徒然日記 第五回   by 渡辺英樹



1995年8月12日
 アンビ夏の例会。参加者は英樹、睦夫、大矢、原科、早川、山田、啓一、長澤の8名。場所は栄のヴィータ・ローザ(イタリア料理)。余り覚えていないが、確かパソコンの話や「アポロ13」の話をしていたように思う。

8月19日
 朝8時に出発。途中渋滞のため10時に会場着。6年振りのSF大会参加である。11時よりオープニングのため、まずはファンジン売場に直行。既に牧さんや小浜さんが来ているのでしばし歓談。オープニングを見た後はしばらく売り子をする。さて、企画でも見に行こうかと思ったら、ほとんど見るべきものがない。取りあえず柴野コレクション大放出の部屋へ行きSFM創刊〜50号の入札に名を入れる(結局駄目だった)。SFアートギャラリーを覗き、出張鑑定団のTVロケを鑑賞。斉藤英一郎の出した手塚治虫の原画に百万円の値がついたり、とり・みきの出した小松左京の漫画の一ページに結構な値がついたりして、ほほうと感心する。夜は牧夫妻、岡本夫妻、藤元さん、浜田夫妻(このときは夫妻になる前)と食事。宿へ帰って寝る。

8月20日
 SF大会2日目。それにしても見るべき企画がない(笑)。ホントにないのである。仕方がないのでSF教職員組合などに参加してみるが、これは時間の無駄であった。と学会の部屋があって異様に盛り上がっている。蛸井さん、藤元さんとお茶をする。村上泉さんともお茶をするが、これはいつだったかな。大森夫妻、菊池久美子さん、蛸井さん、藤元さん、水鏡子先生とお昼を食べる。エンディングの前にファンジン大賞授賞式。「デカミルク」が研究部門で受賞したので、受け取りに行く。壇上で隣に座った堀晃さん(「ソリトン」の代表として登壇)から「名大は「パーセプトロン」以来ですか」などと話しかけられて驚く。星雲賞はまあ、あんなところでしょう。全体的にはこぢんまりとして無理のない大会と感じた。もう少しゲストを使ってもよかったのでは…って、自分がゲストだからあんまり文句も言えないね。

9月15日
 ふと思い立って豊田市にある「文庫やさん」という古本屋へ行ってみる。文庫に関する本で紹介記事を読んだのだ。日本唯一の文庫専門古本屋で、在庫20万冊だと言う。そんな日本唯一のものが豊田にあるとは本当だろうか。興味津々で出掛けたのだが、いや、これは本当に凄かった。三河豊田駅前のビルの2F。中へ入ると広い店内はとにかく文庫しかない。呆然としてしばし佇む。サンリオはあるにはあるが同じ本ばかり。ハヤカワ、創元は結構な量である。特に創元はここ一年苦労して集めた本がほとんどあるではないか。ここに最初から来ていれば…という田波さんがTT前々号に書いていたのと同じことを実感する。

10月1日
 随分前のSFマガジンにも紹介されていたデヴィッド・ブレアの「WAX」という映画が本人の講演つきで名古屋市美術館にて上映されたので見に行く。難解なストーリー、稚拙なカメラワークと典型的な自主制作映画ではあったが、ところどころハッとさせられる斬新な映像があり、十分楽しめた。教えて下さった長澤さん、どうもありがとうございました。

10月3日
 マーシャル・クレンショウのライヴ。クアトロにて。それにしても今年はジュールズ・シアーに続いてマーシャルまで来日してしまい、その手の人々にとっては素晴らしい年であったことでしょう。今回は大町さんに加えて添野さんも来名。啓一も来たため二次会はSFファンの例会と化す。肝心のライヴは代表曲をほぼ網羅した素晴らしいもの。ただ、私の一番のお気に入りMary Anneをやってくれなかったのが残念。よっぽど叫ぼうかと思っていたら、途中でDelilah!(これも名曲)と叫ぶ声あり。後から聞いたら添野さんでした。

10月15日
 啓一の家へ288モデムを売りに行く。ついでに取り付けを見守る出張サービス付き。IRQの設定がよくないのか、なかなかうまくつながらない。BIOSの設定を変えたりして何とか接続完了。ま、こういう苦労もDOS/Vの楽しみのうちである。啓一&奥さん、ピザをどうもありがとうございました。

11月3日
 京フェスである。家を8時ぐらいには出たのだが、高速はものすごい渋滞で結局着いたのは12時近く。既に初めの企画は終わっている。今回は翌日が仕事のため、自分の担当(復刊について創元の小浜さんとハヤカワの河野さんが語る企画の司会)が終わると、さっさと帰る。うーん、何しに行ったのだろう。

11月10日
 ヒューレットパッカードの低価格レーザープリンタLaserjet 5Lを5万円で購入。1200dpi相当でグラフィックがきれいに出るので嬉しくなってしまう。これがこの値段で買えるのだから技術の進歩は本当に怖ろしい。というわけで、今回からTTは印刷屋に出さずにそのままレーザープリンタによる出力です。ただし、B4未対応につき、平綴じになります。いささか安っぽくなるとは思いますが、コスト削減のため、よろしくお願いします。

11月12日
 原科の結婚式。パソコン通信で知り合った彼女とつきあっていると聞いたのが初夏だったから、とにかく早かったなあ。と思っていたら要するにこの日が新婦の誕生日でした。おめでとう。アンビからは大矢、英樹、睦夫が披露宴から、早川、啓一が二次会より参加。また落ち着いたら遊びに行くのでよろしく。

11月21日
 いつものように古本屋回りの途中、某店にてSFMの丸背を見つけ、レジへ持っていくついでに「もうこういうのはないですかねえ」と聞いたら倉庫に創刊号から二百号のセットがあると言う。ついクラクラっときて、一括で購入してしまう。これでついに完全揃いかと思われたのだが、何故か20号だけが欠けており、完璧ではなかった。315号と355号も無いので、後三冊だ。ま、これなら何とかなりそうだね。しかし、それに加えて実はSFM増刊として出ていた「ハヤカワ・ハイ」を揃えなければ、完全揃いにはならないのであった。コンプリートへの道はまだ遠い……。



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