家族も簡単な昼食を食べ終えた所だった。

(下山して歩いた山を見る。夕闇の中民家の灯と
野焼きの煙が里の香りを漂わせていた。)

急な下り坂で山歩きの苦手だという家内はへっぴり腰となった。必要以上に怖がることなく足に体重を掛けておりれば良いのだがなかなかその要領がわからないようだ。子供たちはまだ身軽で先を進む。

大平神社の桟道から伸びてきた作業用の林道にクロスする。これはすぐ目の前の無線中継塔用の道で、それを横目に尾根道をすすむ。このあたりは雑木林の尾根道気分も最高潮といった所で、気持ちの良い尾根道をのびやかに歩く。南の方面には関東平野がゆっくりとひろがっており、その地平線はやや曇った空との間で境目は分明ではない。

しばらく尾根を辿り晃石神社に出る。その裏手の急坂を登れば海抜419mの晃石山の山頂だ。一等三角点が立つ山頂。これが目当てで登ったので立派な標石が嬉しい。小さな祠と鳥居が葉を落とした雑木の風情にマッチしている。ここで再び50メガにトライする。バンドをスイープするが全く聞こえない・・。CQ連呼も無駄な努力で時間のみが経ってしまい焦る。しかたなくここでは家内(7M4POE)と1200MHzで奥の手交信とする。しかし50メガは一体どうなってしまったのだろう・・・、12月というせいも、午後3時ごろというせいもあるが例年になく寂しい空だ・・。

子供づれの遅い足では晃石山からそのさきまで尾根伝いで歩くわけにも行かず、そこからまっすぐに下山し、夕闇迫る車道をのんびり歩いて駐車場へと戻る。家内・子供たちも良く歩いてくれて助かった。

(12:30駐車場-13:40/14:00大平山-15:03/15:25晃石山-16:35駐車場)

* * * *

車に戻り再び大平神社の参道を目指す。歩けば時間のかかったこの道も車では訳ない。参道に並ぶ土産物屋でぜひ名物の卵焼きを食べたかったのと、その土産物屋の玩具を子供が欲しがったからで、未だ開いている事を願ったが参道についてみるともう午後4:40で、はや店は閉まっており後の祭りだった・・・。卵焼き食べて玩具を買っても多分5分くらいだっただろう。たった5分で焦るなんてほんとうに都会人のせわしなさ!! そんなに焦ってどうというのだろう・・、山に来てまで焦ることはないのに・・。

東北道は空いておりよく流れる。加須ICで下りてから有名な加須のうどんを食べて横浜に戻る。加須のうどんはなかなか食べる機会がなかったので思い切って高速を途中下車できてよかった。相変わらず自分のやりたい放題の行程ではあったが、山にグルメの温泉に、満足の2日間だった。


アマチュア無線運用の記録

唐沢山・241m(栃木県佐野市)、 1200MHzFM交信、STANDARD C710+ホイップ
大平山・341m(栃木県栃木市)、50MHzSSB交信、自作4WSSB/CW機+ダイポール
晃石山・419m(栃木県下都賀郡大平町)、1200MHzFM交信、STANDARD C710+ホイップ



(今回の行程。ハンディGPSでデータを取り、カシミール3Dでトレース
をダウンロードしたもの。車道沿いの○印に駐車。(駐車場あり)
(上:雨の唐沢山山頂。下:晃石山
までの稜線から南方面を俯瞰)

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