佐野の名山・三毳山、家族旅行のついでに登る

(2000/1/8、栃木県佐野市)


(脂の膜が美味そう!甘目の
醤油味はなかなかいける)

週末に塩原温泉まで温泉+スキーに家族旅行。といえば聞こえは良いが、もちろん温泉とスキーというのも目的なのだが途中の佐野市の三毳山(みかもやま)からの運用も実は重要な目的だったりする・・。

三毳山は数年前のCQ誌に「山ラン」の主催者であるJA1JCA竹内さんが御自身とともに山頂からの写真を掲載していたのを見て以来、機会あれば登頂を、と思っていた。田中澄江さんの「新・花の百名山」にはカタクリの咲く名山として紹介されている。カタクリの時期にはまだ早いかもしれないが東北自動車道からアクセス抜群のこの山に行くのにもってこいの機会登場である。

東自動車北道経由で佐野市へ。佐野はラーメンの町おこしでも有名で昔やはりスキーに行く途中に高速を下りて立ち寄った事がある。その記憶は今や定かでないが、ラーメン好きとしてはそれも今回の重要な目的なのだ。あらかじめ佐野ラーメンのホームページで調べておいた人気のラーメン屋。一軒は何十人もの行列で三毳山登山を控えてこれでは時間がかかりすぎて無理だ。次の店。なかなか見つけにくいが途中で更に違う店を見つける。ここも人気店なので立ち寄ってみる。醤油ベースの甘目のダシは思ったよりコクもあってなかなかおいしい。青竹手打ちの麺、がうたい文句の佐野ラーメンにしては麺はやや柔らかい。茹で方にもよるだろうが。それにしても醤油ラーメンファンの自分としては大変嬉しい。近所にこんなラーメン屋があればなぁ、と思いながら目的その1を達成。

目的その2、自分にとっては実はもっとも重要な三毳山だ。

三毳山は229mの低山ながら関東平野と山間部の丁度境目にあるせいか標高の割に結構遠方からも目立つ。栃木花センターの横から登るのが最短と判断してそちらに車をまわすと、何と三毳山一帯は栃木県による県営みかも山公園として一大園地として開発されている事が判明。南端のピーク近くにある三毳神社直下まで園内を走るフラーワートレインなるSL型バスで行けるとのこと、またその近くには子供も遊べそうな遊具広場やジャンボ滑り台などもあるようで急遽家族とともにそれに飛び乗った。さて家族をストレスなく待ってもらいながら自分はピーク登頂+無線運用を行わなければならない。遊具広場とはいいかもしれない。三毳神社で僕だけ下車して妻には子供とともに遊具広場で遊んだら車まで戻ってもらうように頼むと、毎度の事と観念している妻は呆れ返って怒る気力もないようだった。

悪い!許してくれ!さすがに罪悪感は大きい。出来るだけ早く無線を終えようと三毳山229mのピークを目指して尾根道を南から北に向かって半ば駆け足で早歩きする。

南北に鯨の背のような三毳の丘陵を端のピークから反対側の端のピークである229m峰まで縦走(おおげさな!)する訳だ。公園事務所でもらったパンフレットにはこの229mピークは竜ケ岳と名づけられているようだが2.5万分の1地形図上のこのピークの名はただの三毳山である。低い山なのだが山は雑木が残っており雰囲気は悪くない。思いのほかアップダウンがあったり横着して底の薄いスニーカーで来た事もあって結構キツイ思いをする。早足をすると足が靴の中で滑ったりする。トレッキングシューズのありがたみも再認識。尾根道は割と長く歩き甲斐もあるが今は飛ばしているのでそれどころではない。栃木県公園事務所による開発はまだまだ続くようで尾根道の鞍部という鞍部にはすべて車道が乗っ越す工事が進んでおり、これではこの山中に例のフラワートレインが走り回る日はそう遠くない事だろう。

(山頂から西日に溢れた関東平野を) (三毳の関から望む三毳山229m峰)

最後の鞍部から三毳山ピークまでの標高差80m近くがもっとも急なところで、階段を走り上りたいところだが足はとうにいう事を聞かずにいささかゼーゼーで山頂に。山頂にある電波中継塔は目障りだが中継塔が立つのもなるほど肯ける大展望だ。雑木林の枯れた感じとその向こうの霞のかかった関東平野の広がりの素晴らしさ・・。

とにかく家族を待たす時間を最短にせねば、と大急ぎで6mのアンテナを設営。ワッチもそこそこにCQを出すとJG1OPH・奥積さんが「なんでそんな遠くにいるのー?」と目ざとく呼んできてくれて大助かり。奥積さんいつもありがとう・・。後は短時間のあいだで途切れずに呼ばれて密度の高い交信だ。佐野市は結構珍しいのかもしれない。最後に北関東のヤマランメンバーはいないか、と430メインで何度かメンバーをコールしてみたがダメだった。

さあこれで思い残すものはない。三毳山登頂と6m運用は達成! あっけなかった目的その2だったが成功裡のうちに終了(おおげさな!)。 大急ぎで撤収して車を停めた栃木花センターまで10分程度で駆け下りる。心配しながら戻ると丁度妻と子供も遊具広場から戻ってきたようで3人ともゴキゲンな顔をしている。子供たちが大喜びしたようであっという間だったらしい。ホッと肩をなでおろすも、こうして家族旅行ですら自分だけの用事を組み込んでしまう自分と、それに呆れ、慣れつつある家族の現状に申し訳なさを感じた。全部自分のまいた種である・・。

さて次は目的その3。今晩は温泉だ!がんばって塩原まで行くぞー。やっぱりこれこそが最大の目的なのだから。

(三毳神社−中岳−三毳の関−三毳山(竜ケ岳)−栃木花センター)


アマチュア無線運用の記録

三毳山 (みかもやま)
229m、栃木県佐野市
50MHzSSB運用、自作SSB/CWトランシーバ(出力4W)+ダイポール
7局交信、最長距離交信:横浜市緑区
低い山ながら展望はすばらしい。簡単に登れるので良いアンテナとそれなりの出力を用意すれば楽しめるかもしれない。
山頂は電波塔が邪魔だが植林もなく雰囲気は悪くない。まもなく完全な園地化がされるであろう事が寂しい。

Copyright:Y.Zushi 7M3LKF 2000/1/10


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