HIROSHIMA 太田川七つの流れ


デビット・ルパージュ『HIROSHIMA 太田川七つの流れ』☆☆☆☆(10/15,シアターコクーン)

 太田川は、エノラゲイが原爆投下の目標とした川。その太田川を訪れたアメリカ人記録写真家から流れ出した七つの物語。色々な国の色々な人の、精いっぱいの生活が淡々と描かれる。七つの支流は一つになり、物語はまた原爆の地、太田川へと舞い戻ってくる。(物語はまだ未完成で、5つのエピソードのみ)

 ルパージュの作品は、いつもしっくりこないのですが、この作品は評価せざるをえないです。日本家屋の屋根瓦に降りしきる雨の美しさを舞台でみたのは始めてのことです。複数のエピソードをこのようにつないでみせる、西洋人の文化の蓄積にはかないません。完成の暁にも是非見たい舞台です。

時かけ


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