Summicron 35mm f2 RF



伝説的に祭り上げられている8枚玉。M2タイプのとくにドイツ玉にはべらぼうな価格が付いているが、M3用の眼鏡付き、しかもカナダ玉だと比較的安価に入手ができる。事実、この玉は銀座のL社で8万円で買ったものだ。ところが確認もそこそこ(試写はしたけど)店を後にしたため、家に帰ってから眼鏡の歪みによる距離計のズレと中玉の曇りに気がついた。K-Repairさんと山崎光学さんのお手を煩わせ、今は完璧な・・・ハズ。
この8枚玉。神話の方が先行してしまい、過剰な期待を抱いてしまう人も多いと思うし、私自身もその一人ではあるが、とても使いこなしが難しい。被写体との距離、絞り、光線状態などで傑作も生まれれば、ただの駄作も量産する。カラーだとそれは顕著で、私のロットは比較的古いこともあり、色再現はかなり渋い。一方、モノクロで撮ると、「さすが8枚玉」と唸らされてしまうことも少なくない。
眼鏡付きは50mm枠を疑似的に35mmとして使用するわけだが、これは35mm枠付きのM6TTL0.85やM6HMでも有効で、外側一杯の35mm枠を確認するのに目をグルグル回す必要がなくなる。ただし、ファインダーに余計なレンズが何枚も重なるわけだから、クリアなM3のファインダーが幾分スポイルされることになる。
逆光には弱くフードは必須。私はかなりペイントの擦れたIROOAを使用している。きれいなIROOAが欲しいけれど、最近の値段は高すぎる。
作例は木村伊兵衛にならい、浅草雷門で撮ったもの。こうしたスナップはじつにライカらしい。