第一級殺人弁護 中嶋博行

〈裏表紙のコピー〉
自白をした被疑者がなぜ無罪に。
法は人を救えない。
若い弁護士の武器は金と勇気だけだった。
社会犯罪に挑むリーガル・サスペンス集。
「不法在留」…スネークヘッドに送り込まれた中国人密航者の最後の要求。
「措置入院」…精神医療をむしばむ最先端病院の犠牲者は。
「鑑定証拠」…DNA鑑定技術はエラーの陥穽に迷い込んだ。
「民事暴力」…銀行の不良債権は、巧妙なからくりから生じていた。
「犯罪被害」…異常殺人。救済されるべき被害者に、法は何が出来るのか。

〈書評〉
現役弁護士、中嶋博行氏の最新刊。
今回は、短編集。
主人公は、すべて若手弁護士、京森英二。
この主人公が、いわゆるヒーローではなく、 金にならない弁護はやりたくない、独立したての貧乏弁護士という設定なのがいい。
作者が弁護士だから、当然法律描写は詳しく、かつ役に立つ。
刑事裁判を舞台にした話が多いので、刑訴の勉強にもなるかも知れない。
それ以上に、こういう話はやはりやる気の喚起に役立つ。
短編だから、勉強の休憩時間にちょっと読めるのがいい。

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1999(c)Y.Hotta