トップページへ


ヴァードリー・ギター・リサイタル

Benjamin Verdery Guitar Recital

 
2001.9.21(金曜日)19:00 開演  

GGサロン



プログラム

プリンスの3つのナンバー
キッス、パープル・レイン、レッツ・ゴー・クレイジー

ヴァードリー編
チェロ組曲第6番BWV1012

J.S.バッハ作曲

ソエパ

マーシャル作曲

休憩


朱色の塔

アルベニス作曲

グラスハーモニカの為のアダージョ K540

モーツアルト作曲
サチャグラハ(日本初演)

ヴァードリー作曲
前奏曲と婚礼の踊り(日本初演)

ヴァードリー作曲
組曲<都市と街>より(日本初演)

ヴァードリー作曲

アンコール

ジミヘンドリックスナンバー
ミッドナイトマンゴー
カピトウラ他



てっきり正統派?クラシックギタリストだとばかり思って期待していたら、アコギはアコギだがどうも方向が違う・・。
最初から分かっていれば楽しみ方も違っていたのだが。とにもかくにも自分の予備知識の無さのせいもあってコンサート中に評価が大きく2転3転するという珍しいギタリストだった。

そういえばステージ上には普段なら決して見かけることの無いギターアンプやらクラシックには見えないギターが端の方に2台立てかけられていたり、ピアノ用の椅子が演奏者の椅子のすぐ脇に置かれていて、いつもと違うセッティングだった。演奏が始まって暫く経つまでその違和感がなんなのかすぐには気付かずにいたわけだが。

登場するなり満面の笑みで頭を大きく傾けて挨拶するお茶目なアメリカン。元気一杯で足台は使わずギターレストで指の跡が表面版に目立つスモールマンでいきなりロックナンバーを演奏し始めた。
最初は余興かと思って気にも留めなかったのだが続くバッハで・・・?てなことになる。

彼のテクニックの特徴は右手でスケールはpiを多用していた。高音弦でハイポジションになるとようやくimが登場する。
ギターをピックで弾いているようなタッチ。またゆったりとした箇所では右指を弦に深めに指頭でタッチし甘い音をつむぎだす。特別テクニシャンではないが、身体の割に繊細な音を出していた。

ソエパとは忍耐を意味する言葉らしい。ギターをアコギに持ち替えアンプを使ってディレイを利かし多重録音のような効果を狙って作曲された作品。ややチューニングが甘くカノンのようなメロディーが調子外れに聞こえてしまった。
アルベニスは雑な演奏にも聴こえたが本人は全く意に介さない。
自作曲の評価はあえて避けるが、カピトウラのようにジョンが二重奏で録音しているような知られた曲はそれなりに楽しめた。アンコールの最後に演奏されたおもちゃのサッカーボール2個を使った一種のパフォーマンス等は大いに聴衆を楽しませてくれた。
ただここから先は個人の趣味になるが正直言ってこうした曲ばかりだとやや飽きを感じてしまう。特別ビルトオーゾでもなく似たような曲が続いたせいだろうか。最初からこういう演奏をする人だと分かっていたらそれなりに楽しめたのかもしれない。事前のポスターやパンフレットのイメージとの乖離が大きいギタリストであり、コンサートであったと思う。