タイトル 奥様は魔女
放映年 1964〜72年
放映話数 全254話
ダーリンという言葉を日本に定着させた(笑)アメリカの人気ホームドラマ。74話までがモノクロで放映された。主演のエリザベス・モンゴメリーのキュートさと、北浜晴子の声がぴったり。ダーリン役が途中で交代していたのも後年知った(声が同じだったから)

声の出演:北浜晴子、柳澤真一(ダーリン)、富田耕生、水城蘭子、浦野光ほか

サマンサ役のエリザベス・モンゴメリーさん。彼女の魅力が番組をヒットさせた要因

 この番組を見て、当時のアメリカと日本の豊かさの水準がいかに違うか実感した。何せ、部屋ほどもあるキッチンである。それも食器洗い機から、オーブン、巨大な冷蔵庫とすべてシステム化されている。タバサちゃんが産まれた後など、おむつのレンタル業者が来るのである。汚れたおむつを回収して、きれいなおむつを置いていく…紙おむつなどほとんどない時代にである…こんな仕事がアメリカにはあるんだ〜っと心底びっくりした。広い芝生の庭、お城のようなおうち、色とりどりの壁紙、洗練された家具…女の子なら憧れるような暮しがそこにあった。バービー人形の様な素敵なお洋服を着た、キュートなサマンサ。「こ、これがアメリカというものなのか…」と、ひどく日本的な我が家と見比べ、その差に愕然としたことを覚えている
 ここにあるのは古きよき時代のアメリカ。安全で、豊かで、のんびりとして…アメリカでも本作やルーシーショーはよく再放送されている。彼らもこれらの作品に描かれた<よきアメリカ>に憧憬を感じるのだろう。ミルウォーキー郊外の友人宅はまさにサマンサの家そのものだった。湖の側に建つ二階屋。裏手が林で、前庭は芝生。巨大なアメ車がガレージにどかんと置いてある。キッチンは広く、お部屋もそれぞれ趣向を凝らした作り。リスや水鳥がやって来て、のどかな風景が続く…ただし、それはこの住宅地の敷地内だけの話。一歩外へ出れば、そこには犯罪が待ちかまえている。夜、野球を観戦した後、たとえば神宮なら、青山辺りを散歩気分で歩くのも可能だろう。が、ミルウォーキーでは自殺行為だ。車やバス、タクシーで一目散に家路につく。サマンサの時代はどうだったのだろう。まあ、彼女の場合は襲われても大丈夫。なにせ、<奥様は魔女>なんだから